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プロローグ
プロローグ(バカテス編)
「………ねえ、お姉ちゃんはどうしてこんなとこで寝てるの? それともどこか体調が悪いの?」
「……う…ううん。 あ、あなたは私のことが見えるん、ですか?」
夕暮れ時公園のベンチに倒れこんでいた紫の髪の足までかかるほどの少女に一人の茶髪の少年が不思議そうに話しかけている。
そのことに少女は目を丸くして驚きながらとまどいがちに尋ねる。
「うん。それにしてもみんな冷たいよね。女の子が倒れてるのに見て見ぬふりをするなんて! すごくしんどそうなのに」
そんな彼女の問いに少年は満面の笑みを浮かべてうなずいてから悲しそうな表情を浮かべて言う。少年の温かい気遣いが少女には流れ込んできていた。
「あ、ありがとうございます。君以外は全然気づいてもらえなくて、もうダメかと思いまし「僕の名前は明久! 吉井明久っていうんだ☆」そうなんですか…」
ベンチに座りなおして改めて少年の目を見て言うと少年から自己紹介をされた。
いきなりのことに少女は驚きの表情を浮かべながらもとまどいがちにつぶやいた。
「うん♪ ……お姉さんの名前は?」
「私ですか? 私は……桜です」
笑顔でうなずいてから少年が問いかけると少女は少し迷うしぐさをみせたが意をけして笑顔で自己紹介をした。
「桜お姉ちゃんか~。 きれいな名前だね? よろしくね!」
「!……はい。こちらこそ、よろしくです」
にこにこ笑顔で名前の呼び方を小さく繰り返して桜を見て言い、手を差し出す。
桜は驚きながらも少年の小さな手を握り返した。
これが少年と桜の出会いである。
*****
また別の場所では……
「聖杯? それとあたしの研究と何の関係があるんだい?」
『本当に訊いているのかね? 君は気づいていると思うが』
醜悪な老婆と謎の人物がとある研究所内でなにやら会話をしていた。
「ふん、そんな胡散臭い話は信じられないさね。ましてや、あたしの研究に役立ったとしてあんた……いや聖杯……ムーンセルに何のメリットがあるんだい?」
『それについては―――』
きな臭い話はお断りというふうな表情だが、相手を試しているのような探り合いをしている。謎の人物が口を開いてなにやら話すと。
「ふん。確かに面白そうな話ではあるね。……いいだろう。乗ってやるさね」
『それは助かる』
老婆は興味をもったのか承諾し、頼んだ方は不敵に笑っていた。
「それでいつ始まるんだい? あんたたちがいう全く新しい聖杯戦争と言うのは?」
『時期が来ればわかるさ』
老婆が問いかけると相手はただ笑うだけでかえした。