ありふれた凡骨は決闘者の高みを目指す   作:生徒会長月光

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異世界へと降り立つ(不時着)した海馬が目を覚まします。

そして白き龍が、トータスで空を舞います!

それではごゆっくりどうぞ


ハウリアは白き龍の威光を垣間見る

あれからシアたちは助けた人間を介抱するため葉っぱなどの柔らかい簡素なベッドを作り寝かせた。

 

「それにしてもいったいこの人間は?こんな未来見たことないですぅ」

 

「シアでも見えないとは…」

 

「彼は何者なのかしら…コホッ」

 

「モナ無理をするでない。お前も休んでおくのだ」

 

他のハウリアも辺りを警戒するものの興味はあるようでその人間を見ていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

「…うっ…ここは?」

 

「!目が覚めたんですね!」

 

「っ!」

 

「良かったです!物凄く大きい音がして行ったら良く分からない物から貴方が出てきて…」

 

「そうだ…俺は…!小娘、アテムもしくは遊戯という男を知っているか?」

 

「アテム?遊戯?すみません、私は知らないですね。私たち一族はハルツィナ樹海のフェアベルゲンという国にいたので他の国のことは…」

 

「…冥界ではないのか…」

 

「私はシア・ハウリアと言います!人間さんは?」

 

「…海馬瀬人だ。」

 

「海馬さんですね!」

 

「小娘、俺の乗っていた機械はどこにある?」

 

「えっと何だかバチバチ音を立ててて、壊れちゃってるかもです。」

 

「…なんだと!」

 

(くっまさか壊れるとは…しかも冥界ではないだと?)

 

「あの海馬さん…これ」

 

とシアはその物体次元領域エミュレーターを海馬へ手渡す。

 

「海馬さんのですよね?何だか置いておいてはいけないと思って」

 

「…礼をいう。」

 

と海馬は立ち上がる。

 

「海馬さん?」

 

「まずはあの装置の状態を見なければ…小娘案内しろ」

 

「は、はい!」

 

そうしてシアは海馬を案内する。

 

プスップス

 

海馬の乗っていたシャトルは見事に壊れていた。内部の回路には異常は見受けられず外装、ハッチ部分は完全に壊れていて良くこれで無事だったと言わざるを得ない。

 

「おぉ目を覚ましたのですね」

 

「…貴様は?」

 

「私はカム。シアの父でハウリア族の長です。」

 

「……何かの遊技か何かでもやってるのか?」

 

と海馬は頭に付いた耳を見て思わず呟く

 

 

「もしや獣人を見るのは初めてですかな?ここトータスでは獣人は珍しくないのですが…」

 

(伊達や酔狂で言っているわけではなさそうだな…今は情報を集めるのが先決か)

 

「トータスとはこの世界のことか?知っている限りで良い。話せ。」

 

そしてカムよりトータスのことを教えられる海馬。

 

人間の国ハイリヒ王国、軍事国家の帝国、魔人族と呼ばれるものたちに人族などに迫害される亜人たち

 

「ふぅん、成る程な。どの世界でもやっていることは同じか…虫酸が走る。」

 

「貴方はどこか他の人族と違うようですね。」

 

「当然だ。この俺がそこらの凡夫と同じなど片腹痛いわ。」

 

この男アテムに会うために無重力空間が必要だと判明すると宇宙エレベーターを作り上げ、冥界のアテムに会うために次元を越えるのだからスケールが違う。

 

「ケホッ…目が覚めたんですね…」

 

「母様まだ寝てないと…」

 

「…病気か?」

 

「昔から身体が弱く近頃は咳も止まらず悪化して…」

 

「私のせいで…国も追われて…」

 

「小娘が?」

 

「シアは我々ハウリア族…いえ亜人からしても特殊なのです。本来亜人は魔力を持ちません。しかしシアは魔力を持って生まれたのです。

 

この16年シアのことを隠し生きてきました。しかし、それもフェアベルゲンにバレてしまいました。」

 

「だが極論そこの小娘の身柄を渡せば貴様らは助かったのではないか?貴様は長、上に立つものだ。時には冷徹に判断を下さねばならん。」

 

それはKCの社長として、上にたつ海馬だからこそ説得力があった。

 

「確かにそうでしょう。長としては失格です。しかしシアは娘で家族なのです…見捨てられるわけがありません。」

 

「…」

 

海馬とて様々な人間にこれまで会ってきた。その中でも善良なものたちにもあったことはあった。しかしハウリア族程、底抜けなお人好しには出会ったことはなかった。

 

「一時の判断で一族全体の首を絞めることになるぞ。」

 

「例えそうなったとしても私は…私たちはあの時の選択に後悔はありません。」

 

「長!大変です!ハイペリアが!」

 

幼い子供たちを庇い合うハウリアたちの上空に姿は俗に言うワイバーンというやつが一番近い。体長は三~五メートル程で、鋭い爪と牙、モーニングスターのように先端が膨らみ刺がついている長い尻尾を持っている。

 

ライセン大峡谷に生息し雑食で獲物を狩る魔物であり、

 

そこを通るハウリアたちは格好の獲物であった。

 

ハイペリアは兎人族の上空を旋回しながら獲物の品定めでもしているようだ。

 

そのハイベリアの一匹が遂に行動を起こした。大きな岩と岩の間に隠れていた兎人族の下へ急降下すると空中で一回転し遠心力のたっぷり乗った尻尾で岩を殴りつけた。轟音と共に岩が粉砕され、兎人族が悲鳴と共に這い出してくる。

 

狙われたのは二人の兎人族。ハイベリアの一撃で腰が抜けたのか動けない小さな子供に男性の兎人族が覆いかぶさって庇おうとしている。

 

そしてハイペリアは口を開け周りの兎人族がその様子を見て瞳に絶望を浮かべた。誰もが次の瞬間には二人の家族が無残にもハイベリアの餌になるところを想像しただろう。しかし、

 

「攻撃の無力化発動!」

 

ギィィィン

 

とハイペリアはそれ以上先に進むことが出来ずにいた。

 

そして声がした方向を見る。

 

「本来助ける義理などないが借りを作るのは俺の性にあわん。所詮は獣畜生…取るに足りん。」

 

「か、海馬さん逃げましょう!ハイペリアは狂暴な魔物です!敵うはずが!」

 

「狼狽えるな!」

 

「はいぃぃぃ!」

 

「小娘、貴様は自分のせいで一族を危険に晒したと思っているな。」

 

「は、はい…私が素直に捕まってれば…」

 

「弱者に選択権などない!何時如何なる時も勝者にしか道は開かれん。貴様は未来が見えると言ったな。」

 

「はい…大体の未来は見えます…それで…」

 

「それがどうした!オレは未来などに導かれはしない!オレの踏み印したロード!それが未来となるのだ!」

 

「!」

 

そうしてる中で痺れを切らしハイペリアは海馬とシアの方へと矛を向ける。

 

「その照準を俺に向けたと言うことは貴様らは俺の道を塞ぐ障害…引導を渡しくれるわ!」

 

ギィアアアアアアアアアア

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

海馬の闘志がオーラとなり可視化される。デュエルディスクの自我増幅機能も合わさりまるで大気を揺らすようだ。

 

「目覚めよ……我がデッキに宿りし蒼き炎の化身……!今こそその姿を現せ……ブルーアイズホワイトドラゴン!」

 

そして現れるは白き龍。

 

海馬の魂のカードと言える最強の僕。

 

その姿は敵に絶望を味方に希望を与えるものであった。

 

「…綺麗…」

 

その姿を間近で見ていたシアはその姿に見惚れていた。

 

ハイペリアはそれでも海馬へ突っ込む。

 

「行けブルーアイズ!滅びの爆裂疾風弾!」

 

ブルーアイズは咆哮とともにブレスを放つ!

 

それだけで間近に迫るハイペリアと射線上にいた個体を含め殲滅された。

 

「さらにXヘッドキャノン召喚!」

 

肩にキャノン砲を搭載したXヘッドキャノンは照準をあわせ

 

「撃ち落とせ!」

 

残るハイペリアの翼を貫通し地に落とす。

 

「ふぅん…肩慣らしにもならんわ…」

 

「す、凄いです!あんなに一杯いたハイペリアをやっつけましたぁ!」

 

「借りは返した何処へでも行くが良い。」

 

「海馬殿…お願いがあります…」

 

「なんだ」

 

「我らハウリアを仲間に加えてください!」

 

「断る…何故そんなことをせねばならん。」

 

「我等は弱い…戦闘になれば我等になす術はありませぬ。ここを出て北の山脈へ行く途中に帝国兵に会えば大勢が死ぬでしょう。」

 

「ならばどうする?戦わずしてここで朽ちるか?」

 

「我々だって死にたくはない…しかし戦う術を知らず育ちました。隠密や聴覚は優れていますがそれだけです。お願い致します!」

 

とカムがいうと次々と頭を下げ一族全員が頭を下げる。

 

(…聴覚と隠密…この世界から冥界へ向かうためにも情報は多ければ多いほど動きやすくなる。鍛えて各地へと派遣すれば…)

 

「…俺は仲間などいらん。」

 

「海馬さん!?」

 

「だが貴様らが部下になると言うのなら好きにしろ。だが付いてこれん者は容赦なく追いていく。」

 

「海馬さん…ありがどうございましゅゅゅう!!」

 

と抱きつくシア。

 

「えぇい離さんか鬱陶しい!」

 

「海馬さんはなんと言うか上に立つ長のようですね。」

 

「貴様らは風に言えば大規模な組織を束ねる社長…長をしているからな。」

 

「そうだったんですね。ケホッケホッケホッ」

 

「まずは安全を確保しろ…それから戦う術を教えてやる。KCトータス支部の社員ども!このオレが教えるのだ。泣き言は聞かん!」

 

「はい!社長!」

 

こうしてハウリア族を部下にした海馬。

 

冥界へと至るために情報を集めるべく教育をしていくのであった。




今回はここまでになります。

社長のキャラが合ってるのか不安な作者です。

ハウリアに助けられた社長は自身の乗ったシャトルの具合を心配しました。まぁ不時着してましたので内部機能に問題がなくとも外装はどうにもならず暫くライセン大峡谷に留まります。

原作と違いシアが未来視で南へ逃げた方がいいと察知しそれを信じ行動したためハウリアたちはライセン大峡谷に先に辿り着いたためか人数も減ってはいませんでした。

しかしに帝国兵は大勢のハウリアたちがライセン大峡谷へ向かったのを目撃したためか樹海側に陣取ってます。

そして異世界でもブルーアイズの咆哮は敵をなぎ払います。

そして社長はハウリアたちを鍛え、各地に散らばらせ冥界へと至る手段にしようとします。

KCトータス支部にハウリア族が加わりました。シアの母の健康改善も視野に入れている社長であります。

こうして部下が増えればエヒト亡き後はKC主体のマジック&ウィザードが急速に広まることですね。

アンソロジー風に書けばネタでエネコンやら色々と出来そう…

そして異世界でも社長は平常運転。

シアは社長に懐きました。一種の憧れとも言いますね。

ハウリア族はこれからどんな変化をするのかはお楽しみにしていただけると幸いです!

原作よりはマイルドですが社長命になりそう 

作者

しゃ社長!?

貴様!ブルーアイズの登場が短いわ!

そんなこと言われましてもまだまだ序盤ですので

うるさい!言い訳など聞きたくもないわ!早く投稿をし、ブルーアイズを出せ!

作者ーーーーー早く私とハジメくんとユエちゃんの濡れ場を書きなさーい!

ゲゲゲ!香織さんまで!?

早く次の投稿の準備をしろ作者!

は、はいぃぃぃぃぃ!!!

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