ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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春よす復活したぁ!?
Wryyyyyyyyyyyy!


さらばブルックよ!こんにちはフューレン!あと依頼!

マサカの宿にて風呂を3時間とり、身体の疲れをとる。その際、宿娘に色々勘違いされたり覗かれたりさらには街で色々騒ぎがあったりしたのだが、それは置いておこう。

ブルックにいる間はは、必要な物を買い込み、色々イチャついたりして街を出るのだった。

数日後、士郎達はギルドを訪ねる。

 

「おや?いつぞやの坊や達じゃないか。今日はどんな用事だい?」

 

「グリューエン大火山の迷宮に行きたくてね。何か情報はないかなって」

 

「はいはいちょっと待ちな」

 

おばちゃんが資料を取り出して、パラパラと捲り始める。

 

「そういえば、この間冒険者登録したよね?とすると今のランクは青だね」

 

「何?そのランクってのは?」

 

「冒険者の実力や価値の判断基準のことさね。ルタの価値の高さは色と同じ、覚えときな」

 

つまり1番高いのは金だと言うことだ。

 

「……と待たせたね、大火山の情報だよ。これを見てみな」

 

おばちゃんが資料をカウンターに乗せて見せる。

 

「グリューエン大火山は大陸を西に進んだ大砂漠の中にある。迷宮に挑戦するならしっかり準備をする必要があるよ。おすすめは途中の『フューレン』って所に寄ることだね。大陸一の商業都市だから、大体の物は何でもそろうはずさ。今ならフューレンへの護衛の依頼が一件あるね。馬車で移動できるから丁度いいと思うよ。どうするかい?」

 

「んー………乗り物はあるから移動手段には困ってないけど……」

 

「なら2つに分かれて、一部は先に向かって、一部は依頼を受けて向かうでいいかな?」

 

「そうですねぇ他の冒険者さんと情報交換も出来るかもですし」

 

「そうね、急ぐ旅でもない訳だし」

 

という事で、グループ分けした結果、ハジメ、香織、ユエ、ヴェアベルト、メルリアンが先に向かい、士郎、雫、シア、幸利、優花が依頼を受けることとなった。

 

「それじゃそのまま正門へいっとくれ……あ、ちょっと待ちな」

 

おばちゃんが士郎達を呼び止め、何かを一筆サラサラと書き始めた。

すると、それに封をした。

 

「あんた達には見込みがありそうだからね」

 

そう言いながらそれを渡してきた。

 

「これは?」

 

「手紙だよ。他の町でギルドと揉めた時はそれを見せな。おっと、詮索は無しだよ?イイ女には秘密が付き物さね」

 

「ホント何者なんだか……」

 

この時、ヴェアベルト以外は同じ事を考えていた。

 

─────────────────────────

 

翌日の朝一、ハジメ達は車で先にフューレンに向かい、士郎達は正門にいる、護衛の主である人物がこちらに歩み寄ってくる。

 

「私の名前はモットー・ユンケル。この隊商のリーダーをしている。キャサリンさんからは大変優秀な冒険者と聞いている。護衛の方よろしく頼むよ」

 

「よろしく、期待は裏切らないと思うよ」

 

そう名乗る初老の男と士郎は握手をする。

 

「……早速で悪いが、君に相談がある」

 

モットーはまるで物を見るような目でシアに視線を向ける。

 

「その兎人族………売るつもりは無いかね?」

 

その言葉を聞いた瞬間、士郎達のメンバーから非難する視線がモットーに向けられる。しかし慣れているのか何処か吹く風だ。

 

「シアを売る気は無いかだって……?」

 

「ええ。珍しい白髪に美しい容姿の兎人族。これほど美しい商品は初めて見るものでして」

 

『商品』と言った時点で非難の目が一層強くなる。シアは士郎の後ろに隠れるように移動した。

 

「見れば随分と懐かれている様子。それなりの額を出しますが………いかがかな?」

 

その言葉にシアは不安そうにしている。

 

「そうだね……」

 

士郎はそう言いながらシアの肩に手を回し抱き寄せて、

 

「何処ぞの神が欲しがっても……絶対にわたさない」

 

そう言い切った。

シアの顔は真っ赤に染まった。表情はまるで恋する乙女だ。

 

「……そこまで言われたら仕方ない。一先ず今は引き下がるとしよう」

 

あっさりと引き下がり、自身の馬車へと戻るのだった。

その間、シアの顔がゆるゆるに緩んでいた。

 

「ではそろそろ出発しますよ。護衛の程よろしくお願いしますよ」

 

商業都市フューレンに向けて一行は出発するのだった。

やがて陽が沈み、野営の準備をしている。

 

「今日はどれくらい進んだんだ?」

 

幸利がモットーに問いかけた。

 

「大体三分の一という所ですな。順調に行けば、後4日程で着くでしょう」

 

「結構かかるのね……」

 

ハジメ作の車なら1日で着く距離だ。

 

「それで食事はどうするつもりで?一応食料の販売もしていますが……」

 

「いや、持って来てるから問題ないよ」

 

幸利の背負っているリュックに中にある食料を取り出す。

それから料理を作り始めるのだった。

 

─────────────────────────

 

 

日の出前に出発し、日が沈む前に野営の準備に入る。それを繰り返すこと三回目。士郎達は、フューレンまで三日の位置まで来ていた。道程はあと半分である。ここまで特に何事もなく順調に進んで来た。士郎達は、隊の後方を預かっているのだが実にのどかなものである。

この日も、特に何もないまま野営の準備となった。冒険者達の食事関係は自腹である。周囲を警戒しながらの食事なので、商隊の人々としては一緒に食べても落ち着かないのだろう。別々に食べるのは暗黙のルールになっているようだ。そして、冒険者達も任務中は酷く簡易な食事で済ませてしまう。ある程度凝った食事を準備すると、それだけで荷物が増えて、いざという時邪魔になるからなのだという。代わりに、町に着いて報酬をもらったら即行で美味いものを腹一杯食うのがセオリーなのだとか。

そんな話をこの二日の食事の時間に士郎達は他の冒険者達から聞いていた。士郎達が用意した豪勢なシチューモドキをふかふかのパンを浸して食べながら。

 

「カッーーうめぇ!ホント、美味いわぁ~流石シアちゃん!もう、亜人とか関係ないから俺の嫁にならない?」

 

「ガツッガツッ、ゴクンッ、ぷはっ、てめぇ、何抜け駆けしてやがる!シアちゃんは俺の嫁!」

 

「はっ、お前みたいな小汚いブ男が何言ってんだ?身の程を弁えろ。ところでシアちゃん、町についたら一緒に食事でもどう?もちろん、俺のおごりで」

 

「なら俺は優花ちゃんだ!優花ちゃん、今度俺と食事に!」

 

「雫ちゃんが使ったスプーン……ハァハァ」

 

最初は士郎達だけで作った料理を食べていたのだが、あまりにも美味しそうだったのか、冒険者達が涎を滝のように流していたので、こちらのメンバーが作った料理をお裾分けすることになった。

それからこの反応する冒険者連中に士郎と幸利は軽く威圧を放つ。

 

「お腹の中空っぽになりたい人、手を挙げて?」

 

「今なら痛みもなく出来るぞ?」

 

「「「「「調子に乗ってすんませんっしたー」」」」」

 

見事なハモリとシンクロした土下座で即座に謝罪する冒険者達。彼等のほとんどは、士郎よりも年上でベテランの冒険者なのだが、そのような威厳は皆無だった。2人から受ける威圧が半端なかった。

それから二日。残す道程があと一日に迫った頃、遂にのどかな旅路を壊す無粋な襲撃者が現れた。

最初にそれに気がついたのはシアだ。街道沿いの森の方へウサミミを向けピコピコと動かすと、のほほんとした表情を一気に引き締めて警告を発した。

 

「敵襲です!数は百以上!森の中から来ます!」

 

その警告を聞いて、冒険者達の間に一気に緊張が走る。現在通っている街道は、森に隣接してはいるが其処まで危険な場所ではない。何せ、大陸一の商業都市へのルートなのだ。道中の安全は、それなりに確保されている。なので、魔物に遭遇する話はよく聞くが、せいぜい二十体前後、多くても四十体くらいが限度のはずなのだ。

 

「くそっ、百以上だと?最近、襲われた話を聞かなかったのは勢力を溜め込んでいたからなのか?ったく、街道の異変くらい調査しとけよ!」

 

護衛隊のリーダーであるガリティマは、そう悪態をつきながら苦い表情をする。

 

「アレボクがやろうか?」

 

「な、出来るのか?」

 

「百体如き相手にならねーよ」

 

士郎が前に立ち、要らない詠唱を唱える。

 

「大地に眠る力強き精霊達よ、我が声に耳を傾けたまえ、その姿を龍と化せ、我が腕を指揮棒とし、目の前の障害を噛み砕け、『大地龍』」

 

突然地面が盛り上がり何が飛び出してくるかと思えば、龍を象った土の塊だった。それは士郎の右腕とリンクしており、腕を振るうとその方向に龍が襲いかかる。口元にいる魔物は吸い込まれ、士郎が手を握ると龍の口が閉じて魔物が噛み砕かれる。

 

「な、なんだアレ……!」

 

そして百を超える魔物の集団は士郎の魔法一発で綺麗さっぱり消えてしまったのだった。

 

「なんだよあの魔法、俺知らないんだが……」

 

「士郎さんのオリジナルらしいわ」

 

「詠唱はダイの○冒険を参考にしたよ☆」

 

士郎のオリジナル魔法『大地龍』。民の叡智と重力魔法の合成だ。

民の叡智で龍を象り、重力魔法で魔物を吸い込みそのまま噛み砕くという、シンプルな効果だ。

 

「おいおいおいおいおい、何なのあれ?何なんですか、あれっ!」

 

「へ、変な生き物が……空に、空に……あっ、夢か」

 

「へへ、俺、町についたら結婚するんだ」

 

「動揺してるのは分かったから落ち着け。お前には恋人どころか女友達すらいないだろうが」

 

「魔法だって生きてるんだ!変な生き物になってもおかしくない!だから俺もおかしくない!」

 

「いや、魔法に生死は関係ないからな?明らかに異常事態だからな?」

 

とまあ冒険者達が色々おかしくなっていた。

 

「はぁ、まずは礼を言う。あんたのおかげで被害ゼロで切り抜けることが出来た」

 

「お互い仕事仲間だ。礼は不用だよ」

 

「で、今のはなんだ?」

 

「オリジナル魔法だよ、詮索はしないで欲しい」

 

「ッ……それは、まぁ、そうだろうな。切り札のタネを簡単に明かす冒険者などいないしな……」

 

深い溜息と共に、追及を諦めたガリティマ。ベテラン冒険者なだけに暗黙のルールには敏感らしい。肩を竦めると、壊れた仲間を正気に戻しにかかるのだった。

商隊の人々の畏怖と尊敬の混じった視線をチラチラと受けながら、一行は歩みを再開した。

 

─────────────────────────

 

士郎が、全ての商隊の人々と冒険者達の度肝を抜いた日以降、特に何事もなく、一行は遂に中立商業都市フューレンに到着した。

 

「お疲れ様でした……それと一つ忠告しておきたいことが」

 

「?何?」

 

「あまり竜という言葉は使わない方がよろしいかと」

 

「なんでなんだ?」

 

「聖教教会では竜という存在……竜人族は悪く見られているのでね。奴らは人にも魔物にもなれる半端者。それにどの神も信仰していなかったので、教会側としては面白くない存在だったのでしょう」

 

「なるほどね忠告ありがと」

 

「竜の尻を蹴飛ばしたくないので、私はその兎人族の交渉は辞めておきます」

 

それから士郎はハジメ達を探す為に案内人の人にハジメ達の特徴を説明すると、なんとハジメ達はギルド本部にいるとのことだった。

 

「何やらかしたんだ……あいつら」

 

「とにかく行きましょう……それで事情を聞けばいいし」

 

ギルド本部に向かう一行なのだった。

本部に着き、ハジメの所まで通してもらう。そこにはソファに座るハジメ達がいたのだった。

状況を回路接続の記憶共有で全員に共有する。

ハジメ達が来たのは先程らしい。その時に香織とユエにちょっかいかけて来たブタ貴族と金好きの冒険者を返り討ちにしたらこうなったらということ。

 

「なるほどね……なんで威圧だけで済まさなかったんだよ……」

 

「すまない士郎殿……私が目を離している時に」

 

「いや、あのブタ貴族も悪いし」

 

「初めまして、私は冒険者ギルドフューレン支部、支部長イルワ・チャングだ。シロウ君、ユキトシ君、シズク君、シア君、ユウカ君、でいいかな?」

 

「うん、構わないよ。名前は手紙に?」

 

「その通りだ。先生からの手紙に書いてあったよ。随分と目をかけられている……というより注目されているようだね。将来有望、ただしトラブル体質なので、出来れば目をかけてやって欲しいという旨の内容だったよ」

 

「トラブル体質なのは否定出来ないね……」

 

「トラブル体質……ね。確かにブルックじゃあトラブル続きだったな。まぁ、それはいい。肝心の身分証明の方はどうなんだ?それで問題ないのか?」

 

「ああ、先生が問題のある人物ではないと書いているからね。あの人の人を見る目は確かだ。わざわざ手紙を持たせるほどだし、この手紙を以て君達の身分証明とさせてもらうよ」

 

「あの~キャサリンさんって何者なのでしょう?」

 

おばちゃんに懐いていたシアがそう言う。

 

「ん?本人から聞いてないのかい?彼女は、王都のギルド本部でギルドマスターの秘書長をしていたんだよ。その後、ギルド運営に関する教育係になってね。今、各町に派遣されている支部長の五、六割は先生の教え子なんだ。私もその一人で、彼女には頭が上がらなくてね。その美しさと人柄の良さから、当時は、僕らのマドンナ的存在、あるいは憧れのお姉さんのような存在だった。その後、結婚してブルックの町のギルド支部に転勤したんだよ。子供を育てるにも田舎の方がいいって言ってね。彼女の結婚発表は青天の霹靂でね。荒れたよ。ギルドどころか、王都が」

 

「そんなにすごい人だったんだね」

 

「……キャサリンすごい」

 

「只者じゃないとは思ってたけど、中枢の人間だったとはね……」

 

「それで依頼なんだが……」

 

「断るよ」

 

「いやハジメ、身分証明は問題ないがブタ貴族の件は許されていないからな?」

 

「しまった……ホント威圧だけにしとけば良かった……」

 

「それで支部長殿、依頼内容は?」

 

最初から受ける気だったヴェアベルトが内容を聞く。

 

「依頼内容だが、そこに書いてある通り、行方不明者の捜索だ。北の山脈地帯の調査依頼を受けた冒険者一行が予定を過ぎても戻ってこなかったため、冒険者の一人の実家が捜索願を出した、というものだ」

 

彼の話を要約すると、つまりこういうことだ。

最近、北の山脈地帯で魔物の群れを見たという目撃例が何件か寄せられ、ギルドに調査依頼がなされた。北の山脈地帯は、一つ山を超えるとほとんど未開の地域となっており、大迷宮の魔物程ではないがそれなりに強力な魔物が出没するので高ランクの冒険者がこれを引き受けた。ただ、この冒険者パーティーに本来のメンバー以外の人物がいささか強引に同行を申し込み、紆余曲折あって最終的に臨時パーティーを組むことになった。

この飛び入りが、クデタ伯爵家の三男ウィル・クデタという人物らしい。クデタ伯爵は、家出同然に冒険者になると飛び出していった息子の動向を密かに追っていたそうなのだが、今回の調査依頼に出た後、息子に付けていた連絡員も消息が不明となり、これはただ事ではないと慌てて捜索願を出したそうだ。

 

「報酬は弾ませてもらうよ?依頼書の金額はもちろんだが、私からも色をつけよう。ギルドランクの昇格もする。君達の実力なら一気に『黒』にしてもいい」

 

「いや、金は最低限でいいし、ランクもどうでもいいから……」

 

「なら、今後、ギルド関連で揉め事が起きたときは私が直接、君達の後ろ盾になるというのはどうかな?フューレンのギルド支部長の後ろ盾だ、ギルド内でも相当の影響力はあると自負しているよ?君達は揉め事とは仲が良さそうだからね。悪くない報酬ではないかな?」

 

「随分と気前がいいね……」

 

「……伯爵とは個人的に仲が良くてね。同行パーティーに話を通したのは私なんだ。確かな実力のあるパーティーだから問題無いと思った。同行させてウィルに厳しさを教えようとしたんだが……それがこんなことになるなんて……」

 

イルワ支部長は歯を食いしばりながら悔しそうな表情を浮かべる。

許可を出してしまった自分が許せないのだろう。ウィルという男の安否を早く確認したいのだろう。

 

「……なら条件が二つある。それを了承してくれるなら、受ける」

 

「……言ってみてくれ」

 

「一つシア、ユエ、ヴェアベルトのステータスプレートを作り、その情報を非公開にすること」

 

「まぁそれならいいだろう……で二つ目は?」

 

「ギルド関連のコネクションを使って要求に応えること。教会から指名手配された時に便宜を図ってくれればいいよ」

 

「な、教会からの指名手配!?つまり、教会と敵対すると言うのか!なんて無謀な……」

 

「うん、いつか必ずされる」

 

「わかった……キャサリン先生が認めた人間が言うことだ。何か理由かあるのだろう」

 

「理解が早くて助かるよ。依頼の方は任せて」

 

「わかっていると思うが、犯罪に加担する要望は応えられない」

 

「ボクだって犯罪者になるつもりはないよ。依頼は本人か遺品を持ってくればいいんでしょ?」

 

「ああ、形はどうあれ、痕跡を見つけて欲しい。シロウ君、みんな……どうかよろしく頼む」

 

士郎は立ち上がりイルワと握手をして部屋から出るのだった。

士郎達がいなくなった後、イルワは勢いよく息を吐く。

 

「ふぅ……」

 

「支部長……あのような条件を受けてよかったのですか?」

 

「ウィルの命がかかっている、仕方ないさ」

 

「自分としても彼らの秘密が気になりますね。ステータスプレートに表示されたくない不都合とは一体……」

 

「ドット君、知っているかい?ハイリヒ王国の勇者一行は皆、とんでもないステータスらしいよ?」

 

ドットは、イルワの突然の話に細めの目を見開いた。

 

「!支部長は、彼が召喚された者……『神の使徒』の一人であると?しかし、彼はまるで教会と敵対するような口ぶりでしたし、勇者一行は聖教教会が管理しているでしょう?」

 

「ああ、その通りだよ。でもね……およそ四ヶ月前、その内の6人がオルクス大迷宮で亡くなったらしい。魔物と一緒に奈落の底へ落ちたってね」

 

「……まさか、その者が生きていたと?四ヶ月前と言えば、勇者一行もまだまだ未熟だったはずでしょう?オルクスの底がどうなっているのかは知りませんが、とても生き残るなんて……」

 

ドットは信じられないと首を振りながら、イルワの推測を否定する。しかし、イルワはどこか面白そうな表情で再び士郎達が出て行った扉を見つめた。

 

「そうだね。でも、もし、そうなら……なぜ、彼等は仲間と合流せず、旅なんてしているのだろうね?彼等は一体、闇の底で何を見て、何を得たのだろうね?」

 

「何を……ですか……」

 

「ああ、何であれ、きっとそれは、教会と敵対することも辞さないという決意をさせるに足るものだ。それは取りも直さず、世界と敵対する覚悟があるということだよ」

 

「世界と……」

 

「私としては、そんな特異な人間とは是非とも繋がりを持っておきたいね。例え、彼等が教会や王国から追われる身となってもね。もしかすると、先生もその辺りを察して、わざわざ手紙なんて持たせたのかもしれないよ」

 

「支部長……どうか引き際は見誤らないで下さいよ?」

 

「もちろんだとも」

 

スケールの大きな話に、目眩を起こしそうになりながら、それでもイルワの秘書長として忠告は忘れないドット。しかし、イルワは、何かを深く考え込みドットの忠告にも、半ば上の空で返すのだった。




一方その頃王国では……

シアが人工呼吸をされている時

恵里「!何処かで羨ましい展開が!」

鈴「エリリン!?突然どうしたの!?」

シアが士郎に抱き寄せられている時

恵里「また何か羨ましい展開がぁ!僕もされたいよぉ!」

鈴「だからエリリン突然どうしたのぉ!?」
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