ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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セレディィィィィィィィ!違ったミレディィィィィィィィ!

士郎はテントの中にいるハジメ達に報告して、翌日にするか相談したのだが、直ぐに探索すると決まる。

ライセンの大迷宮は想像以上に厄介な場所だった。

まず、魔法がまともに使えない。谷底より遥かに強力な分解作用が働いているためだ。魔法特化のユエや幸利にとっては相当負担のかかる場所である。何せ、上級以上の魔法は使用できず、中級以下でも射程が極端に短い。五メートルも効果を出せれば御の字という状況だ。何とか、瞬間的に魔力を高めれば実戦でも使えるレベルではあるが、今までのように強力な魔法で一撃とは行かなくなった。

また、魔晶石シリーズに蓄えた魔力の減りも馬鹿にできないので、考えて使わなければならない。それだけ消費が激しいのだ。魔法に関しては天才的なユエ、大量の魔力を持つ幸利だからこそ中級魔法が放てるのであって、大抵の者は役立たずになってしまうだろう。

士郎達にとっても大きな影響が出ている。士郎の十八番である投影魔術はおろか、風爪や空力などもいつもの消費魔力で使えなくなってしまっていた。無理矢理ならば投影魔術は可能なので、前に作った複合投影剣(ソスタンボイ)で基本的に敵を切るつもりだ。

ハジメと香織の銃の威力も半分以下になってしまっている。

雫は攻撃魔法を使わないので、そこまで苦ではない。シアも身体強化なので魔力が霧散することはない。

 

「シア、ここでは君の身体強化が活きる。頼むよ」

 

「わかりました!」

 

それからしばらく進むのだが、魔物はおらずトラップだらけのだ。しかも物理トラップばかりなのでハジメのモノクルのほとんどの機能が反応しない。

解析眼でトラップがないか確認しつつ進む。

すると『ガコン!』と音が鳴る。

 

「ハジメ……」

 

「ごめん……」

 

壁から回転ノコギリが二枚出現し、こちらに襲いかかってくる。一つは首、もう一つは腰あたりだ。

 

「総員回避ィ!」

 

士郎がそう叫ぶと同時に全員でマ○リックス回避する。

 

「はわわわわわわ、ついてますか!?わたしのウサミミ着いてますかぁ!?」

 

「危うく饅頭になるところだったわね……」

 

「おはこんばんちはゆっくり優花ですとか笑えないわよ……」

 

「R-18Gにならなくてよかったよ……」

 

「やはり解放者の試練はどこも容赦ないのだな……」

 

「キュウ……」

 

 

─────────────────────────

 

トラップに気をつけながら迷宮を進む。

 

「ここの迷宮は魔物は出ないみたいだね」

 

「何故そんなことが言える?」

 

「ここは物理トラップばかりだからが一番の理由だね」

 

「なるほど……魔物が踏んで自滅しないようにか」

 

「それなら魔物がでないのも納得だな……」

 

「ただ自律人形(ゴーレム)系はいる可能性はあるよ」

 

「……トラップの位置に行かないように設定していれば踏むこともない」

 

「なるほど……流石ですね士郎さん!」

 

さらにしばらく進んでいくと、再び突然『ガコン!』とハジメがスイッチを踏み抜いた時と同じ音がしたのだ。

 

「……シア?」

 

ユエはジト目で音の元凶であるシアを睨む。

 

「ごめんなさいですぅ!」

 

いきなり階段から段差が消えた。かなり傾斜のキツイ下り階段だったのだが、その階段の段差が引っ込みスロープになったのだ。しかもご丁寧に地面に空いた小さな無数の穴からタールのようなよく滑る液体が一気に溢れ出してきた。

 

「「「「うわぁぁぁぁぁあ!!!」」」」

 

「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」」」」」

 

 

士郎達はそのまま滑り落ちていく。ハジメは香織とユエを抱え、スパイクを立てて止まろうとするものの、雫を受け止めた士郎がシアを受け止め損ねてそのままハジメ達に激突、そのままその下で理力の杖でぶら下がっていた幸利と優花にもぶつかり落ちていく。

 

「ごめんみんな!」

 

「今はここをどう切り抜けるか考えないと!」

 

士郎は滑り落ちる先を見る。穴になっていてそこに大量の鋭い棘が配置されていた。

 

「全員飛んで!」

 

士郎は強化魔術を腕と脚に使い雫とシアを抱えたまま穴を飛び越える。

 

「よっと……ハジメ達は……ってえええ!?」

 

士郎がハジメ達の方を見ると驚いた声を上げる。

それもそのはず、ハジメ達はワイヤー、幸利と優花は杖でぶら下がっているのに対して、ヴェアベルトは何処から現れたのかわからない飛竜に乗っていたのだ。

 

「ヴェアベルトさんそれどこから現れたんですかぁ!?」

 

「こいつはメルリアンだ」

 

「メルリアンがデカくなった!?」

 

幸利は驚愕の声を上げる。

メルリアンの能力を改めて教えてもらう。それを紙にまとめる。

 

=====================================

 

メルリアン 雌

擬竜種

 

 

技能:火炎放射[+圧縮放射][+弾丸放射]・水流放射[+圧縮放射][+弾丸放射]・氷結放射[+圧縮放射][+弾丸放射]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・念話・石化魔眼・身体拡縮・擬竜の鱗・気配感知・魔力感知・気配遮断・人竜一体[+融合][+技能融合][+ステータス融合]

 

=====================================

 

「この人竜一体っていうのは?」

 

「これは私とメルのとっておきだ」

 

ヴェアベルトはとっておきについて話す。士郎は今後それをどう連携に組み込むか考える。

ハジメ達も着地して先に進み、広い空間に出るとそこには石版が立っていて、文章が刻まれていた。メルリアンが念話で話せるのを知った士郎達は彼女?に話しかける。

会話はまだ辿々しいものの伝えたいことがわかるので問題はなかった。

 

『焦ってやんの~~~~ダッサ~~~~イ!』

 

『この位で疲れるようじゃ先が思いやられるねー、ププッ』

 

見事に神経を逆撫でされる文章が浮かび上がる。シアがその石版を叩き潰す。しかしその下にも文章が書かれていた。

 

『この程度でキレてやんの~~~~!プッ♪』

 

『最近の若者は短気でイカンな~~~~~♪』

 

『や~い、短気短気~~!プ~クスクス!』

 

「ムキィーーーーーー!」

 

シアがさらにブチギレて何度も何度も叩き潰す。

 

「これはミレディ生きてるね……」

 

「なんでそう思うの?」

 

「明らかにこちらの様子を言い当ててる」

 

「……でもミレディは人間だってオルクスの手記に書かれてた」

 

「自律人形に自分の魂を定着させたか何かしたんだろうね。魂は人の寿命より長いと思うし」

 

シアが叩き潰した跡を見ると、一瞬だが『ゑ”』と浮かんでいた。

 

「動揺したみたいだし先に進もう」

 

士郎の考察に呆気に取られるのだった。

 

─────────────────────────

 

それから迷宮を進んでいく士郎達。

道中にトラップを避けた先にウザい文章が何度も書かれていた。シアは色々悔しいのか文章に八つ当たりをしていた。どうやら開き直って再びおちょくり始めたようだ。

鉄球が転がって来た時は士郎とハジメが思いっきり殴り、粉砕したと思いきや、色々溶かす液体を噴出する鉄球が転がってくる二段構えに一行は逃げることを選択。逃げた先は溶解液のプールだった。空力すら使えないので士郎は鎖を、ハジメはワイヤーを、幸利は杖を、ヴェアベルトはメルリアンに乗り全員の着水を避けるのだった。

そして出た先は……

 

「……入り口?」

 

小さな声で誰かが呟いた。

石版が立っていた。

 

『ねえ今どんな気持ち?』

 

『お察しの通りここはスタート地点でーす!』

 

『苦労して進んだ部屋が最初の部屋なんだけど今どんな気持ちー?』

 

『ちなみに来た道を戻ろうとしても無駄だよ!』

 

『この迷宮は一定時間ごとに変化してるから!』

 

『ねぇねぇ今どんな気持ち?』

 

全員沈黙。

 

「「「「「「「「「……………………………………………………」」」」」」」」」

 

士郎とヴェアベルト以外は怒りがふつふつと湧き上がる。

 

「「「「「「「……でぃ」」」」」」」

 

「「?」」

 

「「「「「「「ミレディィィィィィィィ!」」」」」」

 

「これは一筋縄ではいかないなぁ」

 

「やれやれ……」

 

『サキガ……オモイヤラレル……』




天野士郎
イメージソング:サザンクロス
うごメモの棒人間バトルてよく流れていたアレ。

ヴェアベルト
CV:緑川光

メルリアン
CV:悠木碧
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