ありふれた凡骨は決闘者の高みを目指す   作:生徒会長月光

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ライセン大迷宮での試練になります。

それではどうぞごゆっくり。


ライセン大迷宮2

改めてライセン大迷宮では魔法の使用が困難であった。

 

大迷宮に入り魔法の分解が谷底よりも早く魔法職であるユエや回復魔法、及び毒魔法主体の香織は魔法の効果範囲も狭まっておりハジメにとっても多大な影響が出ている。

 

〝空力〟や〝風爪〟といった体の外部に魔力を形成・放出するタイプの固有魔法は全て使用不可となっており、頼みの〝纏雷〟もその出力が大幅に下がってしまっている。

 

ドンナー・シュラークは、その威力が半分以下に落ちているし、シュラーゲンも通常のドンナー・シュラークの最大威力レベルしかない。

 

やはり身体強化の出来るシアや運動神経の良い城之内、海馬、そして霊術が問題なく使える恵理が主体となる。

 

そうして道なりに通路を進み、とある広大な空間に出た。

 

そこは、階段や通路、奥へと続く入口が何の規則性もなくごちゃごちゃにつながり合っておりまるでレゴブロックを無造作に組み合わせてできたような場所だった。

 

一階から伸びる階段が三階の通路に繋がっているかと思えば、その三階の通路は緩やかなスロープとなって一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先が、何もない唯の壁だったり本当にめちゃくちゃだった。

 

「こりゃまた、ある意味迷宮らしいと言えばらしい場所だな」

 

「……ん、迷いそう」

 

「でも昔こういう迷路に憧れてたな~」

 

「まっどこかしらに進めば行けるだろ。」

 

「そうだね。王様の心の迷路の方が余程迷いやすかったね!」

 

「南雲、先程の入口付近同様マーキングを施しつつ進む。行くぞ!」

 

と海馬はどんどん進んでいく。

 

 

「流石社長!どんどん進んでいきますぅ!それにしても流石は腹の奥底まで腐ったヤツの迷宮ですぅ。このめちゃくちゃ具合がヤツの心を表しているんですよぉ!」

 

とシアは先ほどのことをプンプン怒りながらも海馬へ付いていく。

 

「まぁまぁシアさん、気持ちは分かるけど落ち着いて。何事も平常心じゃないと避けれるものも避けれなくなっちゃうから方の力を抜いて。」

 

とハジメはシアのうさ耳を、撫でながら落ち着かせる。

 

「はふぅ~落ち着きますぅ~」

 

「シアさんったら」

 

「……カオリ。考えても仕方ない」

 

なお、先程の海馬がハジメへ言った〝マーキング〟とは

 

ハジメの〝追跡〟の固有魔法のことだ。

 

この固有魔法は、自分の触れた場所に魔力で〝マーキング〟することで、その痕跡を追う事ができるというものだ。生物に〝マーキング〟した場合、ハジメにはその生物の移動した痕跡が見えるのである。

 

今回の場合は、壁などに〝マーキング〟することで通った場所の目印にする。〝マーキング〟は可視化することもできるのでユエやシアにもわかる。魔力を直接添付しているので、分解作用も及ばず効果があるようだ。

 

なので、入ってきた入口にもマーキングは施しているので一度迷宮から出ることも可能である。

 

そうして一行は歩いていると突如海馬が左に避けて歩き出した。

 

「なんだ?海馬の奴いきなり左に避けて」

 

ガコンッ

 

という音を響かせて城之内の足が床のブロックの一つを踏み抜いた。そのブロックだけ城之内の体重により沈んでいる。城之内達が思わず「えっ?」と一斉にその足元を見た。

 

その瞬間、

 

シャァアアア!!

 

そんな刃が滑るような音を響かせながら、左右の壁のブロックとブロックの隙間から高速回転・振動する円形でノコギリ状の巨大な刃が飛び出してきた。右の壁からは首の高さで、左の壁からは腰の高さで前方から薙ぐように迫ってくる。

 

「うぉぉぉおおまっ!?」

 

「回避して!」

 

ハジメは咄嗟にそう叫びつつ、マトリッ○スの某主人公のように後ろに倒れ込みながら二本の凶悪な刃を回避する。香織もそれを真似て同じく回避する。

 

二人とも身体が柔らかいので特に怪我なくやり過ごす。

 

ユエは元々背が小さいのでしゃがむだけで回避した。

 

シアは海馬と共に歩いていたちめトラップに掛からずに済む。

 

城之内は驚きつつも冷静に恵理を抱えて前へと飛ぶことでやり過ごす。

 

何とか回避したようだ。前から「はわわ、はわわわわ」と動揺に揺れる声が聞こえてくる。

 

 

二枚の殺意と悪意がたっぷりと乗った刃はハジメ達を通り過ぎると何事もなかったように再び壁の中に消えていった。第二陣を警戒して、しばらく注意深く辺りを見回すハジメ。しかし、どうやら今ので終わりらしい。ホッと息を吐き後ろを振り返ろうとして、

 

不意に海馬が戻ってきてむんずとハジメ、香織、ユエの三人を引っ張る

 

その行動に城之内が声を掛けようとした瞬間今の今までハジメ達がいた場所に

 

頭上からギロチンの如く無数の刃が射出されまるでバターの如く床にスっと食い込んだ。やはり先程の刃と同じく高速振動している。

 

「あ、危なかった…物理的なトラップだから魔眼石に反応もなかった…海馬さんありがとうございます!」

 

「しっかし良く分かったな海馬!」

 

「ふぅん。この程度のトラップ、幼稚なイタズラに過ぎん。罠とは二重三重に気付かれんように仕掛けるからこそ相手にダメージがゆく。何事も用心することに越したことはないということだ。」

 

と海馬は再び歩き出す。

 

次に待ち構えていたのは傾斜のある階段が歩いていると突然階段が引っ込み角度のあるスロープとなった。

 

しかし海馬は慌てることなく左手に持っていた城之内に作らせていた銀のアタッシュケースを壁に打ち付けると杭とワイヤーが連結した一種の命綱にした。

 

シアは海馬に捕まり、ハジメは香織、ユエを背負い靴に仕込んだ鉱石と義手に錬成して即席のスパイクにして落下を防ぐ。

 

城之内は恵理を背にそのまま伝説の剣を突き刺して何とか落下を防ぐ。

 

こうも対応が早かったのは海馬がいち早く行動したおかげだろう。

 

スロープの先の下を見てみるとカサカサと動く生き物がいてリン鉱石という空気と触れあうと光る鉱物を塗料にしたのか文字が浮かび上がる。

 

彼等に致死性の毒はありません〟

 

でも麻痺はします〟

 

存分に可愛いこの子達との添い寝を堪能して下さい、プギャー!!

 

「なんつう嫌がらせだよ!?」

 

「あれは女の子としても絶対に体験したくないね…」

 

「…あれ?あそこの下…横穴があるっぽいね。」

 

「ほう。ならばそちらから行くとしよう。」

 

と海馬はワイヤー代わりにしたアタッシュケースを下へとどんどん伸ばしていく。

 

「僕たちも行こう!香織、ユエも確り捕まってて!」

 

「うん、ありがとうハジメ君」

 

「…ん、ハジメ凄い頼りになる」

 

「んじゃあ俺たちも行くか。」

 

と城之内はデカイホチキスのようなものを取り出してそのまま勢い良く壁へと突き刺して簡易版の梯子へとするとそのまま下へと降りて横穴へと入るのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ぐぬぬぬぬーーーー!!なにさ!幼稚なイタズラって!!もう怒った!こうなったらあんまり使わないようにしてた溶岩と硫酸、竹付きトラップもそっちに配置してやる!

 

それにヘルモスもヘルモスだよ!どうして私じゃない女を抱っこしてるのさ!そこは私の特等席なのに……ヘルモスにもお仕置きしてやる!吊り天井トラップで潰されて反省させてやる!!」

 

と一人愚痴るミレディであった。

 

ミレディも気付かぬ内に長い時の間に凍りついていた感情がゆっくりと再燃しはじめていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その次のトラップは文字通り天井そのものが降ってくる吊り天井トラップであったが城之内が受け止めることで事なきを得て海馬、シアは先へ脱出して香織、ユエ、恵理も脱出した。

 

「ハジメも早く行け!!俺も流石に限界近いからよ…!」

 

「克也君だけ置いてけないよ!そうだ!克也君剣貸して!」

 

とハジメからバトンタッチしたレイカが城之内から伝説の剣を借りると

 

「多分…行けるはず…それ!」

 

とレイカは氷血の力を使い伝説の剣を主柱にすることで天井がこれ以上落ちてこないように固定した。

 

「長くは持たないから急ご!」

 

「サンキューレイカ!」

 

とそのままトラップを抜け出す。

 

「レイカちゃんポーション飲んだ方が良いよ!」

 

「…ん!いっき!」

 

「ん~でもそれほど疲労感があるわけでもないんだよね。それに何時もよりは力を使ったけどあんまり変わらないみたいだし?」

 

「この迷宮は魔力を分解するのになんでだろうね?」

 

「空気中の水分に干渉しそれを冷やして凝結しているのだろう。体内で生成した魔力を外に放出するというよりは空気中の水分を凍らせている分炎や風といった現象は魔力の分解でなくなるが

 

水分を凍らせている分魔法よりも科学的な説明になる。よって自然現象そのものは分解されないということだ。

 

だがその氷血という技能…まだ何かしらの隠された能力があるのかもしれん。」

 

「要は鍛練しだいでどこまでも伸びるってことだな。」

 

「そうかもしれないね。さっ!気を取り直して行こう!」

 

と歩き出そうとしてまたもや文字が浮かび上がる。

 

〝ぷぷー、焦ってやんの~、ダサ~い〟

 

どうやらこのウザイ文は、全てのトラップの場所に設置されているらしい。ミレディ・ライセン……嫌がらせに努力を惜しまないヤツである

 

「何というか…お茶目な人だったのかな?」

 

「香織さん!?これがお茶目で済む話ではないですよ!」

 

「う~んでもね、なんだか必死な感じがするんだよね?」

 

「必死?」

 

「うん。多分元々そういう人なのかもしれないけどそれだけじゃない…大迷宮を作った目的は後世にエヒト神の打倒を願ってでしょ。だからこれもエヒト神を倒すための試練みたいなものじゃないかな?」

 

「………熱は…ないね…本当に香織?」

 

「ちょっと恵理ちゃん!?」

 

「いや~地球の時の香織を見てた私としては何かホント人の気持ちに気付けるようになったんだなって…僕も嬉しいよ…(T_T)」

 

「あははは、それだけ香織が成長してるってことだよ。」

 

「…お母様、カオリとの出会い今度教えて!」

 

「恵理さん私にも教えてくださいですぅ!」

 

「良いよ、香織の黒歴史とか色々と…」

 

「え~り~ちゃん!!!」

 

「わははははは、じょ、冗談だよ香織」

 

と香織の後ろに般若が見えたので恵理は引き下がる。

 

と同時にガコンと何かを踏み抜いたようで一斉に地面から石槍のような鋭利なものが突き出した。

 

……城之内目掛けて

 

「うおっ!?ちょっ!まっ…のわっっ!?」

 

「克也さん!!それっ!」

 

とウィンが風霊術で城之内の身体を上手く風に乗せてトラップを回避させる。

 

「ふぅ~助かったぜありがとなウィン。」

 

「いえ、克也さんにはいつも恵理がお世話になってますからこれぐらいさせてください。」

 

「ありがとうウィン、それにしても罠が多いけど何だが遠隔で動かしてるのがいくつかある気がするね。」

 

「油断しないで行こう!」

 

"イチャイチャしてたらズブリといくよどこまでも プププ"

 

「ん?何だがこの文字だけ後付け感があるね…?」

 

「ふぅん、俺には関係のないことだ。さっさと行くぞ。」

 

とライセン大迷宮を進んでいく城之内たちであった。




今回はここまでになります。

ライセン大迷宮のトラップの洗礼に合います…が海馬は鑑定スキル等で普通に回避をし、何かあっては大変とシアも付いていってるため原作よりもトラップに掛かる回数が少なめです。

そして海馬はそこまで親切ではないので次いでの城之内たちは見事に引っ掛かり何とかかわし海馬は幼稚なイタズラと言い実は小型モニターで見ているミレディが怒り気味で次々と困難な罠を仕掛けていくものの難なく潜り抜ける。

そして海馬自身も改造したアタッシュケースのギミックはいくつかあるので活用されていく予定です。

城之内はでかめのホチキスの針にて足場を作り先へ進むために工夫したりで突破。

これはMOTHER3というゲームにてダスターという人物が崖など足場のない場所にカベホチという技にて足場を作り出す技能です。

他にも敵の動きを一時的に止めることも出来ます。

香織は迷宮がエヒト打倒を願って造られたものだからこそ試練の一部なのではと思いそんな香織を恵理は熱がないか再確認しました。

原作よりもハジメの正妻として人の心に寄り添おうと成長している姿を雫がみたら大変驚きそうですね。

場合によっては地球でのポジションが変わるかもですね。

城之内への思いで暴走する雫を止める香織…

いつか恵理と香織の出会いも書きたいですね。

FGOではまだ更新ないですがそろそろ何かしら知らせがあると思います。

ハロウィンイベントも終わりが近付いて来ているのでプリテンダー九紋竜エリザまだの方はお早めに。

それでは今回も読んで頂きありがとうございました!

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