ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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えー筆者の名前を変更し、小説大工の源三になりました。
これからもゲンさんとお呼びください。
それでは本編へ
遅くなり申し訳ない。


オルクス迷宮攻略!

幸利達が竜人族の里から戻ってきたと同時に恵里達がライセン迷宮から帰還して来ていた。

 

「お、恵里達も戻って来たのか」

 

「うん。そっちも目的は達成出来たの?」

 

「当然な。そっちもってことは」

 

「こっちもバッチリ習得して来たよ」

 

互いに目的達成した事を報告する。

 

「俺はこれから自己強化諸々に入る。それでなんだが、龍太郎と天之河を借りてくぞ?」

 

「お、俺?」

 

「俺もなのか…」

 

唐突に名前を呼ばれた2人は何故自分がという表情になっている。

 

「まず、天之河には魔法を俺が教える。ユエセンセーに色々教わったからな色々伝授してやるよ」

 

「わかった…よろしく頼む」

 

「おう。んで龍太郎、お前に弱点を与えるかもしれないやつだな。ハジメもお前の強化案はあるがあっちは多芸方面。俺は一芸特化になってる。どうする?どっちの魔改造にするかはお前の選択に任せる」

 

幸利はどう強化するのか龍太郎に選択を委ねた。

彼は悩む事なく、声を出した。

 

「幸利……お前の案で頼む。南雲には兵器製作に集中して欲しいしな」

 

「オーケーだ。んじゃ着いてきてくれ」

 

幸利達は王都へ向かうのだった。

 

「さてと僕達は休憩しないとね……」

 

─────────────────────────

 

それから数日後

幸利達が王都から戻り、ホルアドの広場でオルクス攻略のメンバーと合流した。

今回の攻略メンバーは以前のメンバー+シア&ヴェアベルトである。

つまるところシアも概念魔法を覚えて、士郎救出の概念を作るという事だ。

 

「龍太郎、どんな魔改造を受けたんだ?」

 

「うーんとだな……まずティオさんと同じように竜化の技能を貰ったのと、その竜化自体を改造した変化、ヴェアベルトさん達魔人族の性質、魔法の適正を貰ったって所だな」

 

龍太郎が簡潔に魔改造の説明をする。

 

「炎、氷、風の魔法が使えるようになったからな。期待はあんますんなよ?元々魔法使うわけじゃないし、使いすぎるとガス欠になっちまうからな。で、光輝はどうなんだよ?」

 

「氷雪の迷宮の時よりももっとあらゆる属性の魔法が上手く使えるようにはなった。これで足手纏いはおさらばできれば良いが……」

 

「上手くいってなによりだぜ。これからオルクスで慣らしてくしかねぇわけだ」

 

手応えは両者あるようだ。

 

「んじゃ準備が良いならオルクスに行ってこい。今のお前達なら余裕だろうがな。ティオの改造を続けないといけないからな」

 

幸利はそう言って王都に戻り、ティオの魔改造の続きをしに行った。

 

「それじゃあ、オルクス攻略出発だよ!」

 

羅針盤を手に持つ恵里の掛け声に全員が声を上げて叫んだのだった。

 

─────────────────────────

 

一行はオルクス迷宮内を進み、以前発動したトラップを再発動させ、その上でベヒモスのいた橋を落ちていった。(ベヒモスとトラウムソルジャーは跡形もなく消し飛ばした)

さらには事前情報もあり、苦戦する要素が皆無に等しかった。

龍太郎と光輝が幸利によって会得した力を慣らすためにも先陣を切って魔物を倒していくので、出番が殆ど持ってかれていた。

 

「圧倒的じゃないか我が軍は……」

 

「これで僕達、神代魔法会得出来なかったら恨むよ」

 

と言うものの彼女達もキチンと魔物を倒しているので、問題はない筈だ。

90層に辿り着き、気配感知にこの層にいるはずの無い魔物の気配を恵里は感じ取った。

 

「キュッ!モキュッ!キュウッ!」

 

「う……さぎ?」

 

「アレって蹴りウサギ……だよね…?」

 

現れたのは真オルクス第一層に住み着いている蹴りウサギ(仮称)だった。

今更警戒するような魔物ではないので鈴が真っ先に近づいた。

 

「ウサギさん……なんでここにいるのかな?」

 

蹴りウサギはキュウキュウ鳴くだけだったので、念話石を使い意思疎通を計った。

 

『ウチは王様に会いに来たんやで。ほしたらあんた達がおったんや』

 

「王……様?」

 

『せやせや。片腕で次々と敵をノした王様に会いにここまで来たんや』

 

関西弁で喋るのは置いておいてこのウサギが会いたいと言う人物はおそらくハジメだろう。

ハジメ達のように弱者が成り上がっているウサギは戦力としては充分だと判断し、彼に会わせる代わりに自身の使い魔にする交渉を始めた。

 

「なら、鈴達に着いていく?ウサギさん?これからの試練に打ち勝てばもっと強くなれるし、君の会いたい人に会えるよ?」

 

悩むそぶりを見せるウサギ。

さらに鈴は衣食住やら1日3食おやつ付きやらなんやらのセールストークをし始める。

その中で一際反応が良かったのは、『ステータスアップ』だった。

 

『なんやて!?もっと強うなれるんか!?』

 

食い入るようにウサギが身を乗り出す。

結果、ウサギは鈴の従魔になったのだった。

 

─────────────────────────

 

安全地帯でウサギの魔改造を終えて、遂に最終フロアの最奥の扉の前へと辿り着いた。

 

「ハジメの攻略本によると、ヒュドラは七つ首でそれぞれ色に合った属性攻撃をしてくる。特に銀色の首は威力のやばいブレスを吐上に身体を蝕む毒素も持ってる」

 

「魔力耐性で毒への抵抗力は上がるが、トップクラスに高い幸利殿でさえ苦しんでいる。極力喰らわないようにする事だ」

 

「ですが、本来ならここは最後に到達するべき迷宮なので、事前情報と全く違うヒュドラが出てくるかもしれませんねぇ……」

 

どんなヒュドラが出てきても良いように心構えをし、覚悟を決めて扉を開ける。

一瞬、真っ暗闇に包まれた部屋だったが、すぐに明るくなり、視界が開けると奥には巨大な魔法陣が現れ、そこからヒュドラが出現する。

現れたのは、七つ首の姿だった。

 

「最初から全力か!だったら俺も強化形態で相手してやるぜッ!」

 

そう言って、龍太郎は魔力を全身に纏う。と身体に変化が現れ出した。

皮膚が全て竜の肌へと変化し、竜の翼が生え、爪が鋭く尖る。

 

「オオオオオオオ!」

 

雄叫びで空気が震える。

 

「りゅ、龍太郎……くん?」

 

「『竜鱗化(りゅうりんか)』……身体を竜に近づけさせて身体能力を倍加させる……って幸利から説明されたけど……ドンドン力が溢れて来やがる……!」

 

溢れる魔力の奔流に髪が暴れる。

 

「黒い首と白い首から仕留めるよ。精神攻撃と回復されるのは面倒だからね」

 

事前情報を基に組み立てた作戦を実行に移す。

黒い首と白い首を集中して攻撃する。

黄色い首が攻撃を防ぐ為に右往左往し白い首を鈴の結界斬撃と龍太郎の竜化手刀により真っ先に刎ねる事に成功する。

 

「そんなもの……効かないッ!『土傀儡』!」

 

黒いモヤのようなモノを振り払ってカトレアが短剣で切り掛かり、地面からゴーレムを作り、赤い首のブレスを受け止める。

さらにシアが黒い首を星砕きで叩き潰し、青い首がメルリアンの氷結ブレスの撃ち合いしている間にヴェアベルトがハジメによって強化された腰の剣により叩き切られる。

時折、銀の首が蝕毒のブレスを吐き出すが、恵里が的確に指示を出し、余裕を持って交わすことが出来ている。

ミハイルの雷斬撃により緑の首も刎ねて、銀の首に全員で総攻撃を仕掛けようとした時だった。

 

「な、なんだッ!いきなり!」

 

「なんの光ィ!?」

 

突然ヒュドラから金色の光が放たれる。

あまりの眩しさに全員目を閉じてしまう。

 

「くっ……情報にない行動……みんな不意打ちに気をつけて!」

 

光が収まり、全員が目を開くと同時に警戒を一層強める。

光の収まったヒュドラの姿は──

 

『『『『『『『『『『『『『『『グルルルルルルルッ……!』』』』』』』』』』』』』』』』

 

全身が黄金に染まり、刎ねた筈の首が復活しているばかりか色が金と銀だけになり、本来の銀の首と新しく生えて来た金の首の煌めきは一際輝いていた。

 

「これが最終クリア専用ヒュドラなのか……」

 

「化け物だな……!」

 

唸り声だけでも恐ろしい圧を感じる。

それでも彼らは怯えることなく武器を構える。

 

『『『『『『『『『『『『『『『『キシャァァァァァア!』』』』』』』』』』』』』』』』

 

自身に挑む者だと認識したヒュドラは叫び、黄金と白銀のブレスを撒き散らす。

全員が回避行動を取ろうとするものの、あまりの面攻撃に追い詰められていく。

 

「くっ……結界の使える人はそれぞれを守って!」

 

恵里は防御魔法の使える人達でそれぞれを守るよう指示する。

 

「『聖絶・剛』!」

 

「「『絶界』!」」

 

「阻め!『光鎧・重鎧』!」

 

全員が防御魔法などを発動し、ブレスを受け止めるものの、ピシピシと結界が割れていく。

 

「全員!割れた瞬間にその場から素早く移動!直撃だけでも避けて!」

 

遂に耐えきれず割れると判断した恵里は直撃避けを指示し、その場から離脱する。

光輝は光鎧を一気に広げて離脱。ヴェアベルト達は空間魔法でワープ。シア恵里は恵里の分解で隙間を作り、そこを走り抜ける。鈴と龍太郎は鈴の聖絶でブレスを押し返し、割れる瞬間に、龍太郎が鈴を抱えて回避した。

 

「みんな一斉攻撃!」

 

攻撃の隙を付き、カウンターを仕掛ける。

 

「うりゃァァァァァァア!!」

 

シアは星砕きでヒュドラの首を2本叩き潰し、柄の根本でもう1本貫く。

 

「デュランダル!僕の魔力を喰らえ!バルムンク!魔力を放て!」

 

『おっシャァ!オレ達の出番だぞバル!』

 

『貯めた魔力、うっかり放つんじゃないぞ!』

 

『ハッ!バルこそ狙い外すんじゃねぇぞ!』

 

二刀は言い合いながらも恵里の指示をこなしている。

 

「『デュランダル・オーバードライブ』!『バルムンク・バーストブレイク』!」

 

魔力を圧縮したデュランダルで元が黄色の硬化した首、2本纏めて刎ね、魔力を暴走放出したバルムンクでさらに3本切り裂く。

 

「ウサギさん!」

 

鈴は先程スカウトした蹴りウサギに飛び蹴りをしてもらうよう指示し、それに続くように龍太郎が螺旋回転しながら突っ込む。

ヒュドラが風のブレスを吐き出すが、結界に防がれ無防備な状態で元緑の頭2本を2人?に貫かれる。

しかしその間に3本首が再生する。

 

「ミハイル!カトレア!2本落とせ!」

 

「「了解!!」」

 

カトレアは巨大な手を床から作りヒュドラの首2本を絞める。ミハイルが格好の的になった首を刎ねる。

 

「『神威龍・五天』!」

 

光輝は5種の白+αの白い龍を作り出し、ブレスを相殺して残った2本の龍で1本、首を消し飛ばす。

 

「メル!『圧縮氷弾』連射!」

 

メルリアンが圧縮された氷の弾丸を吐き出し2本の首を蜂の巣にする。

そしてヴェアベルトの斬撃でさらにもう1本切る。

残り3本になったのだが、再び3本再生してしまう。

 

「確実に減って来てる筈なのに再生されてキリがないよ……」

 

「おう……この姿でいるのも疲れて来たぜ……」

 

「魔力どころか体力も底をつくぞ……っ!」

 

半端な攻撃では倒すことができないので全員が一撃で屠る為に全力で攻撃している為、消耗が激しい。

特に竜鱗化している龍太郎や消費魔力の多い技を使っている光輝やカトレア達も疲労が目に見えている。鈴は結界を複数展開し、ブレスを受け流しているが何度も割れてしまっているせいで張り直しで魔力を失っていく。

 

「お兄ちゃん達は確か一瞬で刎ね飛ばした……なら僕らは……」

 

鈴に負担をかける事になるが、彼女を信頼しての判断だ。

 

「鈴!頼みがある!」

 

「エリリン!?」

 

恵里は鈴に作戦の詳細を説明した。

 

「鈴には無茶をさせるかもしれない。だけど頼める…?」

 

それに対して鈴は、

 

「まっかせて!」

 

大丈夫だと、うなづくのだった。

そこからは恵里の指示で、全員が鈴を中心に同じ場所に集まり、彼女の結界で守られる。その間に魔力を貯め、確実に仕留める為の準備に入る。

その間もヒュドラは大量の首から強烈なブレスを吐き出す。

 

「くぅっ………!」

 

結界を維持する鈴からは苦しそうな声を漏らす。

 

「鈴っ……!」

 

「光輝っ……俺達は魔力を貯めるんだ!」

 

魔力を貯め続ける。

そして魔力が最高潮に溜まった瞬間だった。

 

「キャァァァァァァア!」

 

結界が割れて鈴が壁際に吹き飛ぶ。

 

『鈴のことは気にしないで行って!」

 

自身の身を顧みず攻撃するよう叫ぶ。

その声に全員が応えるように全力攻撃をし始めた。

 

「『竜王拳・剛』!」

 

龍太郎は地面に強烈な一撃を放ち床を隆起させて首の下を貫き、身動きの取れなくなった首をもう一撃で粉砕する。

 

「纏え聖剣!『神威龍・咆哮』!」

 

神威を龍のカタチにして聖剣に纏わせた光輝は突きの構えを取りそのまま一撃必殺の神威を放つ。

 

「まとめて掴んでやるよ!ミハイル!」

 

「おう!『螺旋雷豪剣』!」

 

カトレアがゴーレムの腕で首をまとめて掴みそれをミハイルが螺旋状の雷の斬撃で一気に焼き切る。

 

「『人竜一体』!そして『荒爪乱舞』!」

 

メルリアンと人一体となったヴェアベルトが縦横無尽に首を刈り取る。

 

「これで止めだぁァァァァア!」

 

そしてラスト2本になったヒュドラを恵里はデュランダルとバルムンクに魔力を溢れるほど込め、重ねて振り下ろした。

 

「はああああぁぁぁあああ!」

 

胴体まで切り裂いた事により、ヒュドラの絶命が確定した。

 

「勝ったのか……?」

 

「勝ったんだぜ光輝……」

 

ヒュドラを倒した事に放心している光輝をやり切った顔をしながら壁際で気絶した鈴を抱える龍太郎が、呼びかける。

 

「これで試練達成……か……本来の難易度はこれなのだろうな……」

 

「あたし達は2番目だって言うのにキツくないかい?」

 

「仕方ないぞカトレア……俺達は2番目だが、隊長達が最後になってしまったからな……」

 

魔人族に2人も疲弊し切っていた。

 

「それじゃあ皆さん、隠れ家に行きましょうか」

 

そう言ってシアがズンズン進み、その後ろを恵里がついて行く。それを見て残りのメンバーも続くのだった。

 

─────────────────────────

 

オスカー・オルクスの隠れ家にて、恵里、シアヴェアベルトの3人は生成魔法と概念魔法を習得し、隠れ家の布団で一日中休むのだった。

 

「んぅっ……確か僕達は概念魔法で覚えさせられて……」

 

「恵里さんも覚えられたんですね……!

 

「シア……うん覚えたよ。後は雫と一緒に神越の短剣に概念魔法を更に付与してお兄ちゃんを解放する、究極の短剣にできるようになったんだね」

 

「はい……!」

 

2人は喜びを噛み締める。

コンコンと扉を誰かがノックするので恵里は返事をして入っても良いことを告げる。

 

「エリリン!シアシア!目が覚めたんだね!」

 

「おお……2人も目を覚ましたか」

 

入って来たのは鈴とヴェアベルトの2人だった。

 

「うん。ここで休み終わったら、雫を呼んで3人で概念魔法を作る」

 

「目標が近くなってるのは良いことだと。だが無茶だけはしないようにな」

 

今回、習得した生成魔法の適正は恵里とカトレアの2人が高かった。

それ以外のメンバーの適正は軒並みダメだった。

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