ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強 作:小説大工の源三
情報の見つめ直し
フューレンから車で発進してこれからのこと、今までの情報の整理をすることにした。
「これからホルアドを経由してアンカジに向かう」
「イルワから貰った手紙をホルアドのギルド本部長に渡してそのまま行く……で良いんだよね?」
「うん。……で全員の天職を確認するよ」
ボク:天の鎖/投影魔術師
ハジメ:錬成師
幸利:闇術師
香織:治癒師
雫:剣士
優花:投擲師
ユエ:神子
シア:占術師
ヴェア:竜騎士
ティオ:守護者
「ユエの神子ってのが気になるな」
「『神』って単語がつくだけで厄ネタよね……」
「ユエがエヒトに狙われているのは確かだけど……なんで直接来ないのかが疑問だよね」
「『来ない』のではなく『来れない』のか?」
「幸利、それってどういうこと?」
「エヒトは依代を探してるのかも知れねぇ」
「あー、ユエちゃんを狙う理由もわかるね。魔法の天才なら神様の依代としては最高だし」
「ならエヒトと戦う時はユエを守る形て戦うことになりそうだね」
そう結論に至ると、ユエが不満そうな顔になる。どうやら庇われながら戦うことに不満のようだ。
「む……」
「んじゃ次は魔人族についてだな」
ヴェアベルトに魔人族について語ってもらう。
「我々魔人族はシュネー雪原に住んでいる。赤髪に褐色の肌。暮らしは人間族と比べると貧しいものだ。だから掠奪することでしか民を賄うことが出来ない……」
「なるほど、だから戦争になったのか」
「元々は全種族が友好関係だった歴史があったのだがな……」
「そこでヴェアベルトさんは今一度友好関係を築こうとしてるわけですね」
「ああ。それを魔王に何度も提案したのだが、返って来たのは私や私に与する者達の処刑だ。それを私の部下の1人が察知し、部下全員に変成魔法をかけ、人間族に近い見た目にして逃がし、最後に私が逃げようとしたところを」
「襲われたと、でご主人様達に助けられて今に至ると、いうわけじゃな」
「ああ……」
「一つ気になったんだが、魔王の姿ってどんなだ?」
「うむ……伝えたいのだが、私には画力が……」
「そこはボクに任せて」
ボクは鎖を全員に巻きつける。そして情報共有を発動させる。
伝わった魔王の容姿は金髪、赤眼の壮年の男だった。
「ディ、ディン叔父様……!?」
「ユエ殿?」
「……なんでユエの叔父さんが魔王に……!?」
「ハジメくんどういうことなの!」
その男は奈落にあるオスカーの隠れ家で映像として見たユエの叔父とそっくりだったのだ。
「魔王はエヒトとグルの可能性が高い……というより、グルだろこれは」
「結局我々は奴らの掌で踊らされた世界だったか……クソっ」
「エヒトが依代探してる説は濃厚になったな……」
全員暗い気持ちになる。
ユエの叔父がエヒトの仲間に操られ、敵として立ちはだかるとは思いもしなかったのだ。
「パパ?」
「リーニャ……」
「パパ、げんき出して。あたまなでなでしてあげる。シアお姉ちゃんに雫お姉ちゃんも」
幼い子供に頭撫でられる。想像したこともない現状に、理解が追いつかないが不思議と心がやすらいでいく。
「ありがとリーニャ」
「げんきになった?」
「はい!」
シアはリーニャの頭を撫でる。「えへへ……」と顔を緩ませる。
「よし!このままホルアドまで一直線だ!」
そう言って、車を走らせて行く。