ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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珍しくモチベが高かったので早めに仕上がりました。


呪いの使い方

幸利達の戦争は激しさを増していった。

 

「使役した魔獣もこれで最後か……」

 

道中洗脳した魔獣は灰竜との削り合いでほぼ全滅してしまった。

 

『ご主人様……どうするのじゃ……』

 

『ヘッ……倒す策は正直あんまないし、確実性を持たせるなら……死にかけるしかないな……』

 

幾つかの策を練り、どう上手く成功させるか頭の中で想像するのだが、上手くいく確率、その後のリスクを当てると、どれも最善とは言い難い。

恐らくは最善なんてものは既に過ぎ去っているのだろう。

 

『死にかける……それはご主人様がかの?』

 

『当たり前だ……お前にはそこまでの負担はかけさせたくない……いくらドMのお前でもこれは流石に男として……恋人として、やりたくない』

 

幸利は呪いに塗れた赤黒い竜を見る。

今、黒竜令呪(シュバルツドラッヘ)でカンナカムイとリヴァイアサンの力を取り込ませている彼女にこれ以上の負担をかけられない。その上、アジ・ダハーカは呪いの塊のようなものだ。この竜を呼び出すのに、世界(トータス)に散らばる恨み、怨念、憎悪などの負の感情を集め、自分の呪い(おまじない)を込めて作り上げたものを取り込まさせるのは、危険だと判断した。

 

「とにかく、今はローリスクでやるしかねぇ訳だ!」

 

幸利は洗脳した魔獣を一斉に襲わせる。

 

「何度も同じ手を使うとは……万策尽きたか?」

 

灰竜のブレスにより魔獣は一気に焼け死ぬ。

辺りには焦げたような臭いと肉の腐った臭いが充満し、不快な気分にさせられる。

 

これまでの戦いで死んだ魔獣と灰竜の合わせた数は最早億を超えていると考えていいだろう。

 

「(これがダメなら覚悟決めるか)……アジ・ダハーカ!『呪怨念堕戒砲』!」

 

辺りから黒紫のオーラが立ち上り、アジ・ダハーカの口内で溜められているブレスに集まる。

1秒、1秒と時が進むことに放たれるオーラが強くなる。

 

「む、流石にそれを放たれては堪らん……ウラノス!」

 

流石にフリードも看過できないと判断し、愛竜であるウラノスに妨害の為に極光ブレスを放たせる。

 

『妾がそれを通させるのじゃよ!』

 

ティオが焔に雷を纏わせたブレスを吐き出し、極光ブレスを相殺する。

 

「ナイスだティオ……んじゃまぁ……これでくたばってくれや……死ね」

 

アジ・ダハーカの顎門から怨念の籠った声が聞こえ、そのブレスを凝視すれば、ナニカの苦しむような魂が見えそうだ。

 

「ぐっ……グォォォォォォォォォォォォオ!」

 

呪いのブレスに身を焼かれるフリード。

溜められた怨念は多いほど持続と威力の上がるブレスは1時間は放たれた。

アジ・ダハーカがそのブレスを吐き切る。

そこにはボロボロになり、あちこちから紫色の煙を上げて、息を切らせている、彼の姿が顕になる。下にいるウラノスも苦しそうである。

 

「チッ…仕留め損なったか……」

 

「ハァッ…ハァッ…!なんという怨念だ……人間族がこれほどの呪いを扱う……おのれ……!」

 

すると、フリードは唐突にウラノスの首を切る動作を見せる。

遂に血迷ったのか、と思ったのだが自身の近くに魔力反応を感じ取り、すぐさまその場から離れようと足に力を入れたが遅かった。

突如、現れたウラノスの顔が、幸利の身体に喰らいつく。

 

「しまっ…!」

 

そしてそのまま幸利ごとウラノスの首が元に戻り、フリードの前に連れてこられる。

 

「ククク……こうもされれば貴様と言えども何もできまい」

 

ブラックロッドは除外されたのか、手元になく、魔力を放とうと力を込めるが、ウラノスの牙が身体に沈み込み、激痛が集中を乱し、抵抗を妨げる。

 

『ご主人様を離せッ!』

 

焦ったように、ティオが飛びかかる。

 

「フッ……もう遅い……ウラノス!トドメを刺せ!」

 

ティオの方に首を向けて極光ブレスを吐き出す。

喰らい付かれた幸利ごとブレス吐き出した為、彼の無防備な身体ごとティオを呑み込み、分解されていく。

 

「ガァあああああああああァァァア!」

 

ブレスを吐き終えたウラノスは幸利を外壁に叩きつける。

同じようにブレスを喰らったティオは幸利ほどダメージを受けておらず、直ぐに彼の下へ飛び寄る。

 

『ご主人様…!今すぐ再生魔法で治療を……!』

 

外壁に叩きつけられた彼の肉体は、あちこちが焼け爛れており、煙を上げており、そこから徐々に分解が進んでいる。

 

「やめろティオ…」

 

『何故じゃ……このままだと…いくらご主人様と言えども死ぬのじゃぞッ!」

 

いつのまにか竜化を解き、両手に魔力を込める。

 

「そこまで柔じゃねえぞ?」

 

普段とは違い、焦る様子のティオに幸利は違和感を抱いた。

同年代が焦る中落ち着かせようと、年長者としての余裕を見せる彼女からは想像もできなかった。

否、そうではないと押し付けたのだろう。

 

幸利はふと、アドゥルとの談笑を思い出す。

 

─────────────────────────

 

「幸利くん……」

 

「なんですか?」

 

楽しくティオの昔話をしていたアドゥルの顔が少し険しくなる。

 

「……ティオのことを本気で愛してくれるのなら、私から一つお願いがある」

 

「俺にできることなら聞きますよ」

 

「ありがとう……」

 

アドゥルは幸利の手を握る。

 

「彼女から、離れないでいてくれるかな?……あの子は君達が思っているほど、人から引き離されるのに強くない……目の前で両親の遺体を辱められたのが引きずっているんだ……」

 

両親の墓の前で涙を溢していた、ティオを思い出す。

 

「だからか……この竜人族の姫君として、ただひたすら努力と研鑽を積み重ねていって……いつの日か本当にしたいことを隠してしまったんだ……あの子の祖父として情け無い限りだ……」

 

辛そうに、自罰的に声が震えている。

 

「君にこの事を話すのは……多分、ティオの人生を、固めてしまった事への後悔から逃れようとしているのかもしれないな……」

 

「でもアンタは……ティオをここまで育て上げたんだろ?……それが嫌ならティオはもっと違うやつになってた筈だ……だから自信を持ってください」

 

「幸利くん……そう言ってもらえると助かるよ……」

 

嬉しそうにアドゥルは笑うのだった。

 

─────────────────────────

 

「ご主人様……頼む……傷を治すのじゃ……これ以上妾の前から大切な人が消え失せるのは嫌じゃ……」

 

泣きそうになるティオは、幸利の身体を治そうと再生魔法を行使しようと手を重ねる。

だが、幸利はその手を掴み、退ける。

 

「ご主人様?何を……」

 

「ったく……やめろって言うのがわかんねぇのか駄竜さんよ……傷を治すのは今じゃない……後で良い」

 

そう言ってティオ頭をクシャクシャと撫でる。そのまま自身の胸元に抱き寄せる。

 

「俺からお前に2画目の『黒竜令呪』を持って命ずる。俺の為に、魔力を溜めて、次の指示を待て」

 

「な……!」

 

黒竜令呪は正しく発動し、ティオの魔力が強制的に溜め込まれる。既に一度発動していた黒竜令呪の一画片翼が消えており、今の発動でもう片翼が消える。

令呪命令に反発して彼女は再生魔法を幸利にかけようと意識するが、身体が動かない。

 

黒竜令呪。

幸利がティオ専用に作り出した外部強化魔法にして、強力な呪い(おまじない)

彼自身の起源《支配》によりその拘束力は聖杯戦争で現れる令呪よりも強力な物になっている。

この起源によって彼は伝説とも言える竜を召喚し、使役する事ができている。

 

「待つのじゃ!」

 

ティオの静止を無視して幸利は跳んでいく。

既に傷の癒えたフリードが待ち構えている。

 

「あの竜人族は良いのか?」

 

「ああ、お前は俺1人で充分だ」

 

「頭がイカれでもしたか?」

 

「さあな。……それにあいつにやった強化が俺にもできないわけがないだろう?こい!ヨルムンガンド!アジ・ダハーカ!」

 

黒い蛇のような竜と赤黒い龍が幸利に纏わりつき赤黒い球体を作る。魔力がドンドンと増幅し、ドクンドクンと心臓が鼓動するように脈動している。

 

「何をするつもりか知らぬが、そう易々させる訳にはいかん!」

 

魔法を打ち込むと球体にヒビが入る。ヒビが入るだけであった。

 

「ぐっ中々に固い…」

 

次の魔法を放とうとした途端、球体は自ら割れた。

 

「ハァ……」

 

紫色の息を漏らし、深緑色の悪魔のような羽を生やし、その羽には、蛇のような目、腰から伸びる尾も蛇のようだった。全身には刺青が現れている。

 

「なんだその姿は……いや、怖気つく訳にはいかんウラノス!」

 

フリードはウラノスに竜巻を巻き起こさせる。

 

「『氷河天焼』!」

 

蒼い魔力が竜巻に注ぎ込まれ、冷たい空気が溢れ、辺一体がブリザードで包まれる。

その中に幸利は突っ込んだ。

 

「この程度で俺は死なねえよ!」

 

「何ッ!?」

 

まさかの凶行にフリードが困惑したような声を出す。

気温が超低温に下がる。風で傷が切り裂かれ、そこから凍りつき、血液の流れが悪くなり、意識が落ちそうになる。

 

「フッ……いくら貴様とて、この低温には耐えられまい。そろそろ暖かくしてやろう」

 

竜巻が晴れ現れたのは、血が凍り全身もボロボロになった姿の幸利だ。

 

「おら……もっとこいやぁ……」

 

「『獄炎監牢』!」

 

紫の棘のついた牢屋が幸利を取り囲み、一気に縮み身体に突き刺さる。

 

「グオァ……」

 

焔が消えた後も幸利は空に立っていた。

 

「貴様……なんのつもりだ?」

 

「……さぁてな?」

 

不気味な笑みを浮かべる幸利。

下で悲鳴を上げる竜人族の姫君のことすら、見えていない。呪いと猛毒が身体中を駆け巡り、彼の頭は激しい頭痛と激痛が走っている。

フリードは両手を天に掲げて、振り下ろす。

 

ザンッ!

 

「幸利ィィィィィィィ!」

 

後ろから真紅の槍を構えて優花が一直線に飛んで来ていた。

 

─────────────────────────

 

使徒との戦いは優花達が優勢で進んでいた。

消耗も少なく、再生の治りも悪くなっていた。

 

「香織から回復魔法を教わって正解だった……再生することを止められる!」

 

光輝の回復魔法を付与した聖剣の一撃が当たることにより、使徒の再生が弱まっている。

 

すると別方向からとんでもない程の魔力が溢れ出るのを感じ取った。

 

「この魔力……しかも乱れてる……幸利…!?」

 

恋人の魔力に異常事態が起きていることに優花に不安が生まれる。

 

「ゆうかりん……トッシーのとこに行って」

 

結界を維持しながら鈴が言う。

 

「ッ……でもここは離れられない」

 

使徒の相手から離れることができない、かと言って幸利が心配な彼女は迷っていた。

 

「園部……死にかけるかもしれねぇが……幸利の方が死にそうだ。だからよ、アイツのこと助けに行ってこいって」

 

龍太郎も加勢するよう促す。

 

「……わかった。本当に不味かったら念話石で呼んで」

 

そう言って優花は駆け足で幸利の元へ跳んで行った。

 

「さて……そろそろやるか……」

 

龍太郎は全身に力を込める。

 

「オオオオオオオ!」

 

獣のような雄叫びを上げて、肉体を変化させていく。

上半身の服は破裂し盛り上がった赤い竜の鱗に包まれ、黒い竜の翼が生える。

 

「幸利にはあんま使うなって言われてるけど……アイツも無茶してるからおあいこだ……」

 

竜魔人化。

竜鱗化よりも遥かにステータスの上がり幅が大きく、特に攻撃力が高くなる。魔力も高まり、属性耐性も上昇する。

しかし一方で、無理矢理上げられたステータスの反動が解除時に襲いかかる。

龍太郎は使徒に向かって使徒を殴り始める。

 

「短期決戦か…!『限界突破・天戒』!」

 

覇潰とは違う限界突破を発動し、光輝も使徒に聖剣を振るう。

 

「『天翔閃・咆哮』!」

 

閃光の砲撃が使徒に直撃、さらに追い討ちをかける。

 

「『火炎時雨・豪災』!」

 

聖剣の一振りで大量の火炎弾幕が張られる。

火炎弾は使徒の周囲を覆い尽くし、逃げ場をなくす。

 

「吹き飛びやがれッ!」

 

火炎弾幕が着弾したと同時に龍太郎の拳が使徒のボディに、顎に顔面に叩き込まれる。

 

「女の顔殴るのはあんまいい気分じゃねぇな……」

 

そう言いつつも拳を止めずに殴り続ける。

その背後から銀翼が降り注ぐ。

 

「『聖完絶』!」

 

銀翼が龍太郎を覆った結界の前に防がれる。

それを破ろうと大剣を振り回すが、後退するだけで龍太郎に直接ダメージを入れることができなかった。

 

「鈴がいる限り、攻撃は通じないよ!」

 

「『幻楼影岩』」

 

視界に入れることすら困難なほどの速度で岩石弾が飛び交う。

 

「『聖絶・天在』!」

 

鈴の小さな結界が龍太郎を的確に守る。

魔力コストを削減し、それぞれが一回限りだが、絶対の防御結界が対象の周囲に自動で現れる。

 

「ふぅ……フッ!」

 

龍太郎は翼に魔力を集中させ、炎と氷の魔法エネルギーを溜める。

 

(イメージ、イメージ……グッとやってギューンとして……)

 

ユエから教わった使い方で、魔法を発動する。

 

「放つ時はドカーンと!!」

 

考えるな感じろの理論で説明された龍太郎は感覚派な彼にも意外と合致し、慣れない魔法を発動することができた。

 

「『炎皇』!『氷帝』!」

 

炎の砲撃と氷の砲撃が使徒の翼を貫く。

 

「……遊びは終わりです」

 

貫いた翼は再生し、鋭利な武器へと変わっていた。

龍太郎へ急接近、双大剣と翼により斬撃の乱舞を放つ。

 

「龍太郎!」

 

龍太郎への攻撃を止める為に光輝は聖剣で翼を切り落とそうとするが硬質化した翼に刃が通らない。

 

「くっ!」

 

両者に攻撃は結界に阻まれ入ってはいないが、結界を後ろで張っている鈴に脂汗が浮かんでいる。

聖絶・天在は攻撃を受ける場所をある程度予測しながら聖絶を一瞬だけ展開する。

それを何度も繰り返している為、魔力だけでなくそれを処理する脳にかなりの負担がかかる。

 

「チッ……このままじゃ…鈴の奴が……」

 

龍太郎達も攻撃を逸らし、鈴への負担を軽減しようと必死だ。

 

「1発逆転は光輝だ……それを通すには俺がやらなくちゃならねぇ……」

 

龍太郎は手を重ね、指と指を重ねる。重ねたまま攻撃を防ぎつつ、魔力を溜める。

 

「もう……無理……」

 

数千回の攻撃を防いだ鈴の脳が処理落ちを起こし、意識が落ち、建物の屋上に落下する。

 

「これで終幕です」

 

使徒は双大剣を重ねエネルギーを纏わせて振り下ろそうとしたその時だった。

 

「ああ……これで終わりだ!『竜魔気砲』!」

 

重ねていた手を開く。それは竜の口が開かれたようで、無属性の魔力砲が解き放たれる。

 

「なっ……!」

 

至近距離で大爆発を起こし、互いに吹き飛ぶ。

 

「うぐあっ……光輝ィィ!」

 

「ああ!『聖煌剣気・絶断』!」

 

眩く輝く聖剣を高速で振るい、翼を切る。

 

バランスを崩して、落ちかけた使徒はすぐさま翼を再生しようとするが、一向に再生しない。

 

「何故再生しない…?」

 

「再生はしない?……いや、再生の必要がないからだ!」

 

聖煌剣気・絶断。

聖剣に付与された空間魔法を光魔法で強化し、切った対象はダメージを受けることはないが、切られた部位は概念的に切り離され、あるのにないものとされる。

 

「はァァァア!!」

 

続け様に四肢を切る。

 

「これでトドメだッ!!」

 

聖煌剣気・絶断を解除し、聖剣の魔力を解放する。

 

「『神威鳳龍・天皇』!!」

 

聖剣から目視することすら困難なほど煌めく、美しい虹色の鳥の翼を持つ龍が放たれ、使徒を呑み込み消し去った。

 

「はっ……ハァッ……終わった……」

 

光輝はヨロヨロと龍太郎達の元に歩み寄る。

そこには結界を張り尽くして気絶するように眠る鈴を膝枕している龍太郎がいた。

 

「おつかれ光輝……ナイストドメ」

 

「龍太郎こそ、よくあそこで大きな隙を作ってくれたよ……」

 

「いやー……流石に無茶だったけどな……お陰で身体がガッタガタだぜ……」

 

「それじゃあ少し休むか……」

 

「そうだな……」

 

 

 

 

─────────────────────────

 

フリードの振り下ろした両腕は、幸利の両腕を撥ね飛ばしていた。

 

「うガァァァァァァァア!」

 

両腕を撥ね飛ばされたことによる大激痛、ボタボタとこぼれ落ちる血、朦朧とする意識が加速する。

 

「ご主人様ァ!!」

 

いてもたってもいられずティオは幸利の近く目掛けて飛ぶ。

その間に幸利は口を三日月型に歪め笑った。

 

「………仕掛け完了だバーカ!」

 

幸利の身体全身に描かれた刺青が青く輝く。

 

「……逆しまに死ね!『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)!」

 

突如、フリードの身体が崩れ落ちる。

 

「何……が……腕も動かん……貴様……何をした…!」

 

「……言った所でどうすることもできねえからネタバラシしてやるよ。俺の傷をテメェに写したんだよ!俺も死にそうなままだからな!」

 

「ならば貴様はどうすることも出来んわけか……ウラノス!トドメを「先に死ぬのはテメェだ阿呆。優花ァ!トドメ刺しちまえ!」何っ!?」

 

幸利のいた場所の後ろから真紅の槍を構えた優花が、電気を溜めながら突撃してくる。

 

「幸利アンタこれ終わったらガチ説教よ!自由な時間なんて1秒も上げないから!!」

 

優花は幸利に激怒しながら、小刀を空中でばら撒き、それを殴る蹴るなどして、フリードの身体を削っていく。

 

「ぐわァァァア!」

 

四肢と下半身も無くなり、ウラノスは蜂の巣にされ、残ったフリードの肉体にとどめの真紅槍が落とされる。

 

「消え去れェェェェェェエ!」

 

紅い電撃がフリードを呑み込み、灰に変えて倒すことに成功した。

 

「勝ったは良いけど、このまま落ちてくんだけどどうしよ」

 

幸利はそのまま落下していく。

 

「ああー……ティオー!助けてー!」

 

そう言うと、2画目の黒竜令呪が発動しティオがものすごい勢いで飛び、幸利を包み込む。

 

「おお〜助かった〜」

 

そう言って、ティオに身を委ねるながら、取り込んだヨルムンガンドとアジ・ダハーカを身体から出す。

 

「今、腕も何もかも治すからの……!『絶象』!」

 

幸利の切り落とされた腕をくっつけて治し、ボロボロになった肉体も完全に癒えた。

 

「あ゛あ゛あ゛〜疲れたわ。寝るからお守りよろしく〜」

 

そう言って眠り落ちた。

 

「なぁ!?寝おった……」

 

寝落ちた幸利を抱えて安全な場所にティオは降りる。

その隣にブチギレたままの優花が、着地する。

 

「ティオ、そのバカ起こすわよ」

 

「じゃな……ここまで心配かけた此奴を少しは反省させねばなるまいて」

 

そう言って、ティオは強めに幸利の頬を叩こうとするのだが、治ったばかりの腕に受け止められる。

 

「……何だよ」

 

「何だよじゃないわよ!!アタシ言ったよね?いなくならないでって!なのにアンタは死にそうな怪我負って、挙句の果てには無防備で落下して……おまけにティオの回復すら拒否して!どれだけ心配させれば良いの!?」

 

「……確実に倒す方法がこれだったから仕方がないだろ」

 

罰が悪そうに優花から顔を背ける。その顔をティオが無理矢理直して2人が視界に入る。

 

「ご主人様……妾、言ったじゃろ?大切な人が目の前から消え失せるのは嫌じゃと。なのに…なんであんな無茶を通したのじゃ。確実に倒す方法だったなら、他にも方法があるのじゃろ?何故かそれを試そうとせんかったのじゃ?どんな理由があるのか言うてみい?」

 

「怒らないか?」

 

「「怒る!!」!

 

「じゃあ言わな「言わなかったら説教じゃ済まさないわよ」……お前らに負担をかけたくなかっただけだ」

 

『ブチッ』と何かが2つ切れる音が聞こえた気がした。

 

「「精神的に負担が来たわよ!!!/のじゃ!!!この大馬鹿幸利!!!/者!!!」」

 

大粒の涙を浮かべながら2人は大激怒。流石に幸利も言い訳する気も起きなかった。

 

「ごめん……」

 

小さな声で幸利は謝るのだが、その程度で許すほど2人の怒りは軽くなかった。

 

「アンタさあ、もしかしてその自己犠牲、士郎さんに影響されたわけじゃないわよね?」

 

「……ピュ〜♫」

 

口笛を鳴らして誤魔化そうとする。

 

「……」

 

そのまま優花とティオはその唇を2人がかりで塞ぐ。

 

「ピュ〜♫んむぅ!?」

 

唐突な口付けに抵抗できずに2人に口内を貪られる。

歯茎は舌で撫でられた後、3つの舌が複雑に絡み合う。狭い口内では逃げ場なんて物はなく、好き放題される。

 

「んううう!んぐっ!んううう!」

 

力の抜けた身体はビクビクと動くだけで、2人の口付けは続く。

3分が経過したところで、一度顔が離れる。

 

「ぷハァッ……いきなり何すんだお前ら……!」

 

「アンタが全く反省しないからアタシ達でお仕置きするわ」

 

「待て!ここ敵陣の真っ只中だぞ!?」

 

「知らんのじゃ。お主はしばらく妾達の愛を受け止め続ける他ないからの。自分の身を心配することを優先したらどうじゃ?」

 

「おい!やめッんむぅ!?」

 

幸利が全力で抵抗する中、2人の口付けはしばらく続くのだった。

 

 

 




ティオのメンタルって並大抵じゃ挫けないし、原作でもそんな描写ないけど、原作のハジメが魔王様っぷりを見せつけたからであって、流石に目の前で死にかけられたら流石にアカンのでは?
と思います。

黒竜令呪
ティオを対象にした専用の令呪。
一般的な令呪よりも強力な拘束力を持つ。

竜魔気砲
ダイ大より、まんまドルオーラ。

竜魔人化
まんま竜魔人化。

限界突破・天戒
限界突破・覇潰のさらに上をいく限界突破。
反動もかなりのもので下手すると死ぬ。

聖完絶
かなりの魔力を使って張る完全無敵の結界。

聖絶、天在
細かく散り散りにされた結界を攻撃の当たる瞬間のみ、顕現させる。
魔力消費も少なく効率のいい魔法。

聖煌剣気・絶断
物理的防御を無視し、ダメージを与えることはできないが対象を切り離し、切り離された部位に感覚はなくなる。
剣に纏わせる魔法の為、解除すると切り離された部位は元に戻る欠点がある。
光輝は幸利の教育の元、エヒトとの初遭遇の際に受けた捕える悪夢の顕現をやり返してやろうと編み出した。

神威鳳龍・天皇
消滅のエネルギー波を放ち、消し飛ばす。

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)
幸利が際限した最弱英霊の最弱宝具。
アジ・ダハーカを取り込んでいる間のみ使用可能。
そもそもアンリマユはこれを持っているのはホロアタとFGOと限定的なので、幸利自身が勝手につけただけである。

幸利の起源《支配》
何かを支配する時に強く影響を与えている。
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