ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強 作:小説大工の源三
聖杯戦争編
コレより始まり始まり〜!
聖杯戦争の始まり。
トータスでの戦争を終えて地球に帰ることのできた士郎達は平和な日常を送っており、それから数ヶ月が経過し、彼らは異世界に行って遅れてしまった分を取り戻し、あと2ヶ月を目処に卒業を控えていた。
「はぁ……ようやく卒業資格取れた」
「お疲れ様。異世界召喚なかったら今頃お兄ちゃんは社会人だったのにね」
「まぁそのおかげでシア出会えた訳だけど」
そう言いながらシアの頭を撫でる。
アレから時間も経った為、エヒトとの戦いで短くなった彼女の髪も出会った頃と同じくらいまで伸びていた。
「さてと……今日はどうする?昨日はカラオケ6時間だったけど」
「うーん、今日はショッピングモールにしない?」
「モールに?」
「ええ。私ちょっと見てみたい服もあるし、クレーンゲームも覗いてみたいし」
そう提案と理由を説明した雫。
「そうだね、そうしようか」
その提案に了承の意を示す士郎。
ようやく戻ってきた日常を噛み締めながら過ごしていた彼らだったのだが、シアのウサミミが『ピン!』と立ち上がる。
「士郎さん!その場から離れて下さい!」
シアが警告を告げたが、士郎が反応するよりも早く足元にナニカが展開される。
「っ!?」
そう、平穏を奪うモノはいつだって突然やってくる。
見たこともない魔法陣が士郎の足元に広がり、光り輝く。
「こう言うパターンはもう2度とごめんだっての!」
そう言って破戒すべき全ての符を投影して陣の中心に突き刺そうとしたその時だった。
『嫌だ……死にたくない……助けて……誰か…助けて……っ!』
幼い子供の声が脳に聞こえてきた。
(この声は……!?)
士郎はこの声の主を特定したと同時に破戒すべき全ての符を振り下ろす手を止める。
「お兄ちゃん!?何してるの!?」
恵里は行動をして止めた兄に戸惑う。
「ごめん。3人共……後で幾らでも言うこと聞く……!」
その言葉を最後に返事を聞く間もなく、士郎は光に呑み込まれてその後を消してしまった。
─────────────────────────
少女side
今日も少女は1人で歩いていた。
短く切り揃えた髪に着こなしている服装を見れば少年のようにも見える。
足取りは重く、子供であるのならば嬉々として進む帰路を、少しでも長く、歩くべくゆっくりと足を動かしていた。
そして遂に辿り着いたと言うよりも辿り着いてしまったと言うべきだろうか。
「……」
無言で扉を開く。
出迎える人の姿はおらず、無音の玄関が代わりに出迎えた。
そのまま足音を立てずにゆっくりと洗面所へと向かい、手洗いうがいを済ませて、自分の部屋に入る。
「……」
少女はベッドに上がり、布団の中に隠れるようにうずくまる。
最近、母親が連れ込んだ男からの粘つくような視線から逃げる為に、風呂に入る時間も減らし、出会わない様、自分の部屋に引きこもる。
男が母親と外出した時間を見計らい、風呂へと入る。
「……」
浴室にある鏡に写る自身の姿を見て気分が一層暗くなる。
虐待によって付けられた痣、とは別に下腹部に赤い血の染みのような赤い痣?のような物も出来ている。
「なんなんだろうこの痕。殴られたような痛みもないし……」
そう考えるが、長湯しているとあの2人が帰ってくる。
そんなに悠長に風呂に入っている訳にもいかないので、急いで済ませる。
日も落ちて、夜の闇が街を包む。
尿意を催した少女が母親と遭遇しないようにと、トイレへと部屋を出る。
行きは出会うことなく済ませることが出来たが、帰りに油断して出会うわけにはいかないと、神経を研ぎ澄ませて扉を開け、部屋へと移動した時だった。
「「あっ……」」
通路の角から母親が現れたのだ。そして2人の視線が交錯する。
「お、お母…」
「まだ起きてたのね……」
「う、うん……」
久しぶりの会話に少女は少し嬉しさが込み上げてきたが、直ぐその嬉しさが消えてしまう。
「……どうして、あの人じゃなくて貴女が生き残ったのよ」
「っ……!」
その言葉に少女は、耐えられなくなり家を飛び出て夜の街を駆け抜ける。靴を履くことも忘れて、夜の街を走る。
「はぁ…ッ!はぁ…ッ!」
街灯が薄暗く照らす街路を脇目も振らずに走り続ける。
「ハァ……ハァ……あれ…ここどこ?」
何も考えずに飛び出した為か、自分の知らない場所に辿り着いてしまったようだ。
「痛っ……!」
足の裏の痛みに顔をしかめる。
靴も履かないで出てしまったことで足の裏から血が出ていた。
「どうしよう……近くに病院もないし……」
少女は痛みを堪えながら街を歩く。
走って乱れた呼吸も次第に落ち着いてきたが、汗をかいている為か、少し気持ち悪くなってくる。
「えっと……確かこの先に小学校があったはず……」
一度、学校の課外活動で歩いた場所へと辿り着いたのだ。
朧げな記憶を頼りに小学校を目指す。
「よ、ようやく着いた……」
自身の通う小学校へと辿り着いた。
フラフラと校舎の扉を開けようと手をかける。
「そもそもこんな時間に扉なんて開いてる訳……あれ?」
簡単に扉が開いた事に驚く。
これを好都合だと、捉えて校舎の中に入る。
「保健室も開いてる……でも開いてるのなら早く治療しないと……」
保健室に備え付けられた水道で足を洗い、傷口を洗浄して包帯を取り出してグルグル巻きにする。
靴下がないが、履かないよりはマシと考え、上履きを履く。
「ふう……これで痛いのも少しは良くなったかな?」
これからどうしようかと考える。
家に帰るにしてもあの状況で飛び出した為か顔を合わせるのも嫌だ。
だとしてもこのままこの場で夜を明かすのも問題になる。
どうしたものかと悩んでいると、金属とナニカがぶつかる音が聞こえる。
「この時間に私以外にも人が学校に居るの?」
同じように悩みを考えた人なのかと考え、音のする方向へ足を進める。
音の正体を確認する。
外で何者かがぶつかり合っているのが写るのだが、あまりにも早すぎるので、全くわからなかった。
一度止まった為か、その姿を確認することができた。
金色に輝く、穂先に緑色の服を着た髭を生やした男と、軽装の鎧に白いマントのような物を纏い、弦を何本も張られた弓を持つ赤髪長髪の人だった。
その2人の近くには自分と同じ年頃の少年少女が立っていた。
少女の方の髪型を見ると、見覚えのある髪型だった。
「な、何をしてるの……?」
何者かわからないが背の高いあの2人にバレては危険だと言うのはわかった。
息を潜めて、居なくなるのを待つ。
すると耳元を虫が通り過ぎる。
「きゃっ!」
唐突に通り過ぎた事に驚き、声を上げてしまった。
声を出してしまった事に冷や汗が一気に溢れ出る。
「ま、不味い!逃げないと!」
少女はその場を離れ、廊下を走る。
「やだ……ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!」
死にたくない。
その一心で校内を走る。
どうにか撒いたと安堵した途端に目の前に赤髪の者が現れる。
「ヒッ!」
ぶつからないように急停止して引き返す。
「悲しいですが、コレもこの戦争の決まり。貴女はここで死んでいただきます……」
『ポロロン』と綺麗な音がなると同時に自分の足元が爆発する。
(何!?今、何が起きたの!?)
立て続けに目の前の教室の扉も破壊される。
足元の爆発に吹き飛ばされた少女は転がるように教室に入る。
「痛い……!」
治療した足の裏が再び痛み始める。
「申し訳ありませんが、今夜、あの場所にいた貴女は運がなかったと思ってください……」
目の前の人が竪琴に指をかけようする。
(嫌だ…… 死にたくない……助けて……誰か…助けて……っ!)
だって自分はまだ、幸せになっていない。このまま……不幸のまま死ぬなんて嫌だ。
そう思う少女は遂に叫ぶ。
「誰か!助けて!死にたくない!」
その叫びと同時に彼女の足元が青白く光り始める。
そして何者かが現れ、赤髪の人の攻撃を弾く。
「っ!7騎目のサーヴァント!?」
光から現れたのは、綺麗な白緑色の長髪とその身体を覆う黒い外套を纏った人の姿だった。
「いきなり戦闘になると思って急いで着替えてよかった…」
その人は少女へ向き直り、片膝をついて微笑む。
「サーヴァント、セイバー……君の助けを求める声に応じ参上した」
「え……?」
「さて……マスター、ちょっと失礼するよ」
そう言ってセイバーを名乗る人は少女を抱えて教室から飛び出して走る。
「アーチャー!セイバーを追うんだ!」
赤髪の人──アーチャーの後ろから少年が命令をする。
アーチャーは竪琴を鳴らし、先程と同じように衝撃波を飛ばしてこちらを狙う。
「やっぱり逃してくれないよね……アイアス!」
セイバーは後ろを向いて右腕を突き出して薄桃色の花弁のような盾が現れ衝撃波を弾く。
「外に出るよ!」
そう言って玄関を勢いよく開け、外に出た途端、屋根の上までジャンプする。
「キャァァァア!!」
「舌噛むよ!」
そのまま物凄い勢いで宙を蹴って学校から離れる。
ものの数秒で小学校が小さくなるほど離れてしまった。
「ここまでなら奴らも来ない筈……」
そのまま少女を近くのベンチにおろす。ボーっと空を見上げている。どうやら先ほどの光景に驚きなどの様々な感情が溢れて訳がわからなくなっているようだ。
「おーい。マスター、お話できる?」
「ふぇっ!?」
目の前で手を叩かれて驚いたように意識を戻した。
「お、反応した。大丈夫?どこか痛いところない?」
「う、うん。だ、大丈夫」
今気づいたが、足の裏が治っていた。
「そっか」
しばらく沈黙が続く。
「そうだ、マスターの名前を聞いてないね」
「な、名前?」
「うん。名前がわからないとボクも困るからね」
「私は恵里。中村恵里」
「やっぱりか…」
「な、何か言ったの…?」
「いや、気にしないでいいよ。エリ」
「えっ、えっと……貴方の名前は?」
「ボクのことはセイバーって呼んでくれればいいよ」
「セイバー…さん?」
戸惑う様に復唱する。
「うん。よろしくねエリ」
そう笑うセイバーは月光を背にしていた所為かとても美しく見えた。
─────────────────────────
セイバーside
ボクは光に呑まれた後、何処かへ連れていかれる間に、戦闘服へと着替える。その時、最初に聞こえた声と違う声が聞こえた。
『君は聖杯に何を願うのかな?』
その問いに答えることはできなかったが、願いは一つあるのは確かだ。
そして光が収まると、目の前に赤髪ロングの人が身構えて立っていた。
「いきなり戦闘になると思って着替えてよかった…(あの髪、あの衣装……まさか!?)」
後ろにいる存在に気づき、振り向き、サーヴァント口上を言う。
「サーヴァント、セイバー……君の助けを求める声に応じ参上した」
そこには、怯えた表情の幼い恵里がいたのだ。
(やっぱり、あの時の声は恵里だったか…!)
予想通りの声の主だと気づいたボクはすぐさま幼い恵里を抱えて駆け出す。
「え……?」
茫然としている彼女を抱える。
「さて……マスター、ちょっと失礼するよ」
ボクはそのまま走って外を目指す。
(とりあえず今はこの場所から撤退だ!)
廊下を駆け抜ける。そして後ろから赤髪の人の攻撃が放たれる。
「やっぱり逃してくれないよね……アイアス!」
ボクは熾天覆う七つの円環を展開して防御する。
走っていく内に玄関へと辿り着き、そのまま勢いよく扉を開けてそのまま『空力』で跳んで逃げる。その間に足の裏を怪我していることがわかったので、再生魔法で治す。
しばらく跳んでいる内に公園が見えたのでそこへ降りる。
「ここまでなら奴らも来ない筈……」
気配感知にもサーヴァント反応は引っかからない。
アサシンがいる可能性もあるが、ひとまず目の前の恵里の様子を見る。
ボーッと空を見上げ、現実を見ていないようだった。
「おーい。マスター、お話できる?」
そう言いながら手を1度叩く。
「ふぇっ!?」
可愛らしい声を上げてこちらを見る。
「お、反応した。大丈夫?どこか痛いところない?」
「う、うん。だ、大丈夫」
「そっか」
しばらく沈黙が続いたので、とりあえず名前を聞くことにした。
もしかしたら違うかもしれないからだ。
「そうだ、マスターの名前を聞いてないね」
「な、名前?」
「うん。名前がわからないとボクも困るからね」
「私は恵里。中村恵里」
「やっぱりか…」
予想の通りだった事に、ボクは小さな声で呟いた。
「な、何か言ったの…?」
「いや、気にしないでいいよ。恵里」
「えっ、えっと……貴方の名前は?」
そう聞き返す
「ボクのことはセイバーって呼んでくれればいいよ」
「セイバー…さん?」
戸惑う様に復唱する恵里。
「うん。よろしくね恵里」
そう言ってボクは、笑みを浮かべた。
まあ士郎くんのマスターは最初からわかりきってますよね。
士郎くんは恵里という存在から離れることはない訳なので。
そして今回登場したサーヴァントもFGOやってたらわかる人多いでしょうね……
性格と口調とかまだ完全に把握仕切ってないので変かもしれません…
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