ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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ボロボロの竜騎士とライセン大迷宮

魔物の死体がライセン峡谷にばら撒かれている。その死体は炎により炭化していたり、頭部がひしゃげていたり、上半身がなかったり様々な死体が出来上がっていた。

 

「魔物がウザい!」

 

「一撃必殺ですぅ!」

 

「でやぁ!」

 

士郎達は次々と襲いかかる魔物を蹴散らす。それでも性懲りも無く魔物は次々と襲いかかる。

士郎達はシュタイフや車で進み続ける。魔力が分散されるのもお構いなしだ。

シュタイフには士郎、雫、シアが乗り、それ以外は車に乗っている。

遠めの魔物はハジメ、香織、士郎の銃、優花の投げナイフやクナイが、至近距離の魔物は魔力に物を言わせたユエと幸利の魔法、雫の刀、シアの戦鎚が魔物を片手間に葬り去る。

 

『う〜んやっぱりライセンの何処かにあるって言う情報だけじゃわからないや』

 

『士郎、大地感知に何か引っかかってないか?』

 

「それらしき物も見つからないよ」

 

「大火山に向かうついでなんですし、見つかれば儲けものと考えていきましょう。大火山の迷宮を攻略すれば手がかりも見つかるかもしれませんし」

 

「そうだといいけれど……」

 

『ん……魔物が多い』

 

『ユエちゃんと幸利くんにとって向かない場所だもんね』

 

『アタシも投げナイフでしか攻撃出来なくて、少し面倒ね』

 

しばらく走っていると、何かが蹲っている姿が見えた。

 

「みんな止まって!」

 

車を停め、蹲っている物の正体はどうやらボロボロの男性と少し大きめのトカゲだった。人の髪色は赤銅色で褐色の肌。特徴は魔人族と瓜二つだった。

 

「どうするの?」

 

「とりあえずロープで捕縛しておいた方が良さそうだね」

 

ハジメがロープで魔人族の男の手足を縛り、トカゲを檻に入れる。トカゲは意外と大人しく檻に入った。

しばらくすると男が目を覚ます。

 

「ぐっ……ここは……?何故縛られて……人間……!?メル!」

 

「とりあえず落ち着いてくれ、そのメルとやらもここにいる」

 

幸利はトカゲの入った檻を見せる。

 

「そうか……私達はここまでか……」

 

「いくつか質問していいかな?」

 

「……なんだ」

 

警戒混じりの視線をこちらに向ける。

 

「何でそんなにボロボロなのか、仲間はどうしたのか」

 

「仲間は別の所だ……魔人族の異端者として私は魔人領を追い出された」

 

男は悔しそうな表情で、顔を顰める。

 

「それもここまでか……解放者達の意志を引き継いだのだがな……」

 

「待って!今、解放者って」

 

「……なんだ知っているのか?」

 

「ああ、俺達も解放者のことを知っている」

 

そこから彼等は情報共有を始める。

彼の名前は、『ヴェアベルト・ハリス』という魔人族の隊長の1人らしい。トカゲの名前は『メルリアン』。

彼はこの世界全ての種族が共に手を取り合い支え合う世界を作りたいと考えている。

魔人族が何故人間より優位に立ったのか。

魔物の使役は魔人領にある迷宮で手に入れた神代魔法『変成魔法』を使うことで可能になった。

彼はそこで解放者の意志と世界の真実を知った。仲間は一笑に伏したのだが、彼はしっくりきたのだという。

その事を魔人族を束ねる魔王に話したのだが、却下され納得いかず何度も言う内に異端者登録され、領を追われたのだという。部下も彼の理想に従っていたので、異端者に含まれてしまった。彼等を逃し、後は自分だけになった所で追手に見つかりメルリアンと共に命辛々生き延びてここにいるという。

 

「なるほど……」

 

「お前達は何者なのだ?」

 

「ボク達は、異世界から連れてこられた人間です。元の世界に戻る為に神代魔法を探しています」

 

「なるほど……目標は違えど目的は同じなのか……ならば私も同行させてもらえないだろうか。信じてもらえるとは思ってはいないが……」

 

士郎達は彼の話を聞いてしばらく考え込む。

今は戦力が欲しいのだが魔人族をすぐに信用するのは難しい。彼は士郎の目をじっと見て話しをていたので、嘘を言っているようには見えなかった。

しばらく仲間内で相談し、結論が出たので士郎はヴェアベルトに向き直る。

 

「一先ずボク達は貴方達を仲間に加えます。それでこれから貴方を信用していこうと思います」

 

「わかった……ならば我等の剣は貴君等に捧げよう」

 

その声にメルリアンも「クワァン!」と鳴く。

新たにヴェアベルトを仲間に加えた。

 

─────────────────────────

 

 

ブルックを出てから丸3日が経過した。ライセン大迷宮の手がかりも何も見つからない。

日も暮れて、月が出ているので野営の準備を始める。

テントの骨組みに気配遮断を付与した鉱石、気断石を使い、魔物に見つかることはほぼなく、冷房石、暖房石が温度は常に快適にしてくれる。

改めて思うこと……神代魔法超便利。

調理器具にまで使用しているのでその便利さがわかるだろう。

今日の夕食担当はシアだ。

献立はククルー鳥のトマト煮である。クルルー鳥とは、空飛ぶ鶏のことだ。肉の質や味はまんま鶏である。この世界でもポピュラーな鳥肉だ。とてもおいしかった。

鶏が空を飛んでいるのを見た士郎達は信じられない物を見た気分だった。

この日の見張り番は士郎だった。

雲一つない空を見上げている。とても綺麗だ。この世界にも流れ星があるようだ。月は三日月でとても美しく、ハジメがユエと名付けた時の話を連想する。

するとテントの中からウサミミがひょこっと出てくる。

 

「シア?まだ見張り交代の時間じゃないけど……」

 

「あの……その……お花を摘みに……」

 

「わかったよ。気をつけね?」

 

再び夜空を眺めようと上を見ようとしたその時、シアの声が聞こえてきた。

 

「し、士郎さ〜ん!来てください!大変ですぅ!」

 

何事かと士郎はシアのところまで駆け寄ると、そこには、巨大な一枚岩が谷の壁面にもたれ掛かるように倒れおり、壁面と一枚岩との間に隙間が空いている場所があった。シアは、その隙間の前で、ブンブンと腕を振っている。その表情は、信じられないものを見た!というように興奮に彩られていた。

 

「こっち、こっちですぅ!見つけたんですよぉ!」

 

「わかったから、引っ張らないで」

 

士郎が壁に何か書かれているのを見つけ、目を凝らしてその文字を読む。

『おいでませ!ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪』

『!』や『♪』のマークが妙に凝っている所が何ともウザさを表している。

 

「よく見つけたね」

 

「おトイ……ゴホッン、お花を摘みに来たら偶然見つけちゃいまして。いや~、ホントにあったんですねぇ、ライセン大峡谷に大迷宮って」

 

「とりあえず、名前に『ミレディ』って入ってるから本物だろう。シアは用を済ませてないなら済まして来なさい。ボクはみんなを起こしてくるから」

 

「わかりました!」

 

シアが偶然にも見つけた大迷宮の手がかり、その近くにおそらく入り口もあるのだろう。士郎は解析眼で探る。一つだけ四角く、忍者屋敷の回転扉のような物があった。そこが入り口なのだろう。

それからみんなを起こして、大迷宮を攻略することとなった。




ククルー鳥を捌くシアを見て

士郎「あれ?兎人族って温厚だよね?」

ハジメ「バリバリ捌いてるね……」

幸利「しかも笑顔でな……」

雫「前情報の詐欺かしら?」

ユエ「士郎達の魔改造のせいでもない……」

香織「血を見るのが珍しくないって説もあるけど……」

優花「前の兎人族を見る限りそれは無さそうね……」

ヴェア「……貴君等は何をしたのだ?」


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最近キャラを増やしすぎるたかも知れないと思うこの頃。




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