インキャソロハンター   作:カルガモ大将

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おまたせ。短いけどいいかな?
むしろ日刊で原作モンハンを見つけて「そう言えば俺も書いてたんだった」って思い出して書き始めたんだから褒めて。感想欄で全然関係ないこと話すのは規約違反だから褒めるな。取り敢えず今、日刊になってるやつをエタらせない為に囲め囲め。逃すな。俺まだ読んでないから面白いのか知らんけど。


15 G級ハンターの価値

 

 

2週間ぶりに、ボウガン志望の女の子を見かけた。俺の指定席である端の暗い席で、姿勢を正して座っていた。事情を察してしまった。今日もクエストに向かう予定だったが、まあ、少しぐらいなら話を聞いてもいいだろう。

不思議なことにお節介を焼く気持ちになっていて、自然と足が向いていた。

 

「……どうした」

 

正面に座り、声をかける。

 

「実は、ですね」

 

気まずそうに、ゆっくりと話し始めた。

 

「弾を込めるのに手間取ったり、うまく狙いをつけられなかったりで、全然ダメなんです……」

 

「……そうか」

 

まあ、うん、モンハンのボウガンって照準を合わせるの難しいからね。

 

「なにかボウガンの構え具合でどの辺りに飛んでいくとか、そういうのが分かるならいいんですけど、むしろどうしてガンナーの方は当てられるんですか?」

 

「それは……」

 

それは……なんだろう。

 

「それは……?」

 

集会所の騒がしい空気の中、この席だけが静寂に包まれる。気温が2度程下がったのかと錯覚してしまうような気まずさ、居心地の悪さ。

 

ここで失言してしまえば、全てが台無しだ。彼女を助けることはできないし、彼女からは「結局秘密なんですね。やっぱりガンナーってそういうところがありますよね」なんて言われてしまうかもしれない。

 

実際は10秒も経っていないが、2分程度の居心地の悪さを感じながら、カラカラに乾いた口で起死回生の一手を打つ。

 

「訓練所に行けばわかる」

 

「……はい?」

 

言っていることを正しく理解した上での聞き直しだった。

 

 

 

 

 

 

ガンナーで大切なことは何か。それは経験だ。別にガンナーに限った話ではない。剣士もそうだ。この武器のリーチはどの程度なのか。どのように力を入れて、どういった角度で、どの程度の速さで、どこに重心を持ってきて、振り下ろすのか、振り上げるのか、叩きつけるのか、そう言った細かな条件下の動きをとにかく繰り返して体に染み込ませる。頭で考えるのではなく、身体が勝手に合わせてくれる。自動で行動を最適解に近い状態に持っていけるようにすることが大事だ。頭で考えてからでは遅い。頭は常に戦略を練っているのだから、どう武器を振るうのか、なんて考える余裕なんてない。

 

俺も最初の頃は、弾がどこに飛んでいくのかまったく分からなかった。だから、採取クエストで換金アイテムや生産アイテムを集め、アプトノス等の草食竜を的にして経験を積み、猫飯ではなくこんがり肉を食べる事で食事代を浮かし、毎日のように採取ツアーに行く事で金と経験を積んでいた。ちょっと前まで近接武器だったハンターがボウガンに転向して採取ツアーを毎日やってるもんだから、腰抜けだのなんだのと散々言われたのは今ではいい思い出だ。

ここロックラックの指定席がいつも空いているのも、誰も話しかけてこないのも、まあ、つまりはそういう事なのだろう。あの頃の面子は減って、見ない顔が増えている。時の流れを感じるな。

 

「歩く時に、どうやって歩くのかを考えるか?」

 

「え? い、いや、考えませんけど」

 

「それと同じ事だ。経験を積めば、考える事なく身体が思い通りに動く。思い通りにボウガンを操ることもできる」

 

考えるな、感じろ、だ。

 

「ち、ちなみに、どれくらい時間をかけてできるようになったんですか?」

 

俺は……なんか最初から普通に扱えたんだよなあ。大体狙ったところに行くから適当にやってればよかったし。真面目に訓練所で訓練してたからかな?

 

「……才能があるなら直ぐだろう」

 

「ないです」

 

食い気味だな。

 

「……一年位内には思い通りに操れるだろう」

 

「え? 一年?」

 

落ち着いた疑問の声。

一年と言ったが俺にもわからん。たぶんそのくらいでしょ。知らんけど。だって人それぞれだし。流石に一年やれば身につくでしょ。三ヶ月でも十分だと思うけど。

 

「そ、そうですか。ち、ちなみに、ロックラックにはどの程度滞在されますか?」

 

知らんがな。でもG級に駆り出されるの嫌だしなあ。これも仕事みたいなもんだし休暇って事でしばらくダラダラしてえなあ。オストガロアの討伐で懐も温まった事だし、長居するのも有りか?

 

「特に決めてはいない」

 

まあ流石に三ヶ月もしたら働けって催促が来そうだけどなあ。目標は三ヶ月ってことでいいか。合法休暇最高かよ。

 

「訓練所はどれだけ弾を使っても無料だ。訓練所の武器を使用するからメンテナンスも不要だ。金を使いたくなかったら訓練所で毎日朝から夜まで撃ち続けろ。何も考えずに撃ち続けろ。その内、使い方がわかる」

 

まあ、これだけアドバイスしたんだからなんとかなるだろ。

 

「しばらくはロックラック付近の依頼を受けている。ここで待っていれば、会うこともあるだろう」

 

席を立ち、馴染みの受付嬢の元へと向かう。

そういやこの受付嬢も長い付き合いなんだよな。最初はこんな子供が受付嬢かよって思っていたが、今じゃ上位担当になってるもんな。優秀なんだろうなあ。

 

「……近場で、いい依頼があると助かるのだが」

 

「あの子はいいの?」

 

細い指が俺の後ろを指す。

 

「……いい。歩くこともままならない状態で教えられることはない。せめて歩けるようにならないと、な」

 

「あぁ、そういうこと。把握したわ。そうね、どうせならダレン・モーランにでもちょっかい出したらいいじゃない」

 

「そもそも管轄が違うだろう」

 

「龍歴院に席を置いてるのだから、行けるんじゃないの? ほら、獰猛化の調査だなんだって言えば丸め込めそうじゃない」

 

……いや、無理があるんじゃないか?

 

「冗談よ。流石にやらせないわよ」

 

手をひらひらと振って、冗談が通じないなら仕方ないとばかりに苦笑いを浮かべている。すまんな。真面目に考えてしまった。

 

「兜を外してくれると、もうちょっと意思疎通がやりやすいのだけれどね。やっぱり外さないの?」

 

「……そうだな。このやり取りは何回目だ?」

 

「さーてね。私も覚えてないわ。外してくれる日を期待してるわ」

 

「期待するな」

 

「で、依頼の方だけれど、そうね、イビルジョーなんてどうかしら」

 

馬鹿なのかな?

 

「人手不足なんて冗談はやめて貰いたいが」

 

その言葉に受付嬢が変な顔をしたが、1フレームと立たぬうちに表情を取り繕って捲し立てるように続けた。

 

「いやいや、G級ハンターをラングロトラとかハプルボッカ相手に出せないでしょう? 他のハンターの仕事を奪う訳にはいかないもの」

 

「イビルジョーと戦う機会も奪うべきではないと思うが」

 

「……それは……まあ、そうなのだけれども」

 

これも冗談か。苦笑いしている。

さて、どうするか。近場はダメなら遠出しかないか。

 

「なら、凍土に何かないか」

 

「遠出するのね」

 

「……面倒は嫌いだ」

 

「そうね。そう言う人だものね。凍土なら、獰猛化ジンオウガ 亜種が出ているらしいわね。建前としてもいいんじゃないかしら」

 

「……そうだな。そうしよう」

 

お前最初からこの依頼受けさせるつもりだったよな?手際が良すぎやしないか?

 

 

 

 

 

 

G級ハンターは皆、どこかしら普通から逸脱している。

話には聞いていた。ロックラックにG級ハンターが訪れることは少ない。タンジアの方がG級ハンターは集まると言う。ロックラックは空路だ。金はかかるし距離もある。その点タンジアであれば、港町だからその分移動距離も近い。ロックラックに向かうならば、タンジアを超えて行かなければならないのだから、時間的にも金銭的にも負担が大きい。

それに、わざわざロックラックまで来る様な事情といえば、ジエン・モーランぐらいしかない。緊急の依頼だからこそ、距離的に近いタンジアに集まることが多い。ロックラックの方が近いならばロックラックに集まるが、やはりジエン・モーランぐらいだ。いや、過去にジエン・モーラン以外で緊急事態があったらしいが、一介の職員である私には知る権利はない。これがG級担当になればもう少し知ることができる範囲が広まるのだろうが、別にそこまでしてお金を稼ぎたいわけではない。上位の受付嬢。十分だ。それ以上は望まない。身の丈に合っている。久しぶりに会った彼が、G級ハンターとなって帰ってきた彼があんな風になってることを考えれば、私もG級担当の受付嬢になりたいとは思わない。

 

ねぇ、イビルジョーをソロで何度も狩ってるみたいだけど、ハッキリ言って、おかしいよ。普通はパーティーで狩るんだよ? それでも死者が出るんだよ? よくても体の一部が欠損することはよくあることなんだよ? それなのに『イビルジョーと戦えるいい機会』だなんて、感覚がおかしくなってない? いや、前からその兆候はあったけど、壊れちゃったのかな。心配だよ。早死にしないか不安だよ。慎重だってことは長い付き合いだから分かってはいるけれど、怖いよ。

 

そもそも獰猛化ジンオウガ 亜種も、イビルジョーと同じぐらい危険なんだよ。ジンオウガ亜種がそもそも危険なのに、獰猛化してるんだから、普通のイビルジョー以上に危険かもしれないのに。なんでそんな散歩感覚でクエストを受けられるのかなあ。一応上位扱いのクエストだけど、G級に匹敵するんじゃないかって思うのは、私が実際に狩猟をしたことがない受付嬢だからなのかな?

 

「……はあ。どうしよう」

 

受付嬢は基本的に『顔がいい』者がなる。将来有望なハンターと婚姻を結んでギルドに縛り付け、逃さないためだ。受付嬢は道具でしかない。むさ苦しい男達に愛想を振り撒き、結婚相手の選別として過酷なクエストに挑ませ、生き残った者をまた篩にかける。いや、実際にそこまでやる畜生は金の亡者でもないとやらないだろうが。結果論で言えば同じようなものだ。

 

で、私にも話が来ている。

 

「ロックラック出身のハンターなんだから、ここで囲い込め、ねえ」

 

ロックラック出身と言っても、今は村の常駐ハンターみたいな立ち位置で、村とは言ったけど実際は調査拠点と言った方が近いような場所にいる。あっちはあっちでロックラックの管轄の受付嬢が派遣されているだろうし、あっちの受付嬢に任せればいいと思うのだけれども。

 

調査拠点ってことでロックラックの手から離れかけてるから、パワーバランスが崩れるのを恐れている、とか? 

 

「はぁ〜。そりゃあ、幼馴染みたいなものだけれども」

 

G級に上がってから急にこんな通知が届く辺り、ガンナーだから流石にG級になるなんて考えてなかったんでしょうね。手のひら撃龍槍じゃない。

 

「好きでもない相手と結婚ねえ…」

 

今は休憩時間で、控室だからいいが、これがクエストカウンターに立った時の独り言として溢れたらまずいだろう。そんなことないように今消化しているのだけれども。

 

「憂鬱だなあ」

 

私は何もかもが面倒で『G級ハンターが好み……かな』みたいなふざけた事を言ったおかげで今までのらりくらりと躱してこれたけど、今度ばかりは流石に躱せなさそうだ。

 

結婚適齢期という問題もあるし、このままだと本当に結婚させられそうだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁどうしよう」

 

受付嬢は若いから価値があるのであって、30にもなればもう無理がある。引退だ。そうなると次の仕事は裏方の事務作業だ。行き遅れの売れ残りとして散々年下の受付嬢に馬鹿にされながらしごとをするのだ。事務のおばさま方からも馬鹿にされるのだ。

 

嫌だなぁーーーーーーーーーーーー!!!!!

 

結婚もしたくないなあーーーーーーーーーーー!!!!!

 

でも結婚するしかないんだよなぁーーーーーーーーー!!!!!

 

どこかに顔が良くて性格が悪くなくて人のやることに文句をつけなくて一定の距離を保ってくれて清潔感に気をつけていて馬鹿みたいに夜を求めてこないような男がいないかなー!

 

……はあ。そもそも、なんで受付嬢になってしまったのか。

 

「お金が欲しかった。チヤホヤされたかった。あとは……先にお金を稼いで、あとは楽に生きたかった。運命の相手に出会えると思っていた」

 

言葉に出すと、多少は頭の中がスッキリと整理されるけれど、そうだ、結局楽したいから受付嬢になったんだった。

 

「なら、楽をするためには何をすればいいのか。いや結婚しかないじゃない」

 

やだー! 結婚やだー!

 

 




幼馴染は負けヒロイン。
パーティー組んでるならたぶん囲い込めなんて指示はなかったけど、ソロだから囲い込むしかなさそう。例えば村出身なら自分が故郷の村の常駐ハンターになるとかでギルドとズブズブの関係になるって方法があるけど、コイツは一応ロックラック出身ってことになってるから無駄。龍歴院に席も置いてるからマジでどこ行くか分かんないから首輪をつけないといけない。

そういやライズはフィールドから察して3系列だという話は有名だが、ユクモ・カムラが恐らく近いと言う情報も合わさってカムラも恐らくロックラックの支部があるのか、ロックラックの管轄下なんだろうな。

で、エルガド(王国の管轄?)は密林に行けるから若干ロックラックの管轄からはズレてるんだろうな。サンブレイクのラスボスのことを考えると、オストガロアが陸に近い場所で狩りをしてたのって、もしかして……って思ってしまうよね。
それを前提条件として考えると、XXがサンブレイクの提督の故郷が滅んだタイミングに近いと考えられるかもしれん。もしくは、サンブレイクとXXが同時進行か。
まあ確証がないから妄想でしかないんだけど。そもそも時間の流れがマジで全然わからんし。こんな妄想でいいなら、モガの村の海底遺跡が沈んだのも、ナバルやグランミラオスじゃなくてサンブレイクのラスボスの余波かもしれんとか考えられるし、妄想は程々にな。

あとちょっとで主人公の過去のやらかしを書けると思う。聞き手役がいないと情報を出せないから。
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