それではごゆっくりどうぞ。
訓練に明け暮れること数日。
あの夜の後リリアーナ王女とのつてが出来たハジメは近々王宮お抱えの職人たちの元で鍛冶や錬成の腕を鍛えて貰う手筈を整えていた。
漸く自分にあった訓練をすることが出きるとハジメはやる気を出し図書館で様々な種族のことを知る。
図書館でトータスの知識を蓄えるハジメは考えに更けていると訓練の時間を思いだし急いで訓練施設へと向かう。
訓練施設に到着すると既に何人もの生徒達がやって来て談笑したり自主練したりしていた。どうやら案外早く着いたようである。ハジメは、自主練でもして待つかと、支給された西洋風の細身の剣を取り出した。
とその時、唐突に後ろから衝撃を受けてハジメはたたらを踏んだ。なんとか転倒は免れたものの抜き身の剣を目の前にして冷や汗が噴き出る。顔をしかめながら背後を振り返ったハジメは予想通りの面子に心底うんざりした表情をした。
そこにいたのは、檜山大介率いる小悪党四人組(ハジメ命名)である。訓練が始まってからというもの、ことあるごとにハジメにちょっかいをかけてくるのだ。ハジメが訓練を憂鬱に感じる半分の理由である。
「よぉ、南雲。なにしてんの?お前が剣持っても意味ないだろが。マジ無能なんだしよ~」
「ちょっ、檜山言い過ぎ! いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」
「なんで毎回訓練に出てくるわけ? 俺なら恥ずかしくて無理だわ! ヒヒヒ」
「なぁ、大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」
一体なにがそんなに面白いのかニヤニヤ、ゲラゲラと笑う檜山達。
「あぁ?信治、お前マジ優し過ぎじゃね? まぁ、俺も優しいし?稽古つけてやってもいいけどさぁ~」
「おお、いいじゃん。俺ら超優しいじゃん。無能のために時間使ってやるとかさ~南雲~感謝しろよ?」
と言いながらハジメを人目の付かないところへと連れていこうとするが檜山だが一歩進んだところで
スポッ
「「「は?」」」
と突然開いた落とし穴に吸い込まれるように落ちた。深さはそれほど深くはないものの簡単にはよじ登れないほどの深さだ。
何の脈絡もなく落とし穴が出来たので檜山以外の三人はハジメが何かしたかと思う前にその三人の足元にも落とし穴が発生し檜山同様間抜けな表情で落ちた。
「いったいなにが?」
とハジメも状況を把握出来ていなかったが
「南雲君!檜山君たちに絡まれてたように見えたから急いできたんだけど怪我はない!?」
「う、うん僕は大丈夫だよ、白崎さん。でも檜山君たちが何故か落とし穴に落ちてね。いったいどういうことなのか?」
「南雲!無事か?」
「城之内君!」
「何かヤバそうな気がしたから咄嗟に罠カードを使ったんだがちゃんと発動したみたいで安心したぜ。」
「罠カード?」
「落とし穴のカードだ!いや~色々試してて装備カードを俺が使ったりしててそういう罠カードも発動するか不安だったが上手く発動してくれて良かったぜ。」
どうやら城之内は装備カードを試していてハジメが何処かに連れていかれそうなのを見つけて咄嗟に引いていた落とし穴のカードで檜山たちを落とし穴に掛けたようである。
因みに装備カードは自身の魔力を消費して召喚が出来るようで威力は魔力を込めたりで変わるようである。
モンスターも召喚出来るようであるが余り目立つような真似はしないようにと恵理から釘を刺されていて人に近いモンスターといったものでランドスターの剣士といった攻撃力は低いものの今の城之内にとっては良い訓練になるため召喚したモンスターと戦ったりして鍛えている。今はどうやら格闘戦士アルティメーターを召喚しているようで城之内の側で佇んでいる。
「そうだったんだね。ありがとう、城之内君!」
「南雲君いつもあんな絡まれ方してるの?もしそうだったらいつでも言って!」
「いつもではないから…」
「南雲君遠慮はいらないわ。その方が香織も納得するだろうからね。」
と香織たちの様子を見に来た雫が言う
ここで終われば良いのだがまた残念ポンコツ勇者が
「だが南雲もいつまでも城之内にばかり頼っていて努力をしないのは良くない!
弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう?聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてるよ。
南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」
…………流石のこの言い分に雫は頭を抱える。何処からどう見ても今のは檜山たちが悪いのだ。しかし何を思ったのかこの幼馴染みは南雲君も悪いと言うのだ。
学校でも事あるごとに絡んでいたのを見ているのにこう言いしかも悪気もなく人の性善説で判断をするのだから始末に負えない。
「てめぇはバカか?南雲の何処を見たら不真面目だって言えるんだ?」
「だが図書館で読書なんて他のクラスメイトはこの国を救うために訓練して…」
「南雲は他の奴らと違って本来後衛職なんだ。お前たちと違って攻撃の手段がどうしても限られてくる。
それを南雲は知識で補おうとしてるんだ!
お前が言ってるのは勉強が得意で運動が苦手なやつで一生懸命やってるやつに不真面目だからちゃんとやれって言ってるのと同じことだ。
それにお前たちは一度でもこの世界の歴史を知ろうとしたか?した上でこの国を救いたいのか?」
「いや、そういう訳じゃないが助けてほしいと言われたし俺たちに力があるのだから救わないと」
「それならおめぇは王国の職人たちをバカにしてるってことだな。」
「そんなことは言ってない!」
「王国の職人たちはな、メルドのおっさんや騎士たちに剣を打ったり色々なサポートをしてる。
南雲をバカにするってことはそういう職人たちの事だってお前は疎かにしてるってことになるんだ!
そしてさっきの檜山たちの行動を見て何で南雲が悪いってなるんだ?普通はあいつらの方が悪いってわかるだろ。」
「それは彼らなりに南雲を思って…」
「…イジメなんてな、特に理由がないのにやるなんて良くあることなんだよ。
自分よりも弱そう、態度が気にくわねぇ、人気者に構われてて妬ましいなんていくらでもあるがな
悪意がなきゃイジメなんておこりゃしねぇんだよ。」
「そんなことはない!人はそんな簡単には行動に移すわけがない。きっと何かしら事情がある筈。話し合えば和解できる…」
「今の俺だから言えることだがもしそうやって孤立しちまってるなら俺はそいつ以外の敵になったってそいつの味方をする。」
「何で…」
「ダチだからだ!そこに理由なんていらねぇ!本当にそいつを思ってるなら自分が孤立しようが関係ねぇ!本当に大事なやつを俺は守るだけだ!」
「城之内ぐん」グスン
「クッ」
「分かったら、さっさと訓練に戻りな。人も集まってきちまったしな。」
と訓練施設にクラスメイトが集まりつつあるので光輝は何か言いたそうであったがそのままハジメたちから離れていった。
「城之内ぐ~ん、ありがどう」(;_;)
「あぁほら泣くんじゃねぇ南雲!お前は何も悪りぃことしてねぇんだから堂々としてて良いんだ!ほらハンカチやるよ。」
「あ~克也、南雲君泣かせた~いけないんだ~」
「うおっ!恵理!人聞きの悪いこと言うんじゃねぇよ。」
「冗談だよ。あの残念ポンコツ勇者(笑)とのやり取りは見てたから大体分かってるよ。」
「南雲君。私も南雲君の味方だからね!何かあったら言って!」
「ありがどう白崎さん!」
「ホントに光輝がごめんなさいね。」
「八重樫が謝ることじゃねぇさ。何かありゃ何時でも言いな!力を貸してやるからよ。」
「……ねぇ城之内君…」
「なんだ?」
「もし…もしもね、私がイジメられてたらさっき言ったように守ってくれる?」
それは雫が昔に受けた女らしくない、男女、あんたっておんなだったの?といった酷いイジメのトラウマからなのか気付けば城之内に話しかけていた。
「あぁ!守ってやる!友達は守るってこの城之内克也様は決めてんだ!」
「ありがとう。………もしあなたがあの時にいてくれたらなぁ」ボソッ
「雫ちゃん…」
「ほら克也!雫口説いてないで今日も訓練するよ。」
「口説いてねぇって。ったく、」
と城之内も訓練に戻る。
そしてアルティメーターとの組み手や恵理は自分のカードの力を降霊させて、魔法を操り連度を高めている。
魔方陣を介さないのを見てメルド団長らは流石異世界からの使徒と感心していた。
因みに檜山たち4人はメルド団長らが来て漸く助け出された。そしてハジメに見当違いの感情を向けるのであった。
そして訓練も終わりいつもであれば夕食までは自由時間なのだがこの日は違った。
今回はメルド団長から伝えることがあると引き止められた。何事かと注目する生徒達に、メルド団長は野太い声で告げる。
「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ!
まぁ要するに気合入れろってことだ!今日はゆっくり休めよ!では解散!」
着実に運命は近付いていた。
今回はここまでになります。
訓練の時の様子になります。
城之内が咄嗟に使った落とし穴のカード。魔力もそこまで込めてなかったので途轍もなく深いというようなこともなかったです。
流石に串刺しの落とし穴はオーバーキルになるので止めときました。
独自設定として装備カード召喚時は込めた魔力分だけ威力も上がります。元々の威力ブラスみたいな感じにしていこうと思います。鎖付きブーメランなら筋力+500といった感じです。モンスターは低レベルのものであれば普通にデュエルディスクを通じて召喚でき、共に戦ってもくれます。
上級モンスターなどはステータス外の気力によって、召喚してられる時間は変わりますが城之内には不屈の闘志が、あるので気力が減少することはあれど途切れることはないので普通に召喚できます。
そして光輝節が発動するものの城之内が諭すようにそれを止めました。
彼も昔遊戯を苛めていたのもありどういうことでイジメをしてしまうのか分かっているからこその言い分になります。
本人もこのときの事は反省してもう二度としないと固く誓っています。
余りの男気にハジメ思わず涙が出ました。何だかんだ城之内も遊戯に似ているところがあると無意識に思っているのかハジメを構っています。
そして雫も思わず問いかけてしまいます。
光輝の幼馴染みだからと周りから敵視され光輝が話し合えば和解できると更に悪化をさせて女の子らしい感情を表にだすことが出来なくなってしまったように思います。
本人は自分を女の子として扱ってほしいと思っている面もあって自分を守ってくれるほどの頼もしい男性が好みのタイプである。
……あれ?城之内とかまさにそれではと思ってしまいますね。
恵理もまだ気になる程度だけど何かしらあればコロッといきそうだなとは感じています。
この世界の恵理は克也を大事にしてくれる人なら良いかなと考えているので克也のお嫁さんが増えても気にしないものの自分が一番だからと独占欲もとい本妻の余裕があります。原作よりはましですがそれでも愛が深いor重い。
そして次回からオルクス迷宮へと入っていきます。原作の月下の語らいは同じようなものなので飛ばそうかと思います。
それでは今回も読んで頂きありがどうございました。
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