ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

40 / 125
前回の魔人族さん
闇属性と降霊術の適性を持つ。
人質作戦が失敗した時のために、愛子を乗っ取って内側から人間族陣営を崩す別プランを用意したのだが、ヴェアベルトの直感と魔力感知により失敗に終わる。
実は魂魄魔法の一歩手前まで能力の覚醒をしていた。


フューレンにて

ウルの町からフューレンにまで車を使い一直線で戻る。その間、幸利の目が死んでいた。こうもティオの相手をしていると疲れるのか、暗いオーラが溢れ出ている。車も隠す意味もなくなって来たので車のまま乗りつけた。

 

「車も隠さなくて良くなった訳だし、シアの首輪もお洒落にしないとね」

 

「ふぇ?」

 

ボクはシアの首輪に触り、無骨な作りから華やかなものに変える。

 

「わぁ……!」

 

「綺麗ねシア」

 

「はい!」

 

嬉しそうな表情を浮かべ、ウサミミをピコピコ動かすシア。そんな彼女の頭を雫が撫でている。

フューレンの街中を歩いていると女性2人を連れているチャラ男がこちらの女性陣をナンパしようと近づいて来た。

 

「よぉ、レディ達。よかったら、俺と『何、勝手に触ろうとしてるのかなぁ?』ヒィ!!」

 

チャラ男は、実に気安い感じでボク達男性陣を無視して女性陣に声をかけた。それがただ声をかけるだけなら、威圧の気絶コースで済ませようと思ってたのだが、事もあろうに、チャラ男はシアの頬に手を触れようとした。

見た目はチャライがルックス自体は十分にイケメンの部類だ。それ故に、自分が触れて口説けば、女なら誰でも堕ちるとでも思ったのだろうか?シアが冷たい視線を向ける。彼女が触れられる前に対処しようとしたのだが、その前にボクがチャラ男の頭を鷲掴みにした。

なんだこいつ、この程度の圧でビビるのか、腰抜けめ。

そのままボクは男を気絶させて、そこら辺にポイした。なんか臭かったし。

そしてウィルをギルド支部長であるイルワの元に送り届ける。

 

「ウィル!無事かい!?怪我はないかい!?」

 

イルワ支部長がウィルに駆け寄る。

 

「イルワさん……すみません。私が無理を言ったせいで、色々迷惑を……」

 

「……何を言うんだ……私の方こそ、危険な依頼を紹介してしまった……本当によく無事で……ウィルに何かあったらグレイルやサリアに合わせる顔がなくなるところだよ……二人も随分心配していた。早く顔を見せて安心させてあげるといい。君の無事は既に連絡してある。数日前からフューレンに来ているんだ」

 

「父上とママが……わかりました。直ぐに会いに行きます」

 

ウィルはそう言うと俺達にもう一度礼を言って部屋を出て行った。

それにしても、父親の事を『父上』と呼んでいたのに母親の事を『ママ』と呼んでいたウィルに、やはりマザコンなのかとボクは内心思っていた。

ウィルが出て行ったあと、イルワ支部長がこちらに振り返る。

 

「シロウ君、みんな今回は本当にありがとう!まさか、本当にウィルを生きて連れ戻してくれるとは思わなかった。感謝してもしきれないよ」

 

「まぁ、生き残っていたのはウィルの運が良かったからだろ」

 

「ふふ、そうかな?確かに、それもあるだろうが……何万もの魔物の群れから守りきってくれたのは事実だろう?女神の守り人?」

 

「誰が呼び始めたんですかそれ……」

 

「ウルの人たちだよ。これを知ったのは長距離用アーティファクトのおかげさ。私の部下が君達に付いていたんだよ。といっても、あのとんでもない移動型アーティファクトのせいで常に後手に回っていたようだけど……彼の泣き言なんて初めて聞いたよ。諜報では随一の腕を持っているのだけどね」

 

そう言って苦笑いするイルワ。最初から監視員がついていたらしい。支部長の直属でありながら、常に置いていかれたその部下の焦りを思うと、中々同情してしまう。

 

「それにしても、大変だったね。まさか、北の山脈地帯の異変が大惨事の予兆だったとは……二重の意味で君に依頼して本当によかった。数万の大群を殲滅した力にも興味はあるのだけど……聞かせてくれるかい?一体、何があったのか」

 

「勿論だけど、その前に3人のステータスプレートをお願い」

 

「ティオ、お前もこの際貰っとくか?」

 

「うむ、3人が貰うなら妾の分も頼めるかの?」

 

「ふむ、確かに、プレートを見たほうが信憑性も高まるか……わかった、ドット君」

 

「はっ!」

 

そう言って、イルワは、職員を呼んで真新しいステータスプレートを三枚持ってこさせる。

 

結果、トータス組のステータスは以下の通りだった。

 

=====================================

 

ユエ 323歳 レベル75

天職:神子

 

筋力:120

体力:300

耐性:60

敏捷:120

魔力:6980

魔耐:7120

 

技能:自動再生[+痛覚操作]・全属性適正・複合魔法・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率上昇][+魔素吸収]・想像構成[+イメージ補強力上昇][+複数同時構成][+遅延発動]・血力変換[+身体強化][+魔力変換][+体力変換][+魔力強化][+血盟契約]・高速魔力回復・生成魔法・重力魔法

 

=====================================

 

=====================================

 

シア・ハウリア 16歳 女 レベル40

天職:占術師

筋力:60 [+最大6100]

体力:80 [+最大6120]

耐性:60 [+最大6100]

敏捷:85 [+最大6125]

魔力:3020

魔耐:3180

技能:未来視[+自動発動][+仮定未来]・魔力操作[+身体強化][+部分強化][+変換効率上昇Ⅱ] [+集中強化]・重力魔法

=====================================

 

=====================================

 

ヴェアベルト・ハリス 26歳 男 レベル61

天職 竜騎士

 

筋力:6988[+13818(融合時)]

体力:6892[+13432(融合時)]

耐性:7530[+14710(融合時)]

敏捷:8452[+14402(融合時)]

魔力:5346[+10036(融合時)]

魔耐:6214[+11084(融合時)]

 

技能:剣術・格闘術・短刀術・氷属性適正・氷耐性・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・炎耐性・熱耐性・竜化[+一部変化]・気配感知・人竜一体[+融合][+技能融合][+ステータス融合]・念話・変成魔法・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・重力魔法

 

=====================================

 

=====================================

ティオ・クラルス 563歳 女 レベル:89

天職:守護者

筋力:770[+竜化状態4620]

体力:1100[+竜化状態6600]

耐性:1100 [+竜化状態6600]

敏捷:580[+竜化状態3480]

魔力:4590

魔耐:4220

技能:竜化[+竜鱗硬化][+魔力効率上昇][+身体能力上昇][+咆哮][+風纏][+痛覚変換]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・火属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・風属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法

=====================================

 

と表示された。全員チートだった。

召喚されたチート集団ですら少人数では相手にならないレベルのステータスだ。勇者が限界突破を使っても及ばないレベルである。

流石に、イルワも口をあんぐりと開けて言葉も出ない様子だ。無理もない。ユエとティオは既に滅んだとされる種族固有のスキルである『血力変換』と『竜化』を持っている上に、ステータスが特異に過ぎる。シアは種族の常識を完全に無視している。ヴェアベルトは魔人族でありながら、一部分だけではあるがティオと同じ『竜化』を持っている驚くなという方がどうかしている。

 

「いやはや……なにかあるとは思っていましたが、これほどとは……」

 

冷や汗を流しながら、何時もの微笑みが引き攣っているイルワに、ボクはお構いなしに事の顛末を語って聞かせた。普通に聞いただけなら、そんな馬鹿なと一笑に付しそうな内容でも、先にステータスプレートで裏付けるような数値や技能を見てしまっているので信じざるを得ない。イルワは、すべての話を聞き終えると、一気に十歳くらい年をとったような疲れた表情でソファーに深く座り直した。

 

「……道理でキャサリン先生の目に留まるわけだ。シロウ君達が異世界人だということは予想していたが……実際は、遥か斜め上をいったね……」

 

「で、どうするんですか?僕達を危険分子として教会に突き出しますか?」

 

「まさか、冗談がキツいよ。出来るわけないだろう?君達を敵に回すようなこと、個人的にもギルド幹部としても有り得ない選択肢だよ……大体、見くびらないで欲しい。君達は私の恩人なんだ。そのことを私が忘れることは生涯ないよ」

 

「そっか、それは悪かったよ」

 

ハジメは、肩を竦めて、試して悪かったと視線で謝意を示した。

 

「私としては、約束通り可能な限り君達の後ろ盾になろうと思う。ギルド幹部としても、個人としてもね。まぁ、あれだけの力を見せたんだ。当分は、上の方も議論が紛糾して君達に下手なことはしないと思うよ。一応、後ろ盾になりやすいように、君達の冒険者ランクを全員『金』にしておく。普通は、『金』を付けるには色々面倒な手続きがいるのだけど……事後承諾でも何とかなるよ。キャサリン先生と僕の推薦、それに『女神の守り人』という名声があるからね」

 

イルワの大盤振る舞いにより、他にもフューレンにいる間はギルド直営の宿のVIPルームを使わせてくれたり、イルワの家紋入り手紙を用意してくれたりした。何でも、今回のお礼もあるが、それ以上に、ボク達とは友好関係を作っておきたいということらしい。ぶっちゃけた話だが、隠しても意味がないだろうと開き直っているようだ。

その後、ウィルの両親からもお礼を言われた。彼らの家への招待や金品の支払いを提案されたのだが、ボクらはそれを固辞した。なので困ったことがあればどんなことでも力になると言い残し去っていった。

広いリビングの他に個室が四部屋付いた部屋は、その全てに天蓋付きのベッドが備え付けられており、テラスからは観光区の方を一望できる。

 

「とりあえず今日は休んで、明日食糧品を買いに行こうか」

 

ボクは、ソファに横になりながら言う。

 

「あの、士郎さん」

 

「どうしたのシア?」

 

「あの〜そのぉ……明日、士郎さんと雫さんとわたしの3人でお出かけしたいなぁって」

 

「……ここ最近慌しかったし、とりあえずいいよ」

 

ボクが了承すると、シアの表情が『パァッ』と明るくなった。

 

「2人きりじゃなくて良いの?」

 

「はい!雫さんとも行きたいので」

 

「そう、なら楽しみましょう」

 

明日はデートになるみたいだ。

何処に行くか、考えておかないと。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。