ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強 作:小説大工の源三
一位
士郎
二位
ハジメ
三位
香織・ティオ
セイバーside
恵里と別れて街を散策していると、目の前に突如サーヴァントが現れた。
フードを被っている為、顔はわからないが、背中には黒い翼を生やし、両手には黒く染まった大剣を握っている。
「……こんな夜になんの用かな?」
FGOにもこんな奴は見たことがない。
ボク達がトータスに連れて行かれた頃に追加されたのかもしれないが。
「─────っ!」
金属を引っ掻いたような叫び声とともにこちらへ突進してきた。
それをボクは干将・莫耶で受け止める。
ギャリギャリとボクの持つ中華刀が嫌な音を立てる。
「くっ!」
どうやらバーサーカーの剣の方が硬い。このまま鍔迫り合いをしていればいずれ剣が砕ける。
バーサーカーの腹に蹴りを入れて距離を取る。
しかし、奴は蹴りを踏ん張り堪えて、離れたボクに接近し、距離を取ることを許さない。
「これならっ!」
二刀を投げつけ、指を鳴らして壊れた幻想で視界を塞ぐ。
「──っ!───っ!」
バーサーカーは声を上げながら剣を振り回す。
本能に導かれ最適化された剣技はボクに考察の余地を与えない。
「一体どこの英霊様なんだか……!顔を拝めればわかるのにっ!」
とにかく情報が無ければ何もわからないので、手に握る剣に焦点を当てる。
禍々しい黒い刃にその刀身は紫色の魔力が発光している。
確かあれはクリームヒルトが所持した時のバルムンク。
バルムンクは持ち手次第で聖剣か魔剣かに別れるはず。
とするならば、北欧出身のサーヴァント。
その地域は確かワルキューレもいた地域だ。ワルキューレの中の誰かなのだろうか。
「こんなことならワルキューレのこと調べておくんだった…っ!」
そう後悔しても遅いので、ボクは足元に光る四角い足場を作りそれを踏んで自身を飛ばして一気に後退する。
「漫画読んでてよかったよホント……」
直訳、世界の引き金の漫画から着想を得た足場ことグラスホッパー。
再びそれを作り出し、更に距離を取る。
すると背後から魔力を感知し、左に飛ぶ。
「空間転移!?器用過ぎないか?!」
バーサーカーが転移で先回りしてきた。
「うわっと!?」
黒い翼が突き刺そうと伸びてくる。
身体を捻りなんとか躱す。
後ろではコンクリート壁が破壊される。
再び剣がぶつかり合う。
剣を振るが、全て先読みされているかのように防がれる。
この動きを知られている?あの時、見られてたりしたか?
だが、あの場にいたのは三騎士陣営だけだ。
そもそも一回の戦闘で見切れるか?何処ぞのガンダムみたいな人じゃないんだぞ。
疑問が浮かぶばかりだ。
「ぐっ…!」
戦闘が疎かになっていたようだ。
横っ腹に黒翼の一撃を貰ってしまった。
「考えるのは後だ…!」
足元のアスファルトやコンクリート壁から剣を作り出し、射出する。
意にも介さずバーサーカーは突撃してくる。
刀剣類は全て翼に弾かれる。
「───っ!────っ!!」
「いやいや…無茶苦茶すぎない?」
いくらランクを下げた物とは言え、あっさり弾かれるとは思わなかった。
「蒼炎!」
火属性の最上位魔法をぶつける。
「これで少しはダメージが…」
黒煙の中から現れたのは無傷のバーサーカーだった。
「いやいや、どんな対魔力してんのさ」
蒼炎の詠唱は省略しているが、大規模な詠唱必須の為、対魔力C〜Bでも通る筈なのに効いていない。
「一応フード付きコートは焦げたけど…」
あまりの耐久にヘラクレスを連想してしまう。
「というか、相手マスターの姿が見えない……どこに潜んでいる?」
近くには気配はない。
マスターのことに意識を割くことで、こちらの頭に負荷がかかる。
「姿を見せない敵のことは一旦無視するか…!」
バーサーカーの二刀をまともに受け止めずに何度も受け流すが、ドンドン重くなる一撃にジリ貧になっていく。
「───!───!」
「最適化されてるとはいえ、本能で振り回してるからか、大振りで太刀筋がわかりやすいのが救いか…!」
ボクは剣の動きを読んで、紙一重を繰り返して余裕を持ちながら躱わす。
そのままバーサーカーの腹にグラスホッパーを出現させ、弾き飛ばす。
「これなら!」
弓を投影、更に剣を投影して構えようとするが、
「───!!」
獄炎が眼前に迫っていた。
飛ばされると同時に放ったのだろう。
後ろに飛びながら、ボクは熾天覆う七つの円環を構えて防御するが盾を出すのが遅かった為、獄炎の大半をモロにくらう。
「あっついなぁ!」
着ている服がチリチリと焦げる。
それだけに留まらず、腕が燃え始める。
「灰になるまで消えないやつか……」
直ぐ燃えている部分をそぎ落とし、再生する。
エヒトとの一戦以降自身の再生に力を入れたので、あっという間に治った。
「声は女……金切り声だからかわかりにくいけど知ってる声…なのか?」
正体が掴めない。
ワルキューレ達のいずれかが
「そもそも、ワルキューレ達を黒化させるならそれこそ聖杯の泥とか使わないといけないし」
通常の召喚でオルタ鯖が召喚されることはないな……
ただ今回の聖杯が呪われている可能性がある。そこから泥を拝借すれば黒化召喚することも可能性としては無くはないか。
そうこう考えているボクは、一瞬、瞬きのタイミングでバーサーカーの事が意識から外れてしまった。
「しまっ…!」
奴はボクの眼前に現れ、その大剣を振り下ろし。
ズバッ!
左腕を刎ねた。
─────────────────────────
鈴side
銃声が聞こえたと同時に私の左二の腕から激痛が走る。
「うあっ!?」
「鈴!?」
腕には銃弾が複数当たった痕があり、それを認識した途端、焼けるような痛みに襲われた。
「ランサーっ!」
「はいよ!」
敵性サーヴァントの襲撃。
私は周囲を警戒する。
遠距離攻撃……銃声が聞こえたから、アーチャーは違う。
銃を使うならライダーかアサシン?
もしかしたら銃を強化したキャスターのマスターからの狙撃かもしれない。
「……視覚支援!」
私はランサーに暗視の魔術を使い、周囲を見回してもらう。
「……っ!木の上に居たぜマスター」
「…姿は?」
「…長い金髪に赤い服…おまけにデカい胸だな」
「胸はどうでも良いとして、そいつが今、撃ってきたサーヴァントだね……」
「……アサシンか?」
「…私も最初そう思ったけど、今の1発で仕留められなかったから違うと思う」
「…だろうな…マスターの外の国から来たマスター…か?
「……そしたらキャスターのマスター?」
ランサーと話していると、横のコンクリート壁から小柄な何者かがランサーの首を狙って切り掛かる。
「チッ…!」
ランサーの槍が大きな曲刀を弾き、槍の柄で突き飛ばす。
「うーん…いきなり首は欲張りすぎかな?」
ランサーの前に立つのは、銀髪で短い髪の子供だった。
「……しかもランサーのマスター生きてるし」
目の前の少女もサーヴァント。
2対1。明らかにこっちが不利だ。
「ランサー!撤退!」
「了解!」
ランサーは目の前の敵性サーヴァントとの戦闘に入る。
その間に私達は走って、夜道を駆け出す。
しかし再び静かな夜に爆音が鳴り響く。
「つぁっ!?」
今度は恵里の右太ももに銃弾が命中。足が縺れて転んでしまう。
「恵里!」
私は転んで倒れた彼女の側に駆け寄る。
「…す…ず早く…逃げ…て」
「恵里を置いて行けないよ!」
私は彼女の右側に座り込み肩に腕を回して立ち上がる。
再び敵からの逃げる為に足を進める。
だが相手は悠長に待ってくれない。再び銃声が響く。
「がぁっ!」
今度は私の左太ももに命中。2人して転んでしまった。
「ぐうっ……」
立ち上がらなきゃ…!
そう焦る私の隣にいる恵里の様子が異変が起きていた。
「恵里…?恵里っ!?」
薄く開いた瞳が虚ろになっていた。
身体に触れる。
暖かい筈の身体はいつの間にか冷えていた。
私は慌てて彼女の傷を見る。
夥しい量の血が流れ出ていた。
その傷口は、黒く靄がかっており、呪われているのが見てわかった。
「治さなきゃ…でも、ルーンを刻む余裕がない…!」
自身の服を破り、彼女のふとももに巻き付けようとするが、長さが足りず縛ることもできない。
「どうしよう…どうしようどうしよう!」
恵里が死ぬ?
私が聖杯戦争に巻き込まれた彼女と同盟を結んだ結果、目立ってしまったから?
「私の所為……なの……?」
なら、せめてセイバーが車での私が責任を持って守らなきゃ。
私は意を決して、恵里の傷に向けて、ルーン文字を刻む。
いつ撃たれても良い。彼女が助かるのなら撃たれても構わない。
「
呪いを解き、傷を癒す。
「
恵里自身を結界で覆う。
「これで……恵里は大丈夫なはず……」
あとは私が命をかけて護る。
そう決意を固め。恵里に覆い被さる。
ぎゅっと目を瞑り、これから来るだろう痛みを堪えようと身構える。
「あれ……?」
痛みが一向に来ない。
私は瞼を恐る恐る開く。
その視界の先には薄桃色の盾らしき物を構える髪の長い少女の姿が写る。
「誰…?」
「エリを守ってくれてありがとうスズ」
柔らかな優しい声音。若草を思わせる白緑色の髪。
「せ、セイバー……?」
「無事……とは言い難いね……ランサーは?」
「今、敵対サーヴァントと交戦してる」
「なるほど……兎に角この場を離れないと……!」
セイバーは私と恵里を脇に抱えて走る。
ただ一つ、気になることがあった。
「セイバー……縮んだ?」
そう、前見た時より明らかに、それこそ私達と同年代くらいの身長になっているのだ。
「まぁこれ分身体だからね……」
「…どのくらいスペックなの?」
「本体と比べて大体20%ぐらいに落ちるね。ただまぁ一点だけ特化させることはできる」
「相当下がるね……て特化させてるのは?」
「魔力。今はその魔力で身体強化で色々底上げしてる」
相変わらずチートくさいスペックだ。
「なるほど……それでその本体は?」
「今、バーサーカーと交戦中」
「うわぁ……今日に限ってこんなに襲われるの…?」
セイバーがげんなりしながら走るのを見て私も気分が下がる。
「今、ランサーが交戦してる鯖の特徴は?」
「銀髪で刃物を持って奇襲してきた。身長は低い」
「なるほど……ならアサシンかな?」
「やっぱりか……」
すると後ろから再びアサシン(仮称)のマスターが狙撃してくる。
「チィッ!」
セイバーは左右に攪乱しながら走り、アサシン(仮称)のマスターの狙撃から逃げる。
「ランサーの座標は……そこか……スズ、ランサーに念話でアサシンとの距離を一瞬でもいいから離してもらえるか伝えてくれる?転移させるから」
「わかった…やってみる」
セイバーの要望に応え、ランサーへ念話を始める。
『ランサー聞こえる?』
『…どうしたマスター!』
『今、セイバーと合流したから。ランサーはサーヴァントから距離を取って!セイバーが転移させるから!』
『あいよ!5秒後頼むぜ!』
『わかった!』セイバー今から5秒!」
そして5秒後セイバーが指を鳴らして私達を連れて転移する。
その転移した先は私の家だった。
「よし……スズ、エリ。怪我は治ってる?」
「え?……うん……綺麗になってる」
いつの間にか私達の傷が癒えていた。
タイミングというとおそらく私達を抱えている時だ。
「それはよかった……」
「とりあえず、中に入ろうぜ……オジサン疲れちまったよ」
「ランサーが本当に疲れたかは兎も角、マスター達は休まないとね……」
「うん……」
私達は扉を開き、疲労が溜まった重い足取りで廊下を進む。
「んぅ……ここは?」
ソファで横にした恵里が目を覚ます。
「恵里!」
「わわっ!?す、鈴!?」
「良かった……」
私は彼女を抱き締める。
今日、何回恵里をハグしたんだろう。それだけ私の中で彼女の存在が大きくなったのは確かだ。
「えっと……鈴…?」
「恵里……覚えてる?撃たれて、出血が酷くて意識が無くなったんだよ……」
「そうなんだ……」
そう呟く恵里は実感が湧いていないのか、ボーっとしている。
「ねぇ…鈴。私どうしたらいいかな……」
「…前にも言った通り私と一緒に過ごそう?」
「…うん」
その後、私はセイバーがいなかった時に起きたことを彼に説明した。
恵里が男に襲われたこと、その後母親に対して私が怒鳴ったこと。
「そっか……」
セイバーは悔しそうな表情を作る。
「君を1人で帰すべきではなかった……すまなかったエリ」
「セイバー…ううん…私が1人で大丈夫なんて根拠のない自信持ったのが悪いから……」
「……一先ず君達は休んでね。そろそろボクの
彼にそう促され、私達は再び風呂に入って沈むようにベッドに倒れ込む。
「疲れた……」
「ねぇ…鈴…そっちに行っても良い?」
「良いよ……おいで」
「ありがとう…」
恵里が私の隣で横になったと思えば、抱きついてきた。
「え、恵里?」
「助けてくれてありがとう……」
彼女の髪が首元に触れて擽ったいと思っていたら、突然感謝の言葉を述べられ、驚く。
「……私がしたかっただけだよ。友達を見捨てるなんてできないから」
「……うん」
もぞもぞ動いたと思えば、私を抱きしめる力が強くなる。
「恵里?」
「ごめんね…少しだけ」
「良いよ……」
しばらくは恵里の好きにさせよう。
「……お母さん…もう…優しくならないのかな……」
泣きそうな声だ。
「……恵里のお母さんが反省しない限りは変わらないと思う」
「なんで?私が悪いのに?」
「…恵里がここまでしてあの女に謝って、襲われたのに許されない方がおかしいんだよ…!」
「でも…人の命を奪ったんだよ?」
「それは恵里が殺したの?違うよね?恵里が恵里のお父さんにナイフを刺したわけでもないんだよ。恵里がうっかり道路に出ちゃったのはたしかに悪い事だよ。でも、もう貴女がそこまでする必要はないんだよ」
私は言えるだけのことは言った。
恵里はもうあの2人から開放されてもいいんだ。
あの母親が狂っているなら、恵里まで狂っちゃう。
「そっか……しばらくお世話になるね鈴…」
「うん……一緒に生き残ろう…」
私はお互いを抱きしめたまま瞼を下ろし、睡魔に身を委ねた。
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セイバー(分身体)side
「おかしいな……」
「本体が来ないのかい?」
「ああ……そういえば、本体とのリンクも切れている……」
「しっかしお前さん…どうやって分身したんだい?」
「バーサーカーと交戦してる時に腕をバッサリいかれてね。その腕を媒介にしてマスター達の護衛に回したんだよ」
正直言えば、本体から分裂することはいつでもお気軽に出来るが、そんな事をすれば勘付かれる。
バレないように切断された腕を利用した訳だが。
軒並みステータスが本体より圧倒的に低い。
オマケに宝具であろう固有結界や剣は使えないし、一部の技能も使えない。
「正直なところまともに肉弾戦はできない」
「ソイツは不味いな……」
早めに本体と合流しないといけないが、本体の場所がわからないとどうにもできない。
「ひとまず休もうや……」
「そうだな……長々と考えても仕方ない」
本体がそう簡単にやられるとは思えないしな。
そうして眠りにつき、朝を迎える。
「本体は戻って来てないか……」
本格的に危険だな。
この状態で敵対サーヴァントと遭遇したら確実に負ける。
筋力だけなら某赤弓がそうだからなんとでもなるけど、敏捷と耐性が下がってるのは不味い。
「とりあえず……探すか……」
ボクは恵里と鈴に書き置きを残し、
「さてと……気配遮断に、変容で透明化して…」
ボクは故郷であるこの街を散策する。
「とりあえずこの世界の母さん達には会わないようにしないとな……」
今の身長を見られたら、確実に混乱する。
自分の息子と瓜二つで髪色やら目の色が変わってる人の姿を見た時なんてどうしたらいいのやら……
「魔力の残滓を追うか……」
まず最後に戦闘をした場所に転移で戻り、そこから魔力の残滓を解析眼で見る。
緑色に輝く残滓と黒く淀んだ残滓が視界に映る。
「……ここから…なるほどこっちか」
ボクは魔力の残滓を辿っていく。
「……なんだか、エルデンリングの祝福を追っているみたいだな」
と、くだらないことを考えている場合じゃない。
そのまま進んで行くと、どんどん街を外れていく。
「どこまで行ったんだよ本体」
山の方まで行っているのがわかったので、一旦帰ることにした。
「ランサー達とじゃないと危険だ……」
本体の場所がある程度把握できただけでも大きな進歩だ。
踏むと飛ぶ板
ワールドトリガーよりグラスホッパー
作者はワ民です。
セイバー分身体のステータス
筋力:D
耐久:D+
敏捷:D
魔力:B-
幸運:E−
宝具:─
分身体は一部技能と宝具使用不可能
例
瞬光や複合投影などが使用不可能。神代魔法も空間魔法と再生魔法のみ使用可能。
魔力は50%
その他ステータスは本来の20%
※幸運だけはマスターである恵里に引っ張られて低い。
恵里
出血多量で死にかけた。
鈴に再び救われた。
鈴の事が今の所、1番の友達。
鈴
ギリギリ生き残った。
なんか恵里に執着され始めてる気がする。
セイバー
実は分裂できることが判明。
恵里のピンチに居合わせることが出来ず、助けることすらできなかったことに落ち込む。
そしてまた本体が囚われのヒロインになってる。
本作のアフター編をどうするか
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幸利組でまどマギクロス
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士郎が平行世界の聖杯戦争に参加
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ハジメ組で勇者のいないドラクエ
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ミュウ&リーニャで暗殺教室
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または別の作品とクロス