ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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竜滅杖の話の内容を少し変えました。
幸利が洗脳されたティオと殴り合いした描写の追加です。


竜人族の里へ

恵里達がライセン迷宮を攻略している中、幸利達は竜人族の里へと赴いている最中だった。

空間魔法やらゲートキーやらを使って一瞬で行けばいいと思うがなるべくティオの竜化が鈍らないようにと、竜化した状態での移動をしている。ついでに言えば今後の為に竜人族の竜化を知る為にもだ。

 

「悪いなティオ。乗せてもらって」

 

『構わないのじゃ。それに里の場所を知っているのは妾しか居らんしの』

 

「羅針盤は今恵里達がライセン迷宮攻略の為に使ってるからね。アタシ達も作れればよかったわ……」

 

竜化したティオの背に乗っている幸利と優花はフェルニルからは感じることのできない、空を飛んでいる時に浴びる風に心地よさを感じていた。

 

「やっぱ、直接飛ぶ方が爽快感があるな……シュタイフに乗って走るのもそうだが、風を感じるのはいいわ」

 

「そうね。それに直接、雲の中を突っ切っているっていう今の状況もスピード出ているってのもあるわ」

 

『妾の飛行に満足してもらえて良かったのじゃ』

 

「しかしティオ。流石の竜人族もこの戦いに参加しないような戦士はいないんだろ?」

 

『む?それはもちろんじゃよ』

 

「お前の言う頭の硬い連中ってのはどういう奴等なんだ?」

 

『むぅ……それは直接、話したほうが早いじゃろう』

 

百聞は一見にしかずということだろうか。

 

しばらく飛んでいると山の嶺に火を焚いている煙と建物がひっそりと並んでいるのが見えてきた。

それと同時にティオは高度をドンドン下げて、速度も落としていく。どうやらあそこが竜人族の里のようだ。

着地する為にティオは竜化を解除し始めたので、幸利達も背中から離れ、重力魔法の応用でゆっくりと落ちていく。

こちらの存在に気がついたのか、小屋の外にいた1人が周りに知らせるように声を上げた。

 

「ひ、姫様だ!姫様が帰ってきたぞ!!」

 

それを皮切りにワラワラと建物から住人が現れ始めた。

 

「ティオ・クラルスたった今戻ったのじゃ。爺様は何処に?」

 

「今、こちらに向かっております故、あちらの議事堂へ」

 

「うむ。その前に妾達は霊廟へ向かうのでな、主らは爺様にその事を伝えておいて欲しいのじゃ」

 

「かしこまりました。では後程」

 

そう言っ竜人族の男性は議事堂のある方へ向かっていった。

 

「ご主人様、優花よ。少しだけ妾の所用に着いて来て貰えぬか?」

 

「構わないぞ。時間はまだあるしな」

 

「アタシも大丈夫よ。折角の里帰りなんだからティオの好きにしたらいいわ」

 

了承を得たティオは、2人を連れて霊廟へと足を運ぶ。

 

 

─────────────────────────

 

訪れた霊廟には多くの墓標が建てられており、見たこともない花が捧げられていた。恐らくはこの山、特有の植物なのだろう。

奥まで進んでいくと、一際大きく、匠の意匠が彫られた墓標が建てられていた。

 

「父上、母上、ただいま戻ったのじゃ」

 

悲しさを押し殺すように、ティオは帰還の挨拶をした。

幸利は薄々わかっていた。

会議の時、父親ではなく祖父の事を話していたのだから、彼女の両親は既に亡くなってしまっていたと。実際にその事実を目の当たりにすると、彼女への想いに反応して、幸利の心を締め付けた。

自身の両親は家族は自分の趣味を認めず、公に認められている──それこそ勉強、資格などの人が大抵、好んでやるようなものではない物を押し付けられてきた。

今でこそ、その情熱は料理へと向かい、将来の自炊の為だと言い、家族を納得させた。

そんな自分は家族が亡くなった時、彼女のように悲しむことができるのだろうか。自身を否定した家族に辟易している自分に。

 

「幸利?」

 

「優花…どうした?」

 

「暗い顔してるけど、大丈夫?」

 

「大丈夫だなんでもねぇよ」

 

何でもない様に振る舞った。

 

(今は今だ……すぐに来る話じゃねぇ……目先の問題に目を向けるべきだな)

 

幸利は今に目を戻し、ティオの隣で墓の前で一礼し、しゃがみ手を合わせる。優花も同じようにお墓参りの作法をとる。

 

「初めまして、清水幸利と言います。貴方方の愛娘の恋人としてここにいます。必ず、俺の人生を賭けて彼女を幸せにします。これから先の事をどうか見守っていただけるようお願いします」

 

そう言って、立ち上がる。

 

「うし、挨拶はこれでいいよな……」

 

そう言って、霊廟から離れる為に足を進める。

 

「ご主人様……今のは……」

 

「……お前の両親に直接、挨拶に出来ねぇからな。せめて、墓の前で宣言くらいはしておきたかったんだよ。だから今の言葉は嘘偽りない俺の本心だ」

 

「そうか……」

 

そう言って屈んでいるティオの頭を抱き、優しく撫でる。

 

「後はお前の時間だ。話が済んだら、呼んでくれ」

 

そう言って幸利は優花を連れて霊廟を出た。

2人が居なくなり、この場に1人となったティオは改めて、両親へと祈り、報告する。

 

「父上、母上。妾は遂に自身の伴侶となる殿方を見つけたのじゃ…!心の底から惚れてしもうたのじゃ……」

 

─────────────────────────

 

「幸利……」

 

「今度はお前がか」

 

「その……今みたいな挨拶は……」

 

「勿論、お前の両親にも言うさ……2人を娶るんだからな。恋人2人は日本人としては不義理かも知れねぇが、キチンと責任は取る。お前らを好きになっちまったからな」

 

そう言い切りニカッと笑う彼の顔はスッキリしていた。

 

(そう言う所がアタシとティオが好きになったのよ……)

 

しばらくすると、霊廟からティオが戻ってきた。

 

「2人とも待たせたのう。さ、議事堂へと行くぞ」

 

少し涙で赤く腫れた目をしたティオだったが、2人はそれを気にせずに次なる目的を果たす為に歩くのだった。

 

「んじゃ……この里をまとめるとするか」

 

そう息巻く幸利。

里の奥にある、霊廟を除けば1番大きい建物であろう議事堂に足を踏み入れる。

 

「ティオ・クラルス、たった今、参ったのじゃ」

 

彼女が議事堂の大広間へと入り、会議室の扉を開ける。

 

「「「「姫様よくぞ、無事にお戻りになられました!」」」」

 

巨大な円卓に座る、竜人族が一斉に頭を下げた。奥の老人を除いてだが。

 

「ティオ、此度の務め、よくぞ果たし、戻ったな。そして客人よ。よくぞ我らの隠れ里に参った。私はアドゥル・クラルス。この竜人族の族長にして、ティオの祖父だ」

 

「俺は清水幸利。ハイリヒ王国にいる、邪神討伐の代表の代わりにここへ馳せ参じた」

 

「ほう……代理とな」

 

「ああ。貴殿達には邪神を倒す戦力として勧誘しにきた次第だ」

 

「なるほどな……」

 

「後……」

 

幸利はティオの肩を抱き、グイッと寄せる。

 

「ひゃぁ……!?」

 

不意に抱き寄せられたことにティオの頬が紅く染まる。

 

「あんたの孫娘を頂いた事の報告をしにも来た」

 

一気に会議室が騒つく。

 

「ほう……我が孫娘を頂いたとな……つまり幸利君はティオと交際しているということかな?それにしては隣の少女とも距離が孫娘と変わらないようだが」

 

アドゥルは優花の存在を問い詰める。

自分の孫娘以外にも女がいるのは良い気分はしないだろう。

 

「彼女も俺の交際相手だ」

 

「っ…!?」

 

そう宣言しながら優花の肩も抱くとアドゥルの目つきが鋭くなる。

 

「ふむ……二股をしていると、付き合っている人の身内に堂々と言うのか……」

 

「ああ、2人は俺の愛しい恋人だからな」

 

アドゥルの目つきが更に鋭くなったが、それでも幸利は目を逸らさず、じっと見返す。

 

「ふふふっ……認めよう。君達の仲をね」

 

どうやら彼のお眼鏡に適ったようだ。

すると、1人男性の竜人族が立ち上がり、幸利を指差しながら叫んだ。

 

「貴様……ッ!誇り高き竜人族の姫を人間如きが頂いただと!?」

 

「そうだが?」

 

「認めん……俺は認めないぞ!」

 

「だったらどうするんだ?俺としてはティオの爺様に俺達の仲を認めてもらえれば充分なんだが?」

 

「ご主人様……」

 

幸利は彼等を煽り始めた。しかもさらにティオと密着しながらである。

 

「よさんか、リスタス」

 

「いいえ、族長!俺は認めない!」

 

納得のいかない彼に対して幸利は口を開く。

 

「ならよ。俺と勝負しようじゃねぇか。強いやつがティオの伴侶になるんだろ?」

 

幸利がブラックロッドを腰から抜き、リスタスと呼ばれた竜人族に向ける。

 

「良いだろう……貴様ではなく、俺が姫様に相応しい男だと証明してやろう」

 

─────────────────────────

 

「両者準備は良いか?」

 

「俺はいつでも良いぜ」

 

「俺もだ」

 

里の広場にて2人が戦闘態勢を取っている。

審判には族長である、アドゥルが両者の中心で手を挙げている。

 

「それでは………始めッ!!」

 

リスタスは開始と同時に、竜化し、藍色の竜へと変身する。

 

『その生意気な面の余裕を無くしてやるッ!』

 

鋭利な爪で幸利を切り裂こうと振るう。

 

ピタッ……

 

その爪は幸利の腕に軽々と受け止められてしまう。

 

『何ッ!?』

 

「この程度か?俺からティオを奪い取るんじゃなかったのか?」

 

『ほざけ青二才が!』

 

爪だけでなく、尻尾も使って幸利を乱打するのだが、ブラックロッドを巧みに使い、弾き、いなして、的確に反撃を入れる。

 

「図体がデカくなっただけか!?」

 

『おのれッ!』

 

さらには鋭く尖った牙で噛みつきに来るのだが、その顎門を下から殴り、無理矢理、閉じさせる。

 

『ぐうぅッ!……ならばッ!俺の炎を喰らってみろッ!」

 

蒼い炎が熱線のように圧縮されて放たれる。幸利に直撃し、大爆発を巻き起こす。

爆炎が晴れるとそこにはブラックロッドを高速回転させて、ダメージ一つも喰らっていない幸利が立っていた。

 

「どうした?これで終いか?だったらこっちから行かせてもらうぜッ!」

 

重縮地の如く勢いよくリスタスに接近と同時に、腹部をブラックロッドでかち上げる。

 

『グハァッ!?』

 

彼は竜翼で態勢を整え、幸利を見た。あの細腕で巨体をかち上げたと言う事実に驚いた。

下から自身をかち上げた男が空中を蹴って、駆け上がってくる。

 

『竜人族に、空中戦を挑むだと……!?』

 

そのことに再び驚くも、迎撃の為に、蒼炎ブレスと風魔法を放つ。

 

「ぬるい!」

 

悉く、ブラックロッドに切り裂かれ撃ち落とされる。

 

『まだまだァ!』

 

更には雷魔法を風魔法に纏わせ、電撃の竜巻を大量に放つ。

 

「……なら、コイツで喰らってやる。あの時の大敗北を糧にコイツも強くなりたいと言っているからなッ!」

 

ブラックロッドを伸ばし、回転させて円を作る。その中心から膨大な魔力が吹き荒れ、スパークする。

 

「『冥界龍』改め、『ヨルムンガンド』!」

 

黒い蛇のような龍が顕現する。闇魔法に重力魔法、変成魔法の3つを合わせて放った、生きる魔法だ。

北欧神話の毒蛇の名を冠する龍を呼び出した。それは雷の竜巻を全て喰らい尽くし、それを自身の魔力へと変換し、濃い壺菫色のブレスを吐き出す。

それに対してリスタスも蒼炎ブレスを吐き、押し返そうとするのだが、壺菫色のブレスに飲み込まれる。

 

『グアアアアアアッ!』

 

咄嗟に結界魔法で防御したのものの、あっという間に破壊され、リスタスはそのブレスに身を焼かれる。

それでもまだ彼は意識を保っているが、更に絶望が顕現する。

ヨルムンガンドと呼ばれた龍の額に乗り、いつのまにか取り出した2本目のブラックロッドを回し始める。

 

「まだまだ行くぜッ!『カンナカムイ』!『リヴァイアサン』!『アジ・ダハーカ』!」

 

雷を纏ったアイヌの白い龍と激流を纏った旧約聖書の蒼い龍、汚濁した呪いを纏うゾロアスター教の赤黒い龍が現れる。

今、幸利は自身にはない筈の適正属性の龍すら呼び出していた。

白い龍は雷撃ブレスを、蒼い龍は激流ブレスを、赤黒い龍は呪いのブレスを一斉に吐き出す。

リスタスも巧みな飛行技術でブレスを紙一重で交わしていくものの、蛇のような体躯を使い、うねるように追い詰めていき、崖側で飛行を止めてしまった。

 

「4種ブレス、一斉掃射!」

 

闇、雷、激流、呪いのブレスがリスタスを襲い包み込む。

結果、ボロボロになり意識を失い、竜化が解けたリスタスは地上へと墜落していった。

 

「よっと……これで俺がティオの伴侶であることに不満はないか?」

 

勝利した幸利はこの戦いを見届けてていた彼等に圧倒的な存在感を表す。

2本の杖を持ち、4種の龍を従える彼の姿は──

 

「竜王……」

 

1人の竜人族が呟いた。

 

「伝承に記されている通りだ……我ら竜人だけでなく、異界の龍すら従える者……まさしく竜王様だ……」

 

「は?」

 

「「「「竜王様万歳ッ!」」」」

 

歓声と共に幸利を称賛する声が竜人族の隠れ里中に響きわたる。

幸利は意識のないリスタスに近づき、手を出し再生魔法を使う。

 

「『絶象』……なぁあんた……こっ酷くやっちまったが……大丈夫か?」

 

「……ああ、大丈夫だ。貴様は……強いのだな。こうも圧倒的だと、認めざるを得ない。姫様のこと……頼んだぞ。竜王様?」

 

「うげぇ……あんたもそう呼ぶのかよ」

 

「フン……その強さを恨むんだな」

 

「……嫌味かよ」

 

諦めたように幸利は項垂れた。

 

「ふふっ……鈴の言う通り竜王になっちゃったわね」

 

「お前な……他人事だと思って……ったく、この世界に来て何度、腹を括ったことやら……」

 

深呼吸をして幸利は4体の龍を背に召喚。闇魔法を放ち、壁を崩し高台を創り、宣言する。

 

「聞け!里に住まう竜人族よ!此度の邪神討伐決戦、俺が竜人族を束ねる伝承の竜王としてこの戦いを勝利へと導こう!我が名は清水幸利!現代に現れし伝説なり!」

 

後ろの太陽が更に神々しさに拍車をかける。

 

「「「「ウォォォォオ!!!」」」」

 

 

─────────────────────────

 

その夜──

ティオの婚約祝いが軽く行われ、竜人族にエヒトとの戦いにおいての、役割や他に参加が確定している国やメンバーの説明を終え与えられた部屋で睡眠に入ろうとしていた。因みに布団は里の人が気を利かせていたのか、とても大きかった。

 

「ねぇ幸利。貴方の適正って闇属性よね?」

 

「そうだが?」

 

「ならなんで、他の属性の龍魔法を使ってるのよ……」

 

「それなんだがな?俺ら全属性耐性ってのあるだろ?アレを変成魔法でちょいちょいと弄ってたんだよ。そしたら全属性適正を獲得したんだよ。ほら、能力者は自身と似たような物はレジストできるって言うだろう?……しかもこれ、奇跡的に成功したから2度とできねぇ……」

 

「あんた……知らない間にそんな事してたの……」

 

優花は少し呆れたような顔をしたものの、そんな所が彼らしいと思い、そのまま抱きついた。

 

「暖かい……ねぇ幸利……」

 

「どうした?」

 

「貴方は何処にも行かないわよね……いつの間にか消えてるなんて事ないよね?」

 

何かに怯えるように優花は幸利を抱き締める力を徐々に強める。

 

「何言ってるんだお前は……俺は基本的に何処にも行かねぇよ……お前達が離れないように、俺もお前達から離れない」

 

「それなら……それなら良いのよ……」

 

すると寝室の襖をティオが開けて入ってくる。

 

「ご主人様よ、爺様が話があるとのことじゃ。向かってくれぬか?」

 

「わかった。優花一回離してくれ」

 

「うん……」

 

「で、ティオ。アドゥルさんは何処に」

 

「妾の住んでいた家じゃ。会議の後に軽く里を案内したが、覚えておるか?」

 

「覚えてるから大丈夫だ。んじゃ行ってくる」

 

そう言って幸利は空間魔法でアドゥルの部屋の前にワープして行った。

 

「アドゥルさん……幸利です」

 

『おお、来てくれたか。入ってくれ』

 

彼の部屋に入るとそこには書斎のように本棚が並んでおり、その殆どが歴史書や魔法書だった。

机で書類の処理をやめたアドゥルは椅子から立ち、幸利の元へ歩み寄り、ソファに座るよう促す。

 

「幸利くん。ティオには色々なモノを見せて上げてくれて本当にありがとう。あの子は隠れ里での生に飽いていた。竜人の矜持と自身の立場から掟を忠実に守ってきたが……やり場のない暗く重いものを抱え続けて、心は乾いていたに違いない。半ば無理やり此度の任務に就いたのも、無意識に『何か』を求めたからだろう。ティオは、その『何か』を見つけたのだ。そして、嬉しそうに笑っている。昔、里中を振り回しては怒られていたお転婆な頃を思い出したよ」

 

そう言ってアドゥルは幸利の手を両手で固く握る。

 

ただ昔からずっと真面目だと思っていた彼にとっては意外だった。まさかティオがお転婆だとは思わなかった。

自分はお転婆とは違うが親に対して反抗的だった。だからこそ、自分と似たような所があると知ったことで、不思議な嬉しさが出てきた。

彼女のようなお嬢様も1人のヒトだということだ。

 

「私はティオの選んだ伴侶が君で良かった。これからも彼女をよろしく頼む」

 

「勿論です」

 

幸利は過去のお転婆が気になりその話を聞くことにした。

 

「ティオのお転婆ってどんなのがあったんですか?」

 

「ほう……気になるのかね?」

 

「ええ……とっても」

 

アドゥルは少し悩む素振りを見せると、何か思い出しのか離し始めた。

 

「ティオが竜化の特訓の時の話なのだが。あの子はあっさりと竜化に成功して、空を飛び回ってな。里の建物を荒らして、オルナ、母親に怒られおったのだよ。他には魔法の特訓で始めて出来た魔法を里の者達に見せびらかしたり、里の同年代の子供達と泥まみれになるまで遊んだり例えば幸利君が昼間に実力を認めさせたリスタスともだ……ああ……懐かしい……すまない……こう歳を取ると涙もろくなってしまうな」

 

「はははっ……意外ですね。あのティオがそんな幼少時代を送っていたなんて……」

 

「まだまだあるが聞くかね?」

 

「勿論」

 

それからは数十分、昔のお転婆お嬢様の話を聞き続けた。

 

「少し話し過ぎたようだな……そろそろ今日はゆっくり寝てくれ」

 

「そうします。おやすみなさい、アドゥルさん」

 

「おやすみ幸利君」

 

アドゥルとの会話を済ませて幸利は再び寝室へとワープした。

 

「ただいま〜戻ったぞ」

 

寝室を視界に入れるとそこには浴衣姿の優花とティオが本を読んでいた。

 

「む、戻ったのじゃな」

 

「ああ、アドゥルさんと少し話しただけだからなすぐ終わった。ティオの事をよろしくだとさ」

 

「爺様……」

 

「それと、お前、昔は結構やんちゃしてたんだな」

 

悪戯っ子のような顔でティオの昔話を聞いた事を話す。

 

「な、ななな、何故その事をご主人様が…!?ま、ままままさ、まさか爺様がっ…!」

 

「EXACTLY!その通りでございます!ま、公に話すつもりはねぇよ。竜人族と俺達の秘密だ。そろそろ寝ようぜ。ふわぁ……眠いしな」

 

目もショボショボしているのか、目を擦る。

 

「ほら、寝ましょう?幸利はアタシとティオが挟んで抱き締めるから」

 

幸利は浴衣に着替えて布団に入る。

優花とティオの暖かく柔らかい身体に包まれて重たくなった瞼を閉じる。

 

「ふふふっ……こう眠ってる姿は可愛く見えるわね……」

 

「そうじゃのう……普段、鋭い目つきなのもあって、寝ている時が安らいでおるようじゃ」

 

眠る幸利の頬に2人はキスをしてそのまま眠るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ドンドン原作から乖離する幸利くん。
最早おまだれ状態で草。

適正外の属性龍とか呼び出してるのなんで?
実は彼も色々やってて、属性に関する技能を弄りました。

自分の作品を見返してみると、撫でる描写がかなり多いですね。
恐らくは自分自身、撫でられたい欲求があるのかな?

誰か甘やかしてください。
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