墜ちていく自分を助けた友達の前に城之内は
「待ってろ!南雲今行くぞ!」
「克也ダメ!」
「離せ恵理!南雲が!」
「南雲君の覚悟を無駄にする気!今は全員を離脱させないと!」
「ちきしょぉぉぉぉ!」
「離して雫ちゃん!南雲くんの所に行かないと!約束したのに!私がぁ、私が守るって!離してぇ!」
迷宮に響く友を守れなかった城之内と前日に守ると約束をした香織の叫び。そんな状態を危惧したメルドが、香織を気絶させた。
そして、城之内は友を守れなかった虚しさと自分への怒りを押し殺して、
階層を引き返す。その手は血で滲んでいた。
そうして引き返す最中も城之内たちを落とそうとした攻撃をした者を見ていた恵理は
(許さない克也を殺そうとしたこと、そして克也を救ってくれた南雲君を落としたこと。纏めて償わせてやる…)
そして無理を通して全員が迷宮の入り口へと戻ってきた。クラスメイトたちは生きているという実感を分かち合うが城之内やハジメに助けられた者たち己の無力さを嘆いていた。
そしてホルアドで一泊をして早朝に王国へ戻る手筈になり各々が部屋へと戻る。城之内は自分を責めていてどうしてハジメを助けられなかったのか自問自答せずにはいられなかった。
その様子を見ていた恵理が魔法カード催眠術で無理矢理寝かし付けた。そして恵理は行動に移る。
「ヒ、ヒヒヒ。ア、アイツが悪いんだ。雑魚のくせに……ちょ、調子に乗るから……て、天罰だ。……俺は間違ってない……白崎のためだ……あんな雑魚に……もうかかわらなくていい……俺は間違ってない……ヒ、ヒヒ」
暗い笑みと濁った瞳で自己弁護している檜山
そう、あの時、軌道を逸れてまるで誘導されるようにハジメを襲った火球は、この檜山が放ったものだったのだ。
階段への脱出とハジメの救出。それらを天秤にかけた時、ハジメを見つめる香織が視界に入った瞬間、檜山の中の悪魔が囁いたのだ。今なら殺っても気づかれないぞ?とそして前から自分の邪魔をする城之内も纏めて殺れると
そして、檜山は悪魔に魂を売り渡した。
結果あの魔法の一斉照射により、誰が放ったかも分からず檜山の計画は完璧かと思われた…
「やぁ人殺しさん?今どんな気持ち?恋敵をどさくさに紛れて殺すのってどんな気持ち?」
それを目撃されていなければ
「な、何で?」
「何で?そりゃあ見てたからね。君が火球を放つところを。
正直昔の自分なら克也さえいれば良かったけどね。でもある人に仲間って良いものだって気付かされて、特にクラスメイトの中では香織や雫、鈴や優花そして南雲君は気に入ってたんだ。
特に南雲君は克也のことを尊敬してくれててそして最後自分が落ちることになっても克也を助けたいと行動を起こしてくれたこと。
だからね、君がのうのうと生きてるのは気に食わないんだよ。でも殺したらその場で苦しみは終わっちゃうからね。」
そう言い恵理は檜山に近付いて額に指を当てる。
「あの人が言うには罰ゲームって言ってたけど僕からの贈り物だ。たっぷり味わうと良い。克也を殺そうとしたんだから当然の報いだよ。」
そうして闇霊術 欲の黒い力を指に収束させて檜山に浴びせる。
ピカーン
そして呆然とする檜山に先程の城之内にやったように催眠術をかける。
自分がここにいたこと、話したことを全て忘れさせそのまま眠らせる。
「…香織は大丈夫かな…あの時、克也も落ちてたら僕も取り乱してた。…僕に出来ることなら協力しよう。」
そしてホルアドでの1日が過ぎ翌日馬車で王国へと戻った一同。
帰還を果たしハジメの死亡が伝えられた時、王国側の人間は誰も彼もが勇者の一人が死んだと思うがそれが〝無能〟のハジメと知ると安堵の吐息を漏らしたのだ。
国王やイシュタルですら同じだった。強力な力を持った勇者一行が迷宮で死ぬこと等あってはならないこと。迷宮から生還できない者が魔人族に勝てるのかと不安が広がっては困るのだ。神の使徒たる勇者一行は無敵でなければならないのだから。
だが、国王やイシュタルはまだ分別のある方だっただろう。中には役に立たない無能などハジメを罵る者までいたのだ。
「てめぇ!もう一回言ってみろ!南雲はな…南雲は無能なんかじゃねぇ!あいつはあんな状況でも諦めねぇで最後まで戦ったんだ!それを無能だと!!!ふざけんな!」
城之内の烈火のごとく怒る姿を見たイシュタルや国王はステータスの高い城之内に悪い印象を与えてはならないとその貴族たちを処分した。
しかし、ハジメの無能というレッテルは剥がれずそのままになってしまっていた。
そしてハジメが落ちてから3日程経ったその夜…
「…どこへ行くのですか克也殿?」
「姫さんか。わりぃなそこを退いてくれないか?」
「…南雲さんを探しに行くのですか?彼は奈落へと落ちた。その高さから落ちれば死亡は免れないでしょう。それに今王国をでたらあなたは王国の反逆者と見なされてしまいます。それなのに…」
「んな理屈は関係ねぇ。俺はどんなに可能性が低くたってあいつは生きてるって信じてる。それにここで動かなかったら一生俺は後悔をする。頼む姫さん!見逃してくれねぇか?」
「それは…」
「リリィ。克也を行かせてあげてほしい。」
「恵理!」
「恵理しかし…」
「大丈夫!僕も一緒に行くから心配はしないで!」
「恵理!これは俺の問題だ!だから」
「南雲君は克也を助けてくれたんだ。なら今度は僕たちが助ける番だ。違う?」
「恵理…すまねぇ。」
「違うよ克也!そこはありがとうだよ!」
「止めても無駄なようですね。克也殿と恵理は確か冒険者の登録をしてましたね?」
「あぁ?確かにしてるが」
「ではハイリヒ王国第一王女リリアーナ・S・B・ハイリヒが冒険者城之内克也と中村恵理へ依頼をします。依頼内容は勇者一行の一人南雲ハジメの救出。そしてどんなかたちでも良いので私のところへとその姿を見せてください。それをもって依頼は完了と見なします。」
それは彼らを、反逆者にしないためのリリアーナなりの発破であった。
「リリィ、そんなことしたら国王やあの教皇に…」
「構いません!ハジメ殿がくれた、いらすと?とやらを拝見し他の画家や絵描きたちへ見せた時、彼らはとても感激をしていました。
人を笑顔にするというのはとても難しいことです。それを可能とする才能を見す見す逃すことは国益を損なうに等しいことです。もしお父様やイシュタル様が何を言おうと大丈夫なようにこれにサインをしてください。」
とリリアーナは二枚の羊皮紙を取り出し城之内たちへと見せる。
「なになに?私、リリアーナ・S・B・ハイリヒは城之内克也ならび中村恵理といった同行者へと依頼をしたと旨を書き記す。これが破られたとき、私リリアーナ・S・B・ハイリヒは自害をする…って」
「いくらイシュタル教皇でも、これを破られれば王族の仕事が滞って教会との仲が拗れるから口を出すことはないとは思います。」
「だが姫さんが命を懸けることはねぇんだぜ!」
「私はデュエルモンスターズを知り相手と分かり合う手段としても使うことが出来ると貴方のデュエルを見て感じました。
いつかトータスでも殺し合いではなく理解し合う戦い…デュエルを広げたいんです。そのためにはハジメ殿の力は絶対に必要なのです。
それにハジメ殿は私にとっても友だちです。私にも友だちのために命を張らせてください」
「姫さん!ありがとうな!」
「リリィありがとう!」
そして二人はその書類へと判を押し最後にリリアーナもともに判を押した。
「これで良いですね。依頼が終わったらまたデュエルを教えてください」
「あぁ!必ずデュエルを教える!だから待っててくれ!」
羊皮紙の片方をもらう城之内。もし地上に出た後で何かあれば保証人として信頼されている証明にもなり得るものでもある。そしてリリアーナが、ホルアドまでの馬車を準備させている間、彼らは未だに目を覚まさない香織の元へと向かう。
因みに恵理は鈴へはこの事を報告していて必ず帰ると約束をしていた。
そしてドアの前まで行くと
「離して!離してよぉ!南雲くんを探しに行かなきゃ!お願いだからぁ……絶対、生きてるんだからぁ……離してよぉ」
と香織と雫の声が聞こえた。
コンコン「わりぃな。話し中で…目が覚めた見てぇだな。」
「城之内君…」
「城之内君…。私が気絶した後、南雲くんも助かったんだよね?ね、ね? そうでしょ?ここ、お城の部屋だよね?皆で帰ってきたんだよね? 南雲くんは……訓練かな?訓練所にいるよね?うん……私、ちょっと行ってくるね。南雲くんにお礼言わなきゃ……」
「すまねぇ…」
「どうして南雲くんが、いないの?どうして、どうして私、助けるって約束したのに、なのに、私は…」
香織の涙なからの訴えの言葉は城之内の胸に突き刺さる。
「……白崎」
「…なに。」
「俺はこれからオルクス迷宮に戻って南雲を探しに行く。」
「何を言ってるの!南雲君は奈落に落ちたのよ。もうここにはいないのよ。なのにどうして死にに行くようなことを…」
「俺は死なねぇよ。南雲を連れ戻すまでは死ぬわけにはいかねぇ。それにな、」
「それに?」
「俺はあいつに助けられたんだ。友だちが命を張ったんだ。今度は俺たちが命を張る番だ。」
「克也は一度言い出したら止まらないからね。」
「…城之内君。」
「なんだ?」
「お願い!私も連れてって!」
「香織!あなたまで何を言ってるの!?」
「わかってる。あそこに落ちて生きていると思う方がおかしいって。……でもね、確認したわけじゃない。可能性は一パーセントより低いけど、確認していないならゼロじゃない。……私、信じたいのそれにただ待ってるだけじゃ駄目だって。南雲君を見つけて今度こそ私の気持ちを伝えるの!
それとね荒唐無稽かもしれないけどね。私他のクラスメイトが南雲君を悪く言ったり、貴族の人が南雲君を悪く言ったりしてたのを夢で見たの。それで城之内君が南雲君のために怒ってくれたこととか見てたの。それを夢とは言え見るとイヤな気持ちになったの。」
「香織…」
「あんな人たちのために戦いたくなんてない。それなら南雲君を救うために戦う城之内君たちに付いていきたいの」
「はぁ全く。香織も言い出したら止まらないんだから。」
「お互い大変だね。」
「まったくよ。城之内君香織のこと、南雲君を見つけるまでお願いね。」
「見つけるまでで良いのか?」
「だってそこからは南雲君が守ってくれるだろうから。」
「わかったぜ!」
「香織必ず帰ってきなさい!どんなに時間が掛かっても良いから。無事に私たちのところに帰ってきなさい。」
「ありがとう!雫ちゃん!」
その後に恵理は予備の端末を雫へと渡して連絡を取れるようにしておいた。これにより状況を把握することや生存確認もしやすく、デュエルの映像を見るという建前で雫のもとにリリアーナが、来ても不自然ではないようにした。
そうして城之内、恵理、香織の三人はリリアーナの用意した馬車でホルアドへと向かった。
全ては友達を想い人を助けるために再びオルクス迷宮に挑むのであった。
今回はここまでです。
城之内なら友達の悪口を言ってるのを発見したら直ぐ様手が出そうな気はしますね。
そして城之内を殺しかけた檜山には疑似マインドクラッシュをかました恵理。内容は眠る度に奈落に落ちたハジメが自分を追いかけ苦しみ抜いた後に殺されるというようなもので様々なバリエーションで夢を見ることになるものの最後にはハジメが殺すというもの。
まぁ、当然アテムのを見たこともあったのでイメージはしやすかったので擬似的にマインドクラッシュをしました。仲間の大切さは遊戯たちに教えてもらい原作より丸くなった恵理。もし原作の恵理と邂逅したらどうなることやら
因みに誰の魔法が誤射したかは今のところ恵理しか知らないので日に日にやつれていく檜山を見てもしかしたらあいつがとなり孤立するかもしれませんね。
そして原作よりも早く目覚めた香織。
これにより王国を出ようとした城之内たちに付いていくことに決めました。
幽体離脱のように一時的に夢として見てクラスメイトたちがハジメが、落ちたことを自分達のせいではないと押し付け合う様子や貴族たちの態度を見て幻滅した香織。
そんな中城之内はハジメのことで本気で怒ってくれて探しに行くと誰よりもハジメを思ってくれていたので城之内について行くことを決めたというようにします。
そんな香織の突撃っぷりに呆れながらも香織らしいと雫は送り出すことを決めました。
残念ポンコツ勇者は雫が説得をしてリリアーナも説得をしたことにより一応の納得をしたということにしておきます。本人は城之内が連れ去ったと心では思っているでしょうけれども。
そしてリリアーナ姫による冒険者城之内と恵理への依頼
これにより城之内たちはハイリヒ王国王女の後ろ楯を得たことになるのでノイントによる魅了前ならば効力を発揮して異端者として処理することが出来なくなります。それをすればリリアーナの命もなくなるので。
原作よりも早く仲良くなりリリアーナ自身もハジメからのイラストといったものに心踊らされる安らぎの時間でもあったので、救出を依頼しました。
よって原作よりもハジメの好感度は高めですね。
帰ってきて王国が落ち着いたらアーティファクト級のものをプレゼントし、イラストやデュエルディスクなども作成しそうなハジメであった。
そしてこの時に幾つか開けられそうなパックを二人へと渡した恵理。このパックカードたちの活躍は先になるでしょう。
……香織のカードはどうしようか検討中です。何か回復系のモンスターか魔法使い族にしようか悩みますね。今のところサイレント・マジシャン結構あってそうだと思ってます。自身のレベルが上がればレベルも上がってサイレント・マジシャンレベル8になれることは間違いないでしょう。分岐で沈黙化ありそう。
そして次回から再びオルクス迷宮に突入です。果たしてハジメは生きているのか!
それではまた次回お会いしましょう!
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