ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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最後の方すこし適当になりました……あんまり原作と変わらないので……


帝国落ちる

 

ハジメside

 

リリィ達と別れた僕達は別室でパーティでの正装に着替えることとなった。

と言っても大抵は士郎が作った服に着替えたから、ここにある服を着るのは天之河達だけど。

ハウリア達は今夜仕掛ける戦争の下準備をしているが、ちょっと面倒事があったようだけど問題なく計画は進んでいる。

 

あとは……リリィの方に動かしている、護衛の小型ロボットの方に意識を移す。

流石に着替えの様子を覗くつもりはないので今は音と、気配感知で護衛している。

ランデルの頼みを断るつもりもないし、これは僕個人が受けた頼みだ。僕一人で果たすつもりでいる。

どうやら着替えがちょうど終わったようだ。カメラ機能をオンにする。

1、2分すると男の気配が近づき、ドアをノックもせずに開く。

 

『ほぉ、今夜のドレスか……まぁまぁだな』

 

『……バイアス様。いきなり淑女の部屋に押し入るというのは感心致しませんわ』

 

どうやら中に入ったのはリリィの婚約相手であるバイアスのようだ。

言葉遣いも荒々しく、帝国の人間だというのがよくわかる。

 

『あぁ?俺は、お前の夫だぞ?何、口答えしてんだ?』

 

『……』

 

『おい、お前ら全員出て行け』

 

バイアスがそう言うと、侍女や近衛騎士達が部屋から慌てるように出て行く。

 

『ふん、飼い犬の躾くらい、しっかりやっておけ』

 

『……飼い犬ではありません。大切な臣下ですわ』

 

『……相変わらず反抗的だな?クク、まだ十にも届かないガキの分際で、いっちょ前に俺を睨んだだけのことはある。あの時からな、いつか俺のものにしてやろうと思っていたんだ』

 

この位置からだとリリィの表情は見えてもバイアスの表情が見えない。しかし悪い顔をしているのは声だけでもわかる。

そしてリリィにズカズカと歩み寄る。そしてリリィを押し倒し、そのまま彼女の胸を鷲掴みした。

 

は?

 

落ち着け僕。まだだ……今やれば流石にバレる……

 

そう自分に言い聞かせて怒りを抑えつつ仕留める隙を伺う。

 

『っ!?いやぁ!痛っ!』

 

『それなりに育ってんな。まだまだ足りねぇが、それなりに美味そうだ』

 

『や、やめっ』

 

乱暴にされてリリィの表情が苦痛に歪む。その表情を見て、ますます興奮したように嗤うバイアス。

 

『いくらでも泣き叫んでいいぞ?この部屋は特殊な仕掛けがしてあるから、外には一切、音が漏れない。まぁ、仮に飼い犬共が入ってきても、皇太子である俺に何が出来るわけでもないからな。何なら、処女を散らすところ、奴等に見てもらうか?くっ、はははっ』

 

『どうして……こんな……』

 

リリィの顔が青褪めた。何をされるのか理解してしてしまったんだろう。それで気丈にバイアスを睨む。

 

『その眼だ。反抗的なその眼を、苦痛に、絶望に、快楽に染め上げてやりたいのさ。俺はな、自分に盾突く奴を嬲って屈服させるのが何より好きなんだ。必死に足掻いていた奴等が、結局何もできなかったと頭を垂れて跪く姿を見ること以上に気持ちのいいことなどない。この快感を一度でも味わえば、もう病みつきだ。リリアーナ。初めて会ったとき、品定めする俺を気丈に睨み返してきた時から、いつか滅茶苦茶にしてやりたいと思っていたんだ』

 

『あなたという人はっ……』

 

『なぁ、リリアーナ。結婚どころか、婚約パーティーの前に純潔を散らしたお前は、どんな顔でパーティーに出るんだ?股の痛みに耐えながら、どんな表情で奴等の前に立つんだ?あぁ、楽しみで仕方がねぇよ』

 

バイアスは押し倒したリリィのドレスを破り彼女の顔に自身の顔を近づける。このままキスするつもりなのだろう。

彼女は羞恥で顔を真っ赤に染め目を瞑る。そして小さな声で

 

──助けて……──

 

と、漏らした。

 

僕はその言葉を待ってましたと言わんばかりの勢いで、バイアスの頸に着地させ、そのまま電撃で痺れさせる。

 

『ガアッ……な、なにが……』

 

そのまま前のめりに倒れかかるので、ロボットの掌からゲル素材でできた撚糸を巻きつけそのまま壁に貼り付ける。

 

『えっ……えっ……?』

 

戸惑うリリィを他所に任務を終えた小型ロボットを空間魔法で回収する。

その時、リリィが『ハジメさん……ありがとうございます……』

と言っていたが少しくすぐったい気分になった。

回収したロボットをそのまま宝物庫にしまう。

 

「ハジメくん?」

 

「香織?どうしたの?」

 

「ロボット使ってたみたいだけど……」

 

「ああ……ちょっとリリィがピンチだったからね……」

 

僕は先程あったことを簡潔に説明した。

香織の表情がとても嫌そうになっていた。

 

「そういうことなら私にも手伝わせて欲しかったな」

 

「僕がランデルから個人的に受けたものだからいいよ」

 

どうせこのパーティーもハウリアの襲撃でお釈迦になるし。

 

「そっか……」

 

そのまま僕達はパーティー会場に向かった。

 

─────────────────────────

 

士郎side

 

日もすっかり落ちきり、月明かりが地上を照らす時間になる。

そんな中パーティー会場で料理を食べている中、ハウリア達の通信が頭の中に響く。

着々と準備が進んでいるようだ。

こちらもパーティーにドレスやスーツ着て参加している。

シアはムーンライト色のミニスカートドレスを纏っており、そのスラリと長く引き締まった美脚を惜しげもなく晒している。

雫は空色の生地にスパンコールを散りばめたノースリーブのドレスで、晒け出された鎖骨から放たれる色気がとても良い。

恵里はメインは薄紫色で肩袖は白のドレスで、二人とは対照的に露出が少ないが、気品に溢れている。

ザワッと声がしたので閉じている目を開くとそこには真っ黒なドレスを着て、事務的な表情をするリリィとにが虫を噛み潰したような表情をする皇太子だった。

二人が登場したが戸惑いの声が過半数を占めており、どう見てもお祝いの場に立っているようではなかった。

 

「ん?リリィ何かあったの?」

 

「香織伝でハジメから聞いたんだけど、そこの皇太子に犯されかけたんだって」

 

そう雫が言うので、あの皇太子に対して呆れを感じた。

 

「ええ……パーティー前に何やってんのあの皇太子」

 

「さあ?下半身に脳味噌がついてるからじゃない?」

 

随分と辛辣だね恵里……あれかな?あの皇帝の息子だからかな?

 

そう思いながらパーティー進行を眺める。

挨拶回りも終わり、ダンスが始まる。するとやはりと言うべきか、貴族の男達がこちらに視線を向ける。

それも当然でこちらには美少女、美女が勢揃いだ。お近づきになりたいのが丸わかりだ。

しかし当人達はそれぞれの想い人としか踊ろうとしないので、声をかけても無視されているようだ。

リリィもリリィで皇太子と距離をとりながら器用に踊っていた。

 

「お兄ちゃん、踊ろっか」

 

「……そうだね。今は踊るか」

 

そう言って差し出された恵里の手を取り、踊り始める。周りを見ればハジメは香織と、幸利は優花と踊り、残った女性陣は彼女達で踊っていた。

 

「お兄ちゃん……楽しいね」

 

「そうだね……中々出来ない経験だから今はこの時間に感謝だ」

 

「うん!よろしくね僕達の旦那様」

 

「任せて」

 

時折足が絡みそうになるが、瞬光や高い敏捷を生かして誤魔化していく。みてくれよりも楽しく踊れれば良いの精神だ。

恵里と踊り終えるとボクは雫の手を取り、恵里はシアの手を取り交代する。

 

「ねぇ士郎さん」

 

「雫?」

 

「私ね……こうやってお城で踊ることが小さい頃の夢だったのよ」

 

「そうなんだ……なら思いっきり楽しもう」

 

「ええ。貴方と踊れて良かったわ。士郎さんは私達にとっての王子様だもの」

 

「大袈裟だよ……精々ボクは近衛騎士がお似合いだよ」

 

「でもドラク○の中には近衛騎士が王子様だったりするじゃない」

 

「あれは出自が特殊だからね」

 

そう話しながらも踊り、恵里とシアが近づくので再び交代する。

 

「士郎さん……わたし……こうして貴方と恋人になれて、こんな綺麗な場所で踊れるのがすごい幸せですぅ……」

 

「でも今だけじゃなくてこれからもだよ」

 

「はい!」

 

わかりづらいが不安そうな顔をしていたシアもダンスの間は楽しそうにしていたので、よかった。ここだけ帝国には感謝しないとね。

 

シアと踊り終え、曲も止まり、ガハルドがスピーチを行う。

帝城にいる帝国民が声を開けると同時に窓ガラスが一気に割られ、明かりが消えた。

 

─────────────────────────

 

ハジメside

 

パーティーが始まり、リリィとバイアスが現れた時は少し驚いた。明らかにパーティーの趣旨とかけ離れた漆黒のドレスを着ていたからだ。

リリィはこういうのは内心を悟らせないような人だ。

もうどうでもよくなったのだろう。あんなことがあればそうなってしまうのも仕方がない。

そのまま挨拶回りになりダンスが始まる。

僕は香織とユエと踊り、その後は料理を食べようと思っていたが、リリィがいつのまにか近くに立っていた。

 

「ハジメさん。……私と踊っていただけませんか?」

 

「皇太子は放って置いていいの?」

 

「ええ。皇太子様も愛人の方と踊っていますし」

 

「……わかったよ。僕で良ければお相手しますよお姫様」

 

リリィの手を取り、リズムに合わせ踊る。

 

「恵里達から聞いていたのですが、上手ですね……」

 

「先に香織達と踊ってたけど案外上手くいくもんだよ」

 

リリィは顔を下げて一呼吸置いてから顔を上げる。

 

「……先程はありがとうございました」

 

「やっぱりそれ?でも僕以外にもできるよ?」

 

「それでもあの灰色の稲光は貴方でしょう?」

 

「君に僕の雷見せたっけ?」

 

「貴方の持つ武器から放たれていましたから」

 

ドンナー・シュラークか……

覚えてたんだね。まぁあんだけぶっ放せば記憶にも残るか。

 

「でも一時凌ぎにしかならないよ?しかも帝国の筆頭があれじゃね……」

 

「はっきり言いますね」

 

「それで色々吹っ切れた結果のドレスがそれなの?」

 

「似合いませんか?」

 

「似合ってるよ。でもあの桃色のドレスの方が合ってる。真逆にしたのは当てつけ?」

 

「ええ、妻を暴行するような夫にはこの程度で十分ですから……それより……やっぱりあのゴーレムを通して見えていたのですね。……私のあられもない姿も……あぁ、もうお嫁にいけません」

 

よよよと態とらしく泣くふりをするリリィ。

 

「小声とはいえ、滅多なこと言わないでよ……それと皇太子からの視線がすごいんだけど」

 

「いいじゃないですか。今夜が終われば私は皇太子妃です。今くらい、女の子で居させて下さい。それとも、近いうちに暴行されて、愛人達に苛められる哀れな姫の些細なわがままも聞いてくれないのですか?」

 

「暴行されて、苛められるのは確定なのか……」

 

「確定ですよ……」

 

一度ギュッと僕に抱きつくと表情を隠しながらポツリと、つい零れ落ちたかのような声音で呟いた。

 

「……もし……もし、『助けて』と言ったらどうしますか?」

 

その答えは決まっている。

 

「助けるよ……なによりもランデルの頼みだしね」

 

「ランデルの?」

 

「うん。ハイリヒを出る前日の夜にね。それに僕がどうこうするよりも先に今の帝国は終わるし、皇太子もダメだろうなぁ……」

 

「それは……どういうことで……」

 

リリィがそう言いかける。

彼女は別のお偉いさんと踊る必要があるので途中で分かれる。

 

「今度は姫さまを落としたか?ハジメ」

 

そう揶揄い気味に幸利は僕の肩に手を置く。

 

「そんなつもりないけどね……それよりも幸利。君、ティオと踊ってたの意外だったんだけど」

 

「まぁな……色々あったんだよ……」

 

「ふぅん……」

 

僕は今ニヤついているだろう。あれだけ雑にあしらっていたティオと踊っていたんだ。彼の心境に何かあったんだろう。

 

「なんだよ……」

 

「別に?」

 

ガハルドのスピーチが終わり、貴族達が声を上げると同時に窓が割れて灯りが消えた。

 

 

─────────────────────────

 

士郎side

 

 

結論から言えばハウリアと帝国の戦争はハウリア達の勝利で終わった。

暗闇をハウリアは縦横無尽に動き回り、帝国の貴族達を無力化し、皇太子を殺し、帝国を屈服させた。

その時リリィはハジメのゲートキーで安全な場所に彼の隣に移動させているのでそこは安心だ。

そしてガハルドに契約をつけさせることにも成功したのだった。

 

「ヘルシャーの血を絶やしたくなければ、誓約は違えないことだ」

 

「わかっている」

 

「明日には誓約の内容を公表し、少なくとも帝都にいる奴隷は明日中に全て解放しろ」

 

「明日中だと?一体、帝都にどれだけの奴隷がいると思って……」

 

「やれ」

 

「くそったれ!やりゃあいいんだろう、やりゃあ!」

 

「解放した奴隷は樹海へ向かわせる。ガハルド。貴様はフェアベルゲンまで同行しろ。そして、長老衆の眼前にて誓約を復唱しろ」

 

「一人でか?普通に殺されるんじゃねぇのか?」

 

「我等が無事に送り返す。貴様が死んでは色々と面倒だろう?」

 

「はぁ~わかったよ。お前等が脱獄したときから何となく嫌な予感はしてたんだ。それが、ここまでいいようにやられるとはな…………なぁ、俺に、あるいは帝国に、何か恨みでもあったのかよ、天野士郎」

 

暗闇の中にいるボクを睨む。

 

「そうだね……元々はそんな気はない。でもハウリアの戦争にはボク個人の気持ちは、すこし関係あるし、なんならあんたに恨みはあるよ」

 

「マジかよ……でその恨みは?」

 

「恵里を口説いたことだよ」

 

「みみっちいな……」

 

「なんか言った?」

 

「なんでもねぇよ……」

 

その後は帝国から亜人族奴隷が解放され、元の居場所に帰ることができたのだった。

ガハルドがフェアベルゲンの長老の前で同じ宣言をしたりと色々あったが無事に終えることができた。

 

PS

フェアベルゲンに連れてきたガハルドを帝国に帰す時に色々イタズラしたので、まともに帰れてないとこだけはここに明記しておく。

 

 

帝国にたどり着いたガハルドは自身の姿を鏡で見て叫び声を上げた事はボクの知らないことだ。

 

 

 




ハウリアVS帝国の部分はカットですね。
士郎達が何をするわけでもないので。

ガハルドは送り返されるゲートの中で、酷い落書きとデザインセンスのかけらもない衣装に着替えさせられています。

軽い復讐である()
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