ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強 作:小説大工の源三
反撃の会議
恵里が意識を失い、シアがアルヴヘイトを拘束した。
「さてと……お前には色々聞かなきゃならねぇな……」
幸利がブラックロッドを右手に持ち、左手にペシペシと当てながら近づく。
「その前にテメェの神言を……あん?」
変成魔法と昇華魔法を使い、アルヴヘイトから厄介な神言を奪おうとしたのだが、神言を持っていなかった。
不思議に思った幸利は、雫に声をかける。
「雫、恵里のステータスプレート見てみてくれるか?」
「?ステータスプレートを?いいけど……」
雫がステータスプレートを見るとステータスが変貌していたりとんでもない物があったりした。
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天野恵里 17歳 女 レベル ???
天職:降霊術師
筋力:14539
体力:13956
耐性:14032
敏捷:15621
魔力:28056
魔耐:28056
技能:降霊術適性[+効果上昇][+イメージ補強力上昇][+範囲効果上昇][+消費魔力減少][+詠唱省略][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]・全属性適性[+範囲効果上昇][+消費魔力減少][+詠唱省略][+魔力効率上昇][+連続発動][+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・闇属性適性・[+圧縮発動][+放射発動][+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+消費魔力減少][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+魔力吸収]・禁域解放・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・念話・夜目・遠見・気配感知[+範囲拡大][+特定感知]・魔力感知[+範囲拡大][+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・高速魔力回復[+瞑想]・空間魔法・再生魔法・魂魄魔法・昇華魔法・変成魔法・言語理解・双大剣術[+二刀流]・分解能力・神言・複合魔法
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「うわぁ……魔獣と神の使徒を吸収したからかしら……ステータスが恐ろしくなってるわね……」
その上、アルヴヘイトの神言まで奪い取っていたようだ。
「で、どうだった?」
「ステータスが大幅に上昇したのと、神言を習得してたわ」
「やっぱりか……ならこのまま尋問始めるか。ユエ!ハジメ!」
幸利はハジメとユエを呼び、尋問を始める。
「……ん。叔父様の身体で好き勝手やった罰を与える」
「吐くもん全部吐いてから殺してやろうじゃないか」
そんな殺伐とした感情を出しながら、尋問を始めるのだった。
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翌日
恵里はハイリヒ王国の一室──召喚された日に与えられた部屋で目を覚ました。
「んぅ……ここは…?確か僕は……」
記憶が混乱しているが、少しずつ整理していき、10数分で終わる。
「そうだ……お兄ちゃんがエヒトの奴に攫われてそれから……」
少し慌てたものの今、慌てた所で何も変わらない事はわかっているので、『鎮魂』を使い、無理矢理落ち着く。
そして、暖かさと柔らかさを太ももに感じ、その正体を見ると、リーニャがスヤスヤと眠っていた。
「ありがとうリーニャ……君のお陰で僕、正気に戻れたよ」
感謝の言葉を伝える。聞こえていないだろうが、今すぐ口にしたかった。
「んにゅう?……ママ?起きたの!?」
「うん。おはよう、リーニャ」
「ママ!おはよう!」
飛びついてくるリーニャを恵里は優しく受け止める。黒みがかった髪を梳くように撫でる。
そうこうしていると恵里が目を覚ましたことに気がついたら奈落生還組の雫が勢いよく扉を開ける。
「恵里!目を覚ましたのね!」
「おはよう雫」
「良かった……いつ目を覚ますのか分からなかったから……心配で心配で……」
「あはは……ごめんね雫。それで、僕が意識を失ってからどうなったの?」
雫はアルヴヘイトから聞き出した情報を話し始める。
神域に入るには資格を持つものが開くことで他の人も入ることができる。アルヴヘイトも資格を持っていた筈だが、いつの間にか失われていた。
エヒトは元々トータスの神ではなく、別の世界から来た魔法使いのような存在だと言うこと。どこから現れるのか、神域の情報を吐かせ、ユエによりアルヴヘイトは魂だけになって、魔力電池にされた事。
「資格が失われた?」
「ええ。持っていた筈の資格がないって聞いて、恵里が持ってるのかもって話に今なってるのよ。これ貴女のステータスプレートよ。ステータスもいいけど技能欄見てみなさい。驚くわよ」
「?驚くって……ええ……何これ」
神言が追加されていることに戸惑っている。
「アルヴヘイトを吸収しようとしたからかな……」
「みんなそう考えているわ」
「……とりあえず起きたんだから。支度しないと」
「まだ寝てても良いのよ?力の使い過ぎて倒れたのだから」
「ううん。時間は限られてるんだからさっさと決めること決めないと」
「わかったわ。下の大広間で待ってるわ。これから方針会議始めるつもりだったから皆んないるわ」
そう言って雫は大広間へと歩いていった。
恵里は身支度の為に、宝物庫から衣類を取り出す。すると一枚のリボンが出てきた。深紫色のリボン。一緒に手紙も添えられていた。
『誕生日プレゼントのリボン。本当はもっと良い物を渡すつもりなので、今はこれで我慢して欲しい。』
「お兄ちゃん……」
恵里はそのリボンを髪に結び着けて、大広間へと向かっていった。
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身支度を済ませた恵里は階下の大広間へと向かう。
扉を開けたと同時に何者かが恵里に抱きつく。
「恵里!」
鈴だ。
「良かった……目を覚まして……」
「ごめんね鈴。心配かけちゃった」
「ううん。恵里が無事ならいいよ……ん?そのリボンどうしたの?」
「これ?内緒……!」
「ええ〜鈴、気になる〜」
「これは鈴でもダーメ」
「ちぇーエリリンのケチ」
その後も皆から心配と無事を喜ぶ言葉をかけられる。
大広間にはいつもの迷宮攻略組と数人の魔人族と王国騎士達が座っていた。
「それじゃあ、あの時の戦いの疑問と反省、これからの方針を決めようか」
ハジメの一声で会議が始まる。
「まずいつあのクソ神が襲いかかるかだけど……士郎の粘り方からして、1ヶ月半は最低でも耐えると思う」
「南雲よう……それはどう言う理由なんだ?」
「理由としてはまず僕達のアーティファクトが軒並み全部無事なんだよね。多分だけど、最初から全力で抵抗したんじゃなくて、意識を逸らしてたんじゃないかな。その分、僕らはボッコボコにされた訳だけど。むしろこれの方がマシだよ。同じ物作るよりそれの改良の方がコスト的にも良いからね。それにエヒトは天の鎖を調べるって言ってたから、その時も同じようにして時間を稼ぐはず」
「なるほど……士郎さんならば、そこまで時間を稼げるのですね。ならこちらも王国戦支度を十全にできます。兵士達の方はこちらで」
「我々から通達し、集めるとしよう」
「うん、お願いねリリィ、メルド団長」
「……次、私から。なんでエヒトの神言が効かなかったのか」
ユエが自身に神言が効かなかった事を上げる。
「……多分だけど、士郎が作ってくれたこの腕輪が原因だと思う」
自身の右腕につけられた腕輪を指差す。
「確かエヒトに乗っ取られないように作られた腕輪だっけ?」
「……ん」
「詳しく調べたんだけど、副次的な効果で神言が効かなかったんだと思う」
「南雲、つまり、それを全員装備すれば神言ってやつで操られたりしなくなるんだな」
「そうなるね。ただ全員分は無理かな。最低でも3つ。多めに見積もって神域に行く人数分は揃えたい」
「3つ?ハジ、それってエリリン、シズシズとシアシアの分?」
「うん。3人には士郎を解放する役目をやってもらうつもりだからね」
「で量産するのに必要な素材と技能は大丈夫なのかハジメ」
「問題ないよ。幸い今ある技能で充分だった。あとはエヒト対策の兵器作らなきゃいけないから、香織とユエには兵器製作の手伝いしてもらうけど」
「わかったよハジメ君!」
「……ん。あのクソ神をぶちのめす武器を作ろう」
中々、兵器製作の手伝いができなかった2人の気合いが入る。
「あとは戦力調達だな……ティオ、里の連中は連れて来れるのか?」
幸利はティオに戦力の当てがあることがわかっているので連れて来れるか聞く。
「それは可能じゃが、ちと距離があってのう。空間魔法を使ったらあっという間じゃろうけど、説得ができるかどうか。爺様はともかく少々頭の堅い連中がのう……」
「んなもん。俺が一捻りして納得させてやるよ。悪いが時間はかけてられないからな」
「相変わらずご主人様の強引さは最高じゃ……」
好戦的な笑みを浮かべる幸利に、ティオは蕩けた表情になっている。
「トッシー、竜人族の人達束ねるなんて……竜王にでもなるつもりなの……?」
そんな鈴の一言に反応したのは意外にも優花だった。それに対して幸利は困惑していた。
「いいわねそれ……」
「お、おい……優花?」
「だって幸利が王ならアタシ達は王妃になる訳だし……正直そういうのちょっと憧れてたもの……」
「そ、そうか……」
戸惑ったようで嬉しいそうな表情を作る。
「んっん!とにかく竜人族の方の説得は俺達でやる」
「あとは僕達だね……正直もっと力をつけておきたいし……」
恵里は少し悩み、『よし』と言い、提案する。
「僕、残りの大迷宮。ライセンとオルクスを攻略する。それで概念魔法も覚える。手札は多いに越したことはないからね」
「なら鈴達も着いていっていい?」
「それは構わないよ」
「それならば、重力魔法を会得していない、者達で行きたいが……」
「流石に大人数はキツいよなアソコ」
ライセン迷宮のウザ&鬼畜トラップを思い出す攻略組。
「少な目の方が良いのか」
「うむ、私の部下を連れて行ってはくれないか?」
「アソコで戦える方法があるなら大丈夫だろ」
「ならば問題ないな。ハイルフ、カトレア、ミハイル、先ずは重力魔法を会得してこい」
「「「了解致しました」」」
そう言って3人の魔人族が並ぶ。
恵里達オルクス迷宮の通常ルートを攻略していた組は女性の魔人族を見てどこかであったような気がして記憶を探る。
「ん……?あっ!そこの女の人、もしかしてオルクスの時の」
最初に思い出したのは恵里だった。
「正解だよ降霊術師のお嬢さん。あの時はすまなかった。それと勇者坊ちゃんも。甘さは抜けたかい?」
「……自信持っては言えない。甘さは捨てきれない。でも、それで龍太郎達が傷つくなら、俺は切り捨てるつもりでいる」
「……ふーん。及第点か。本番で怖気付くんじゃないよ」
そう言って空いている席に座る。
「彼らは迷宮攻略候補、及び迷宮経験者だ。戦力になることは私が補償する」
全員が納得し、次の話に移ろうとした時だった。
─おいおい〜オレ様達も参加させろよ〜─
聞き覚えのない声が大広間に響く。
「誰?」
─しょうがねぇなぁ〜─
呆れたような声と共に、恵里の側に置かれていたデュランダルが中に浮き始めた。
「デュ…デュランダルが一人でに動き出した?」
『いよお!オレ様は絶世の剣デュランダル!オラ!バル!お前もとっとと参加しやがれ!』
─全く……君という奴は……もっとこう前振りとかあるだろうに─
また見知らぬ声が聞こえてくる。それも恵里の側のバルムンクが動き出す。
『突然の参加すまない。どうもデュランダルの我慢が効かないようでね。私はバルムンク。
「な、なんで君らが喋ったりしてるの……?」
『ん?そりゃ、
「お兄ちゃんに……?」
『ああ。私達は創り手に使い手を頼まれたからね』
『んでだ。本題入んぞ。オレ達からの話はな。使い手があの時動けたりしたことを話すぜ』
「僕が動けたこと?」
あの時、神言を無理矢理解除したとは言えない。だけど、何か僕とは別の要因があった気がしたのは事実だ。
『そいつはオレ様、デュランダルの力さ。ま、理由は教えねぇがな』
「「「「「は?」」」」」
『こいつに関しては創り手が話すなって言ってからな〜』
「そっかお兄ちゃんが言うなら仕方ないか……」
士郎の頼みということで話せないことに全員、渋々納得した。
「オッケ。後は王国の防衛とかだね──」
その後は色々と準備や計画を立てていき会議が終わる頃には太陽は沈みかけ、月が輝き始めていた。
「とまあ。今日の会議はここまでだね。それじゃ明日に向けてゆっくり休むように。解散!」
締めの一声で全員がそれぞれ移動していった。
「そういえばよ、ヴェアベルトって軍の中でどの階級なんだ?」
「私か?私の階級は大将だついでに言うとフリードの奴めもな」
「なんで隊長呼びされてんだよ……」
「うーむ、長いこと隊長呼びされていたからな……慣れてしまったのかもしれん」
「そうか……慣れって怖いな」
そう言って2人して小さく笑い合うのだった。
恵里は剣と共に別室に移動していたのだが、誰もそれを見ることはなかった。
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「ここで大丈夫?」
『ああ。問題ないぜ使い手』
「それで話ってなに?」
『本来なら話すべきじゃないことなんだがな。こればかりは使い手。知りたいだろ、オレ様の能力をよ』
デュランダルの問いかけに恵里は迷わず頷いた。
「そりゃそうだよ。あの光の柱を貫いた時だって同じだったんだから。お兄ちゃんが助けられる力なのは間違いないんでしょ」
それに対しての返事は、
『YESだ使い手。デュランダルの力は創り手を助けるのに必ず必須になるだろう』
「なら教えて。その為なら僕はなんにだって捧げられる」
あの日士郎を失った時と同じ覚悟の目をして、二刀に言い切ったのだった。
『なら教えてやるか。オレ様の力はな─奇跡を起こす力だ。それには
デュランダルの答えに恵里は──
「なぁんだ安いじゃないか」
と言ってのけたのだった。
アルヴヘイトには最後まで働いてもらいますからね。外付けの超大容量魔力電池としてね!(ゲス顔)
デュランダル
自信家で強気。俺様系の男。創り手と使い手第一
CV増田俊樹
バルムンク
落ち着いた冷静でニヒルな性格の男。創り手と使い手第一
CV諏訪部順一
次回は更なるオリキャラの説明にもなりますね。