メインは海馬とカムになります!
それではどうぞごゆっくり!
「……なるほど。試練に神代魔法、それに神の盤上か…」
現在、城之内たちはアルフレリックと向かい合って話をしていた。内容はオスカー・オルクスに聞いた〝解放者〟のことや神代魔法のこと
自分が異世界の人間であり七大迷宮を攻略すれば故郷へ帰るための神代魔法が手に入るかもしれないこと等だ。
アルフレリックは、この世界の神の話を聞いても顔色を変えたりはしなかった。
不思議に思ってハジメが尋ねると、「この世界は亜人族に優しくはない、今更だ」という答えが返ってきた。神が狂っていようがいまいが、亜人族の現状は変わらないということらしい。
聖教教会の権威もないこの場所では信仰心もないようだ。あるとすれば自然への感謝の念だという。
そうして話をしていると下で何やら騒がしくなっている。
下では海馬とハウリアたちが待機していた。何かあったのであろう。
城之内たちが階段から降りてくると、ハウリアたちと他の部族たちが睨み合っていた。降りてきた彼等に他の部族たちは一斉に鋭い視線を送った。熊の亜人が剣呑さを声に乗せて発言する。
「アルフレリック……貴様、どういうつもりだ。なぜ人間を招き入れた? こいつら兎人族もだ。忌み子にこの地を踏ませるなど……返答によっては、長老会議にて貴様に処分を下すことになるぞ」
「ふぅん。獣畜生にも劣るこんなやつが長の一人だとは…片腹痛いわ!」
必死に激情を抑えているのだろう。拳を握りわなわなと震えている。やはり、亜人族にとって人間族は不倶戴天の敵なのだ。しかも、忌み子と彼女を匿った罪があるハウリア族まで招き入れた。熊の亜人だけでなく他の亜人達もアルフレリックを睨んでいる。
しかし、アルフレリックはどこ吹く風といった様子だ。
「なに、口伝に従ったまでだ。お前達も各種族の長老の座にあるのだ。事情は理解できるはずだが?」
「何が口伝だ! そんなもの眉唾物ではないか! フェアベルゲン建国以来一度も実行されたことなどないではないか!」
「だから、今回が最初になるのだろう。それだけのことだ。お前達も長老なら口伝には従え。それが掟だ。我ら長老の座にあるものが掟を軽視してどうする」
「なら、こんな人間族の小僧共が資格者だとでも言うのか! 敵対してはならない強者だと!」
「そうだ」
あくまで淡々と返すアルフレリック。
やはり年齢層的にも掟の重要度は変わるようである。
熊の亜人は信じられないという表情でアルフレリックを、そしてハジメを睨む。
「……ならば、今、この場で試してやろう!」
いきり立った熊の亜人が突如、ハジメに向かって突進した。あまりに突然のことで周囲は反応できていない。アルフレリックも、まさかいきなり襲いかかるとは思っていなかったのか、驚愕に目を見開いている。
そして、一瞬で間合いを詰め、身長二メートル半はある脂肪と筋肉の塊の様な男の豪腕が、ハジメに向かって振り下ろされた。
亜人の中でも、熊人族は特に耐久力と腕力に優れた種族だ。その豪腕は、一撃で野太い樹をへし折る程で、種族代表ともなれば他と一線を画す破壊力を持っている。
ズドンッ!
しかし衝撃音と共に振り下ろされた拳はその間に入ったカムがその身体で受け止めた。
「カムさん!?」
「ふん!ハウリアが人間を庇うとはそこまで落ちぶれたか!何とか言ったらどうだ!最も俺の拳を受けて何も言えないだろうが。」
「……………いな」
「なんだ…」
「軽いなと言ったのだ。」
カムの迫力に熊の亜人族並びに他の部族は思わず息を呑んだ。
「貴殿の放った一撃には何の思いも込められておらぬ。そんな一撃社長の重みのある拳に比べたら天と地程の差がある。
貴殿の一撃は、ただ相手を倒すことしか考えていない。
だから、重さが宿らない。
私は空手という社長の世界の武術を学んだ。
空手は心を養う。
人を打つ、ということは自らも打たれることを知る、ということだ。
自らの一撃が相手に何を及ぼすか、
どれだけの痛みや悲しみを与えるかを知った時。
……人は打つ意味と、打たれるということを知るのだ。
………だから、それに至らない貴様の一撃には重みが宿らない。
…………人を打つ意味のわからない貴殿に、
本当の重さというものを教えよう!!」
「ふ、ふざけやがっ」
「そして私の娘を処刑だと…」
「私の娘を家族を守るならば私はこの力を振るうことを躊躇わん!」
得たいの知れない迫力を払拭するべく熊の亜人族は再度拳を振り上げる。
「お、ぉぉおおおおおおお!俺はこのフェアベルゲンの族長だぁぁぁぁ」
「それは良かったものだ。だが私もハウリアの族長でそして」
「我が最愛の娘、シアの父親だ!!!!!」
と熊の亜人族族長の拳よりもカムの拳の方が早く
ズガン!メキメキメキ ドォォォォン
と固い大樹に穴を空け衝撃で風が吹く。
「な、な……」
その一撃は熊の亜人族の頭スレスレで外れていた。
まだまだカムは己の力の制御を完全には掌握していないことが幸いした。
しかし当たっていればどうなったのか想像するに容易い。
「ふむ…まだまだ未熟であったか。精進せねばな。」
「父様~ありがとうですぅ~~」
と泣きじゃくるシアの涙を静かに拭う香織とハジメの二人。
カムは彼らにならば娘を託せると再度確信をするのであった。
そして熊の亜人族は気を失った。
「さてまだやりますかな?言っておきますが私などよりも此方の方々は数十倍は強いですぞ?」
その言葉に、頷けるものはいなかった。
現在、当代の長老衆である虎人族のゼル、翼人族のマオ、狐人族のルア、土人族(俗に言うドワーフ)のグゼ、そして森人族のアルフレリックが、城之内たちと向かい合って座っていた。その傍らにはユエとカム、シアが座り、その後ろにハウリア族が固まって座っている。
長老衆の表情は、アルフレリックを除いて緊張感で強ばっていた。戦闘力では一,二を争う程の手練だった熊の亜人(名前はジン)が、文字通り手も足も出ず瞬殺されたのであるから無理もない。
それも彼らではなくハウリア族によってだ。
そんな手練れが大勢とそれ以上がいる。
彼らはその矛先が此方へ向くのではないかと警戒する。
「で? 貴様らはどうする気だ?
俺たちはは大樹の下へ行きたいだけで、邪魔しなければ敵対することもない。亜人族としての総意を聞かせろ。でなければ俺はこの国を問答無用で焼き払う。
俺は凡骨たちのように甘くはない。
そしてこれは警告でもある。」
海馬の言葉に、身を強ばらせる長老衆。言外に、亜人族全体との戦争も辞さないという意志が込められていることに気がついたのだろう。
「こちらの仲間を再起不能にしておいて、第一声がそれか……それで友好的になれるとでも?」
グゼが苦虫を噛み潰したような表情で呻くように呟いた。
その後熊の亜人族、ジンはまるでなにかに怯えるようになり、戦士としてのプライドは粉々に砕け散ったようで戦士として再起は難しいとのことだ。
「何言っている。先に殺意を向けてきたのは奴だ。
カムは返り討ちにしただけだ。
再起不能になったのは自業自得だ。
己のプライド一つ守れん負け犬などどうでも良いことだ。」
「き、貴様!ジンはな!ジンは、いつも国のことを思って!」
「それが、初対面の相手を問答無用に殺していい理由になるとでも?」
「そ、それは! しかし!」
「勘違いしているようだが此方が被害者で奴が加害者。長とは罪科の判断も下すもの。上の者が愚かであるならば国は滅ぶだけだ。それをはき違えるな?」
そうしてその後のアルフレリックの諌めの言葉に、立ち上がりかけたグゼは表情を歪めてドスンッと音を立てながら座り込んだ。そのまま、むっつりと黙り込む。
「確かに、彼等はは、紋章の一つを所持しているし、その実力も大迷宮を突破したと言うだけのことはあるね。それにハウリア族は見違えるように強くしたのもある。僕は、彼等を口伝の資格者と認めるよ」
そう言ったのは狐人族の長老ルアだ。糸のように細めた目でハジメを見た後、他の長老はどうするのかと周囲を見渡す。
その視線を受けて、翼人族のマオ、虎人族のゼルも相当思うところはあるようだが、同意を示した。代表して、アルフレリックが代表だろう海馬へ伝える。
「海馬瀬人。我らフェアベルゲンの長老衆は、お前さんたちを口伝の資格者として認める。故に、お前さんたちと敵対はしないというのが総意だ……可能な限り、末端の者にも手を出さないように伝える。しかし……」
「下のものたちの反感も押さえてこそ長だか?」
「ああ。知っての通り、亜人族は人間族をよく思っていない。正直、憎んでいるとも言える。血気盛んな者達は、長老会議の通達を無視する可能性を否定できない。特に、今回再起不能にされたジンの種族、熊人族の怒りは抑えきれない可能性が高い。アイツは人望があったからな……」
「それで?」
「お前さんを襲った者達を殺さないで欲しい」
「……殺意を向けてくる相手に手加減しろと?」
「そうだ。お前さんの実力なら可能だろう?」
「だろうな。だが貴様らの都合など知ったことではない。襲うならば返り討ちに合う覚悟を持つことだ。奪うと言うならば奪われる覚悟を持つことだ。」
しかし、そこで虎人族のゼルが口を挟んだ。
「ならば、我々は、大樹の下への案内を拒否させてもらう。口伝にも気に入らない相手を案内する必要はないとあるからな」
その言葉に、海馬は訝しそうな表情をした。もとより、案内はハウリア族に任せるつもりで、フェアベルゲンの者の手を借りるつもりはなかった。そのことは、彼等も知っているはずである。だが、ゼルの次の言葉で彼の真意が明らかになった。
「ハウリア族に案内してもらえるとは思わないことだ。そいつらは罪人。フェアベルゲンの掟に基づいて裁きを与える。
何があって同道していたのか知らんが、ここでお別れだ。忌まわしき魔物の性質を持つ子とそれを匿った罪。
フェアベルゲンを危険に晒したも同然なのだ。既に長老会議で処刑処分が下っている」
ゼルの言葉に、シアは泣きそうな表情で震えるがカム達は堂々としている。
「社長発言をしても?」
「好きにしろ。」
「ハッ!フェアベルゲンの長老方。既に我らハウリアはフェアベルゲンの者ではなく、KC傘下でありトータス支部を何れは担う。故にその命令を聞く必要性などはない。」
「お、お前たち我等の決定に逆らうつもりか!」
「そう言っておりますが?我等はこれまでシアを守ることだけにしか力を入れておらなんだ。我等は隠し通すことで護ろうとした。
しかし社長と出会い我等がしなければならなかったのは立ち向かう勇気であった。我等は無意識に恐れていたのかも知れない。
だからこそ今こそ声を挙げなければならない。何れ生まれるであろうシアの子やこれから生まれてくる子達に魔力を持つ者が出てくるかもしれない。今の掟は忌子を追放する。
それは親から子を奪うこと、子から親を奪うことだ。
母親が命を懸けて産んだ命を散らす。
父親はその事実に絶望し護らねばならない子を掟だからと従い母親は子を思い涙を流す。
そんな負の連鎖は何処かで断ち斬らねばならない!
我等は掟だからと屈するのではなくその子の自由を、成長を幸せを祝福する!そんなありふれた幸せのために戦う。
それが城之内殿たちが教えてくれたオスカー・オルクスひいてはフェアベルゲンを思い戦ったリーティリス・ハルツィナの残してくれた意志だと我等が受け継ぐべき思いなのではないのですか?」
「……むぅ…」
「貴様ら亜人族は人に比べ寿命も長い、だからこそ掟を重視するのであろうが俺からすればどうでも良いことだ。」
「何を」
「人は愚かだ。人の成功に嫉妬し妬み、憎悪し快楽を求め奪い傷付け合わずにはいられない種族だ。
だか、貴様らは輝きを見たことはあるか?眩い光に目を開けられずされどそれを追い求め手を伸ばし続けても届く気配を掴ませない物。
俺はそれを手に入れるためにあらゆることをしてきた。それでも奴はその先を常に歩き続け、その果てに消えていった。」
「海馬お前…」
城之内は海馬がアテムを追い求めていることを改めて感じとる。いや狂気とも言える執念を見たと言うべきか。
「貴様らに問う。
闘いとは何かを。
人間はこの世に生を受けた瞬間己の肉体という器に魂を宿す。
いわば肉体とは魂の牢獄なのだ。
死ぬまで出ることは許されないものだ。
やがて肉体は己の魂を護るために武器を持つ…
己の敵は肉親か!」
その言葉に長老たちは息を飲む
「己の敵は他の者か!」
ハウリア族は帝国兵を思い浮かべる。
「己の敵は他の国か!」
亜人族として人族も魔族も共に虐げられてきた国である。
「己の敵は悪意か!」
ハジメやレイカ、香織、ユエはクラスメイトの悪意、己の信じていた者たちからの裏切りを思い浮かべる。
「我々は守るものたちのために闘う。
思想の異なるものと闘う。迫害を差別を失くすため自由を求めて闘う。
愚かな戦争という殺し合いによって戦いの歴史は繰り返されてきた。
皮肉にも勝者でさえ自由という物を得られず牢獄に束縛され続ける。
国境、思想、人種、言語
あらゆる異なるものを越え新たな未来へ突き進む。
トータスはそのための足掛かりでありハウリアはその第一号だ。
貴様らがそれを踏まえた上でハウリアを処刑するのであれば
俺を倒してからにしろ。
話しはそれからだ。」
人種を越えた未来。
その言葉は精霊である霊術使いの四人、ブリザードプリンセス、ヴェールも考えたことのない途轍もないことである。
そして海馬の迫力、そしてその言葉の魅力に長老たちは魅せられた。
「…人の輝きとは…こうも…」
そうして長老たちは
「ならば、お前さんの奴隷ということにでもしておこう。フェアベルゲンの掟では、樹海の外に出て帰ってこなかった者奴隷として捕まったことが確定した者は死んだものとして扱う。
樹海の深い霧の中なら我らにも勝機はあるが、外では魔法を扱う者に勝機はほぼない。故に、無闇に後を追って被害が拡大せぬように死亡と見なして後追いを禁じているのだ。既に死亡と見なしたものを処刑はできまい」
そしてハウリアを変えたこの男に懸けてみたくなった。
「そして時が来たとき…お主たちさえ良ければまた立ち寄るが良い。その時はフェアベルゲン総出でその途轍もない夢を手伝わせてほしい。」
「それは貴様ら次第だ。話しは済んだ。ここにもう用はない。」
と海馬は立ち上がりそれに合わせ城之内たちも立ち上がる。
呆けるシア。
「あ、あの、私達……死ななくていいんですか?」
「?さっきの話聞いてなかったのか?海馬が認めさせたんだぜ。」
「い、いえ、聞いてはいましたが……その、何だかトントン拍子で窮地を脱してしまったので実感が湧かないといいますか……信じられない状況といいますか…」
「…素直に喜べばいい」
「ユエさん?」
「…セトに救われた。それが事実。受け入れて喜べばいい」
「……」
シアは、ユエの言う通り素直に喜び、今の気持ちを衝動に任せて全力で表してみることにした。すなわち
「しゃぢょ~う!ありがどうございまずぅ~!」
「えぇい鬱陶しいわ!バカ娘!!」
「…社長!我等ハウリアは貴方と共に!」
「「「「「「海馬!海馬!海馬!!!」」」」」」
泣きべそを掻きながら絶対に離しません!とでも言う様にヒシッとしがみつき顔をグリグリと海馬の肩に押し付けるシア。
そして更に海馬へ対して尊敬の念を強めるハウリア。
「おいおい、海馬の野郎此処にもKC作ろうってか?」
「でも社長なら絶対にやるよ。だって有言実行をするのが社長だもんね。」
「海馬さんを思うハウリアの結束…凄いな。」
「…ん、セトは王様向き…良い王様になれる」
「ハウリアだけじゃなくて他の亜人族も魅せられてるね。」
亜人族たちから渇望や希望を見る目、猜疑心や敵対心など半々であったが海馬を中心として歯車は徐々に動き出していく。
そうして長老会議は終わり城之内たちは暫くフェアベルゲン周辺にて滞在することになったのであった。
今回はここまでになります。
アルフレリックとの会談と熊の亜人族ジンとのやり取りは原作通りでありそしてハジメに振り下ろされた拳を受けるカムはその拳に対して重みを問い
娘を思う父親の重い拳がジンの戦意をプライドを粉々にしました。
親の子を思う気持ちは偉大だということですね。
これを見た城之内は親父ってのは凄いなと自身の父親の酷さと比べてました。
参照にしたのはひぐらしのなく頃にのゲーム、小説版の祭囃し編の赤坂より。
社長の訓練を受けたハウリアならばこれぐらいは出来ますね。
そして長老会議は海馬の演説によりフェアベルゲンの重鎮たちは海馬に懸けて見たくなりハウリアを海馬の傘下として認めました。
ダークサイドディメンションの海馬の演説より抜粋してます。
そして感情が高ぶりシアは社長に抱きつきます。
シアの海馬への印象は憧れのようなものかもしれませんね。
そしてカムが解放者の意志を、生まれてくる未来の子達の自由を求めて闘うとのこと。
ミレディ辺りが見たらどう反応するかですね。
魂魄魔法という神代魔法もありますが生ける者の魂は肉体と共に。
そして城之内はこの海馬がアテムに余程執着していること、それ程までに意志が固いことを確認しました。
海馬なら自身の道に立ち塞がる神(エヒト)も粉砕して目的を達成するでしょう。
さてマスターデュエルでは今度はシンクロフェスティバルが行われますね。
シンクロならではの展開力か5d'sでのシンクロキラーぶりを見せた機光帝か?楽しみですね。
FGOではなかよしセイバーとまだ見ぬ配布鯖が何か期待ですね。
今回も読んでくださりありがとうございました!
次回も遅くならない内に投稿出来るようにします!
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