ホロライブラバーズ 完全初見プレイで難易度『オーディション』を選んでしまったガバ 作:カウン
いつからだっただろう。おれの記憶がかけ始めたのは。
いつからだっただろう。おれがおれ自身を認められなくなったのは。
いつからだっただろう。自分のせいになるのが怖くなったのは。
いつからだっただろうか。
おれがヒトじゃなくなったのは。
太陽から鬱陶しい程の光が降り注ぐ。汗で濡れ、額に張り付く前髪を煩わしく思い、手で拭った。
>「あさひ〜、あまり遠くに行っちゃだめよ〜!」
母さんの声が聞こえる。気がついたら、結構離れていたらしい。迷子になったりでもしたら困らせることになるから。急いで戻らないと。
おれは5歳児の纏らない頭でそんなことを考えながら、戻ろうと身体をもと来た方向に向けようとする。すると、視界の端で男が頭を掻きながら、自販機の下を覗いていた。
昔から……と言ってもまだこの世に生を受けて5年ほどだが、困ってる人は見過ごせない質だ。今回も手助けしてあげようと、意気揚々にその人のもとに向かう。それが
>「あの……だいじょうぶですか?」
>「おっ……良いところに。いや見ての通りなんだが……車の鍵が自販機の下に落ちちまってな?おれじゃ手が大きくて届かねぇんだわ。わりぃけど取ってもらえるか?」
困ったように眉を下げる男の人を見て、少しでも力になろうと、おれは胸を張って答えた。
>「それくらいおやすいごようです!」
>「難しい言葉を知ってるんだなぁー!感心しちゃうぜ」
おれは屈んで自販機の下を見る。すると、少し奥に光を反射している金属のものが落ちていた。それを取るために、自販機の下に手を突っ込んで、大きく伸ばす。やがて、指先を鍵が掠め取り、立ち上がって膝をはたく。
>「はい!これですよね?」
そう言って笑いながら男の方に鍵を渡すために振り向いた。瞬間、後頭部に強い痛みを感じ、おれは意識を手放した。
>「……まじで落としちまったから助かったぜ。加えて、ターゲットと来た。本当、ありがとうなぁ……!」
>「……っん……?」
ぼんやりとする意識と視界の中、おれは顔を上げる。何があったか思い出そうと頭を回すと、後頭部に痛みが響く。それからうっすらと記憶が呼び起こされる。
>「そうだあのとき……!」
完全に思い出し、おれは急いで立ち上がった。次に見たものは、ガラスに反射したはだけた患者着の隙間から見えるおれの胸部だった。
>「えっ?」
いつ服を変えられたのだろう。そんな疑問も一瞬よぎったが、それよりも、おれはある事実に恐怖を感じた。自身の胸に、それも心臓があるはずであろう場所に、縦に切られて、雑に縫い付けられた傷跡が残されていたからだ。
>「ひっ……!?」
理解ができず、涙目になりながら体が震え始める。すると、ドアが突然大きな音をたて開かれた。素早くそちらを向くと、大柄な男が鎖を持って立っていた。
>「こい、実験体№37」
震える体でどうにか部屋の角まで逃げるが、どうにかなる訳がない。無慈悲にも、首輪に鎖を繋がれドアの方に引きずられる。
>「やだ!やめてよ!」
必死に床に爪を立てて抵抗するも、相手は軽々とおれをドアへと引きずっていく。いくら抵抗しようとも、残酷にもおれはドアの外に引きずり出された。
そうして連れてこられたのが、ベルトコンベアが置かれた部屋だった。おれの他にも何人かの子供や大人、中には獣人も混じっている様子だった。皆、何をされるのか理解できている様子はなく、怯えたように周りを見ている。
>「よし、全員集まったな。これより選別作業を開始する。
その男は見下すようにおれ達を見るとあるレバーを下げた。その直後、視界が前に流れる。何が起こったか理解できずに、後ろを見た。見てしまった。人が飲まれる瞬間を。
>「ぎゃああああ!!あが、たす、け」
そこには人を喰らうバケモノが居るように、幼いおれにはそう見えた。実際はトゲのついたローラーなのだが、些細な違いだ。要は、自分が殺されるかもしれない。この事実だけが、おれを恐怖に突き落とした。
その後はあまり覚えてない。必死に足を動かし、逃げ続けた事だけ。後ろから聞こえた怨嗟の声なんて、おれの記憶には残したくなかったから。
気がつくと機械は止まっており、おれを含めた3人ほどまで減って居た。だが、何故かその二人は涙すら流してはいなかった。
そこから、地獄のような日々が続いた。巨大な鎌をくぐり、ドローンからの射撃を躱し続ける、ときには、魔界の魔物と戦闘させられることもあった。人が追加されても、長く生きている人はほとんど居ない。ただ、最初の二人だけは慣れているのか、おれと一緒に生き続けていた。
何度も楽になりたいと考えた。それでも、おれは諦めなかった。母の元に帰る。心配させたくないから。その一心で、地獄を生き延び続けた。そんな日々が2年程続いたある日。
>「こい、実験体№37」
いつもの声を聞き、自身で首輪に鎖をつける。こうすると、看守の期限が良くなりご飯の量が少しだけ増える。それから、看守の後ろを何も言わずに付いて行く。この日は珍しく廊下を多くの人が行き交っていた。何事かと、少し周りを見ていると、信じられないものを見てしまった。
>「えっ……母さん?」
人混みの遠く、鎖に繋がれた母さんの姿を見た気がした。慌ててもう一度視線を向けても、既にそこには誰もいない。無意識にそちらに向かおうとすると、首が締まる。
>「おい、実験体№37。こっちだ」
看守がこちらを睨みつけていた。おれは渋々頷き、指示に従った。でも、喉に引っ掛かった小骨の様に、この出来事はおれの心に不安感を残したままとなる。
気がつくとあれから1年ほど経っていた。一緒に生き残っていた2人は居なくなっていた。選別作業で殺されてはいないから、家に帰れたのだろうか。そんな心配をしていると、選別作業の時間でもないのにドアが開いた。
>「こい、実験体№37」
定型文の様にいつもの声でおれを呼んだ。だが、何かがおかしい。時間も雰囲気も様子も、いつもと異なっていた。警戒しながら後ろを付いて行くと、廊下の一番奥、大きなドアの前で止まる。そのドアをくぐると、白衣を着た初老の男性が椅子に座ってこちらを見ていた。
■「3年です」
すると、唐突にその男は指を立てながら、こちらに詰め寄る。そして、どこか落ち込みを隠せないように、おれの目を見ながら話を続けた。
■「私は貴方に3年もの時間を与えました。その結果はどうでしょう?見られたものは軽度の身体能力向上のみです。わざわざ国のセキュリティを破って手に入れた代物を貴方に与えたのですが……」
どうやらこの男はおれの今の状態が気に入らないらしい。でも何も知らないからおれには関係ない。そう考えながら返事を返す。
>「勝手に連れてきて、結果を求められても、そんなの知りませんよ」
■「そうですか……やはり貴方は失敗作なのですか……」
その言葉を言った途端、逆に落ち着いて、男は冷静に返す。そして、おれは
■「だが感謝しています。まさか、貴方の母親が適合者だったとは……」
>「……え?」
■「貴方を追ってきた母親を調べたら驚きましたよ。私の開発したシステムとの適合指数が90%を越えていました。これほどの人材はなかなか居ませんから」
男は笑いを浮かべながらおれに顔を近づける。そして耳元で囁く。
■「ありがとうございます……私の、失敗作」
>「う、うわぁぁぁあああああ!!!」
嘘だ嘘だ嘘だ!!!おれのせいで母さんが……!そんなの嘘だ!こんなところに母さんが居るわけがない!脳内で叫びながら部屋を飛び出して走る。だが、現実は残酷だ。
■「捉えなさい、DestructionFactor」
前方からガァン!と、金属と金属が強くぶつかる音がして顔を上げる。そこには
>「…………」
全身が機械になってしまった母さんの姿があった。目からは生気を感じられない。でも、顔立ちが、機械になっても母さんの面影が感じられた。
>「母……さん?嘘だよね?母さんの訳が……!」
そこで、気づいてしまった。胸元に埋め込まれた、結婚指輪の存在に。あれは、父さんが母さんのために特注品で作ってもらった、と話していた。だから、見間違う訳が無い。でも脳が否定している。したがっている。
>「かあ……さん……ごめん……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい……」
おれのせいだ。おれがあの男を助けたから。おれさえ居なければ、こんなことにはならなかった。おれが、生きているから。
脳内でそんな言葉を反芻し、蹲る。母さんは……いや、母さんだったモノはおれを抑え込み、持ち上げて男の前まで連れて行く。
■「独房に戻しておいてください。まだ可能性はあるかもしれませんから……」
そこからおれの記憶は更に曖昧になった。必死に選別作業を乗り越えた事も。居なくなった二人が、あの男に改造され、感謝していると言いながらおれを虐めた事も。食事が殆ど出なくなった事も。ぼんやりとしか覚えていない。
ただ、この時から強く心に残ってしまった物がある。それは、おれが全て悪い、ということだけ、だ。
>「と、ここまでが、失敗作君の昔話、そうだよね?!」
>思い出してしまった、全て。あさひの心の奥底に閉じ込めていた記憶が、決壊したダムのように溢れ出してくる。パーカーを被り、震えながら声を出す。
>「……やめ、て…………やめてよ!!」
>「んー?なんで?だって事実でしょ?!」
>貼り付けたような笑顔のまま、敵はこちらに近づいてくる。だが、誰も銃を向けようとしない。ぼたんは、あさひから一歩距離を引きつつ、確かめるように、縋るように、声をかける。
>「……騙してたのか?あさひ」
>あさひは否定しなかった。いや、出来なかった。思い返せば、忘れていたとはいえ、騙していたことに、代わりはなかったからだ。
>その隣に居るロボ子さんは、何も言わなかった。ただ下を見て、震えているようだった。それを見た相手は嬉しそうに声を上げて笑った。
>「ほーら!これで味方が居なくなったね!!」
>彼女はスキップを踏むように跳ねながらこちらに近づいてくる。笑顔はそのままに、ゆっくりと。そして口を開く。
>「だからさ、僕に大人しくバラバラに>「……ふざけないでよ」
>今まで黙っていたロボ子さんが、静かに間に割って入る。そして、プレッシャーを強めて、相手を睨みつけた。
>「あさひ君は巻き込まれただけじゃん……!」
>震えるあさひに一瞬視線を向け、相手に向き直ってから、重圧をかけて言い渡す。
>「こんなに優しくて、自分を傷つけてまで他人を救おうとする人を、心までボロボロになっても戦い続ける人を、貴方達と同じだなんて言わせない!!」
>そして、相手を威圧するように、銃口を向ける。その銃口と瞳には迷いはない。過去も関係ない。あさひを助けるために、そのためだけに視線と銃口は相手を貫く。
>「ふーん、あくまで抵抗するんだ……」
>「……黙って聞いていれば……お得意の精神攻撃は……失敗か?」
>不貞腐れた様に地面を蹴る彼女を煽りつつ、男が壁から背を離す。そして、足元から鎌を取り出し展開する。
>「まぁ……関係なく……あの世に送ってやる」
>「そーだねー……殺しちゃえば関係ないか!」
>彼女も威勢を取り戻し、跳ねながらビットを展開する。先程同様、全てから殺意を向けられている感覚を感じた。しかし、あさひは顔を上げる。涙と鼻水で顔面がみっともなくなってしまっているが、気には止めない。決意を瞳に宿す、あさひの姿が、そこにあった。
>「おれも…………おれも戦う……ッ!!」
>M29を丁寧にしまい、
>「勝って……皆で帰るんだ!!!」
>キコウカイホウが使用可能になりました
みなさま〜(不眠不休)。
はい、作者です。いつもよろしく下らないので、飛ばして大丈夫ですよ。
ホロライブサマーが帰ってきたり、コミケがあったり、ロボ子さんのASMRで気絶しかけたり、色々ありましたねぇ……。皆さん、行きたい場所があるなら、行けるときに行っておくが吉、ですから夏休みは楽しみましょうね。もちろん、コロナには気をつけながらですが。
……皆さん思いますよね。お前も夏休みやろ!?何してんだよ!?20日待たせて!って。
ビンビンビンビンビンビンビンビン…
チクッ
あ・あ・あぁ・ぁああああ↑↑
アーッ…イクッ
チ~ン…
補講には気をつけよう!
(ゆうさくのテーマ)
皆さんがどんな回を楽しみにしているか教えて下さい!
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