陰トピアと遊ぼう   作:一華天竺

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大分遅くなりました。書くのが難しい・・・。
ともかく、本編どうぞ


陰トピアと部活動その3

〈side ビカラ〉

 

牡丹さんについて行って辿り着いたのは、旧校舎の一室。2人でお弁当を食べている場所だ。

 

あたしが今日、勝手に行くのを辞めたから、牡丹さんは怒っているのだろうか?陸上部の見学をしなかった事を怒っているのだろうか?

でも、牡丹さんはそんな人ではない、と思っている。それに、さっきだって怒っているという感じは無かった。

でも、でも、怒っているのを表に出さないタイプなのかもしれない。

うう、吐きそう・・・。

 

そんな中、少し時間をあけ牡丹さんが話を切り出した。

 

「えっと、様子はどうだ?」

聞いてきたのは、ふんわりとした質問。どう答えていいか分からず、固まってしまう。

その様子を見た牡丹さんは、少し慌てたように言葉を続けた。

 

「あー、えっと、どう言ったらいいのかなー。だー、さっきビカラに避けられてるって感じてさ、何かあったら聞かせて欲しい!」

 

牡丹さんはストレートに聞いてきた。その気持ちを受け、昨日あったことを話すべきか、誤魔化すべきか迷ってしまう。

それに、牡丹さんとあたしが一緒にいる姿を誰かに見られたら、彼が困ってしまう。こんな陰キャと一緒にいるところなんて、見られたくないだろう。

 

「あ・・・。そ、その・・・・・・」

 

お断りを入れる。自分からもう関わらないように言わなければ、彼はあたしに構ってしまう。

でも、でも、その優しさに頼ってしまいたくなる。どうしたらいいのか分からない。

自分では分からないから、人に判断を委ねてしまう。

結局あたしは、全部話した。見学に行ったこと、人気を知った事、迷惑じゃないかと思った事全部。

 

ゆっくりと、あたしなりに丁寧に。全部伝えるために、頑張って。

牡丹さんは真剣に聞いてくれた。そして、口を開いた。

 

「そうか、そうだったのか。全部話してくれてありがとう。俺が迷惑かけてたみたいだな、悪かった」

 

彼は感謝の後に、あたしに頭を下げてきた。あたしは驚いて、慌ててしまう。

それに、牡丹さんが迷惑をかけていたなんて思っていない。迷惑をかけているのはこっちだ。

だから、謝らなければ。

 

「俺がビカラに嫌がられているとも知らずに。そうだよな、断りづらかったよな」

 

悲しそうに牡丹さんが続ける。

違う、そんな事を思ってない。嫌がってないし、断ろうなんて思ってない。

思わずあたしは、牡丹さんの手を取る。驚いた表情の牡丹さん。

 

「ビカラ?」

「あ、あたしは、牡丹さんと一緒に居られてた、楽しかったです・・・!お昼も、ひ、独りじゃなくて、が、学校が楽しくなりました・・・!だ、だから、で、出来ればもっと一緒に居たいです・・・・・・!!」

 

自分で言っていて、恥ずかしくなってきてしまう。これはもう、もはや、告白だ。

何を言おうか考えていなかったのもある。良く考えればよかったと思ってしまう。

でも、これがあたしの気持である事は間違いがない。

 

正面の牡丹さんは驚き、少し照れたような表情になった。

恥ずかしそうに、笑った。

 

「・・・そっか、そうなのか。はー、よかった。そうだな、もっと一緒に居よう」

「ヒィッ・・・・・・!か、勘弁してください・・・・・・」

 

安心したという感じで、牡丹さんがからかうように、笑いながらそう言ってきた。

 

「ははっ、悪い。今度さ、どっか遊びにいこうぜ?」

 

遊びに誘われたのなんて初めてだ。いつもあたしは独りだった。

友だちなんてあたしが飼っているネズミだけ。その子とは遊んでいたけど、人と遊びに行けるチャンスなんて初なんだ。

ああ、でも・・・

 

「あたしなんかと、は無しだぜ?」

 

牡丹さんがあたしの心を読んだかのように、そう言ってきた。

そうだ、牡丹さんはいつもそうだった。優しく、強引で、カッコつけたがりなんだ。

だから、回答は決まってる。

 

「ぜ、是非に・・・!!」

「よし、決まりだな!」

 

あたしはこの人と知り合えたよかったと心から思う。

誰にでも優しい人なのかもしれないが、あたしに関わってくれて感謝をしているんだ。先輩で、あたしの友人だ。

 

「・・・部活、見学行くか?」

「そ、そうですね・・・い、行きます・・・」

「じゃあ、一緒に行くか?」

 

牡丹さんがそんな提案をしてくる。部活動の時間なんてとっくに始まっていて、彼は部活に行かなければならないはずだ。

だけど、今は彼に甘えてみよう。ほんの少しだけ、勇気と我儘を。怖がらなくても大丈夫だ。

 

「・・・はい、お、お願いしてもいいですか・・・・・・?」

 

牡丹さんは少し驚き、すぐに笑った。

 

「おう、行こう!」

 

私たちは、旧校舎を後にした。

 




陰トピアと部活動はこれで終わりです。
次回はちゃんと遊ぶかな?
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