ありふれた凡骨は決闘者の高みを目指す   作:生徒会長月光

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今回は城之内たちがハウリアと合流し社長と邂逅します。

それではごゆっくりどうぞ!


孤高の決闘者と炎の決闘者の邂逅

そうしてハジメたちは魔力駆動二輪を一気に加速させ出発した。悪路をものともせず爆走する乗り物に、シアがハジメの肩越しに

 

「きゃぁああ~!はやいですぅ~~」と悲鳴を上げた。

地面も壁も流れるように後ろへ飛んでいく。

 

谷底では有り得ない速度に目を瞑ってギュッとハジメにしがみついていたシアも、しばらくして慣れてきたのか、次第に興奮して来たようだ。ハジメがカーブを曲がったり、大きめの岩を避けたりする度にきゃっきゃっと騒いでいる。

 

そんな楽しそうにし、自身の身体を密着させるシアにハジメは胸の高鳴りを誤魔化すように道中、魔力駆動二輪の事や各々魔法を使える理由、ハジメの武器がアーティファクトみたいなものだと簡潔に説明した。すると、シアは目を見開いて驚愕を表にした。

 

「え、それじゃあ、皆さんも魔力を直接操れたり、固有魔法が使えると……」

 

「うん、そうなるね」

 

「……ん」

 

「そうなるかな」

 

 

しばらく呆然としていたシアだったが、突然、何かを堪える様にハジメの肩に顔を埋めた。そして、何故か泣きべそをかき始めた。

 

 

「ど、どうしたの?何処かぶつけたり?」

 

「……手遅れ?」

 

「ユエちゃんそんなこと言ったらダメだよ。シアさんなりに頑張って疲れちゃったんじゃないかな?」

 

「手遅れって何ですか! 手遅れって! 私は至って正常です! ……ただ、一人じゃなかったんだなっと思ったら……何だか嬉しくなってしまって……」

 

「「「………」」」

 

どうやら魔物と同じ性質や能力を有するという事、この世界で自分があまりに特異な存在である事に孤独を感じていたようだ。

 

家族だと言って十六年もの間危険を背負ってくれた一族、シアのために故郷である樹海までも捨てて共にいてくれる家族、きっと多くの愛情を感じていたはずだ。それでも、いや、だからこそ、〝他とは異なる自分〟に余計孤独を感じていたのかもしれない。

 

シアの言葉に、ユエは思うところがあるのか考え込むように押し黙ってしまった。いつもの無表情がより色を失っている様に見える。

 

ハジメには何となく、今ユエが感じているものが分かった。おそらく、ユエは自分とシアの境遇を重ねているのではないだろうか。共に、魔力の直接操作や固有魔法という異質な力を持ち、その時代において〝同胞〟というべき存在は居なかった。

 

だが、ユエとシアでは決定的な違いがある。ユエには愛してくれる家族が居なかったのに対して、シアにはいるということだ。それがユエに、嫉妬とまではいかないまでも複雑な心情を抱かせているのだろう。しかも、シアから見れば、結局、その〝同胞〟とすら出会うことができたのだ。中々に恵まれた境遇とも言える。

 

 

そんなユエの頭を香織はポンポンと撫でた。

 

「ユエちゃん…昔はそうだったかもしれない…でも今はハジメ君、私、城之内君に恵理ちゃんもいる…だから辛いことがあったら頼ってね。」

 

「…ん、ありがと。カオリ…」

 

とユエは香織と向き合うように身体を密着させると

 

「カプ チュゥ」

 

「ユエちゃん!?急にどうしたの!?」

 

「…はむっ……んちゅっ……ちゅ……んん~」

 

「んん!」

 

「ぷはぁ…カオリ~…大好き」

 

「あわわわわ!?な、なんていうか、妖絶ですぅ!!」

 

「シアさん!?そんなに揺らさないでバランス崩すと危ないから!」

 

嬉しくて香織から吸血するユエを見て興奮するシア

 

そしてぐわんぐわんとハジメの肩を揺らすのでハジメもハンドル操作を誤らないようにしっかり握る。

 

一方の城之内たちは

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「克也頑張って!ほらそこも来るよ!」パン!

 

「伴侶!次は右だ!」

 

「左もきてますよ!」

 

「地面はこっちで錬成するから運転に集中してね!」

 

「風霊術で吹き飛ばせるだけ吹き飛ばします!」

 

「氷よ!」

 

魔物たちが押し寄せる中で城之内は上手くかわして恵理が狙撃してヒータとエリアは城之内に危険を知らせ、アウスは魔導二輪のタイヤから錬成して悪路でも走り抜けられるようにサポートし、ウィンと雪姫ことブリザードプリンセスも自身の霊術で魔物を蹴散らす。

 

ハジメたちが話し込んでる間出来るだけ露払いをしている城之内たち。

 

しかしそれにしても数が多い。既に数十は倒したがまだまだ増える。

 

まるで何かから逃げるように。

 

「にしたってこの数は多すぎんだろ!」

 

「シアさんがいる分南雲君たちの方は小回りが効かないからこっちで受け持たないとね!」

 

そうして走ること数十分

 

漸く拓けた場所へと出てきた。

 

そこは平地のようになっているものの簡素なテントが組み立てられ側には何処からか引いてきた水源まであった。

 

「ここは…」

 

「生活感があって魔物の影すらないね」

 

「私たちハウリアも最初もうダメかと思ってました。でも社長が来てから色んなことを教わってこうやって、てんと?というものを作ってある程度の水源や薬草や魚といったものも手に入るので生活出来てるんです!」

 

「その社長っつうのはすげぇんだな!」

 

「はいっ!社長は白い龍を従えて言葉は厳しいですけど何だかんだ私たちを鍛えてくれてるのでとても感謝してるのです!」

 

「シア! 無事だったのか!」

 

「父様!」

 

そしてテントから出て真っ先に声をかけてきたのは、濃紺の短髪にウサミミを生やした初老の男性だった。

 

「にしても魔物がいないのはなんでだろうね?」

 

「その社長っていう人が何かしてるのかな?」

 

「…不思議…」

 

「うーん白い龍に社長…」

 

「なぁ恵理物凄く知り合い感があるんだが気のせいか?」

 

「克也気のせいじゃないの?だって社長がトータスにいるわけないと思うよ。」

 

そしてその間に、シアと父様と呼ばれた兎人族は話が終わったようで、互いの無事を喜んだ後、ハジメの方へ向き直った。

 

 

「ハジメ殿で宜しいか? 私は、カム。シアの父にしてハウリアの族長をしております。この度はシアがご迷惑をお掛け致しました。シアはこれだと決めると一直線に進んでしまうので…」

 

「いえ乗りかかった船ですしシアさんの誰かのために動ける姿勢を見て僕たちも力を貸したいと思ったんです。それより、随分あっさり信用するんてすね。亜人は人間族にはいい感情を持っていないはずなのに……」

 

「シアが信頼する相手です。ならば我らも信頼しなくてどうします。我らは家族なのですから……」

 

その言葉にハジメや城之内たちは感心半分呆れ半分だった。一人の女の子のために一族ごと故郷を出て行くくらいだから情の深い一族だとは思っていたが、初対面の人間族相手にあっさり信頼を向けるとは警戒心が薄すぎる。というか人がいいにも程があるというものだろう。

 

「それに人間族の中にも偏見を持たず接してくれる方を知っておりますからな。」

 

「ハジメさん!香織さん!母様を見てください!」

 

「それよりシアよ。」

 

「何ですか父様!」

 

「社長に黙って出ていってしまったであろう?まずは言うことがあるのではないか?」

 

ハッとするシア。そして

 

「あ、あの父様?一緒に謝ってくれたりは?」

 

ブンブン

 

「あら?シアちゃん社長探してたわよ。それはもうカンカンにね。」

 

「ラナさん!」

 

「シアちゃん骨は拾って挙げるわ。」

 

「ミナさんまで!」

 

「シア姉ちゃん頑張れ!」

 

「シアお姉ちゃんファイト!」

 

「パル君にネアちゃんも!あの…助けてくれたりは?」

 

「「「「諦めて怒られて」」」」

 

「そ、そんな~」

 

「ほう…元気が有り余ってるようだな小娘。」

 

「しゃ、社長!?」

 

「貴様には普段の10倍のメニューをやらせてやろう。」

 

「あ、あの…謝ったら許してくれたりは?」

 

「貴様にそんな権利があるとでも?」

 

「死にたくなぁい!死にたくなぁい!助けてくださ~いハジメさん香織さんユエさ~ん」

 

「いやぁ黙って来て心配させたんでしょ反省はしないとね。」

 

「流石に庇いきれないかな?」

 

「…ん、自業自得。諦めて」

 

「そんな~鬼~悪魔~ハジメさんと香織さんの女たらし~」

 

「ほう?威勢が良いな。20倍に増やすか」

 

「ヒィィーーーーいつもスパルタですぅ。社長手加減してくださぁ~~い。」

 

「つべこべ言う暇があるならさっさとやらんか!!!」

 

「ご、こめんさなーーーーい!」

 

とシアは言われるがままに近くの大岩へ向かうと

 

「よいしょっと!1、2、3」

 

と大岩を背負いながらスクワットを始めた。

 

「シア姉ちゃん手伝うよ!」

 

「私も!」

 

とパルとネアという兎人族の少年少女はシアの担ぐ大岩に飛び乗る。

 

「ちょっ!?二人とも!?」

 

「あらあらじゃあ私も」

 

「ラナさんたちまで!?ぅぅぅうううううお、重いですぅ~~」

 

「シアちゃん夕飯は豪華にしてあげるから頑張って!」

 

「ふん…バカ娘が」

 

「社長…シアはその、」

 

「言わんで良い。母親の容態が気になり身が入ってないのは知っている。だが」

 

と振り向く社長

 

「…嘘っ!?どうして?」

 

「ハァァァァァァァァァァ!?海馬ぁーーーーーーー!?」

 

「…まさか凡骨の幻覚まで見えるとは…俺もヤキがまわったか…」

 

「海馬てめぇぇぇ!俺は幻覚じゃねぇ!」

 

「…えっ!?まさかあのKCの社長の海馬さん!?」

 

「本物!?」

 

「…誰?」

 

「ユエ、あの人は海馬瀬人っていって僕たちの世界では知らない人はいない有名人でカードの貴公子って呼ばれてたりするんだ。デュエルモンスターズが人気なのも海馬さんが牽引してるのもあるんだ!」

 

「…デュエルモンスターズの!凄い!」

 

とキラキラした目でユエは海馬を見る。

 

「克也抑えて抑えて」

 

「女連れとは随分と府抜けたか…凡骨も落ちたものだな。」

 

「てめぇ!俺のことはなんと言おうが構わねぇが恵理をバカにすんじゃねぇ!つうか恵理のことを知ってるだろが!」

 

「フゥン。貴様のようなやつは知らんな。」

 

何処か噛み合ってない二人の決闘者。

 

「あの!ひとまず落ち着けるところで話し合いませんか?それと私治癒師なのでシアさんのお母さんの容態も診れます。」

 

「社長……」

 

「カム案内してやれ。話しはそれからだ。それに俺の知る凡骨よりも何か違うのは分かる。その違いも知らねばならん。」

 

とカムは香織たちを案内するのであった。

 

こうして孤高の決闘者と炎の凡骨決闘者は邂逅した。

 

果たしてこの出会いがもたらすものとは?




今回はここまでになります。

道中シアへとこれまでの経緯を話すハジメ。

シアは初めて会う同類に一人ではなかったと安心します。

ユエは同じ同類でも境遇が違うシアを羨ましく思うが香織は一人ではないと励ましユエはそんな香織のことを更に好きになり吸血し、その心情も吐露しました。

そしてそんな甘い空気の中であるハジメたちと比較し城之内たちは必死に魔物たちを迎撃してました。

シアへの事情説明と小回りが効かないからと城之内は必死でかわしては恵理が狙撃してヒータ、エリアが誘導、アウスは錬成でサポート、ウィン、雪姫は迎撃の手伝いと役割分担してます。

そしてハウリアの現在の集落へと到着しカムたちに向かい入れられハウリア族の優しさを目の当たりにした城之内たち。

そして案の定怒られるシアは社長と出会ってから欠かさずにやっているトレーニングを10倍にされ、手頃な大岩を担いで腕立て及び逆立ち腕立て、スクワット、柔軟に走り込み等である。

そしてついに出会った社長と城之内。

彼らは漫画版とアニメ版なので知ってるものの海馬は恵理のことを知らず城之内たちも海馬の事情を知りません。

治癒師の香織がシアの母親モナの容態を見ることに。

ユエはデュエルモンスターズの会社の社長でカードに詳しい海馬を見てキラキラした目で見ることに。

次回は海馬との情報交換となります。

因みに環境整理したのはゴブリン偵察部隊や穴埋め部隊が一晩でやってくれました。

そして暗殺部隊や偵察部隊はハウリアへ技術指導も行っていて社長もその働き振りには感心させられています。

海馬のデュエルディスクは非実体化のデータを保存してる関係かデータ化したカードを実体化も出来たりする優れものなお陰かカードに困ることはないようである。

果たしてハジメたちはモナを助けられるのか?

そしてFGOではバレンタインイベントもあるのでチョコには困らないですね!

今回も読んで頂きありがとうございました!

次回も遅くならない内に投稿させてもらいます!

遊戯王にてラスボスクラスのモンスターで相応しいものは?(シンクロ以降のものは除く)

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