後悔しないが公開する
校長の体調が絶好調
いつもの乱文にございますが、宜しければ読んでやって下さい
サイレンススズカは少しばかり誤解していた
『恐怖の逃げウマ娘』ことカブラヤオー
彼女は控え目な性格である。スズカはそう誤解していた事を今、痛切に理解した
「はい、スズカさんあとワンセット!」
「待ち給え、カブラヤオーくん
流石にオーバーワーク過ぎやしないか?」
「大丈夫ですよ、私のトレーナーが居ますから」
「....そうだったねぇ」
アグネスタキオン先輩の声を遠くに聞きながら、スズカは反省していた
言っていたではないか
レイクスプリンター先輩がカブラヤオー先輩はこと努力に関して間違いなく『化け物』だと
スズカのトレーナー関連の話は結局、行状に問題ありとして『一時的』にカブラヤオー先輩のトレーナーがスズカを担当する事になった
しかし、スズカは副会長のエアグルーヴより聞いた話では
「スズカちゃんの事、任せて貰えるよね?」
「いや、確かにサイレンススズカのトレーナーに問題があったとは思いますが、だからと言って」
「ルドルフちゃん?」
「そ、その様に言われても私の一存では決められない話です」
「え、ああそっか
やよいさんにはきっちり『お話』したから、大丈夫」
「.......はぁ、分かりました
カブラヤオー先輩だけはマトモだと思っていたのですが」
「ルドルフちゃんやグルーヴちゃん、ブライアンちゃん達には分からないかもね
類稀なる才能を持たない者は文字通り『必死に』努力するしかないの」
「いや、先輩とて大概だと思いますが」
とのやり取りがあったとか、何とか
因みにエアグルーヴとナリタブライアンはひたすら置物に徹していたそうな
誰があの状態のカブラヤオー先輩に抗えるというのか
ああなったカブラヤオー先輩をとめれるのは、カブラヤオー先輩のトレーナーのみ。シンザン、ミスターシービー両先輩とて抗しきれるものではないのだから
「あのシンザン先輩やシービー先輩があの先輩を生徒会に入れた理由、今なら分かる気がする」
とはナリタブライアンの談である
因みに初代生徒会は
会長シンザン
副会長ミスターシービー
書記カブラヤオー
庶務アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、レイクスプリンター、テスコガビー
という編成であった
庶務が多い?
「道連れは多い方が良いよね?」
とは某書記の言である
その辺の事情を知る理事長や学園関係者は揃って口を閉ざしている為にどの様な思惑があったのかは、謎である
しかしながら、同時期において強引な取材をしていた一部報道関係者がトレセン学園の『敷地外』で『前後不覚』の状態で発見されたり、『何故か』山頂付近で見つかったりしていたが、関連は不明というのがトレセン学園並び警察関係の公式見解であったりもした
因みにスズカの受けている傍目からするとキチガイじみたトレーニングだが、実のところはフィジカル面ではトレーナー。メンタル面ではカブラヤオー。体調管理はアグネスタキオン
と明らかに素敵(意訳ヤバイ)なメンツであった
そして、このメンツが加減を間違える事は先ずあり得ない
今回の件に対応すべく、カブラヤオー達はスズカのフィジカルデータや各模擬レースのデータは元より、スズカのメンタルについてもある程度まで調査していた
無論の事、スズカ本人に悟らせる様なヘマはしない
この調査にはレイクスプリンターも携わっており、彼女以外にも多数のウマ娘が関わっている
なお、某人物はこのメンバーを聞いて
「ああ、私は何も聞いていない
そうだな、シービー?」
と現実逃避に走ったが、まぁ余談である
「では、今日のトレーニングは終わりです
お疲れ様でした」
「は、はい」
最早疲労困憊といった感じのスズカであるが
「ところで、カブラヤオーくん
実は私のところの従姉妹がトレセン学園に入学していてね。少し相談したいのだが、構わないかい?」
「そうですか
なら、カフェさんとスプリンターさんも巻き込みます?
やはり、スズカさんとは育成の段取りも変わりますし」
「ふむ、カフェは確かに良いかもしれないね
彼女の登山トレーニングは私たちで効果を確認している。非常に効果的だろう」
とスズカをして真っ青になりそうな話をしているのである
スズカは直ぐに自室に戻る事にした
確かに危険だが、彼女達が無闇に故障のリスクをおかすとも思えない
だからこそ、タチが悪いとも言えるのだが
スズカが去った後
「1番、ですか」
「ああ
我が従姉妹ながら負けん気が強くてね。私を超えると言っていたよ」
タキオンの話を聞いて怪訝そうにするカブラヤオー。それに対して当のタキオンは嬉しそうにしていた
「嬉しそうですよ、タキオン?」
「当然だろう
あの昔は泣き虫だった従姉妹が、私を始めとするウマ娘に挑もうというのだから!
これほど嬉しいこともそうないだろう」
「全く、アグネスタキオンさんの仰る通りですわね」
2人の会話に1つの声が割って入る
「メジロマックイーンさん、お久しぶりですね」
「ええ、カブラヤオーさん。お久しぶりですわね
タキオンさんもお元気そうで何よりですわ」
「君まで来るとはねぇ
確かゴールドシップ君だったかな。身内かい?」
「ええ
私たちメジロの系譜、その最期を飾るに相応しいウマ娘ですわ」
『メジロ家』
ウマ娘におけるそれなりの規模を持つ一族である
当代当主メジロマックイーンを筆頭にメジロライアン、メジロバーマー、メジロドーベル
どのレースにおいても、第一線で戦いながらも各々の役割を分け切ることの出来るウマ娘達であった
マックイーンを始めとしてメジロ一家にとって『メジロ』という家名は重すぎるものであった
そんな中で育ったにも関わらず、自由奔放なゴールドシップ
元はメジロの名を与えるべきと周囲より言われていたが、他ならぬメジロマックイーンがそれを拒否
「私たちが遺した物を彼女が新しい形で受け継ぐ
それもまた、良いではありませんの?」
マックイーンとてメジロ家に生まれ育ったウマ娘
思い入れは一入であるが、それ故に自由でなかったことも承知していた
『あの可愛い妹分にその様な窮屈な生活はさせたくない』
マックイーンのみならず、現役のライアン、バーマー、ドーベルも同意見であった
しかし、マックイーンとてウマ娘
こと、レースに関しては妥協を許さない
悲願である天皇賞春を一度は獲れたものの、連覇とはならなかった時は彼女のトレーナーを連れて『強化合宿』を行なった程である
残念ながら、その時の無理がたたって引退せざるを得なくなってしまったが
「えっと、マックイーンさんはそのゴールドシップ?ちゃんをトレーニングに参加させたいという事ですか?」
「ええ、カブラヤオーさんの『夏合宿』に是非ともお願いしますわ
そうですわね、ついでにライアン、ドーベル、バーマーも参加させるのは如何でしょう?」
「ふむ、私は構わないと思うがね
幸いにして、学園側の許可を取ること自体は容易だろうし、私としてもモルモットが増えるのは歓迎したいね」
ここにライアン達がいれば「いや、待ってマックイーン」と止まるだろうが、生憎彼女達は居ない
そして、ここにいる3人は程度は違えど『トレーニング馬鹿』なのだ
カブラヤオーとマックイーンはともかくとして、タキオンがそうである事に疑問を持たれる事だろう
しかし、アグネスタキオンというウマ娘は効率を重んじる。ならば自身の身をもってデータ取りする必要があるならば、躊躇いなくそれを行なう
更に現役時代には『フィジカルお化け』ことカブラヤオーが側にいた
事あるごとに彼女に臨床試験を提案したものである。されどカブラヤオーとてタキオンが傍観者である事を許さない
結果、マンハッタンカフェも巻き込んでのギリギリのトレーニングをしているのが彼女達の日常であった訳だ
因みにカブラヤオーのトレーナーもまた、そのトレーニングに同席し監視役兼保護者をしていたりもする
マックイーンとて『メジロ』の看板を背負うウマ娘
自身の研鑽に手を抜くなどあり得なかった
『発言には責任か伴う』
この日からひと月後、ダイワスカーレットはこの言葉の意味を噛み締める事になるのだが、それは後々お話ししよう
なお、トレセン学園側として秋川理事長は異例ともいえる決断をする
サイレンススズカ並びダイワスカーレットのトレーニングに際して愛猫『ミリー』を派遣する事にしたのだ
この判断にはトレセン学園関係者のみならず、卒業したウマ娘達も衝撃を受ける事になる
理事長の愛猫『ミリー』
この猫は不思議な事にギリギリのウマ娘の側にあっては、度々悲劇を回避してきた事で関係者の間では有名だからだ
事にトップジロー、ミスターシービー関連の活躍は同期のウマ娘達の中でも有名だった
トップジローはカブラヤオーを倒す為に、それこそ身を削るかの様なトレーニングを行なっていた
トレーナーがいた上でのそれならば然程に問題にならないが、総じてウマ娘というのは正規のトレーニングの後に自主トレーニングという形をとる
自身でも無茶をしているという自覚はあるのだろう。それでも尚、襲い来る不安に突き動かされての事であるとは思われるが
そのトップジローに文字通り『噛み付いて』止めたのがミリーである
結局、トップジローとて猫を振り払ってまでのトレーニングを強行出来ず、無事レースに出走する事が出来た
ミスターシービーの場合は打倒シンザンを目指していたが、溺愛していたミリーによる『鳴き声攻勢』により陥落
後の検査により脚の異常が見つかり事なきを得た
元は理事長お気に入りであったが、ウマ娘達からのミリーへの接触許可や嘆願を受け、一時期ミリーは学園内とはいえ、自由に行動出来ていた
だが、『不慮の事故』によりミリーは負傷する事になる
それにより、後ろ脚に障害を残す事になり、理事長室において保護する事になっていた
『事故の要因』を当時の生徒会が中心となって排除する事を受け、回数制限という限定的処置により、ミリーは学園内を再び動き回る事を理事長は許可する
不思議な事ではあるが、当時学園内における強引な無許可の取材が収まった時期と一致するのだが
理事長の頭の上で生活させたのでは、ミリーが衰弱する事が懸念されたのも理由の一つであった
『幸運の猫』ともされるミリーを敢えてサイレンススズカ達のトレーニングに同席させるというのは、それだけ今回の件に学園側も神経を尖らせていることの証拠ともいえなくもなかった
ミスターシービーとミリー
「お、ミリー来たか!」
「にゃうー」
「誰もいないな、ヨシ!」
「にゃあぅ?」
「ああ”ーミリー可愛いなぁ、お前
理事長に頼んだら一晩貸してくれないかなぁ?
貸してくれるなら、シンザンをレンタルしても良い(本人の同意なし)」
「にゃお?」
「ぐっ、さ、流石はミリー。小首を傾げるとは高等テクニックを(鼻血ドバー)
ああもぅ、お持ち帰りするか?してしまうか?」
「に”ゃっ!」
「痛い痛い、悪かったよミリー
しないから、猫パンチはやめてくれ」
「にゃー」
「癒されるなぁ」
なお、生徒会室から逃亡したシービーを捜す為に生徒会書記並び庶務が総動員された事により、生徒会長が涙目であったが、因果関係は不明である
予想外にスズカ関連の話が長くなってきた
あれれー、おかしいぞー(高山み○みボイス)
ではご一読ありがとうございました