嗚呼 忙しなき日々よ   作:ノイフェル

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とりあえず深夜テンションで出来たので投げます


 憂いのエアグルーヴ

  此処は府中にあるトレセン学園

 

 

この学園ではウマ娘と呼ばれる少女達が日夜研鑽をつんでいる

 

 

 

 

「いかーん!」

 

 

その学園のトップ、秋川やよいは焦っていた

 

彼女にとっては不可欠、寧ろ彼女にとっては我が身同然であるものがないのだ

 

 

現在、秘書である駿川たづなはそれを捜すべく、学園内を奔走している

 

 

 

 

 

 

 

捜しているのは

 

「うう、どこへ行ったのだミリー」

やよいは力なく呟く

 

 

 

 

 

『ミリー』

それは学園長の頭の上にいる猫である

 

 

学園長がトレセン学園を創設する際に実家である秋川家当主より贈られたのが『ミリー』である

 

 

それ以来、やよいと苦労を分かち合ってきた大切な相棒である

 

 

だからこそ、半身ともいえる存在の不在に動揺していたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様ご機嫌いかがでしょうか?

 

 

私の名はミリー

 

 

トレセン学園とやらの学園長をつとめる秋川やよいの愛猫だ

 

 

 

 

既に幾度も春を越えており、それなりの高齢であると自覚しているが

 

 

 

 

 

この学園の創立の際には飼い主であるやよいや、その秘書である駿川たづなは非常に苦労していた

 

私の出来ることといえば、精々が彼女達を癒す事しか出来ない

 

しっかりと撫でられたり、可愛がられたりしてリフレッシュにはなったと思いたいが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このトレセン学園には一つの噂がある

 

 

 

『幸運を招く猫』という噂だ

 

その猫は学園長の愛猫であるミリーであり、トレセン学園に在籍するウマ娘や関係者には知られた存在である

 

 

 

しかし、知られた存在である筈のミリーが噂になるのは奇妙な話である。

 

 

 

トレセン学園に入学するウマ娘、就職する職員やトレーナー。彼女達は総じて学園長と面談する

 

そこで定位置にいるミリーとも顔を合わせるわけである

 

 

 

 

だが、その知名度に反してミリーは初顔合わせ以外に見る事は少ない

 

 

 

何故なら、ミリーは学園長の側を滅多に離れないからである

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、悩みを抱えたウマ娘やトレーナーなどのところにふらっと現れては慰めていた

 

それにより奮起した者たちはいつしか『幸せを運んでくる』と話をするようになる

 

それがいつしか噂になったのだ

 

 

 

しかし、不思議とミリーを見に行こうとするウマ娘は出なかった

 

 

というのも、ミリーに慰められて再起したウマ娘の一部が生徒会役員であり『ミリーに会いに行くなかれ』との通達を出したからである

 

あくまでもミリーは猫であり、不用意にストレスを与えるべきではない。との判断からであった

 

 

 

そして、トレセン学園も世代が変わる。しかし、ミリーについての事柄は継承されており、現会長のシンボリルドルフも同意した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今日も良い天気だ。しっかりと水をやらなければな」

 

トレセン学園の片隅。そこには小さいながらも立派な花壇があった

そこには『女帝』との異名を持ち、生徒会副会長をしているエアグルーヴが居た

 

「にゃお」

 

「全く、また来たのか」

 

そこにミリーがやって来たのを見て、エアグルーヴは苦笑した

 

「お前も暇ではないだろうに」

 

そう言うエアグルーヴであるが、その表情は柔らかい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『女帝』と呼ばれてこそいるが、彼女とて普通のウマ娘。日々の生徒会での仕事にウマ娘としてのトレーニング。疲労は徐々に蓄積していった

 

ウマ娘であれば、トレーナーや指導する人間がいるのが常である。しかし、当時のエアグルーヴはトレーナーという存在の必要性を認めていなかった

 

故に体調を客観的に見ることがエアグルーヴには出来なかったのだ。

 

 

 

 

そんなエアグルーヴであったが、彼女の趣味である花を育てる事だけが当時唯一の癒しであった

 

だが、その頃はエアグルーヴの趣味とはいえ、小規模な花壇に過ぎ無かった

 

 

 

ある時、そんな花壇に好ましからざる来訪者が現れた

 

「にゃお」

 

「何だお前は?

ん、ああ確か学園長が飼っている猫だったか

まぁいい、その花壇には踏み入るな」

 

「にゃおう」

 

エアグルーヴは不愉快そうに猫に言うと、その猫は歩みを止めてエアグルーヴの近くに座った

 

「なに?」

 

エアグルーヴはまるで自分の話を分かっているかの様に振る舞う猫の行動に驚いた

 

「にゃおん」

 

 

 

 

 

 

そしてエアグルーヴの花の世話が終わるまで、行儀良く待っていた

 

 

 

 

 

「何なのだ貴様は

私の用事が終わるまで待っていたとでも言うのか」

 

「にゃおぅ」

 

まるでエアグルーヴの問いかけを肯定する様に鳴いた

 

「んぐ、本当に理解しているとでも言うのか、馬鹿馬鹿しい」

 

エアグルーヴは吐き捨てる様に言い放つ

 

 

ありえない話だ

 

猫が人語を解するなどと言えば狂人まっしぐらである

 

 

 

 

 

 

常ならば、エアグルーヴとてそんなものは一蹴していたろう

 

そう、常ならば

 

 

 

 

だが、この時のエアグルーヴは強がってこそいたが、メンタル的には危険水準であった

 

要約すると、余裕がなかった

 

 

だから

 

「もし、私の言う事がわかるならば、花壇の周りを一周してみろ」

 

と言ってみたのだ

 

勿論、そんな事はあり得ないと思っていたが

 

 

 

 

 

ところが

 

「にゃおう〜」

 

と鳴いた後、立ち上がり花壇を一周した

 

「は?」

 

エアグルーヴは目を疑い、自分の正気を疑った

 

 

 

だが、

 

「にゃー」

 

自分の足元に擦り寄ってくる猫を見ていると、ささくれ立った気持ちが和らぐのがわかった

 

「わかった。お前は私の言葉がわかるのだな」

 

認めよう

この猫は規格外な存在だと

また時間がある時になら相手をしても良いと思った

しかし、仕事がある以上のんびりとしている訳にはいかない

 

 

 

だが、

 

「いや待て、私はこれから戻って生徒会の仕事をせねばならないのだが」

 

「にゅうー」

 

「私の言う事がわかっているのに、何故邪魔をするのだ」

 

足元の猫はエアグルーヴのジャージの裾を噛んで引き留めようとしていた。

 

 

 

力づくであれば、猫の抵抗など無意味である

そんな事はエアグルーヴ本人がわかっていた

 

 

しかしである。必死に何かを訴えかける様な猫の行動に

 

 

 

「分かった、分かった

もう少し此処でゆっくりしよう。それで良いのだな?」

 

エアグルーヴは折れるしかなかった

 

 

 

 

彼女は堅いイメージが先行しているが、別に可愛いものが嫌いな訳ではない

 

寧ろ、虫嫌いでありながらもてんとう虫だけは好きな様に微笑ましい部分もある

 

ただ、それが表に出る事をよしとしないだけなのである

 

 

 

 

 

「まったく、妙な猫だな。お前は」

 

エアグルーヴの苦笑混じりの言葉に

 

「にゃおぅ?」

 

と小首を傾げる猫だった

 

 

 

 

 

 

この日、エアグルーヴは珍しく生徒会室に半日ほどいなかった

 

 

 

 

帰ってきた彼女は柔らかい雰囲気を纏っていたのは、シンボリルドルフとナリタブライアンだけの秘密である




こちらは日常風景を主に取り扱うつもりです


何でこのタイミングで新しいウマ娘来るんですかなぁ

まだ、メジロ家のお嬢様と次世代の帝王来てないのにー
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