インキャソロハンター   作:カルガモ大将

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添削とかしてないし短いけど長いこと空いたからあげとく。



12 休息

どうやら最近、飛行船が墜落する事故が各地で多発しているらしい。オマケに、海では生態系の乱れや、沿岸部では謎の粘液が発見されたりと、凶兆の確認ができる。

 

これはつまり……そういうことだよな。

 

ということで、表向きは龍歴院への定期報告という形でベルナ村へ行くことになった。

 

あ、そうそう。実は龍歴院所属なんですよ〜。所属というよりは、派遣の方が近いかもしれないが。

 

ロックラックから龍歴院へ派遣されるという形だ。各地のギルドごとに色々と面倒な縛りがあるが、龍歴院所属ってことにしておけば大体免除されるのが最高の利点だ。まあ、メインの目的は獰猛化したモンスターの調査だから、なるべく捕獲、あるいは調査結果を送ることがいいのだが。

いやぁ面倒面倒。やってらんねえ。

 

まあとにかく、ベルナ村へレッツゴー。

 

 

 

……バルファルクに襲われたりはしないよな?

 

 

 

 

 

 

高原特有の澄んで冷えた心地の良い空気が染み渡る。なんてことはない。ここベルナ村の特産はムーファというヤギのような生物だが、こいつらがいるからとても臭い。もう臭い。獣臭い。うんこが臭い。臭い。アプトノスもそうだが、こいつだって結局同じだ。獣臭くない街なんて、ドンドルマみたいな大都市ぐらいだ。村はどこも基本臭い。

 

まあそれでも、ここベルナ村の空気は他の場所と比べれば比較的マシだが。火山の近くの町はおっさんの加齢臭と汗と炭やら燃え盛る炎の匂いがブレンドされて鼻が麻痺する。孤島付近の海上の村は村で、魚の生臭さがキツイ。ポッケ村のような北国は北国で、結局は家畜やらのせいで臭い。温泉が沸いていれば硫黄の匂いでキツイ。

ベルナ村は風通しがいいからまあマシだ。

 

ところで、ベルナ村は謎が多すぎる。

謎の建造物に、それを調べる研究組織。なぜか異常な程発達した飛行船の技術。大きな街と言えばドンドルマやミナガルデ、ロックラックだが、ここは飛行船の技術に関してはそれらと同等あるいはそれ以上の技術を持つ。いやほんと謎。立地的に他は陸路が主だった手段となる関係上空には手を出しにくいというのも分かるが、かといってこんな何もない場所で大きな街より一歩二歩超えるような技術があるのはなぜなのか。やはりあれか? 古代文明の遺産とかなのか?

 

まあいいや。俺には関係のないことだ。便利で助かる。それだけでいい。

 

さぁて、主人公ポジの子はいるのかな。どうかな。居たらお近づきに……いや、やっぱいいや。G級をソロで周回するような化け物だろ。そんなの命が幾つあっても足りるわけが無い。ハハハ。実質上位ハンターのボクは身の程を弁えておりますとも、ええ。

 

で、もう2年ぐらいベルナ村と行ったり来たりしてるけど、オストガロア君どこ?

主人公君どこ?

おらんのだが?

ま、まあ許したる。今日のメインはオストガロアじゃないしな。いたって俺に倒せるような奴じゃないし。主人公に全部任せる為に手を回したかっただけだし。

 

今日の目的はシメジの収穫だ。下位ハンターにさせる仕事だよねこれ?なんでG級のハンターがやらないといけないんですか?(至極真っ当な疑問)

 

まあこれには理由がある。実は僕、G級ハンターなんですよね。G級ハンターっていうのは限られた存在しか達することが出来ない階級でして、つまり僕はその一握りの存在なんですよね。ええ、つまりですね、G級ハンターがこんな依頼をやるのはおかしいんですよ。ですが、誰かに頼まれて、という形ならば別。隠してある目的としては、『オストガロアの撃退もしくは討伐』なんですよね。G級に上がるには実績が足りないような気もしたが、オストガロアと相対して生存した。また、情報も持ち帰ったとなれば、まあ、そりゃあ、行かないとダメですよね。

いやーガンナーにはキツいっす。それどころか、実質上位ハンターなんで無理ですね、ええ。いやあ僕もうこれから起こるであろうことに対して大いに戦慄ですね。ええ。

 

今のところ俺が一番乗りだから採取ツアーをしているが、人が集まればオストガロア討伐に乗り出すだろう。主人公もいるんだろうなあ。嫌だなあ。

 

いやほんと、なんで古龍を相手にしないといけないんだ。

オストガロア討伐について行ったって、役に立たんぞ。ガンナーだぞ。お前らみたいなキチガイ性能じゃないんだから無理だって。

 

どっかのタイミングで主人公くんに会って、全部任せたい。お前ならソロでもいけるだろ。頼むから全部やってくれ。だってほら、主人公なんだから、余裕だろ? 頼むよ。

 

 

 

 

 

 

いくら空の交通網が拓かれたからと言って、時間短縮に直結するわけではないのが苦しいところ。空を主としたモンスターはそれなりにいるし、天候にも左右される。

 

「……あったけえなあ」

 

ムーファの毛皮ふかふかもこもこ。陽の光は暖かい。風が澄んでいて心地いい。ああ、1日こうしてダラダラ過ごすの気持ちいい。久しぶりの休暇だ。いや休暇ではないが、実質休暇だ。

 

嬉しいけど嬉しくはない。常に命の危機に瀕していると、なにか、大事なものが削られていく。俺はそれを知識として知っている。だが、実感はできていない。もしかしたら、削られた結果わからなくなってしまったのかもしれない。だが、そうしないと生き残れない。いつ死ぬかわからない暴風雨の中の綱渡りを続けなければいけない。そうでないと、俺のような凡人は生き残れない。この平和ボケ期間は、間違いなく、俺の判断を、感覚を、感性を、直感を、生存能力を、閃きを鈍らせる。

でも、流石に疲れているんだ。動きたくない。ランナーズハイってのは、走り続けているから苦しみから逃れられるんだ。苦痛が快楽に変わっているんだ。苦痛を快楽に変えなければ死んでしまうからだ。今の俺は、束の間の休息で感覚が正常に戻りつつある。異常であることが正常な世界で、正常という異常に近づいてきている。間違いなく。オストガロアを相手に、死ぬかもしれない。でも、もう、疲れた。自分には到底無理なクエストだ。ギルドも、間違いなく情報だけが必要で、俺というハンターは必要としてはいないだろう。キャンプに残っていてもいいかな。ダメだよなあ。たぶん死ぬよなあ。死ぬかあ。

 

「……終わり、か」

 

実感が湧かない。

たぶん死ぬ。

間違いなく、普通にやれば死ぬ。

足手まといだから死ぬ。

は? たまたま剣士の才能がなかっただけであって、俺に剣士の才能があったらゲームの時みたいに余裕なんだが? お前らみたいなZ戦士と違ってガンナーとかいう縛りプレイでここまで上がった時点で俺の才能と感性と技量も知識量も当然俺の方が上なんだが?

負けてないが?

絶対ギルドの上層部に吠え面かかせてやる。

なんか腹立ってきた。

絶対生き残って帰ってきて、ボイコットしてやる。

 

さて、どうやって生き残ろうか。

たぶん、オストガロアを相手にするなら、まあ、他に3人は居るだろう。居るのか分からないが確実に居る筈である主人公で枠を一つ使ったとして、残りは2つ。誰が来るのか。どの程度情報が出回っているのかが判断できないのが痛いな。

過去に戦ったのか、それとも、初めてなのか。

いやあまあG級呼ぶぐらいだから一度戦ったよなあ。

じゃあ、俺の立ち回りとしてはどうするか。あいつは粘液を飛ばしてくるのと、あとは、そう、口臭がヤバいんだ。口臭ってか、瘴気っていうか、まあ、そんな感じのアレだ。剣士は近づいたらあのモヤにやられる。

ではガンナーに何が出来るのか。あいつは骨を触腕に纏わせているが、通常弾ではあまり効果がないだろう。あれだけ大量の骨を積み上げ、攻撃と防御を兼ね備えた鎧であり兵装として用いている以上、防腐だとか、コーティングだとか、そういう効果を付与されているのだろう。通常弾は効果が薄いか? なら貫通弾か? いや無尽蔵の骨を相手にチマチマやるのは無駄だ。散弾は論外。属性弾は面倒だ。となるとやはり、ATMでお世話になった拡散祭りがやはり一番向いているのか。だが、拡散弾は持ち込みも調合も何から何まで面倒すぎる。他にハンターがいる中で使うのも邪魔だ。迷惑でしかない。徹甲榴弾ならある程度細かく出来るが、うーん。

あれ? 俺に出来ることなくね?

 

そもそもミツネ砲で来てる時点でやる気もクソも無いんだが。

背中の弱点狙って貫通弾を使ったところで、なあ。位置が悪いから当たらないだろ。

 

 

 

 

 

 

今日も今日とてムーファと戯れてたらヤベー奴に絡まれてしまった。

 

「あんた、何してるのよ」

 

何って言われても。見て分からんのか? 

本当に? 

この格好を見ても分からんのか?

ムーファ吸いだよ。

ムーファにまたがって全力でhshsしているのが分からんのか?

胸いっぱいにこの獣くさい生物のカホリを、肺に染み込ませているんだぞ? ニコチンと同じだぞ? 圧倒的に身体に悪いぞ? でもやめられないんだぞ?

 

「……はぁ。こんなのと一緒とか、先が思いやられるわね」

 

ん? お前もしかして。

 

喫ムーファをやめ、降りる。

 

「……ふーん。まあ、足は引っ張らないことね」

 

頭から爪先までサラッと確認しただけで去って行きよった。

ふっ、だが俺も負けてはいないぞ。

黄色と橙の混ざったブラキ装備で、声と立ち振る舞いからして女だが、頭はブラキのリーゼントを模した様な西洋騎士風の兜で目元まで隠れていて口は出ている。腰・脚周りも、女装備でよく見るスカートタイプではなく、男でよく見る普通の鎧の様だった。

だが、足首や腰の辺りは動きやすさ重視なのか装甲が薄くなっていた。

去り際に見せた背中にはブラキ弓が担がれていた。

つまりお前、G級臨界ブラキを倒して尚且つオーダーメイドな特注装備を作れるだけのヤベーやつじゃん。

え、こわ。

ヤベー奴じゃん。

 

いや俺も臨界ブラキのなり損ないとかいう実質G級を4人とはいえ実質1人で倒したので負けてないです。

負けてないが?

俺も臨界ブラキぐらい倒してるんだが?

バカにされてるガンナーで倒しているんだが?

弓よりも下の地位のボウガンそれもライトボウガンで倒してるんだが?

 

あんまり強い装備で身を固めてイキるなよ……噛ませに見えるぞ?

 

……防具、流石に上位装備じゃオストガロア相手にキツイよな。

 

どうしよ。

 

どうしよったってこれしかねえんだけど。

 

いやほんと脳死でミツネ砲にいつもの装備だけど、無理ゲーでは?

 

いや待て。まさか。

今どれくらい時間が経っている?

臨界ブラキを倒して3ヶ月程度かそこらでベルナ村に来たが、それからどれくらい時間が経った? 今は、ええと、1ヶ月か? つまり、ブラキを倒してから計4ヶ月か?

 

……いや、まさか。

 

これは、もしかしたら、もしかしたりするかもしれん。いやでも期待のし過ぎは良くないしなあ。

 

「センパーイ!」

 

ん? いや聞き間違いのはずだ。

 

「センパーイ!」

 

なんか近づいてきてね?

 

「おい〜っす! センパーイ!」

 

いや間違いない。来てる。

ガチャガチャ音を立てながら来てる。台車になんか乗せてる音だなこれ。

 

「センパーイ! お久しぶりっすね!」

 

50メートルは離れたところから大声で会話のキャッチボールを試みてきやがった。いやもっと近づいてからでいいだろ。

 

「新しい装備っすよ〜! 親方と一緒にとんでもねえもんつくっちまったす! でも元となった設計図はセンパイのっすからね!」

 

うわぁ。ギルドも賢いんだかバカなんだかわかんねえ。まさかの選択肢でやってきやがった。

 

「こいつはすげえっすよ! ショウグンギザミとかボルボロスとか、グラビモスみたいな奴に特に有効っすよ!」

 

あいつらもあいつらだ。新しく武器を作るなんてことはしなかったっぽいな。なんか意図を感じるな。手のひらの上で踊らされている様な、そんな、なんとも言えない嫌な感じがする。

 

まあ、とにかく、生存確率が上がるならそれでいい。

 

「名付けて、欠落金剛装備っす!」

 

縁起悪そう。クレイジーダイヤモンド砕けてはいないけどヒビ入って欠け落ちてるじゃん。不穏すぎる。

 

ダイヤモンドはな、トンカチで叩くと砕けるんやぞ。圧には強くても衝撃には弱いんや。

 

いや、まあ、ありがたく貰っとくけどさあ。

 

「ボウガンと、防具っすよ。弾はギルド指定の通常弾を持ってきたっす」

 

「……そうか」

 

俺特製のは無いよな。そらそうだ。

 

「でも、あの機能を実装したから大丈夫なはずっすよ」

 

俺のどんよりとした空気を察知したのか、フォローする様に情報が飛んできた。

 

「できたのか。あれが? 本当に?」

 

「いやあ。難しかったっすけど、できたっすよ。親方にちゃんと感謝するんすよ」

 

だからほら、これ、と続けて、例のアレと機構の解説をされる。

 

「本当に……本当なんだな。夢では無い。本当に、実現させたのか」

 

「うっす。ま、代わりに色々素材使ったんで、後で確認しといて欲しいっす」

 

あっ。

 

「じゃ、詳しい話はロックラックで!」

 

それだけ言い残して、去っていってしまった。

 

「……やられた」

 

俺の秘蔵の素材達を、いくらか持ってかれたな、これ。

あー……帳消しだろうし、それを考えたら許せ……いやぁ惜しいな。ぐぐぐぐぐ……頷くしかねえ。




骸纏う竜
骸なら爆破属性が効くやん
→弓使い(臨界ブラキ一式の爆破属性)
→爆破ボウガン(上位だが丁度ブラキ倒したしブラキ装備でいいか)
→まだ合流してない
→まだ合流してない

これはギルドの英断。
時系列的にはオストガロア撃退済み。
まだ骨だと思ってる。触腕ぐらいは気づいているかもしれない。


新装備の性能はゲーム的にはたぶんG2ぐらい。リオレイアぐらいの立ち位置。
まあ悪くは無いよなあぐらいだと思う。これでG級古龍クラス相手はちょっと苦しいけどスキル揃ってたらまあやれるよなあ、みたいな。
スキルなんてないからキツいんだけどね。

次は……創作の原動力がストレスなので、いい具合にストレスが溜まって尚且つ昇華できる様な上質なストレスなら早めにできる。

エルデンリングに逃げます対戦ありがとうございました。
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