バカとfateと東方と複合した世界   作:yuni12

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プロローグ(fate編)その2

「遠坂、厄介事になったぞ。

街なら近いから行けるけど俺達の知ってる冬木市とは違うみたいだ」

 

凛は腕組をして思案していると、上から士郎の声が聞こえてきた。

 

「えっ!?」

 

それをきいて目をむく凛。

どうやら木に登って周囲を確認していたのだろう。

そして、士郎は木から降りて凛の元に行き状況を説明した。

 

「……そう。まさか、信じられないけどまた、第二魔法をこの身で体験する羽目になるとは思わなかったわ」

 

「で、どうするんだ遠坂?」

 

士郎の話を聞き、凛は、考えごとしてるのか顔を下げていたがすぐに思いついたのか顔を上げた。

 

「そうね。予定通りに服を投影して、本屋か図書館に行きましょう」

 

「本屋に図書館? なんでだ?」

 

そして士郎を見つめて告げると彼は不思議そうな顔で問いかける。

 

「私達は、どこにいるのか確認する必要があるわ。単に冬木市以外の街に来たのか、

 それとも異世界に来たのかを確認をするためよ」

 

「なるほど。じゃあ早速投影開始≪トレースオン≫」

 

 凛の考え事を聞き、士郎は再び木に登り街を歩く中学生くらいの服を視認して二着投影していた。

 

街中の公園

 

「わかったことといえばここが並行世界ということね」

 

「ああ、少なくとも文月市なんて知らないからな。それに冬木市が見当たらないしな」

 

 二人は投影した服を着て街に出て本屋に向かい調べた結果、ここは日本らしいことと冬木は存在しないことが確認できた。

 このことから間違いなく並行世界に来たことは間違いない。

 また、並行世界といっても、表の基本的なところは元いたところと変わらないようだ。

 集めた情報を纏めるため公園で話し合っていた。

 

「まぁ、来ちゃった以上は仕方ないわね」

 

「それでいいのか遠坂?」

 

ふう、と息をはく凛に士郎が尋ねる。

 

「良いも何も私達はクラスカードの力でここに来たのよ。元の世界に戻ろうにも道具もお金もないのよ」

 

「むう。じゃあとりあえずは、資金の調達とここに滞在する間の戸籍の偽造を手配するだな」

 

そう言いながら士郎をまっすぐ見つめる凛。

それを聞いて唸る士郎は今からすることを述べていく。

 

「あとは、情報収集と衣食住の確保ってところね。それと並行として魔術関連の存在の確認ね」

 

「ああ。戸籍はすぐに手に入るとは思えないけど、それでも時間をかければ何とかなると思うしな」

 

凛は士郎を見ながら告げると士郎は同意するように頷いた。

 

「ええ。それについてはそれで問題ないわ。

 次に管理者の有無と在り方で、ある程度そのあたりの事情もわかるはずよ。

 こっちと同じかどうかはわからないけど、もし同じだとしたら気をつけるのに越したことはないわ」

 

「だな。理想は、こちらの存在がバレずに相手の情報を得ることなのだが。そう上手くいくかどうか」

 

凛が士郎を見ながら言うと次に思い浮かべたことを伝える。

 

「まぁ、そのあたりは焦っても仕方ないわ」

 

「そうだな。わからないことを悩んでも無意味だしな」

 

苦笑いしながら凛は言うと士郎も同意するように頷く。

 

「さて、いきましょうか」

 

「そうだな。まずは、どうやって資金を稼ぐかだな」

 

二人はとりあえずの状況の確認後今後どうするか話し合い結論を出すと二人は公園から晴れようとした時。

 

いつのまにか二人の傍に、碌な思い出がなくむしろ会いたくなった男が立っていた。

 

『ふむ。妙な気配を感知したがよもや並行世界の者が来てるとは……』

 

「「お、お前は・・・言峰 綺礼!?」」

 

黒服の神父服を身にまとった男が二人を見てつぶやく。

それに気づいて身構える二人。

 

『ふむ。私のことを知っているのか? だが、残念ながら私は君らのことを知らないな』

 

「知らないってどういうことよ!」

 

「そうだ!あんだけ暗躍してふざけるな」

 

警戒されていることに気づくも淡々と述べる神父の男。

彼の言葉を聞いて声をあらげる二人。

 

「ふざけてなどないさ、なにしろただの私はシステムだ。 私は案内役にすぎないのだから。

かつて聖杯戦争と呼ばれる戦いに関与した、とある人物の人となりを元にしたNPCにすぎない。

 私はかつて在った記録にすぎない」

 

「それを信じろと言うのか?」

 

神父の男は肩をすくませてから士郎たちに伝えるが。

警戒色はいまだに晴れずにいる。

 

「信じる信じないはそちらの自由。 だが……この世界でどう生活するつもりだ?」

 

「「ぐっ!」」

 

神父の男は興味なさそうに言うと士郎達にこれからのことを問いかける。

 

「さて、いつまでもここで立ち話もなんだ。詳しい説明も必要だろう。場所を移そう」

 

「まさか、あんたの教会に行くつもり?」

 

黙り込む彼らを見てから歩きだそうとする神父に凛が問いかける。

 

「いや、君たちのお世話になる喫茶店で話をするつもりだが、それと私の恰好は神父の姿をしてるが教会所属ではない」

 

神父は首を横に振り、姿のことを説明しつつ、行く場所をさらりと明かす。

 

「・・・じゃあ、どこにいくつもりなんだ?」

 

「ここに行くのだが?」

 

士郎の問いかけに神父はある物を見せる。

その神父の手にはチラシを持っており、それを二人に渡してきた。

ちなみにチラシにはこう書かれていた。

 

『厨房での仕事ができる人募集。経験者が望ましいが他にはとくにいる資格はなし。

 応募者には適正試験を行います   喫茶店<月海原>店長 高島 佳奈美』

 

色々こちらも圧迫しているのだろうことが伺える。

 

『ここが月海原だ』

 

「ふ~ん。……ここがね」

 

チラシに書かれていた地図を頼りに、言峰(NPC)と一緒に士郎と凛は月海原にたどりついた。

 

その喫茶店はこじんまりしているが、何だか人を安心させるようなそれでいて中々洒落ている店だった。

 

「すまぬが店主はいるか?」

 

「はいはい、誰ですか~? ってあんたはマーボーしか頼まない似非神父!」

 

喫茶店に入り、声をかけると一人の黒髪でサイドアップに結った女性が出てきた。

女性は神父を見て声を荒げる。

 

「ふむ。では、次からはマーボーナスを頼むとしよう」

 

「だから!!マーボーしか頼んでないじゃない! しかもうちは中華喫茶じゃない!」

 

これを聞いて神父・・・言峰は思案してから結論を告げるのだが、かえってさらにツッコミをいれられている。

ある意味、言峰(NPC)と喫茶店の店主と世間話?をしているようなものだ。

 

このままでは話が進まないのでとりあえず、代表して士郎が声をかけることにした。

 

「え、ええっと、すいません」

 

「ふむ、すまない。話に夢中になっていたようだ。

店主よこの二人がこの店で働きたいそうだ、面倒見てもらえないだろうか?」

 

申し訳なさそうな感じで声をかけると二人が振り向いた。

言峰は思い出したような感じで店主に要件をつげる。

 

「んー? ……二人ともまだ中学生ぐらいの子じゃないか。どうしてこんなところに?」

 

「店主よ、人には色々あるものだ。

それでどうなんだ? 確か今人手足りないんだろう? チラシで募集してたのだからな」

 

凛と士郎を見ていぶかしげな様子になる。

言峰が彼女の問いかけを遮るように話をずらす。

 

「まあそうだけど、似非神父に言われるとムカつくわね。・・・・・まぁいいわ。

それで、君達、ご両親は?」

 

店主は少し苛立ちを募らせるが士郎と凛を見て尋ねる。

 

「ええっと、その実は両親は俺が生まれた時に死んでしまって。

で親切な人が父親代わりとして育ててくれたんですがその人もこの前病気で……」

 

「私も、両親が病気で亡くなってそのあと彼の父親代わりの人と世話になってたんですけど・その……」

 

申し訳なさそうな感じでうつむきながら話をする士郎と凛。

なかなかの名演技といえよう。

 

「そうなのか。すまないなつらい事を言わせてしまって」

 

「ふむ。それなら店主の家に、泊めたらどうだ?」

 

それを聞いて表情を曇らせる店主の女性。

言峰が店主に彼らのことを話す。

 

「……まぁ、あんたも・・・うちで居候してるしね。 別に今更、二人増えたくらいじゃ問題ないけどさ」

 

と言って店主さんは難しそうな顔をして考え始めた。

 

まあ確かにいきなり居候させてくれって言われてもOKするはずもない。なんてことを二人が思っていると。

 

「……。とりあえずチラシの通り適正試験を受けてもらうから、居候云々の話は合格してからだな」

 

ちらりと二人を見てから店主は決めることを告げる。

 

「わかりました。何をすればいいんですか?」

 

「厨房での仕事を募集していたんだ。だいだい予想はつくだろ?」

 

士郎は頷くと店主にこれからどうするべきか尋ねると。

店主は笑いながら言う。

 

「なるほど。料理ですね」

 

「・・・・・ふむ、では頑張ってくれ。合格が決まればこの世界のことで詳しく話そう」

 

言峰(NPC)・・・・いや、似非神父の心こもってない応援を聞き流しながら、三人は喫茶店の中へと入っていった。

 

「ふ~ん、二人とも中々うまいじゃないか。 赤毛の子は和食が得意でツインテールの子は中華が得意のようだな」

 

「まあ、義理の父親がそのへんずぼらな人でしたから。自分で何とかするしかなくて……」

 

「わ、私もそうです」

 

料理の出来栄えを見て感心したように言うと苦笑いを浮かべる士郎と凛。

 

「……そうか」

 

そう言って店主はまた考えだした。そして10分ぐらい経った後、

 

「いいだろう、合格だ。料理以外にも色々できそうだしな」

 

店主は士郎達を見つめて告げる。

 

「・・・・いいんですか? 自分で言うのもなんですか見知らぬ子供ですよ?」

 

「ちょ、ちょっと士郎!」

 

士郎の問いかけに焦りながら彼の裾をひっぱる凛。

 

「あははは♪ 安心しな。 私は一度言ったことは撤回しないようにしてるんだよ。いいったらいいんだよ」

 

店主はそう言って笑いながら士郎と凛の頭をくしゃくしゃと撫でるのであった。

そんな会話から数日後、

 

「ああ、そうだそうだ! 士郎に凛。お前ら、来週から地元の中学に通ってもらうから」

 

「え!そんなのいいですよ!居候までさせてもらっているのに学校までなんで」

 

「ありがとうございます。行きたいなと思ってたところなんです」

 

思い出したように手を叩いて士郎と凛に告げる。

士郎は慌てるが、凛は嬉しそうに笑いながら言う。

 

「おいおい! と、じゃなくて。 凛、何を言ってるんだ?」

 

「あのなあ、士郎。凛の反応が正しいもんだぞ? 

それに中学生のはずのお前らがずっと喫茶店で働いている方が問題だろ。

一応義務教育なんだから。

お金のほうは気にするな、私の義理の両親は資産家でね。

この喫茶店も趣味であり、老後の楽しみとしてやってるだけだからね。

店も赤字にはなってないし、余裕があるからいいんだよ。

それに両親の遺産は『お前と同じ様な子達のために使ってくれ』って言われてるからね」

 

慌てる士郎をじと目で見つめる店主は呆れているようだ。

それでも昔のことを思い出しながら彼女は笑って士郎達の頭を撫でる。

 

「・・・・すいません、何から何まで」

 

「よろしくお願いします」

 

「いいんだよ。お前らが働くようになってから客が増えてるんだから」

 

謝る士郎とお辞儀をする凛に笑顔で笑いかける店主。

それはまるで本当の家族のようだった。

こうして衛宮士郎と遠坂凛は喫茶店『月海原』に居候することになった。

 

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