神よ賛えよ、我今来たる ─ウマ娘プリティーダービー─   作:嵐牛

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第6話

 にこやかに挨拶した途端、学園中枢の手によって新入り(予定)がまさかの御用。

 危険因子の排除以外の何かの感情を多分に含んだ強引な拘束の下敷きになり、マツカゼはぎゃふんと古いリアクションと共に目を回していた。

 

     ◆

 

 

 「所属は北海道の松橋訓練学校、学年は高等部。間違いはないな?」

 

 「本当だよう。嘘なんて吐いてないよう」

 

 「やかましい。嘘八百で学園中逃げ回った奴がデタラメを抜かすな」

 

 それからマツカゼは直ちに生徒会室に連行された。生徒会副会長2人の尋問を受け、ロープでぐるぐる巻きにされたマツカゼがしょんぼりと項垂れている。

 そして色々と説明を必要としていた《スピカ》もそこに同行し、シンボリルドルフから事の仔細を聞かされていた。

 マツカゼがこの学園の生徒ではないと知ったトレーナーがガックリと肩を落とす。

 

 「嘘だろぉ〜? せっかく大物連れてきたと思ったのにそりゃ無いぜ・・・・・・」

 

 「うう、悪かったよう。許しておくれよう。何でも許しておくれよう」

 

 「貴様この後に及んでなんだその図太さは!?」

 

 「マックイーンちゃんが何でもするから許しておくれよう・・・・・・」

 

 「私が背負わなければなりませんの!?」

 

 「しょーがねーなー。そこまで言うなら利き腕は封印しといてやるよ」

 

 「私の権利が謎のハンデに変わってしまいましたわ!?!?」

 

 マツカゼの小ボケに雑に乗っかるゴールドシップ。

 マックイーンの悲鳴もあって尋問の様子も随分と騒がしくなってきたが、シンボリルドルフが一歩前に出るとその喧騒も止まった。

 高級そうなカーペットを踏んで自分の前に立つ彼女を、マツカゼは正座させられたまま見上げた。

 

 「やあ、マツカゼ。随分と楽しんでいたみたいだな?」

 

 「楽しかったねえ。みんな真っ直ぐでいい子たちばっかりだあ」

 

 「評価は上々といった所かな。何の目的で来たのかも聞きたいのだが─────ところで、()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 パキリ、とその場の空気が変わる。

 

 

 「ここは遊びの場ではないし、ましてや笑う場面でもない。制服まで用意して潜入するのは相当に悪質な行為だという事は語るまでもないはずだ。善悪の区別を付けた上でまだ白い歯を見せるというのなら私は守るべき生徒たちの長として、君を排除するべき敵と見なそう」

 

 この生徒会室は薄氷である。

 一言発せばヒビが入り、一歩踏み出せば底まで落ちる。そこに立つ者たちに出来るのはただ細心の注意を払い、動かず、発さず、辛うじて今いる場所に立ち続ける事だけ。

 ただし違う点はこの部屋を薄氷に変えているのは他ならない彼女で、誰を落とすも彼女の胸ひとつだという事。

 その威光のみで誰もが屈する。

 罪人を裁くこの場の支配者たる『皇帝』シンボリルドルフは、圧し潰すような眼差しで眼下のマツカゼを見下ろした。

 

 「ここは温かな遊び場ではない。挑まない者が立ち入るな。───あまり中央を無礼(なめ)るなよ」

 

 

 「舐める訳がないねえ」

 

 

 あまりにも、あっさり。

 かつて地方から来た『怪物』に向けられた、その対象ではない付き添いのウマ娘すら腰を抜かした圧力に、マツカゼはあまりにもあっさりと切り返した。

 神威とすら言うべきルドルフの威圧をそよ風のように受け止め彼女は立ち上がる。

 

 「競走バの歴史は中央の歴史、中央の歴史は淘汰の歴史。名も残らねえ()()()()を何千何万と埋め立てた金鍍金(めっき)の焼け野原だ。

 ちっとでもその現実を知ってる奴が、ヘラヘラ笑ってここに踏み入るとでも思ってんのかい」

 

 表情は歪まない。声も荒げない。

 所詮口だけで済ますつもりならば力む必要などないと言わんばかりに。

 それはまるで嵐の中にあっても、ただ在るだけで揺らがない泰山が如き静けさで─────

 

 「排除するってんなら動かすべきは口じゃなくてその脚だろうよ。

 挑まない者が立ち入るな?

 あたしは見ての通りねえ───

 ──────()()()()()()()()()()()

 

 明確な敵意を顕にする皇帝に対して、マツカゼは平然と宣戦布告を口にした。

 音もなく爆ぜるこの空気の震源が、絶対王者と囚われの侵入者であるなどと誰が信じられるだろう。

 穏やかで気さくな顔こそ彼女であると認識していたスカーレットたちの喉がジリジリと干上がっていく。

 細く目を研ぐルドルフと、欠片の揺らぎも見えないマツカゼ。

 両者共に最初から退く気などないという事実が先の見えない結末に対する不安を加速度的に増大させていく、その時だった。

 

 「制止ッ。試すのはその程度で良いだろう」

 

 ぎい、と生徒会室の扉が開いた。

 破れんばかりに張り詰めた空気に割り込んだのは、白い帽子に猫を乗せた少女と緑色のスーツを纏った女性。

 彼女らの姿を見たルドルフはマツカゼから少女の方へと向き直り、そして深々と頭を下げた。

 

 「戻られて早々に申し訳ありません。我々生徒会のみでの事態の収拾は叶いませんでした」

 

 「不問ッ! 治安維持に対する皆の尽力、心より感謝する!」

 

 小さな胸を大きく張り、少女は尊大な口調でルドルフたちを労った。

 明らかにルドルフよりも、というかこの場にいる誰よりも歳が幼いが、ルドルフが敬語で頭を下げる者などこの学園には目の前の2人しかいない。

 少女はルドルフのつむじから視線を外し、ロープでぐるぐる巻にされた鹿毛のウマ娘を見る。

 

 「話に聞く『マツカゼ』とは君だろうか?」

 

 「そうだねえ。そちらは?」

 

 「うむ! 何を隠そう、この私こそが─────トレセン学園理事長、秋川やよいであるッッ!!」

 

 声や表情も全てが自信に満ち溢れた所作で彼女はそう名乗る。

 理事長、つまり学園そのものを統括する立場。場の支配者はこの時を以て白い帽子の少女、秋川やよいへと移った。

 言葉と共に広げられた扇子には、なぜか『歓迎』の筆文字がデカデカと達筆で書かれていた。

 

 

 「さて。我が校の制服の入手経路など君に聞きたい事は多々あるが・・・・・・」

 

 やよいは思案するように目を閉じ、口元に扇子を当てる。

 

 「単刀直入に聞く! マツカゼ、この学園に侵入した目的を答えてほしい!」

 

 ビシッ、と閉じた扇子でマツカゼを指す秋川やよいに対して、彼女はやはり平然と答えた。

 

 「難しい事ぁ何もないよう。今に名高い『皇帝』の走りに、あたしの脚をぶつけたいんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 まあその前に捕まっちゃったけど、と。

 あまりにも横車上等の物言いにほぼ全員が絶句した。

 あくまでも向こう側が乗った(てい)にしようとしている辺り(たち)が悪い。もしあそこで捕まっていなかったら、彼女は一体どんな殴り込み方をしたのだろう。

 目論見が失敗して詰問を受ける囚われの身でありながらここまで開き直れるその精神の太さには感動すら覚えてしまう。

 

 「ふむ。無論そちらの学校には事の仔細を話さなければならないが」

 

 そのあっけらかんとした態度を前に、やよいは目を閉じて広げた扇子で口を隠す。

 何かを真剣に考え込んでいる様子だ。

 しかし隣に立つ緑色の女性は───駿川たづなは知っている。

 扇子で隠されたその口元は楽しそうに笑っていることを。

 トレセン学園理事長のその仕草は、何か面白い事を考えついた時のものであることを。

 そしてその直後。

 彼女の予想に違わぬ、そして予想以上にぶっ飛んだ決定を、秋川やよいは満面の笑みで下してしまった。

 

 「許可ッ!! 我が校に対する挑戦状、しかと受け取った! 全ての生徒のトレーニングが終わった後、一時的にグラウンドの使用を許可する!!」

 

 当たり前だが、全員が仰天した。

 望みが叶ったはずのマツカゼすらも「ふへえ」とよく分からない声を出す。

 これに慌てたのはいつも彼女の暴走を止める、そして4割5割は失敗する駿川たづなだ。

 

 「理事長!? それは────」

 

 「窃盗や盗撮、その他悪事を働いた報告は無し! そして歌唱力においては生徒たちに新たな風を吹き込み、ニンジン農園では草むしりを手伝っていたと聞く! それを踏まえての判断だっ!」

 

 「サンドバッグを破壊したという報告も上がっておりますが・・・・・・」

 

 「必定ッ! トレーニング器具とはいつか壊れるもの! それがたまたま彼女が使った時に発生したというだけである! それに何より───」

 

 秋川やよいは溜めるように息を吸い込んだ。

 そして、言い切る。

 

 「───豪胆ッ! 敵地に単身で乗り込み、捕らえられてなお揺らがぬその意気や良し! そんな挑戦者を果たし状を受け入れる度量もまた、日本一の座に立つ我々の矜持である!!」

 

 ぱんっ!と勢いよく開かれる扇子。

 その面には『天晴(あっぱれ)』の2文字が大きく筆文字で書かれていた。何故だろう、さっきまでは『歓迎』と書かれていたはずなのに。

 下された判断はメチャクチャに聞こえる。

 しかし彼女の采配はいつだって大きな熱の()()()を呼び込むことを、彼女に近い場所にいる者は知っている。

 そんなどんでん返しの決定を受けたマツカゼは、一瞬だけ頬を吊り上げた。視聴覚室でルドルフのレースを見た時の笑みだ。

 マツカゼは刹那の間だけ浮かべた(かお)を消して、再びさっきまでのあっけらかんとした笑い顔に戻る。

 

 「いやあ、流石は理事長様だねえ。日本一のこの学園を束ねるお人ならあたしの挑戦を受けてくれるって信じてたよお。という訳であたしが会長さんと走る事に文句はないよねえ?」

 

 「え!?」

 

 「そうそう、あたしウオッカちゃんにスカーレットちゃんとも併走の約束しててねえ。折角だからもっと人数集めてレースにしちゃおうか。という訳で他の娘にも声かけとくねえ」

 

 「は!?!?」

 

 「ほらほら、急がないと遅くなっちゃうよう。あたし着替えてくるから準備よろしく。それじゃあ会長さん、また後でグラウンドでねえ」

 

 「はぁぁああ!?!? 腑に落ちん! 何故私たちがヤツに指図をされている!?」

 

 「理事長!? 本当にあれに許可を出して良かったのですか理事長!?!?」

 

 「・・・・・・・・・・・・無論ッ!! 二言はないっ!!」

 

 んじゃよろしくう、とロープも解かないまま生徒会から去っていくマツカゼの背を指差して叫ぶエアグルーヴにも秋川やよいの決定は変わらない。

 しかし手元にある開きかけの扇子からは、『審議』の2文字がチラチラと見え隠れしているのであった。

 

 

     ◆

 

 

 「全く・・・・・・理事長も遊びが過ぎるわね」

 

 実際のレース場と全く同じように作られたトレーニング用のコースを見下ろす観客席で、パンツスーツの女性トレーナーが眉間に指を当ててぼやく。

 

 「学生とはいえ、侵入者相手にこの対応。スターティングゲートまで引っ張り出して・・・・・・こんな前例を作ったと知れたら、今後それがどんな風に利用されるか分かったものじゃないわ」

 

 「ま、そいつはたづなさんがどうにかするだろ? せっかくの計らいだ、俺たちはありがたくあの娘の実力を見させてもらおうぜ」

 

 とはいえ・・・・・・、と女性トレーナーの隣に座る男性トレーナーの目には、色濃い困惑が浮かんでいる。

 今から出走するのは挑まれたシンボリルドルフと、約束のあったウオッカとダイワスカーレット───だけではない。

 会長が走るならと自ら参加を表明したトウカイテイオーに、面白そうだからと参加したゴールドシップ。

 そしてライスシャワーにフジキセキ、さらに何故かサクラバクシンオーもそこにいる。

 そこに加えて、昼間の例のトレーニングのシーンを見ていたその他実力のあるウマ娘たち。

 まだここにいないマツカゼを含めて、総勢18名。

 錚々(そうそう)たる面子がそこにいた。

 

 「よくここまで集まったなぁ。今から走るのって距離2,400の芝だろ? 日本ダービーが始まるって言われても違和感ねえ顔触れじゃねえか・・・・・・バクシンオーを除いて・・・・・・」

 

 「ここまで随分と注目を集めていたみたいね。マツカゼ、といったかしら。地方の娘では実力を見るどころか入着すら不可能なメンバーだけど、貴方から見て彼女はどうだったの?」

 

 「超一級品だ。それは間違いない」

 

 口の中の飴を弄びつつ男性トレーナーは断言する。

 

 「けど判るのは素質だけだ。どんな走りをしてどんな経験をしてきたか、それを活かすことができるのかどうかは実際に見なきゃ分からないな」

 

 「当然の話ね」

 

 「そりゃそうだろ」

 

 荒れそうだな、と男性トレーナーは空を見上げる。

 まるでこのレースの予想と波乱を示唆するかのように、夏の夕暮れ時の空を厚い雲が覆い隠していた。

 

 

 「会長。よろしかったのですか?」

 

 曇天に覆われたレース場の上、シンボリルドルフのウォームアップ後のストレッチを手伝っていたエアグルーヴがそう問いかけた。

 

 「確かに理事長はマツカゼの挑戦状を許可しましたが、そもそも応じる必要があったかは疑問です。今となっては進言のしようもありませんが、無法を道理で突き放すのも組織の勤めであったかと」

 

 「ふふ。いつになく不満そうだな、エアグルーヴ」

 

 「当然です。奴のせいであらゆる業務を放置せねばならなかったばかりか、それ以降のスケジュールまでこうして狂わされたのですから。後片付けにだけは何としても参加させるべきです」

 

 「そうだな。()(こう)矩歩(くほ)、君の抱く感情は正しい。・・・・・・しかしマツカゼはあの在り方のまま自らを理事長に認めさせ、そしてここまでのメンバーが名乗りを上げる程に注目を集めた」

 

 「・・・・・・・・・・・・、」

 

 エアグルーヴは沈黙した。

 最初から最後まで好き勝手やられている腹立たしさで考えが及んでいなかったが、まるで周囲が彼女の望みを叶えるように動いているようなここまでの経緯の特異さにそこで気付かされたのだ。

 ルドルフの言葉をさらに裏付けるように、コースの観客席には噂を聞きつけた生徒たちがガヤガヤと詰めかけている。

 豪華なメンバーが集まったこともあるだろうが、何よりも学園中を遊び回り多くに顔が割れているマツカゼが呼び込んだ話題性だろう。

 

 「従えるカリスマとも引きつける求心力とも違う。まるで全てを自分に巻き込んでしまうような、彼女にあるのはそんな力なのではないか。私はそう考えているんだ」

 

 「彼女もまた、次代を担う素質のあるウマ娘であると? 会長はそれを試すために理事長の許可を承諾したのですか?」

 

 「そうだ、と言い切りたいところだが・・・・・・実を言うとな、私自身が彼女に興味が尽きないんだ。

 彼女の話は聞いただろう? 尋常ではない重量の蹄鉄を履いたまま、訓練用タイヤを歌いながら徒歩で引き摺ったという目撃談を」

 

 「はい。大勢の者が同じ証言をしていますので事実なのでしょう。(にわか)には信じがたい話ですが・・・・・・」

 

 そこで気がつく。

 ()()。ストレッチをしているシンボリルドルフが熱を帯びている。

 あの『皇帝』が昂っているのだ。

 会話をしているのに相手の方を見ないのは、自分がいま見せられないような表情をしている自覚があるからなのか。

 稲妻が走るような鋭い空気を迸らせ、ルドルフは腹の底の熱を口から僅かに吐き出した。

 

 「エアグルーヴ。私は楽しみで仕方ない。神色自若の精神に加えて剛強無双の片鱗。今まで出会った事のない未知数を、()()()()()()()()()()()・・・・・・!」

 

 

 「やあやあ、待たせたねえ」

 

 

 そして彼女の声がした。

 とうとう舞台に上がってきた挑戦者に全員が目を向け、そして全員が一様にポカンと口を開ける。

 そんな彼女らをぐるりと見渡したマツカゼは少しだけ残念そうな顔で眉を曲げた。

 

 「ありゃ、みんな運動着かい! 綺麗に着飾った綺麗な娘たちが拝めると思ったんだけどねえ」

 

 「当たり前だろう。・・・・・・というか、貴様こそなんだ。その格好は」

 

 「ん、これかい? ()()()()()()()()()

 

 そう言ってマツカゼはひらひらと袖を揺らす。

 

 ────彼女の勝負服は一言で言えば、紋付袴(もんつきはかま)のようなデザインだった。

 深紅に染められた長着に、(たけ)を膝の半ばで切り落とされた袴。そこから露出した脚を覆うブーツには、紐や(びょう)が飾るように打ち込まれている。

 腰に巻かれているのは太い注連縄(しめなわ)の装飾。

 右肩から掛けた幅広の、赤に縁取られた黒色の(たすき)に施された5つの大きな金色の星が目を引いた。

 しかし、最も目立つのは彼女の纏う羽織(はおり)だ。

 彼女が袖を通している黒染の羽織は火の燃える如きの雲模様が描かれ、その背中には日輪を背に蓮華座に坐す御仏(みほとけ)の姿が描かれている。

 

 服に描かれた星や雲、御仏。繊細な色味のそれらは全て繊細な刺繍で描かれている。

 1人につき1着の一点物の勝負服の中でも、まずお目にかかった事のないような豪奢な装いだった。

 感心を通り越して逆に戸惑いを感じさせるそのデザインに、ダイワスカーレットが懐疑的な眼差しでマツカゼににじり寄る。

 

 「・・・・・・勝負服? えっと、確かに素晴らしい衣装だと思うんですがその、そのデザイン規定守ってますか? どこのメーカーですか?」

 

 「何言ってんだい本物だよ。ほれ」

 

 「え・・・・・・、うわっ、老舗の専門メーカーじゃないですか!? こんな方向性の勝負服デザインしてましたっけ!?」

 

 裏地に記されたブランドを見たスカーレットの驚愕の叫びに、同じような疑問を抱いていたウマ娘たちが一斉に群がった。

 レースという闘争が常であるとはいえ年頃の少女、服飾に対する興味は高い。(かしま)しい声に揉まれて笑っているマツカゼの輪から離れた場所で、しかしルドルフは1つの疑念を抱いていた。

 

 (・・・・・・()()()()()()()()()()()?)




 次回。
 マツカゼ、ゲートイン。
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