ありふれた凡骨は決闘者の高みを目指す   作:生徒会長月光

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前回最奥に辿り着いた城之内たちにゴーレムが襲いかかってきた所からになります。

それではどうぞごゆっくり!


ライセン大迷宮4

ゴーレム騎士達の動きは、その巨体に似合わず俊敏だった。ガシャンガシャンと騒音を立てながら急速に迫るその姿は、装備している武器や眼光と相まって凄まじい迫力である。まるで四方八方から壁が迫って来たと錯覚すらしそうだ。

 

「オラァァァァ!」

 

と城之内はサラマンドラを振りかざして剣を持った騎士を相手取る。

 

ガキィンという音と共につばぜり合いになるので何度目かの衝突の時に城之内はサラマンドラを少し横に傾けることで剣を受け流すと勢い良く地面にめり込む。

 

「恵理!」

 

「うん!ウィン合わせるのお願い!水霊術!」

 

「任せてください!風霊術!」

 

と勢い良く出た水霊術によるウォーターカッターに風霊術が加わり威力がましそのままズバンと騎士を両断する。

 

ハジメ、香織の方は両手のレールガンでの火力不足を補うように途中途中ハジメからレイカへと変わり氷の槍やデカイ杭のようなものでゴーレム騎士たちの身体にヒビを入れそこへレールガンを撃ち込んだり香織がユエの魔力を込めた矢を撃ち込み対処する。

 

それでも対処しきれない場合はユエが控えて水系の中級魔法〝破断〟でなぎ払う。

 

破断は空気中の水分を超圧縮して撃ち放つウォーターカッターだ。

 

ユエは両手に金属で出来た大型の水筒を持っていた。肩紐で更に二つ同じ水筒を下げている。これらは、ハジメの〝宝物庫〟から取り出してもらった物だ。ユエが、その水筒をかざして魔法名を呟く度にウォーターカッターが水筒より飛び出し敵を切り裂いていく。

 

ユエは、魔法で空気中の水分を集めるよりも、最初からある水分を圧縮してやる方が魔力消費が少なくて済むと考えたのだ、また照準は水筒の出口を向けることで付けており、飛び出たウォーターカッター自体は魔力を含まないものなので分解作用により消されることもない。

 

これもレイカが氷血で証明しているため魔法のエキスパートたるユエにとっては朝飯前であった。

 

さてシアの方は青みがかった白髪をなびかせ、超重量の大槌を大上段に構えたまま飛び上がりゴーレム騎士へと飛び掛かる。限界まで強化したその身体能力を以て遠慮容赦の一切を排した問答無用の一撃を繰り出す。

 

「でぇやぁああ!!」

 

ドォガアアア!!

 

気合一発。打ち下ろされた大槌ドリュッケンは、凄まじい衝撃音を響かせながら一体のゴーレム騎士をペシャンコに押しつぶした。一応、騎士も頭上に盾を構えていたのだが、その防御ごと押しつぶされたのだ。

 

地面にまで亀裂を生じさせめり込んでいるドリュッケン。渾身の一撃を放ち、死に体となっていると判断したのか、盾を構えて衝撃に耐えていた傍らの騎士が大きく大剣を振りかぶりシアを両断せんと踏み込む。

 

シアはそれをしっかり横目で確認していた。柄を捻り、ドリュッケンの頭の角度を調整すると、柄に付いているトリガーを引く。

 

ドガンッ!!

 

そんな破裂音を響かせながら地面にめり込んでいたドリュッケンが跳ね上がった。シアの脇を排莢されたショットシェルが舞う。跳ね上がったドリュッケンの勢いを殺さず、シアはその場で一回転すると遠心力をたっぷり乗せた一撃を、今まさに大剣を振り下ろそうとしている騎士の脇腹部分に叩きつけた。

 

「りゃぁあ!!」

 

そのまま気迫を込めて一気に振り抜く。直撃を受けた騎士は、体をくの字に折り曲げて、まるで高速で突っ込んできたトラックに轢かれたかのようにぶっ飛んでいき、後ろから迫って来ていた騎士達を盛大に巻き込んで地面に叩きつけられた。騎士の胴体は、原型を止めないほどひしゃげており身動きが取れなくなっているようだ。

 

ヒュンヒュン

 

そんな風切り音がシアのウサミミに入る。チラリと上空を見ると、先程のゴーレム騎士が振り上げていた大剣が、シアに吹き飛ばされた際に手放なされたようで上空から回転しながら落下してくるところだった。シアは、落ちてきた大剣を跳躍しながら掴み取ると、そのまま全力で、迫り来るゴーレム騎士に投げつけた。

 

大剣は豪速で飛翔し、ゴーレム騎士が構えた盾に衝突して大きく弾く。シアは、その隙を逃さず踏み込み、下段からカチ上げるようにドリュッケンを振るった。腹部に衝撃を受けた騎士の巨体が宙に浮く。苦し紛れに大剣を振るうが、シアはカチ上げたドリュッケンの勢いを利用してくるりと回転し、大剣をかわしながら再度、今度は浅い角度で未だ宙に浮く騎士にドリュッケンを叩きつけた。

 

先のゴーレム騎士と同様、砲弾と化してぶっ飛んだゴーレム騎士は後続の騎士達を巻き込みひしゃげた巨体を地面に横たわらせた。

 

その後ゴーレム騎士の剣を回収しつつシアは笑う。

 

自分自身強くなってる感覚がし海馬の期待に応えたい、ハジメたちの横に並び立ちたいとドリュッケンを振るう。

 

気を抜いていないものの肩に力が入りすぎ動きが一瞬鈍った瞬間を逃さずゴーレム騎士は剣を投げる。

 

それも弾くシアだがドリュッケンで弾いた瞬間に時間差で投げたもう一本が迫る。

 

その衝撃を耐えようとギュッと目をつぶるがその剣を海馬がゴーレム騎士から奪った剣で弾く。

 

「バカ娘、気を抜かぬのは誉めよう。しかし気を張りすぎるな。

 

気を張ることにより身体の筋肉が硬直し対処できるものすら出来なくなる。

 

気を張りすぎず気を抜かぬその空気は実戦でしか養えん。

 

最善の状態で最高のパフォーマンスを発揮するのは当然のことだが疲労した中での最低値を上げること。それが貴様の課題だ。

 

最低値を知れば自ずと自分の限界というものも計れよう。」

 

「は、はいです!」

 

「身体の力は抜け。それでいて相手の動きの一挙一動を見て隙を逃さずそこを突け。」

 

その言葉通りシアは身体の力を抜きゴーレム騎士の動きを見て対処し段々と慣れていく。

 

しかしゴーレム騎士を何度倒してもキリがない

 

「こいつらなんだって数が減らねぇんだ!?」

 

「城之内君!このゴーレム再生というか再構築されてる!それに遠隔操作されてるからこことは違う所からここを見てるんだと思う!」

 

錬成師であるハジメの鉱物系鑑定をしたところ

 

感応石という魔力を定着させる性質を持つ鉱石が使われていて同質の魔力が定着した二つ以上の感応石は、一方の鉱石に触れていることで、もう一方の鉱石及び定着魔力を遠隔操作することができる。

 

 

「……ハジメ、ゴーレムなら核があるはず」

 

ユエの言う通り、ゴーレムは体内に核を持っているのが通常であり、その核が動力源となる。核は魔物の魔石を加工して作られている。オスカーのお掃除ゴーレムの設計書にもそう記されてあった。ユエは、その核を壊そうと言っているのだ。

 

しかし床にも感応石が所々に使われており、まるで削り出したようにかけている部分が見られる。ゴーレムのかけた部分の補充に使われたに違いない。操っている者を直接叩かないと本当にキリがないようだ。

 

「ふぅん…ならばここに用はなかろう、バカ娘の経験を積ませるという一応の目的は果たした。行くぞ!」

 

と海馬は奥にある扉へと悠々と歩く。

 

「しゃ、社長!?ゴーレムたち動いてますから!」

 

とシアは海馬へ向かうゴーレムをドリュッケンとゴーレム騎士たちの剣を使いなぎ払う。

 

城之内たちも奥へと進むと扉は封印されていた。

 

見るからに怪しい祭壇と扉なのだ。封印は想定内。だからこそ、最初は面倒な殲滅戦を選択したのだ。扉の封印を落ち着いて解くために。シアは、案の定の結果に文句を垂れつつも、階段を上ってきた騎士を弾き飛ばす。

 

 

「封印の解除はユエに任せる。僕の錬成で突破するのは時間がかかりそうだ」

 

殿を務めていたハジメが城之内とシアの隣に並び立った。ハジメの言う通り、錬成で強引に扉を突破することは、もしかすると可能かもしれないが、この領域では途轍もない魔力を消費して、多大な時間がかかることだろう。

 

それなら、せっかく如何にもな祭壇と黄色の水晶なんて物が置かれているのだから、正規の手順で封印を破る方がきっと早い。ハジメはそう判断して、戦闘では燃費の悪いユエに封印の解除役を任せる。

 

「ん……任せて」

 

ユエは、二つ返事で了承し祭壇に置かれている黄色の水晶を手に取った。その水晶は、正双四角錐をしており、よくみれば幾つもの小さな立体ブロックが組み合わさって出来ているようだ。

 

ユエは、背後の扉を振り返る。其処には三つの窪みがあった。ユエは少し考える素振りを見せると、正双四角錐を分解し始めた。

 

分解し、各ブロックを組み立て直すことで扉の窪みにハマる新たな立方体を作ろうと考えたのだ。

 

分解しながら、ユエは、扉の窪みを観察する。そして、よく観察しなければ見つからないくらい薄く文字が彫ってあることに気がついた。それは……

 

〝とっけるかなぁ~、とっけるかなぁ~〟

 

〝早くしないと死んじゃうよぉ~〟

 

〝まぁ、解けなくても仕方ないよぉ! 私と違って君は凡人なんだから!〟

 

〝大丈夫! 頭が悪くても生きて……いけないねぇ! ざんねぇ~ん! プギャアー!〟

 

何時ものウザイ文だった。めちゃくちゃイラっとするユエ。いつも以上に無表情となり、扉を殴りつけたい衝動を堪えながらパズルの解読に集中する。

 

「ユエちゃん大丈夫そう?私も何か手伝えることある?」

 

と香織はユエの後ろから声をかける。

 

「…………カオリが抱きしめてくれたら早く解けそう。」

 

「わかった!」

 

と香織はユエを後ろから抱きしめる。

 

香織の暖かさに包まれ先程まで怒りに染まった思考はほぐされうざい文章も気にならなくなる。

 

何となく、背後から尊さ溢れる気配を感じながら、ハジメとシア、城之内、ウィン、恵理は触らぬ神に祟りなしと前方の群れるゴーレム騎士達の排除に集中した

 

果たして香織に抱きしめられたユエは扉を開けることは出来るのか!

 

続く。




今回はここまでになります。

ゴーレム戦にて原作では気を抜いた部分をユエに指摘されたシアですがこちらでは気を張りすぎていつものパフォーマンスが出来ておらず海馬はそんなシアへと心構えを諭してシアはゴーレムの対処に慣れていきました。

シアはドリュッケンのみならず海馬から剣やら槍やら色々な武器の指南を受けているので一通り武器は使えるもののドリュッケンが一番しっくりくるのでそちらを使ってます。

そしてミレディが操るゴーレムを突破し封印された扉を開けようとユエが奮闘。

うざい文章も香織に抱きしめられ安心した気持ちで取り掛かるのでした。

原作知ってる方ならこの後の展開は予想できますが長くなりそうなので一度切りました。

さてFGO BOXイベも終わり残るは第7章なのでそちらも楽しみです。

それでは今回も読んで頂きありがとうございました!

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