インキャソロハンター   作:カルガモ大将

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Q.ちょっと待って! ソロじゃないやん! インキャソロハンターを読みたかったの! あほくさ。やめたらこの仕事?

A. レ ギ ュ レ ー シ ョ ン 遵 守
  あ ら す じ 遵 守 
  失 踪 し ま す 

モンハンwikiが主な情報源だけどソースがあやふやだから本当にこの情報正しいのか?って思いながら書いてる。ギギネブラの毒が出血毒ってマジ?
モンハンの考察とかないすか? 誰か助けて! 


18 ソロハンター二人

 

ロックラックにはソロで活動するボウガン使いがいる。しかもそいつは今時珍しい組み立て式のボウガン使いで、なおかつミドルボウガンを扱っているらしい。

ロックラックの支部が置かれている火山付近のとある村の集会所では、時折そんな噂話が酒の肴として使われていた。ボウガンと言えば、基本的にはソロで動かない。パーティーで動く。防具の装甲の頼りなさもそうだが、機動力だったりも関係してくる。

だからこそ、ソロのガンナーという眉唾ものの存在は会話のネタとして丁度良かった。

 

そして、そんな会話に聞き耳を立てながらも、集会所の隅でボウガンの弾を調合する者が居た。リオレウス装備一式を着込んだ、それなりの実力を示した下位ハンターだ。席の横には同じくリオレウスの素材から作られたボウガンが置いてあり、弾を調合する姿と合わせて「ああ、ガンナーか」と思わせる様子であった。ありふれた光景ではないが、ボウガンが置いてあるのだからガンナーだ。それに変わりはない。だが、見る者が見れば、ライトボウガンの様に見えてライトボウガンではない事に気がつく。そんなボウガンを置いていた。

 

「あの……」

 

そんなガンナーに声をかけるものがいた。

 

「一杯、いいですか?」

 

ガンナーが声のする方へ視線を移せば、ラングロトラ装備のハンターがいた。腰にはなんとも毒々しい小ぶりな剣が左右に一つづつ吊るしてある。シュッと締まった見た目のラングロトラ装備から、恐らくは女性だと思われる。

 

来客に対しガンナーは首を縦に振ることで着席を促した。

 

「……飲まないんですか?」

 

着席から数秒後。お面の様な頭装備を口元だけ見せる様に器用にずらし、ビールを一口だけ流し込んだ双剣使いが問いかけた。この席の机の上には、調合前の段階の素材と冷たいミルクが注がれたコップが置かれており、酒やつまみの類は一つもなかった。酒場にも関わらず、まさかのミルクである。

 

「……つくってる、から」

 

たどたどしくガンナーは返事をした。

 

「……ボウガンの弾を、ということですか?」

 

視線を手元から動かすことなく、ガンナーは軽く頷いた。

 

「何の弾を作っているんですか?」

 

「……うん」

 

双剣使いの問いかけに対し、応答した。応答した。応答したのだ。うんとだけしか言わなかった。会話が成り立たなかった。

 

「……あ、そう。です、か」

 

反応に困る返事をされ思わずたじろぐ双剣使い。居心地の悪さから再びビールに手をつける。一口。熱気に包まれたこの村で温められた身体が、内から冷やされていく。お面を戻そうとして、止め、もう一口。心地よい冷感が体内にじんわりと広がる。ジョッキを口から遠ざけたが、やっぱりもう一口。そうして、お面を戻してジョッキを机に置いた。

 

「……ティガレックスの牙と、竜骨大」

 

「……ええと?」

 

唐突に出された単語に頭が回らないのか、それともアルコールが回ってきたのか、疑問系で言葉を返す。

 

「……これ」

 

そう言って、ガンナーは机の上の素材を指差した。

 

「これ、って……ああ、そういうことですか」

 

「……調合リストにない。わからない」

 

「おためし、なんですね」

 

ふたたび、ゆっくりと頷いた。

 

「……パーティーって、組んでいるんですか?」

 

その問いに対しては、ガンナーは首を横に振ることで答えとした。

 

「自分と一緒にクエストに行って欲しいんですけど、いつ行けますか?」

 

「……モンスターは?」

 

ようやく、ガンナーが視線を合わせた。お互いに頭に装備をしているが、たしかに、視線が繋がった。

 

「アグナコトルです」

 

チラリと、ガンナーが横に置いてあるボウガンに視線を移す。リオレウスのボウガン。火炎弾を撃つ事を得意としている。そしてガンナーは記憶を探る。今は対面の席についている関係で見えないが、腰に吊るしてあったあの双剣。妙に毒々しい見た目のあれはもしや、ギギネブラのそれでは? ゲリョスや4にしか出なかった存在感のない蜘蛛のそれでは無いはずだ。

 

「……作戦、は?」

 

このガンナー、意外と乗り気なのかもしれない。双剣使いは手応えを感じつつ、口を開いた。

 

「大タル爆弾で鎧を吹き飛ばそうと思います。鎧は火炎弾で柔らかくして、落とし穴にはめて動きを封じてから爆弾で」

 

アグナコトルは溶岩の鎧が鬼門である。だが、それを吹き飛ばしてしまえばいくらでもやりようはある。冷えて固まった鎧を吹き飛ばすのは困難だが、溶かしてしまえば吹き飛ばせる。溶かす方法は剣士では限られているが、ガンナーであれば火炎弾を撃てるならば容易い。分かりやすいほどに王道な作戦。鎧を吹き飛ばした後に関しては、剣士の腕の見せ所、ということだろう。まあ、毒の双剣なのだから間違いなく毒で殺すのだろうが。

 

「……自信は?」

 

「鎧さえどうにかすれば、倒せます」

 

「……わかった」

 

説得に成功した。

こうして、双剣とミドルボウガンの臨時パーティーができた。

 

 

 

 

 

 

一週間後。二人は火山に居た。予めおびき寄せる位置に落とし穴を準備して岩陰に大タルを隠し、そこで爆薬とカクサンデメキンをたっぷりと詰め込んで爆弾を作り上げた。

近くに溶岩が流れているので引火しない様に注意する必要がある事や、ウロコトルにちょっかいを出されて爆弾を無駄にされる可能性がある為、二人は神経質にならざるを得なかった。

ウロコトルは先に目につく範囲のを殺す事で他の個体を怯えさせて追い払った。爆弾は溶岩が流れている場所からある程度離れた所に隠してはいる。

ここまでやっても、まだ安心はできない。何が起こるか分からない。だが、出来るだけのことはしたのだ。後は流れに身を委ねるしかない。

 

ウロコトルを追い払ってからそれなりに時間は経っている。そろそろ、親であるアグナコトルが来てもおかしくは無い。外敵の排除の為に、間違いなく来る。問題は、天井からの奇襲があるかどうかだ。アグナコトルの討伐依頼が出されている今は繁殖期が近い。だが、山頂ではなく下の方に降りてきたということは、雌の奪い合いに負けた個体であると考えられるが、老化が原因で負けた個体であれば天井からの奇襲も考えられる。落とし穴を破壊されぬよう、ある程度離れた場所で。しかし、離れすぎてもいけないのでそれなりに近い場所で、2人は距離を離して待機していた。纏まっていた場合、奇襲に対応出来なかった時に纏めて死ぬ。だが、離れていれば死ぬ確率は半分だ。

 

クーラードリンクを一口。喉を通る液体がじんわりと身体を冷やしていく。

 

気を張りつつも、自然体で待つ。

 

──ゴゴゴゴゴゴ

 

足の裏からは大地の揺れが、耳には震える低い音が伝わる。

 

「来た」

 

「っ!」

 

2人は腰を一段落として、奇襲に備えた。

どこから来る。前か、横か、後ろからあるいは上か。

 

「……っ!」

 

ガンナーが肩から先のみを動かし、鞭の様にしならせた。

 

──キィィィィィィィン!!!

 

耳をつんざく爆音。ガンナーの後方で音爆弾が炸裂した。同時に、炎に包まれた竜が姿を現した。爆音のショックで地表に飛び出し奇襲しようとしていた勢いが中途半端に削がれ、首の辺りまでが地表に姿を現していた。

 

天井からの奇襲をしなかった事から下位個体で間違いない事に安堵し、双剣使いはその場を離れた。対しガンナーは振り返り、ボウガンの引き金を引いた。

 

──ドン!ドン!ドン!

 

放たれた弾はアグナコトルの元へ。ただし、一発では無い。まとめて五発ほど命中した。使用した弾は散弾。首の辺りには溶岩を纏っていないとはいえ、火力としては足りない。それでもガンナーはリロードする。

 

──ドン!ドン!ドン!

 

装填した分を撃ち終え、再びリロードするガンナー。しかし、アグナコトルも地上へと完全に姿を現してしまった。

 

「こっちは問題ない!」

 

双剣使いが叫ぶ。

 

「よし」

 

ガンナーは直ぐにボウガンを背負い、アグナコトルに背を向けて駆け出した。アグナコトルも、追う様に駆け出した。そう、駆け出したのだ。地中に潜り、泳いで追いかけるのではなく、地上を這いずりながら追いかけているのだ。

 

後ろを何度か確認しながらガンナーは駆ける。アグナコトルは追いかけるだけだ。攻撃するつもりはないらしい。それは、慢心から来る余裕の表れだった。散弾は弱い。アグナコトルの甲殻を砕くには至らない。だからこそ相手を完全に下と見て、音爆弾の仕返しにと嬲る為に這いずりながらじわじわと距離を詰めているのだ。海竜種とはいえ、モンスターだ。意外と足は速い。このままではいずれ追いつかれてしまう。だが、目的は既に果たしてある。

 

「飛べ!」

 

「しっ!」

 

双剣使いの掛け声に合わせてガンナーは前方に身を投げ出す様に飛び出した。

 

「かかった!」

 

作戦通り。急に足元が崩れ落ちたアグナコトルは腹を地面に吸い込まれる様に呑み込まれた。落とし穴に引っかかったのだ。前足から後ろ足までの範囲が落とし穴にハマったことで海老反りの様な不安定な態勢になってしまっている。頭から首と尻尾だけが地上に出ているこの様な体勢では、まともに踠くこともできないだろう。そして、アグナコトルの顔からおおよそ2メートル離れた場所には大タル爆弾が置いてある。双剣使いが先ほど移動させておいたのだ。ガンナーは飛び込んだ姿勢から直ぐ様起き上がり、大タル爆弾へと向かった。

 

「こっちは置けた!」

 

その2メートルは、落とし穴にかかった位置や向きによって爆弾の設置場所を調整する為に離した距離である。双剣使いはアグナコトルの右側に爆弾を設置していた。ガンナーは左側へと爆弾を設置し、急いで駆け出した。

 

「そおれ!」

 

双剣使いが掛け声と共に紅蓮石を投げつけた。爆弾に背を向け腰を落とし、耳に手を当てて両者共に衝撃に備える。

 

──ドッッッッッッ!!!!!

 

身体を震わし、骨の髄までも響かせる程の低音、衝撃波、爆音。脳までもが揺らされ、1秒が一気に引き伸ばされる。左のタルが吹き飛び、その衝撃が右の樽にも伝わり木片が吹き飛んでいく。抑圧されていた炎が樽という檻を破壊し、吹き出していく。

 

そして、引き伸ばされた時間が戻る。

 

──ゴッッッオオオオオオォォォォォンンンンン!!!!!

 

音の波が壁となって襲い掛かってきた。。あまりの衝撃に、2人は耐え切れずに吹き飛ばされた。

 

「あがっ!?」

 

「い、ぐ、ふ……」

 

二転三転しながら吹き飛ばされたが、幸いなことに流れる炎の川に飛び込む様な目には合わなかった。

 

「やっぱり、一つのタルにカクサンデメキン10匹はやりすぎですよ……」

 

「う、げほっ、げほっ」

 

そう。この2人は、一つのタルにカクサンデメキンを10匹も入れていたのだ。つまり、タルが2つだから20匹。バカかな? 大タル爆弾に2匹のカクサンデメキンを入れるだけで大タル爆弾Gになるのに10匹も入れるのは調合の前提を無視しているのだが。調合は化学なんだから個人の好みで目分量が許される料理とは違うのだが?

 

2人の視界は戻っている。平衡感覚はまだ微妙でフワフワとした心地だが、狩りをするのに問題は無いない。聴覚は壁越しに話し声を盗み聞きしている様なものだが、そのうち戻るだろう。震える足腰に喝を入れて立ち上がる。

 

視線を向ければ落とし穴は爆弾で吹き飛ばされており、窪地で海老反りの体勢のままぐったりとしているアグナコトルの姿が確認できた。溶岩の鎧は剥ぎ取られ、甲殻も全体的にヒビが入っており、ビクビクと痙攣していた。音と衝撃にやられたのだろう。生きているが、しばらくは立ち直れないだろう。

 

一瞬、二人の視線が噛み合う。互いに防具で見えないはずだが、それだけで意志は伝わった。

 

──キィン!

 

「シッ!」

 

双剣使いが武器を抜き、奏で駆け出す。いや、連続高速ステップが滑らかに繋がっている事で、駆けている様に見えるのだ。

鬼人化。人の内なる獣性を呼び覚まし、暴力の化身(モンスター)として振る舞う技術。あくまで理性的に、客観的に自分を見ることが出来なければ獣性に呑まれ、人に戻れなくなる諸刃の極意。使い手を選び、選ばれた者にしか扱えぬ業。

 

「ラァッ! ウララララララララァ! シッ!」

 

アグナコトルの亀裂の入った甲殻をめったうちにし、最後の乱舞の締めの動作に振り下ろしを組み込む事で、鬼人解除も同時に行っていた。鬼人化したのは短い間であったが、双剣使いの身体からは蒸気が立ち上っていた。理性的、かつ暴力的に振る舞う鬼人化は、少しの行動だけでもかなりの体力を消費し、体温が上昇する。この火山という地では、長時間の鬼人化は命に関わるのだ。また消費するのは体力だけではない。集中力もだ。暴力性を客観的に見続け、強い意志で行動を止めなければ体力切れでぶっ倒れるまで鬼人化は続いてしまう。

 

アグナコトルの右半身は、甲殻が完全に砕けていた。そして左半身も、ガンナーの通常弾によりヒビが大きく広がっていた。

 

ところで、アグナコトルの全身は不燃性の体液で覆われているのだが、それはつまり『毒が容易く侵入できる』とも言えるのだ。マグマの鎧が無くなってしまえばそれはウィークポイントとなる。そして、ギギネブラの毒は出血毒である。血管系の細胞を破壊し、出血を強要させる毒なのだ。ギギネブラのそれと比べれば弱いだろうが、それでも、血管系の細胞の破壊とはつまり、心臓を含む全身を内側からズタズタにできるという事なのだ。

 

そんなギギネブラの毒が双剣という圧倒手数の暴力によって、丹念にアグナコトルの体内へと侵入していく。甲殻を砕き、強靭な筋肉に傷をつけ、毒をねじ込む。

 

しかし、相手は理不尽の化身(モンスター)である。

 

──◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!

 

意識が戻ったのか、咆哮と共に癇癪を起こした様にジタバタと暴れ始める。

 

「ギッ!?」

 

至近距離で暴れに巻き込まれた双剣使いは、双剣使い特有の守りの薄さが裏目と出た。まともに防御態勢を取ることすらできず、首の振り回しが横腹に思い切り突き刺さり、二転三転しながらステップ4回分ほど吹き飛ばされた。受け身は取れたのか、剣を構えた右の手で脇腹を抑えながらゆっくりと立ち上がっていた。

 

対しガンナーは仮にもパーティーメンバーが大ダメージを受けたにも関わらず、意識を移すこともなく淡々と貫通弾を撃ち込んでいた。面接で「学生時代に打ち込んでいたことは?」と聞かれて「貫通弾です」と答えられる程度には無心で撃ち込んでいた。

 

ずるりと、アグナコトルが沈んでいた全身を地上へと曝け出す。

 

──◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!

 

再びの咆哮。しかし、ガンナーを怯ませるだけの音を届けるには距離が足りていなかった。心身を震わす怒声をグッと我慢し、ガンナーは淡々と貫通弾を撃ち込んでいた。強烈な反動を押し込めて、弾を撃ち続けたことで右半身が少し感覚が鈍くなってきているが、それでも引き金は引き続ける。

 

──パチパチッ

 

口元から火打ち石の如く、火花が散った。アグナコトルが嘴を鳴らしたのだ。それから顔をガンナーへと突き出して腰を深く落とし、四肢の爪を灼熱の地に食い込ませた。まるで『身体を固定する』かの如く。

 

「チッ!」

 

パチパチと嘴を鳴らしたタイミングで、ガンナーはボウガンの引き金から指を離し、ボウガンを脇に抱える為に入れていた右半身の力を抜いた。それから左手で砲身を思い切り上から叩く事で、スリングを活用して銃床を天に向かわせ、そのまま背中に背負った。

 

アグナコトルの口が開かれる。同時に、ガンナーが横へと跳ねた。

 

──ゴウ!

 

アグナコトルの体内に溜め込まれていたマグマが収束、圧をかけられて線状になり吐き出された。まともに受けたらどう足掻いても死ぬ熱の帯。間一髪回避が間に合った、タイミングが合わさったが、ディレイを掛けられたらどうなるか分からない。

 

ただの汗か、冷や汗か、両方か、眉間を伝うソレは鼻筋をつたい、流れ落ちていった。

 

ところで、モンスターは人間よりも多くの面で優っているのだが、その中には当然、地上の移動速度も含まれる。バサルモスやグラビモスといったモンスターですらハンターよりも速く移動できる。当然アグナコトルも、地上を這って移動する速度ですらハンターを超える。つまり、慢心を捨てた今のアグナコトルからは逃げられない。

 

──キィィン

 

アグナコトルの後方で、鬼人が産声を上げた。

肉体と思考の優先順位が混戦し、心身共に一瞬硬直するが、考えるよりも先に肉体は勝手に動き出していた。ボウガンを構え、引き金を引く。

吐き出された貫通弾はアグナコトルの胸元に命中したが、溶岩の鎧に拒まれた。それでもとにかく引き金を引く。

 

アグナコトルは貫通弾をその身に受けながらも、地中へと潜航を始めた。

 

「クソッ!」

 

即座にボウガンを背中に背負い、その場から駆け出す。

アグナコトルの地中からの強襲は、姿が見えない以上は対処が難しい。真下から来るのか、横から飛んでくるのか、全くわからないのだ。

 

音爆弾を遠くに投げつけ、誘導だけはしておく。同時に、ガンナーは動きを止め、縫い付けられたかの様にその場から動かない。

 

足の裏に伝わる揺れは後ろから近づき一瞬真下に留まり、それから音爆弾の炸裂した方角へと抜けていった。ガンナーは安堵し、ボウガンを構えた。地鳴りは勢いを増し、アグナコトルは大地を穿ちながら、飛ぶ様に姿を表した。ただし、音爆弾の炸裂した位置に近い場所から、ガンナーを狙う様に地上を跳んで。

 

「あっ……っ!?」

 

謀ったつもりが、逆手に取られていた。弧を描くように、アグナコトルがガンナー目がけて宙を泳ぎながらティガレックスの如き速度で突っ込んでくる。大地をも砕き貫く嘴を突き出しながら迫り来る。

 

虚をつかれた事による意識の空白区間。それにより、ガンナーは対処に遅れた。これからの行動ではどうやっても間に合わない。頭が真っ白な状態で、ガンナーは死だけを漠然と感じ取っていた。

このアグナコトル、上位に近い個体だ。音爆弾を逆手に取るという事は、過去にハンターと相対した可能性がある。手練れだ。

 

ようやく死にたくないと言う意志から肉体が勝手に動き出して、足が後ろへと動いた。重心が後ろへと移動し、身体がそのまま倒れていく。

 

だが、ダメだ。これから跳ぶように大地を蹴っても、向こうの方が早い。うまく行ったとしても、下半身と上半身が別れてしまうだろう。

 

ただし、これがソロでの狩りであれば、だが。

 

──ゴッッッッッ!!!

 

赫く煌めく弾丸が、アグナコトルの横腹に激突した。

横からの衝撃でアグナコトルの体勢が、進路がブレ、勢いも削がれた。

 

結果として、ガンナーはギリギリの間合いで助かった。後ろに一歩踏み出していなければ足を奪われていただろう。生きるという意志がガンナーを生かした。アグナコトルは苦痛に身を歪ませながら着地した。

 

そして、赫い弾丸は着地すると同時にその煌めきが消え去った。双剣使いは着地と同時に鬼人化を解いていた。

 

二人、視線が再び噛み合う。言葉は不要だった。

 

今再びの鬼人化。赫い閃光となり、アグナコトルへと突っ込んだ。アグナコトルは横からの赫い煌めきへと意識が移る。しかし、視線を横に動かした瞬間には苦痛に顔が歪む。

 

──ドンドンドンドンドン!

 

ガンナーの通常弾が甲殻を砕き、肉体へと突き刺さったのだ。激痛からの硬直。その硬直は絶大な隙だった。

 

「ウララララララァッ!」

 

双剣がアグナコトルの甲殻を砕き、鎧の下の肉体を引き裂いた。

 

これには堪らず肉体を捩りとぐろを巻いたアグナコトル。肉体にぐっと力を込め、少しでも我慢していた。これは攻防一体の構え。我慢している間にもアグナコトルは猛攻に晒されている。だが、アグナコトルは賭けたのだ。我慢していた肉体の硬直を解き放ち、尾を鞭の如く振り回した。近くには双剣使い。まずは一人、近いやつから排除すると言うのだ。モンスターがデコピンの要領で力を溜め込んだ一撃。尾の振り回し。間違いなく当たれば骨が砕けるだろう。双剣使いは乱舞の最中で、避けられそうにない。

 

「シャッ!」

 

だが双剣使いはアグナコトルの砕けた甲殻に、剥き出しの横っ腹に剣を突き刺し、側転の要領で反対側へと移動したのだ。後に、空中回転乱舞や、鬼人空舞とも呼ばれる技に近いものだった。

 

横腹から背中、反対側の横腹と連続で剣を差し込まれた痛みに、継続して続けられた猛攻に、アグナコトルは限界が近づいていた。いや、限界だった。グラリと、アグナコトルの肉体が大きく揺らぐ。眼球が真上を向き、口からは炎を纏った泡を拭きながら、大きく痙攣し始めた。

 

──◼️◼️◼️◼️◼️◼️!

 

そうして、聞くに堪えない叫び声と共に大きくビクンと跳ねると、地に伏し完全に動きを止めた。

 

「フゥー……」

 

大きく息を吐きながら、鬼人化を解く双剣使い。

構えていたボウガンを背負うガンナー。

 

「っ、つ、つ」

 

双剣使いが脇腹を抑えた。

ガンナーが駆け寄り、首に腕を回させて、肩を貸した。

 

「た、たすかります」

 

「……たすかった」

 

互いに感謝を伝え合う。

 

「いや、ありがとうございました。一人だと、アグナコトルは無理だったので」

 

「……そう」

 

たしかに、ソロではどこか危なっかしいところがあった二人だった。だが、二人でパーティーとして行動する事で、互いの危うい所をカバーすることができた。

 

 




気がついたらこの小説書き始めてから一年以上経ってて笑っちゃうんすよね。10万字を超えるとも思ってませんでしたわ。たぶんそろそろ失踪します。
ところでサンブレイクにアヤメちゃんの追加ストーリーがない不具合はいつ解消されますか?


メモ
書いてない話一覧
上位になる話
ソロを続けてる理由
パーティーを組めない理由
チーボ村初期
殺意の波動に目覚める話
ナズチに対して強気な理由
なんだかんだで面倒見がいい理由
伝説のガンナーに会いに行く話


一年かけてダラダラと書いてるから、何書こうとしてたのか自分でも忘れてるんすよね(笑)。いや笑い事じゃないが?
もしも次更新できたらアンケートでどの話読みたいかを確認しようかと。書けるかどうかはまた別なんだけど。
みんなー!作者を応援してあげてー!(ヒーローショー並感)
面白そうなモンハン二次が出るとモチベ爆上がりなのでみんなも書いて♡
俺把握してるんすよ。この小説をお気に入りしてる人の中に、俺がずーっと更新待ってる作品の作者がちょいちょいいること。そっちの更新(年単位で更新してないやつ)をしないなら、モンハン……書いて♡ 書け(豹変)
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