ありふれない天の鎖の投影魔術師は世界最強   作:小説大工の源三

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大変遅くなりました……
難産でした


神話を創造するのは我々自身だ

概念魔法完成から2日後──恵里達は戦争の準備を終えて、神域のある場所の前に立っていた。

 

「作戦の最終確認だよ。突入隊……主に僕達が神域に突入して、お兄ちゃんの救出。地上には残ったクラスメイト、王国、帝国の兵士、世界中の冒険者、亜人の戦士に魔人族の軍人、竜人族の人達にはおそらく地上を襲ってくる神の使徒(木偶の棒)の相手をする」

 

「地上の面子にもアーティファクトを作ったからそう簡単には負けないはず。士郎を救出して、その後に残った地上の神の使徒を一層する……」

 

「んで俺たちは恵里達を邪神の前までノーダメージかつ消耗無しに届けて邪魔をさせないのが役目だ」

 

それぞれの役目を確認した各々は深呼吸をした後、恵里はクリスタルキーを目の前に差し込む。

そして回すとすんなり開いた。抵抗されると思っていた彼女にとっては意外だったが、アルヴの資格を強奪していたことを思い出した。

 

「みんな……覚悟は良い?」

 

「「「「「「「出来てる!」」」」」」

 

そのまま扉を開いて突入した。

眩い光に目が眩む。光が収まれば、そこには極彩色で彩られた世界。

不思議な色彩の空間には、白亜の通路が一本、真っ直ぐに先へと伸びていた。否、通路というよりは、ダム壁の天辺のように、巨大な直線状の壁の上と表現するのが正しいだろう。

 

「なんか……ぐわぐわしてて気持ち悪りぃな……」

 

平行感覚が狂いそうにる気分になる空間に龍太郎が嫌な顔をする。

するとシアのウサミミが反応する。

 

「砲撃来ます!」

 

警戒の不意を突かれた形で襲いかかった。逃げ場など残さないという意思が明確に伝わってくる隙間一つない死の流星群。

 

「集まれ!」

 

ハジメの怒号が飛び、全員が、反射的に彼の傍に寄るのと同時に、ハジメは宝物庫から巨大な盾を取り出した。そして、虚空に出現したそれを地面に突き立てながら魔力を注ぎ込む。

すると、『ガシュン!ガシュン!』と音を立てて、大盾の内側から金属板がスライドしながら飛び出してきた。それは瞬く間にハジメ達を覆ってドームを形成する。鱗のような無数の金属板が連なった可変式の大盾『アイディオン』。

最後の金属板がスライドし、完全にハジメ達を覆った瞬間、遂に、全方位からの閃光が到達した。衝撃はほとんどない。まるでレーザーのように、アイディオンを表面から塵にしていく。明らかに、使徒による分解能力だった。

そんなものは銀の光を見た瞬間に分かりきっていたこと。だからこそ、ハジメは、このアイディオンによる全方位防御を選択したのだ。

 

「分解するだろうけど……生憎そいつはもう対策済みだ!」

 

再生魔法が付与された復元石の上に士郎が残した対魔力を付与している盾は分解を無力化していた。

一瞬でビルを分解する使徒の攻撃はたった2つの技能で無力化されてしまっていたのだ。

アイディオンにかかる圧力が消えたと同時に香織とユエが銃撃と魔法攻撃を開始する。

 

第二の攻撃を始めようとしていた使徒達の脳天は撃ち抜かれ、胴体は消し飛んでいた。

 

「何?」

 

理解する間もなく数人の使徒が絶命した。

 

「ここは僕達3人で受け持つ」

 

「みんなは先に行って!」

 

「……殲滅したら追いつく」

 

そう言う3人を信じて恵里達は先に進む。

 

「さてと……こーゆー状況ってさ、足止めして大半削ってやられるのがお約束だよね」

 

「……ハジメは負けるの?」

 

「まさか?ここには回復チート、魔法の天才がいるんだよ?」

 

「さっさと蹴散らしてとは言えないけどね」

 

「そりゃ士郎が相手みたいなモンだからね……100パーやばいのくるよ」

 

彼が乗っ取られているが故にこちらの事前情報、性格などが筒抜けになっている。その理由がハジメ達の警戒レベルをMAXまで引き上げる。

 

「一瞬でイレギュラーに倒されるなんて我らの汚点ですね」

 

「ですが我々3人で相手をしなければならないのもまた事実」

 

「イレギュラーを殺し、先に進んだイレギュラーも倒すとしましょう」

 

3人の神の使徒が突如現れ、大剣を差し向ける。

 

「やっぱ別格が来るか……」

 

「どうするハジメくん」

 

「マンツーマンでひとまず相手しよう」

 

「……ん」

 

そう言って3人はそれぞれに向かって飛んでいく。

ドンナー・シュラークの改良型ツェアシュテールング・マサーカーの銃口から弾丸が顔面に向けて撃ち込まれる。

それを双大剣で使徒は防ぐ。

視界が一瞬でも自身から外れた瞬間、2丁をぶん投げて宝物庫から新しい銃を取り出す。

アオスロットゥング、シュラーゲンを改良した狙撃銃だ。

ツェアシュテールング・マサーカーよりも高威力の弾丸が双大剣の一振りを貫き破壊する……がしかし時が遡るように直ってしまう。

 

自動修復(オートリペア)か……厄介な武器だこと……」

 

そう言いつつも多装填ロケットランチャー・フェアニッヒトゥングで乱れ撃ちし、攻撃の隙を与えない。

 

「どうせこれでも効いてないんだろうね……」

 

煙が晴れると、ハジメの言う通り無傷の使徒が現れる。

 

「この程度ですかイレギュラー?」

 

「いーや?」

 

「そうですか。ならばこちらの番です」

 

使徒が急接近する。咄嗟にハジメは重縮地で後ろに距離を取ろうとするが、数コンマ遅く、腕と脇腹にかすり傷が生まれる。

 

「チッ……!」

 

アオスロットゥングで鍔迫り合い状態になる。

ギャリギャリと音が鳴る。

 

「何故抗い、諦めないのですか?負けることがわかっているのに無意味な戦いでしょう」

 

「それはこっちのセリフだ……しつこいんだけど?」

 

すると使徒の背後に向けて銃撃するも、翼によって打ち落とされる。

 

「?何かしましたか?」

 

「ウザ……感情ホントに無いの?」

 

使徒の背後には先程投げたツェアシュテールング・マサーカーが空中に浮遊していた。

更にハジメはクロス・ヴェットを4つ宝物庫から取り出し、炸裂弾をぶっ放す。

 

ガガガンッ!

 

「甘い…」

 

「くっ……!」

 

防がれるどころが全てかわされてしまい、接近を許す。

 

「しまっ……!ぐぐっ……!」

 

剣撃と翼の乱れ撃ちをハジメは紙一重でかわし、アオスロットゥングでいなしていくものの、徐々に被弾が増えていき、袖がボロボロになって顕になった肌からは血が流れることなく、傷口が分解されていた。

 

「おや?我々の分解は対策したのでは?」

 

「うるさ……全く……やり辛さがあの時と段違いだよ……」

 

ハジメは宝物庫にある武装でどうするか考えていた。

 

─────────────────────────

 

一方、香織は使徒に対して攻めあぐねていた。

回復に関してはスペシャリストの彼女だが、攻めに関しては他の奈落組メンバーには一歩二歩劣っている。

 

「やっぱりハジメくんの救援待っ……ううん、私だけで倒さないと……ユエには負けられない…」

 

銀翼の魔弾を結界で防ぎつつ、銃で反撃しているが、全くと言っていいほどダメージを与えられていない。

 

「やはり貴女は他のイレギュラーと違い、攻撃は脅威になり得ませんね…その回復は脅威ですが……いずれは回復する力もなくなりただの的になるだけでしょう」

 

「そうかな?貴女達が知らないだけで私にはやれることあるかもよ?」

 

そう言いながら光魔法を収束し、レーザーのようにして放つもあっさり無効化される。

 

「っ……?」

 

すると後ろに引き寄せられる感覚が身体に伝わる。

後ろを見ると、巨大な竜巻が発生していた。

 

(嘘っ!?発生の予兆すらなかったのに!?)

 

吸い込まれて仕舞えば少なくないダメージを受けるのは明白だ。

空力でその場から離脱しようとしたのだが、使徒がこちらに向けて大量の岩を飛ばしてくる。

細かい動きで避けるのだが、後ろの竜巻にどんどん引き寄せられていく。

 

「落ちなさい、イレギュラー」

 

純白の落雷が香織に突き刺さる。

 

「ゔァァァァァァ!?」

 

身体が痺れてしまい、竜巻にそのまま呑み込まれてしまった。

 

「キャァァァァァァァァア!」

 

弱者ならば、ボロ雑巾になるどころか細切れになり死に絶えるほどの真空の刃。

金剛により耐え切る香織だが大ダメージを受ける。

しかし、彼女の高いヒーリング能力は一瞬で傷で消す。

 

「この程度じゃ私は倒せないよ」

 

「そのようですね。生きのいいサンドバッグだと思えば、少しは我が主も満足させることができるでしょう」

 

妙に嗜虐的な表情へと使徒の顔が変わる。そのことに若干の不気味さを覚えてしまう。

 

「お返し行くよ!」

 

ドパパパパパン!ドパパパパパン!

 

スヴェートから銃弾が一斉に放たれる。使徒は防ぎ避けようと行動したのだが、来るはずの弾丸は当たらず彼女の目の前や離れた所で異変を起こしていた。

 

「これは……」

 

止まった弾丸の周囲がひび割れており、使徒の周囲を囲っている。

唯のこけおどしだと判断し、彼女は香織目掛けて突っ込もうとしたその時だった。

見えない壁に阻まれ、思うように動くことができなかった。

香織が放ったのは空間に楔を打ち込む弾丸だった。

 

「はあっ!」

 

更に弾丸を打ち込んで使徒の腕を破壊する。

 

「次で仕留める!」

 

そう言って香織は脚、反対の腕、頭と順番に破壊し確実に殺す為に胴体をもガラスを割るように粉々にする。

香織は勝ったと判断した。

 

「ハジメくんとユエの加勢に……?」

 

2人の加勢に向かおうとしたのだが、嫌な予感がして破片をじっと見る。

破片が集まり、人のカタチをとっていく。

 

「面白い手でしたが、無意味です」

 

「……流石にズルじゃない?」

 

これで倒せない使徒に怒りを通り越して、呆れを覚えてしまう。

長期戦を覚悟しなければならないようだ。

 

─────────────────────────

 

「緋槍…!」

 

炎の槍をユエは放つが、銀の魔弾に全て貫かれそのまま彼女に飛来する。

 

「聖絶……」

 

結界で完璧に防ぐ。

近接戦はほとんどと言っていいほどしないユエは、接近されればほぼダメージを受けてしまう。

自動再生のある彼女にとって多少のダメージはあってないようなものだが、魔力を食うのであまりダメージは受けたくはない。

 

「凍雨…!雷鳴閃……!」

 

氷柱の雨と雷の閃光が使徒を貫こうと向かう。

 

「その程度では無駄に魔力を消費するだけでは?」

 

牽制程度の威力とは言え、そこまで低い威力なわけではない。

使徒の双大剣と翼の防御が硬いのだ。

 

「そっちこそ、防戦一方で攻めて来ないけど…?」

 

「そうですね。貴女も我が主が狙う肉体の一つでしたので、手加減するよう命令がありました。ですが……既に必要ありませんでしたね」

 

そう言うと使徒の身体から魔力が吹き荒れた。

残像がブレるほどの速度でユエに接近し、双大剣術でユエを切り刻む。

 

「くっ……」

 

凄まじい剣撃にユエは致命傷を避け、結界を巧みに使い、攻撃を受け流し、反撃を決めるも、つけた傷がすぐに癒えてしまう。

 

「ふっ…!」

 

「ガハッ…!?」

 

剣撃や魔法を捌き反撃を入れることに集中し過ぎたせいか、意識の外から迫る蹴りに対応しきれず、モロに横っ腹に喰らってしまう。

だが一瞬でも反応できたのか、薄い結界で防御することはできた。

 

「ぷっ……!」

 

口に溜まる血液を吐き出す。どうやら一度、内臓が傷ついたようだ。

 

(チマチマやっててもキリがない……一気に大技で消し飛ばすしかない……)

 

その方法がないわけではないが、問題が2つあった。

 

(そもそもそれをするだけの隙がない……そしてその魔法の名前がない……)

 

大魔法を唱える為に時間がかかる上に雷龍のように簡素な名前では目の前の使徒を殺すことは叶わない。

どうしたものかと考えるのだった。

 




漫画版のありふれの12刊を読んだんですが、ウチのエリリンがヒロインすぎて、正体がわかるまでフードの一人称僕の人物がエリリンだと気づかなかった、ゲンさんでございます。
そういえばエリリンは敵キャラだったなと。
原作エリリン
黒髪ショートのロリ体型メンドクセーヤンデレ

本作のエリリン
白髪セミロングのノーマル体型ちょいヤンデレ

とほぼ別人になっているので……

うーん世界線が違うとキャラも違う……

それとアンケート設置しました。
よろしければ解答お願いします。
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https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=300936&uid=269127
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