ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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案があると書きたくなる衝動。

遂にパワプロ2024が発売されるし買わねば……今月出費かさんでるぅ…

某V箱で甲子園開かれますが、皆様どの高校を応援しますか?


少女のズレ始める日常

 

 

恵里side

 

私は今、目の前にいる、セイバーと名乗る人と一緒に公園で休んでいる。

さっきまで殺されそうになったのが嘘みたいに静かだった。

 

「さて、エリ。このまま家に帰らなきゃいけないけど、どうする?」

 

「……」

 

「まぁ、いきなり知らない人と一緒にただいま〜なんてできないからねぇ……」

 

「あの……セイバーさん」

 

「ん?」

 

「セイバーさんって女の人なの?」

 

「おっと、そうきたか。そうだなぁ……男だよ。髪長いから間違われやすいけど」

 

「そうなんだ……」

 

再び沈黙。

するとセイバーが私の前に私を庇うように立つ。

彼の後ろから見えたのは、学校で見たもう1人の男と、その肩に乗る少女だった。

学校で見た時は遠かったので完全にわからなかったが、この距離ならすぐにわかった、2つおさげを後ろで結んだ、自分と同じくらいの身長のクラスメイト、谷口鈴だった。

 

「マスター……さっきのセイバーはコイツみたいだぜ」

 

「ありがとうランサー。もう下ろしていいよ」

 

「へいへい」

 

ランサーと呼ばれた男の肩から、谷口さんが下りて、こちらに歩いてくる。

セイバーは私の前に立ち塞がり、問いかけた。

 

「ランサーのマスター。こんな場所まで追いかけて来て、一体なんの用だ?」

 

「……後ろの友達に話があるの。少しだけ、時間を下さい」

 

「……害は与えないか?」

 

「それはもちろんです」

 

「……ならボクの目の前でなら好きにすると良い」

 

そう言って私の前からランサーと呼ばれた男の隣に立つ。

 

「…えっと、中村さんで合ってるよね?」

 

「う、うん……」

 

「なんで貴女はあそこにいたの?」

 

「そ、それは……」

 

「答えたくないならいいよ。今のよりもこっちの方が重要だから」

 

谷口さんは一呼吸置いて言葉を続ける。

 

「中村恵里さん……貴女は魔術師なの?」

 

「ま、魔術師?」

 

わけがわからない。魔術師なんて本の中に出てくる架空の人達のモノだ。

 

「知らないんだね……あのね、今私達は聖杯戦争って言う争いをしてるの」

 

「せい……はい……戦争?」

 

全く聞き馴染みのない言葉が出てくる。

 

「今から簡単に教えるからのよく聞いてね」

 

「う、うん……」

 

谷口さんは一つ咳払いをする。

 

「色んな国で有名な偉人をそれぞれ7人のマスターが一騎ずつサーヴァントを呼び出して、最後の1人になるまで戦うの。その最後まで生き残ったマスターとサーヴァントは聖杯を手に入れて、願いを叶えて貰える。コレが聖杯戦争。そしてその参加してマスターにはサーヴァントを従えるための証として、『令呪』って言う赤い紋章が身体の何処かに浮かび上がるんだ。私は右腕にあるの」

 

そう言って右手の甲を差し出してその赤い紋章を見せる。

浮かび上がっているそれは、円が2つ交わっていて、その間に目のような模様と円の外の下に棒のようなものが浮かんでいた。

 

「コレが令呪。3回だけ自分のサーヴァントに強制的に命令をすることができるの。中村さんもどこかにあると思うから探してみて」

 

そう言われて、自分の手の甲を見るけどない。

思い当たるとすれば自分の下腹部に何か赤い染みみたいな物があったと思い返し、服をめくり、ズボンを少し下げる。

そこには半円の上に円が一つとその中に小さな円が描かれていた。

 

「た、谷口さん……あ、あったよ?」

 

私はそれを見せる。

 

「わ、わー!そんなとこにあるなら見せなくていいから!」

 

谷口さんは顔を赤くして慌ててめくった私の服を元に戻してきた。

 

「コホン!と、とにかくそれを持っている間は聖杯戦争の参加者になるから。大事にしてね」

 

「う、うん」

 

「コレで説明は終わりだけど、質問ある?私も答えられないモノもあるけど…」

 

「ううん、ないよ。谷口さんありがとう」

 

「こんなおせっかいは今日限りだから。行こうランサー」

 

そう言うと、谷口さんはまたランサーの肩に乗って飛んで行った。

 

「話は終わったみたいだねエリ」

 

「うん」

 

セイバーに返事をした途端、意識が暗い闇に呑み込まれていった。

 

 

─────────────────────────

 

セイバーside

 

「っ!」

 

ボクと恵里が会話している間に、ランサー陣営がここまで追いかけて来た。

恵里の前に庇うように立つ。

ランサーのマスターがまさか鈴だとは思いもしなかったが、敵対意志は無いようなので、恵里と話を許可した。

 

「……」

 

「ん?おじさんの顔に何か付いてるのかい?」

 

「目と鼻と口、あとは髭とか付いてるな」

 

「それは人として当然じゃないかい?」

 

「確かにそうだ」

 

ふざけた会話だが、目の前のランサー相手に油断できない。

真名を口にはしないが、召喚前に何度も見た姿の男。最速の英雄相手にのらりくらりと生き残り続けた英雄だ。

自分の正体がバレることはおそらくない筈だが、情報を抜き取られる可能性がない訳ではない。

 

「しかしそちらのマスターはお人好しなんだね」

 

「まぁ、マスターが聖杯にかける願いも優しいものだからねぇ…」

 

「そちらさんはどうなんだい?」

 

「今日呼ばれたばかりなのに知るわけがないだろう…」

 

「確かにそうだった。ついうっかり聞き返しちゃったよ」

 

軽く会話している内にマスター同士の会話が終わる。

 

「それじゃあ俺はマスターを連れて帰るとしますよ」

 

ランサーは自身のマスターを抱えて跳んでいった。

 

「さて……ボクらも帰りますか」

 

恵里に帰ることを伝えようとすると、突然倒れてしまった。

 

「恵里…!?」

 

おそらく疲れが溜まってしまったのだろう。

色々あったし、ボク自身も少し負担をかけてしまった。

 

「とにかく、家に連れて帰らないと……」

 

あまり気は進まないが、自宅に帰して、寝具で寝かせた方が良い。

ボクは恵里の記憶を頼りに彼女の家に転移した。

 

─────────────────────────

 

恵里side

 

「……んぅ」

 

夢を見ることなく私は目を覚ました。

 

昨日は確か……家を飛び出して、それから……

 

「せ、セイバー……!?」

 

「おはようマスター」

 

「ウヒャァ!?」

 

いきなり前に現れたセイバーに驚き、間抜けな声を上げてしまう。

 

「あはは、驚かせちゃったね」

 

「……そういえばどうやって家に入ってたの?」

 

玄関はおそらく鍵がかけられていた筈だ。セイバーはこの家の鍵を持っていないので自分をベッドに寝かせるどころか、入ることができない。

 

「普通に玄関、開いてたよ?多分エリが家を飛び出したあとそのままだったんじゃない?」

 

「そう……だったんだ」

 

そのことに納得し、ベッドから降りる。

 

「あの……」

 

「ああ、着替えね。終わったら言って」

 

そう言ってセイバーは部屋から出る。

いそいそと着替えを済ませて、セイバーを呼ぶ。

 

「それじゃあ、エリ、君に質問するね。聖杯戦争に参加するの?」

 

「うん……」

 

「願いは?因みに死者の蘇生はやめた方がいいよ」

 

「な、なんで……?」

 

「自分の知識でね……聖杯戦争がまともなモノという確証がないんだよね……」

 

「へ?」

 

「そもそもボクはまだ偉人になってもいなければ、英霊になれるわけじゃない。なのにボクはこうして君に呼ばれた。だからこの世界の聖杯は疑わしいんだ」

 

「そう……なんだ……」

 

セイバーの推測は殆ど理解できなかったが、聖杯と言うものが怪しいと言うのだけわかった。

 

「私の願い……本当は死んだお父さんを生き返らせて欲しかった……」

 

あの日、自身を庇って車に撥ねられた父親を取り戻したかったがセイバーの話を聞いてそれが叶わないと知ってしまった。

 

「何を願ったらいいんだろう……」

 

「それは戦いの中で決めたら良いさ」

 

「うん……」

 

直ぐに新しく叶えたい願いは浮かばなかった。

 

「そうだ、セイバーさんはこのあとどうするの?」

 

「ひとまずこの街を把握したいからね……とりあえずほっつき歩くさ……そうだ君にお守りを渡しておくよ」

 

セイバーは手のひらに可愛らしいウサギの人形を作り出す。

水色の服を着て、小さなハンマーを持っている。見方によっては可愛らしいよりも怖いにもなりそうだ。

 

「コレは?」

 

「コレはボクの使い魔みたいな物だよ。エリの身に危険が及べばすぐに撃退してくれる優れ物さ。大人の男1人なら余裕で撃退できる。それと…コレを持って頭の中でボクに言いたいこと念じてみて」

 

彼の言う通りに『セイバーさん』と念じる。すると返事をするように『エリ』と帰ってくる。

 

「テレパシーみたいなこともできるから」

 

「……すごいね……ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

ニッコリとセイバーは笑う。

 

「ご飯食べてくるけど、セイバーさんはどうするの?」

 

「ボクは良いよ。後でどこかで済ませるから」

 

「わかった」

 

そう言って私は下の階へ下りる。

冷蔵庫で冷やされている、コンビニ弁当を温めて食べる。

朝食を済ませて、すぐに自室へ戻り、ランドセルを背負い、小学校へ向かう。

 

『それじゃあ、行ってくるねセイバーさん』

 

『いってらっしゃいエリ』

 

その言葉を聞いた私は、少し嬉しくなった。顔に笑みが浮かんでいることはわからなかった。

 

軽くなった足取りで登校している内にあっという間に到着してしまった。

 

「こんな近かったっけ学校……まぁいっか」

 

私はそのまま上履きに履き替える。

あの時、持って帰ってしまった上履きを忘れなくて良かった。

 

「……友達なんていないし…本を読んで時間潰そ」

 

教室の後ろにある道具箱の中からの図書室で借りた本を取り出し、自分の席に座って読み始める。

しばらくしている内に担任が教室に入り、朝礼が始まり、いつものように授業が行われる。

 

……友達ってどうやって作るんだっけ。

幼稚園の頃は普通に他の家の子と遊んでたのに。

わからなくなっちゃった。

 

そんな事を思いながら、私はクラスメイトの姿を一人一人、視界に入れていく。

昨日、聖杯戦争の事を教えてくれた、谷口鈴の姿がよく目に入る。

そしてもう一人、赤い髪をそこそこ伸ばした男子が目に入る。

 

たしか名前は『赤嶺勇太』だったはず。

彼は良いところのお坊ちゃんで父親もかなりの有名人だ。

赤嶺博士と言われるほどの歴史研究家だ。

おまけに私とは正反対の人気者でかなりモテる。

友達も多いし。

そんな存在には近づきたくもない。

自分みたいなのが近づけば、女子の陰湿なイジメの標的になっちゃうし。

 

私は自分の世界に入り浸る為に本を一心に読み続けた。

そして学校も終わり終礼の時間になる。

 

「えー、最近、子供の行方不明者が増加しています。警察の人が捜査していますが、一人で帰らないようにしてください」

 

担任から注意連絡を受けた。

下校のチャイムがなり、部活に入っていない生徒達はそのまま帰宅する。

 

「ねー赤嶺くーん私と帰ろう!」

 

「アタシと帰りましょう?」

 

もう既に女子2人に誘われている。

相変わらずのモテ具合で引いてる。

 

「……帰ろ」

 

今日は図書室によらず。直帰することにした。

 

『セイバーさん、こっちに来れる?』

 

ウサギのぬいぐるみをにぎり、セイバーを呼ぶ。

 

 

─────────────────────────

 

セイバーside

 

倒れた恵里には一つ嘘を吐いた。

まず玄関は開いていなかった。空間魔法で転移して勝手に入ったことだ。

あの女の事だから察していたが、流石締め出すまでするとは思わなかった。

それでも恵里は昔の母親に戻って欲しいように感じた。

 

それはそれとして

 

「さてと……少し歩くか……」

 

外に転移して、町を散歩する。

4時間もすれば色々とわかってきた。変わっていない景色も、変わってしまった景色もあって、懐かしさと寂しさを覚える。

特に昔よく行っていた駄菓子屋や床屋の店があったことだ。

どっちもボクが高校生になる前に店主が亡くなってしまって、店自体が畳まれてしまった。

そうこうしているウチにとある一件の建物の前に立つ。

その建物の表札に書かれていたのは、

 

「天野悠次郎、天野眞姫那、天野士郎……ボクの家はあるのか……この世界でもいずれ出会うのかな…?」

 

そう思いながら散歩を再開しようとすると、1人の女性に声をかけられる。

1年は聞かなかったが、毎日聞く声だ。

 

「あら、貴方、ウチに用かしら?」

 

「かあさ……!?」

 

驚きながら振り向く。声かけたその女性は、自身の母親、天野眞姫那だった。

 

「いえ、表札が偶々目に入って、自分と同じ苗字だったものですから」

 

「そうなのね……それにしても貴方私の息子にそっくりね。特にその目」

 

「っ!?」

 

一瞬、正体がバレると思ったが、髪色やらなんやらでわからなさそうだ。

 

「フフッ…大きくなったら貴方みたいになるのかしらね?」

 

「息子さんいるんですね」

 

「ええ。自慢の息子よ」

 

誇らしげに彼女は微笑む。

 

「初対面の人に言ってもわからないのに何言ってるのかしら。ごめんなさい」

 

不思議そうに首を傾げる。

 

「息子さん、立派に育つと良いですね。それでは私は散歩の続きに戻りますので」

 

「そうですか。お気をつけて下さいね。最近、行方不明の子供が増えてるらしいですから」

 

「物騒ですね。忠告ありがとうございます……」

 

「ええ」

 

そうして過去の母親と別れ、散歩の続きを始める。

 

しかし、有益な情報が手に入ったな。

子供の行方不明か……キャスターか?それとも……アサシンか、はたまたバーサーカーか。

敵対サーヴァントの手がかりにはなりそうだ。

 

再び散歩を再開してからしばらく歩いているウチに、日は暮れて、子供達が下校し始めていた。

 

『セイバーさん、こっちに来れる?』

 

恵里からのテレパスが入る。

 

『恵里?もう学校終わったの?』

─────────────────────────

 

『エリ?もう学校終わったの?』

 

『うん。一緒に帰れたらって思ったんだけど、大丈夫?』

 

『大丈夫だよ。今からそっちに向かうね』

 

セイバーのテレパスが途切れたと同時に隣に現れる。

 

「うひゃぁ!」

 

いきなり現れた彼に素っ頓狂な叫び声を上げてしまった。

そのせいで周りの生徒から視線が集中してしまう。

 

『セイバーさん!変な声出ちゃったんだけど!』

 

『ごめんね』

 

セイバーが謝る。

ふと気づく。誰も彼がいることに気づいていない。

 

『……あれ?なんでセイバーさんに誰も反応しないの?』

 

『あー…ボク今、エリ以外に見えないようになってるのさ』

 

『それじゃあ私がいきなり声上げた変な子みたいじゃん!』

 

『それは本当にすまない……』

 

バツが悪そうな顔をして謝るので、許すことにした。

 

『良いよ。許す』

 

そうして下校路を辿っていく。

 

『そうだマスター。耳寄りな情報があるんだ』

 

『何?』

 

『最近、子供が行方不明になる事件が起きてる見たい』

 

『知ってる。学校で先生が言ってた』

 

『流石にその手の話は広まるよね……』

 

『でも行方不明の情報と聖杯戦争に何か関係あるの?』

 

この日本で行方不明になるのは珍しいが、そこまで関係するとは思わない。

 

『召喚されたサーヴァントの中に反英雄がいるかもしれない』

 

『反…英雄?』

 

また知らない言葉だ。

反と付くことから予想できるのは悪い人だということ。

 

『簡単にいうと、悪い事で有名になった人の事さ』

 

『……ということは、悪いことをしてる……つまり誘拐犯ってこと?』

 

『飲み込みが早いね。そういうこと。だから、召喚された残りの英霊の中にそう言うやつがいるって事』

 

その話を聞いて身体が恐怖に包まれる。

ブルリと身体も震えた。

 

『……セイバーさんはそんな悪い人に負けないよね?』

 

『負けないように頑張るさ。この世界に絶対はないから言い切れないけど……』

 

セイバーがそう言う。

 

空が暗くなっていく。英霊達の戦いの時間のカウントダウンが始まっていた。

 

 

 

 

 





一応stay nightのポジションイメージしてます。

衛宮士郎ポジ
恵里
遠坂凛ポジ


エリリンの令呪の位置がイン紋みたいだって?

おうお前ら、クロエから目を逸らすなよ。

本作のアフター編をどうするか

  • 幸利組でまどマギクロス
  • 士郎が平行世界の聖杯戦争に参加
  • ハジメ組で勇者のいないドラクエ
  • ミュウ&リーニャで暗殺教室
  • または別の作品とクロス
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