ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強 作:小説大工の源三
入り口に戻されて再び迷宮が探索する士郎達。士郎とハジメの解析眼とマーキングにより3日でボス部屋前の所までたどり着いた。
壁際には甲冑がずらりと並んでおり、今にも動き出しそうだ。
数歩進むと甲冑が動きだす。
「シア、君は強い。だから思いっきり暴れてこい」
「はい!」
元気よく返事をすると同時に星砕きを甲冑ゴーレムに叩きつけ、一撃で仕留める。
シアの攻撃を皮切りに、士郎達も一斉にに攻撃し始める。
ハジメと香織の銃が的確にゴーレムの核があるであろう場所を撃ち抜く。
しかしゴーレムは止まらず攻撃を続ける。
士郎が解析する。
「こいつら核がない!?」
「って事は遠隔操作されてるのか」
「士郎さん、さっきシアが星砕きで叩き潰したゴーレムの残骸がないわ」
「って事は再生したか何かあったのか?」
「士郎!鑑定結果が出たよ!『感応石』って言って魔力で直接操作出来るみたい!」
どうやら魔力の直接操作で再生しているようだ。士郎は一度考え、ハジメにあるものを出してもらう。
「ハジメ!ツーを出して!」
「わかった!」
士郎の手元に一つのドリルのような剣──贋・螺旋剣IIと弓を呼び出す。
それを弓につがえて扉に向けて放つ。
偽・螺旋剣IIの概念効果はこの迷宮でも遺憾無く発揮され、甲冑ゴーレムを蹴散らし扉を破壊する。魔法による破壊がないと思っていたのだろう。あっさり壊れた。
「みんな!急いで扉の奥に!」
全員全力ダッシュで扉の奥まで走る。
その先は足場が途切れていて、空中に四角いブロックの足場が浮いていた。
「不思議な空間……」
「なんだが常識を疑いたくなるよ……」
シアが唐突に叫ぶ。
「避けてぇ!」
何と問わずに全員、その場から別の足場に飛び移る。
士郎達がいた場所に隕石のようなものが落下して来たのだ。
「助かったよシア……」
「ええ、お手柄よ」
「えへへ……未来視が発動してよかったです。そのかわり、魔力をごっそり持っていかれましたが……」
そして上の方から何かが飛来し、士郎達の前でピタリと止まる。 止まったそれは、先程の甲冑ゴーレムの親玉のような姿だった。
兜の奥からギラリとこちらを睨む。
「なるほど、君がミレディ・ライセンかな?」
「「「「「「「え?」」」」」」」
『緑髪君の言う通り!私がミレディ・ライセンだよぉ〜!』
「「「「「「「は?」」」」」」」
ハジメ達の驚いた声が広い空間に響いた。
確かにオスカーの手記に彼女は人間と書かれていたので、信じられないのだろう。
『挨拶しないのかなぁ?最低限の礼儀だよ?全く、これだから最近の若者は……もっと常識的になりたまえよ』
「それはすまない。君が人間の女性だとオスカーの手記に書かれていたからね」
『オーちゃんの迷宮を攻略したのかな?』
「ああ、だからここの神代魔法を会得する為に攻略しに来たのさ」
「待って待って!」
「何普通に会話してるの!?」
「あ、お帰り」
『それじゃあ続けるよ〜!』
何事もなかったのように会話を続ける2人。
『君達は何のために神代魔法を求める?』
その質問に士郎はあの迷宮で決めたことを伝える。
「あの邪神を殺す為さ。そうじゃないとボク達は帰れないからね」
『ふーん、あのクソ野郎を倒してくれるんだ』
「次はボクからの質問だ。神代魔法の中に世界を……それこそ別世界へと行ける魔法はあるか?」
『それはねぇ〜
教えてあーげない!』
「なるほど、つまりあんたを倒せば教えてくれるんだな?」
幸利は腰のブラックロッドを手に持ち、構える。
『その通り!さあいつでもかかって来なさい!』
解放者の1人ミレディ・ライセンとの戦いの火蓋が切って落とされた。
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士郎とハジメ、香織は銃でミレディ・ゴーレムを射撃、メルリアンの火炎ブレスで攻撃する。
「やりましたか!?」
「……シア、それはフラグ」
全くダメージが入っていないミレディ・ゴーレム。今使った銃が効かないことが分かると、銃での攻撃をやめ、飛び蹴りを喰らわす。
『わわわ!いきなり攻撃とか卑怯じゃないの〜?』
「これは戦いだよ?」
「隙に攻撃をするのは普通でしょ?」
ミレディ・ゴーレムは腕を振るい、士郎達を吹き飛ばす。更に後ろから幸利が魔力を込めたブラックロッドで殴ろうとする。しかし突然現れた何かに足場へと殴り落とされる。
「チッ!さっきのゴーレムか!」
幸利の上には先程通路で蹴散らした、無限再生する甲冑ゴーレムが浮遊していた。
『そうだよ〜これが私の
ミレディ・ゴーレムの背後に大量の甲冑ゴーレムが浮遊していた。
『これが君達に一斉に襲い掛かるわけ!どう?ビビった?今謝ったら………』
得意げにミレディは語るがすぐにゴーレムが細切れにされる。
『あれ?』
「浮いてるだけなら只の的。あといちいちうるさい……」
ユエがそういう。
彼女が両肩から下げられた巨大なの水筒の中には大量の水が入っており、それを介して魔法を使うこと…魔力消費を抑えることができる。
『いや〜怖いねぇ。話してる最中にやるなんて』
士郎は解析眼を使用してミレディ・ゴーレムを解析する。ちょうど心臓部分にある核を見つける。
「ちゃんと君にも核があるんだね。みんな!核は心臓部分だ!」
『な、なんなの君達!?ここって魔法が使えない筈なんですけど!?』
「なんなのって?それは〜教えなーい!」
そう笑いながら士郎はミレディ・ゴーレムの右腕をを殴り飛ばす。その威力に腕が砕け散る。更にシアも星砕きで殴りかかる。それをミレディ・ゴーレムはトゲ鉄球のメイスで受け止める。そのまま押し切ろうとするも力負けして、ぶっ飛ばされる。
『はい、残念また挑戦してね〜』
シアと入れ替わるように、雫と優花、ヴェアベルトがナイフと刀、剣で振われた腕を切り落とそうとするも、ミレディ・ゴーレムは突然急激に左に動いてかわす。まるで左に
「んな!」
「ものすごい勢いで移動した!?」
「こいつはまさか重力系統の魔法なのか!」
空中に浮かぶ足場が突然何かに引っ張られるかのように動き、3人に襲いかかる。どうやら重力を操作して落として動かしているのだろう
『正解だよぉ!ただねぇ〜動かせるのは騎士だけじゃないよ?』
「重力魔法とか厄介だな……」
「ひとまずこれを破壊してから次の手を考えよう!」
しかしその足場もハジメの義手のギミックと幸利のブラックロッドにより砕ける。
更にハジメは宝物庫からシュラーゲンをだし、ミレディ・ゴーレムの核の位置に放つ。
とてつもないその威力にミレディ・ゴーレムが後ろに後退する。
煙が晴れて現れたのは無傷のミレディ・ゴーレムだった。当たった部分には最初の装甲とは違う黒い装甲が露わになる。
「アザンチウム鉱石か……」
『正解!いや〜大したもんだね?ちょ〜っとヒヤッとしたよぉ。分解作用が無くて、そのアーティファクトが本来の力を発揮していたら危なかったかもねぇ~、うん、この場所に苦労して迷宮作ったミレディちゃん天才!!』
自画自賛するミレディ。
『それに、重力を操ればこんなことも……出来るんだよ!』
ミレディ・ゴーレムの持つトゲ鉄球が放たれる。メイスに見えたそれは内部に鎖で繋げられたモーニングスターだったのだ。
正確にはハジメへと落ちるように襲いかかる。
士郎はそれを剛腕を込めて殴り、受け止める。
「っぐっ………おおおおお!」
『マジ?これを受け止めるとか?』
更にハジメと幸利が後ろからものすごい速さで飛んで、鉄球を踵落としとブラックロッドで叩きつける。
「今だ!全員登れ!」
士郎達は左腕を登る。
『く、来るなぁ!』
登ってくる士郎達をミレディ・ゴーレムは再生された右腕で薙ぎ払おうとする。
「させません!どぉりゃぁああああっ!!」
先程は吹き飛ばされたシアだが今回は違う。彼女の戦鎚がその腕を受け止める。これには訳がある。
士郎が踵落としをする前に一度試してみたいことがあり、それをシアに実行した。
それは強化魔術を他者に行うということ。前にもハジメに試したのだが中々上手くいかなかったのだ。そこで今回は『回路接続』と併用して使ってみることにしたのだ。結果は大成功、シアの身体能力はハジメクラスにまで上昇し、右腕を余裕て受け止めることが出来たのだ。
「ナイスだシア!そのまま受け止め続けて!」
「はいですぅ!」
更に士郎は背中の剣を抜きミレディ・ゴーレムの右腕を切り落とす。
ユエが『破断』を、メルリアンが水流ブレスを放ち、更に片腕を切り落とす。
「うりゃぁぁぁぁぁぁぁあ!」
両腕がなくなったミレディ・ゴーレムを足場に叩き落とす。
『や、やるじゃないか………でも、こんな事しても無駄だよ。私もゴーレムだって事忘れてないよね?核が破壊されない限り素材があれば何度だって再生できるんだよ?』
「「『そうはさせない(サセナイ)/させん』」」
再生しようと始めようとしたその時、パキパキと音を立てながらミレディ・ゴーレムの身体が凍っていく。
ユエとヴェアベルトの『凍柩』、メルリアンの氷ブレスでミレディ・ゴーレムの大半が凍りつけにされる。
『嘘!?どうしてここで上級魔法が使えるのさ!?』
「今まで水属性の攻撃をし続けたからだ……はぁ……はぁ……大分魔力を使ったがこれで動けないだろう」
しかし、まだ終わらなかった。
何かを察知したメルリアンはヴェアベルトを抱えてその場を離れる。
彼女も本来なら他の人も抱えたかったのだが時間もなく、ヴェアベルト1人しか抱えれなかった。
「みなさん!『未来』が視えました!上から何か降って来ます!」
「ちょっと……これはシャレにならないでしょ……」
士郎達は目を見開いて天井を見上げる。
『………ふふふ、とっておきのお返しだよ。今からこの部屋の天井全てを、君達の頭上に《落とす》これだけなら数百単位でいけるからね〜』
天井が正方形のブロックに分かれて落下を始めた。
この部屋の天井は重力魔法によって支えられていた物の様だ。
『さぁ、これを凌いで見せてよ』
ミレディは楽しそうに言った。
その時士郎は近くにいた幸利と優花をヴェアベルトとメルリアンのところに投げ飛ばす。
「香織!ユエ!僕のところに!」
「雫!シア!こっちだ!」
ハジメは香織とユエを、士郎は雫とシアを抱えて飛ぶ。
かなりの魔力を消費して偽・螺旋剣を投影、そして蹴飛ばして、道を作る。
ハジメもオルカンからロケット弾を発射してブロックを破壊する。
別の場所にいる、幸利達にも天井ブロックの一部が襲いかかる。
幸利は魔力を込めたブラックロッドを優花は槍を扇風機のように回して防御する。
「うぉぉぉぉぉぉお!」
「やぁぁぁぁぁぁあ!」
ハジメは『限界突破』士郎は『変容』、そして『瞬光』を発動してブロックの隙間を通る。
「うひぃぃぃい!」
シアはスレスレで通り過ぎていくブロックに驚く。
この状態の2人の身体への負担は半端ではない。
魔物の血肉を食べたからこそ、この無茶が出来る。
時折襲いかかる破片を香織が銃で逸らし、シアが星砕きで粉砕する。
士郎達がブロックを乗り越えようとしている隙にミレディ・ゴーレムは修復を開始する。
ブロックが大量に積まれる頃には完全復活をする。
『ミレディちゃん復活!』
士郎達が巨石群に呑まれたかと思い、重力魔法を解除する。
『う~ん、やっぱり、無理だったかなぁ~でもこれくらいは何とかできないと、あのクソ野郎共には勝てないしねぇ~』
「誰がやられたって?」
誰かの声が聞こえた。
ブロックが破壊され、そこから現れたのは士郎達だった。士郎とハジメは目や鼻から血を垂れ流していた。
更に背後からも爆発音がしてミレディ・ゴーレムが振り向く。
「だぁぁぁあ!身体強化が派生技能に追加されなかったら死んでた!」
「ホントギリギリのタイミングね……」
「危機一髪だったな……」
『タスカッタ……』
『うっそぉ』
「あんまり僕等を舐めないで欲しいね……」
「次は私達の番だよ……」
「……覚悟して」
「その腕また切り落としてあげるわ」
「ぶっ潰してやるですぅ!」
ユエ、ヴェアベルトの『破断』と士郎、雫の剣撃により再びミレディ・ゴーレムの両腕を切断。一瞬の隙にハジメがパイルバンカーを取り出して、ミレディ・ゴーレムの核に向けて突き刺す。
「存分に喰らえ!」
『キュイイイイ!』と音を立てながらミレディ・ゴーレムの装甲を抉る。
しかし、抉っている最中に足場の一つがハジメに飛来してパイルバンカーの作動部分が破壊され、杭だけが残る。
二つ目が飛来するも、幸利がブラックロッドでハジメを回収する。
『ハ、ハハ。どうやら未だ威力が足りなかったようだねぇ。だけど、まぁ大したものだよぉ?四分の三くらいは貫けたんじゃないかなぁ?』
「そんなに削れたなら問題ない!」
士郎とシアは飛び上がる。そして士郎がシアに足を向けて互いの足を重ねてシアを突き飛ばす。キャプ○のスカイ○ブハリ○ーンだ。
そのままシアは星砕きの特殊機能を発動、高速回転しながら杭に向かって行く。
「やれ!シア!」
「うりゃぁぁぁぁぁぁあ!」
ズガァァァァァアン!
シアの絶叫と共に杭が打ち抜かれる音が響く。
ミレディ・ゴーレムの目から光が消えうせる。これによりようやく士郎達の勝利が確定したのだった。