ライスシャワーは悩んでいた
先輩であるミホノブルボンと戦いたい
けれど、彼女には専属のトレーナーがいなかった
同期のスカーレット組の様に縁故に頼るのもアリだが、ライスシャワーにそれはなかった
だが、それ以上に
「ミリーちゃん。どうして死んじゃったの?」
理事長の愛猫ミリー。彼女は天皇賞秋の日の晩に眠る様にして亡くなった
翌日、書面にてその訃報が伝えられた際、一部のウマ娘の受けた衝撃は計り知れなかった
ライスシャワーにとってトレセン学園に在籍して一年半の中で、ミホノブルボンと並ぶほどの存在がミリーだった
ミリーはライスシャワーが泣きそうな時にフラッと現れては慰めてくれた
嬉しかった。優しい気持ちにもなれた
でも、もう居ない
ライスシャワーの足は自然とミリーのお墓へと向かって行った
ミリーのお墓は嘗てカブラヤオー先輩が始め、エアグルーヴ副会長がキチンと整備した花壇の側にあった
「あ」
そこには先客がいた
「何だよ、何で居なくなったんだよ
まだ、アンタに貰ったモノ返しきれてないってのに、どうしてなんだよ」
薄い茶色の短髪にピンクの色を纏った小柄なウマ娘がミリーの墓に話しかけていた
「聞いたら、あの時には既に辛かったみたいな話だった
だったら!ゆっくり静養してろよぉ
無理して死んだら、意味ないだろぉ」
「ミリーちゃん、最近会わなかったけどライス頑張ってたんだよ?
ブルボンちゃんも泣いてたよ?
ミリー、ちゃん。どおして、なのぉ」
暫くライスシャワーとナリタタイシンの泣く声が辺りに響いた
「アンタもアイツに助けられた訳?」
落ち着いたナリタタイシンはライスシャワーに話しかけた
「う、うん。ライスはミリーに沢山助けてもらって
何も返さないで、その」
「一緒じゃん、私とさ
で、どうするの?アンタは」
「どうするって」
「私はミリーだっけ?アイツに助けられた
私の意地もあるけど、今はアイツに勝ちを捧げたい
「アンタが助けた私は此処まで強くなったんだ」ってね」
「ラ、ライスも」
「なら、努力あるのみだろ?
なんなら私がいるトレーニング集団にお願いするから」
「え?あの、その。良いの?」
「ふん、トレーニング環境は用意してもレースでは負けないから」
「っ!うん!ライス頑張る」
因みにスカーレット組とはダイワスカーレットを始めとした同期のトレーニング集団である
ダイワスカーレット、ウオッカ、ゴールドシップにナリタタイシンとライスシャワー
このメンバーが第三世代において猛威を振るう事になる
そのライバルとして、トウカイテイオーやツインターボ、ミホノブルボン(引退を伸ばしてでもライスシャワーとの対決を望んだ為)等がいる
「弱いライスは今日でさよなら
明日からライスは強くなる。見ててね、ミリー」
ミリーとタマモクロスとオグリキャップ
「お、なんや猫か。可愛ええなぁ、この子
っつても何処かで見た気がするんやけど、何処やったか?」
「遅くなってすまないタマモ
うん?その子は理事長の猫じゃなかったか?」
「にゃうー」
「理事長の猫か、そら見た事ある訳やな
というか、よう覚えとったなオグリ」
「いや、そのだな
迷ってる時に助けて貰ったから」
「おい、待てぇや!
猫に道案内されるってどうなんや、それ?」
「も、勿論その後道を覚えたぞ」
「いや、それアカンやんか
ほんま自分どうにかせんとアカンで?」
なお、タマモクロスが知る由もないが、何処ぞのマッドも良く稀に迷子になって保護者(某書記や某庶務、某猫)に保護されてたりしたものだ
これは当人に言うと、間違いなく惚けるが
当事者に指摘されると、真っ赤になって沈黙したりする
故に某書記と庶務の間では「タ〇〇ン可愛いヤッター」という合言葉があったりするが、殆どのウマ娘が知らないのは不幸中の幸いであろう
オグリキャップとタマモクロスの苦難は続く
会長とミリー
「む、ミリーか
よく来たな。今日はシービー達も居ないな」
コソコソ、生徒会室の鍵をロックする会長の図
「にゃ?」
「よし、来い!」
「ああ、やはりミリーとの一時は癒されるなぁ
最近は外部との話し合いも多くて面倒でな」
理事長達も必死でサポートしているが、やはり事務的な事以外では当事者であるウマ娘の主張が重要となっていた
当然、生徒会にその負担がのし掛かる事になるが、副会長はキャラクターが独特過ぎて交渉や話し合いには向かない
書記はそもそも交渉に出さない話なので無理
庶務?
HAHAHA面白い冗談だ
個性的なタキオンを抑えられるカフェ達が常識人枠だとでも?
『類は友を呼ぶ』のだよ
というわけで会長であるシンザンに大体仕事が回ってくるのだ
それ故にこそ、シンザンは週に一度はこうしてミリーとの素敵な時間を取るのである
なお、シンザンはバレてないと思っているが、生徒会メンバーには既にバレており、後にシンザンがそれを知ってムンクになったがご愛嬌である
ミリーとゴールドシップ
「おっす、ミリーじゃんかよ」
「みゃう」
「んだ、元気ねぇな
腹減ってんのか?いや違うか?」
「みゅー」
「あ、そうだこの前スカーレットの奴がさ
ランジェリーショップで悩んでたんだよ
サイズが合わないとか何とかってよ」
「にゃ?」
「いや、これトレーニング中の休憩の時に言うと鬼になるのがいるんだよ?
いや、怖いぜアレは?」
「!にゃあっ!!」
「お、どうしミリー?
何「面白い話をしていますわね、ゴールドシップ?」
げ、まさか」
「随分と貴女らしくなく気遣ってくれている様で、従姉妹の私としては鼻が高いですわね」
「...........」
そこに居たのは青筋を立てるマックイーンと顔を伏せたままに自分の胸を触るサイレンススズカだった
「にゃ?」
「あら?ミリーですのね、お元気かしら?」
「ゴ」
「ゴ?」
「ゴルシワープッ!
悪いミリー、またなー」
「なっ、待ちなさい!」
「ニガサナイ」
ミリーは思った
平和だなーと
婦長が絶不調なので今日はこれまで