ありふれた凡骨は決闘者の高みを目指す   作:生徒会長月光

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タイトルの通りになります。

それではどうぞ!


ベヒモス戦そして…

メルド団長の狼狽え具合を見た限り途轍もないほどの危機が迫っていることを全員が悟った。

 

後ろの無数の魔法陣からは、骨格だけの体に剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。空洞の眼窩からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に百体近くに上っており、尚、増え続けているようだ。

 

さらに十メートル級の魔法陣からは体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現し、それをメルド団長はベヒモスと呟いた。もっとも近い既存の生物に例えるならトリケラトプスだろうか。ただし、瞳は赤黒い光を放ち、鋭い爪と牙を打ち鳴らしながら、頭部の兜から生えた角から炎を放っているという付加要素が付くが……

 

ベヒモスという魔物は、大きく息を吸うと凄まじい咆哮を上げた。

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

「ッ!?」

 

その咆哮で正気に戻ったのか、メルド団長が矢継ぎ早に指示を飛ばす。

 

「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」

 

「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

そうしている間にもベヒモスは、勢いを付けてこちらを轢き殺さんとばかりに咆哮をあげて突進してくる。

 

団員たちが障壁を張るもののその突進の威力だけで障壁にヒビを入れる。

 

更には橋にも亀裂が走りこのままでは危ないと判断した城之内は

 

「恵理!護封剣だ!」

 

「うん!光の護封剣!」

 

と空中から無数の光の剣がベヒモス目掛けて降り注ぎ完全に動きを止めさせた。

 

「メルドのおっさん!護封剣も長くは持たねぇ!今のうちにずらかるぜ!」

 

「すまん!」

 

「待ってください!身動きの取れない今、倒さないと皆が…」

 

「バカヤローそれよりもクラスメイトを良く見やがれ!このままだと何人も死んじまうんだぞ!魔物倒すより命を救う方が先決だろうが!」

 

「克也の言う通りだ!トラウムソルジャーでも三十八階層に出現する魔物。今までの魔物よりも遥かに強い!早く撤退をするんだ!」

 

「でも、」

 

という間に光の護封剣の効力が弱まり再び障壁に突進してくるベヒモス

 

一方のクラスメイトたちはトラウムソルジャーと現在も体当たりをするベヒモスに恐怖を感じ、パニックを起こしていた。

 

そしてその内の一人である園部優花はパニックのなかで押し出されトラウムソルジャーの凶刃に命を奪われかける。

 

しかしそれは地面を錬成し隆起をさせたハジメにより事なきを得る。そしてハジメは全員が生き残るのには光輝の力が必要だと素早くベヒモスの方にいる光輝のもとへと走る。

 

「天之河くん!早く撤退を! 皆のところに! 君がいないと! 早く!」

 

「いきなりなんだ? それより、なんでこんな所にいるんだ! ここは君がいていい場所じゃない! ここは俺達に任せて南雲は……」

 

「そんなこと言っている場合かっ!」

 

ハジメを言外に戦力外だと告げて撤退するように促そうとした光輝の言葉を遮って、ハジメは今までにない乱暴な口調で怒鳴り返した。

 

いつも苦笑いしながら物事を流す大人しいイメージとのギャップに思わず硬直する光輝。

 

「あれが見えないの!? みんなパニックになってる! リーダーがいないからだ!」

 

光輝の胸ぐらを掴みながら指を差すハジメ。

その方向にはトラウムソルジャーに囲まれ右往左往しているクラスメイト達がいた。

 

恵理も精霊術でなぎ払ってはいるもののクラスメイトも大勢いるなかでは本来の威力を出せず物量で押しきられてしまっている

 

訓練のことなど頭から抜け落ちたように誰も彼もが好き勝手に戦っている。効率的に倒せていないから敵の増援により未だ突破できないでいた。スペックの高さが命を守っているが、それも時間の問題だろう。

 

「一撃で切り抜ける力が必要なんだ! 皆の恐怖を吹き飛ばす力が! それが出来るのはリーダーの天之河くんだけでしょ! 前ばかり見てないで後ろもちゃんと見て!」

 

「南雲のいうとおりだ!早く行け!」

 

と光輝たち前衛が動き出すと同時に障壁が完全に割れる。

 

その衝撃でメルド団長たちが吹き飛ばされる。

 

その光景に覚悟を決めた城之内は一人ベヒモスへと立ち向かう。

 

「南雲!八重樫!メルドのおっさんたち連れて先行け!」

 

「城之内くんは!?」

 

「出来る限りこいつを足止めする!その後は退路を確保したら直ぐにずらかる!早く行け!」

 

と城之内は鎖付きブーメランと伝説の剣を携えて一人ベヒモスへと突撃する。

 

なおも突進するベヒモスに鎖付きブーメランをその片足へと巻き付かせ思い切り引っ張り踏ん張りを付けさせないようにし、勢いを削ぐ城之内。

 

さらに伝説の剣で斬り付けるがその皮膚は固く浅く斬り裂くに留まる。

 

そして頭部が赤熱化し、更に突進してくる。

 

咄嗟に下がり鎖付きブーメランを解除するとマジックアームシールドを召喚しそのアームハンドがトラウムソルジャーを数体鷲掴みするとベヒモスの進路へと誘導しそのまま衝突をさせる。

 

腕に痺れを感じた城之内だがそれでも何とか時間を稼ごうと必死で食らいつく。

 

そしてそれを見たハジメは全員が助かる方法を取るために行動を取る。

 

「城之内君!」

 

「南雲!早くお前も避難しろ!」

 

「それよりも全員が助かる方法が一つあるんだ!協力してくれる?」

 

「わかったぜ!お前を信じる!」

 

と城之内は再びマジックアームシールドでトラウムソルジャーを、つかむと今度は挑発するするようにベヒモスを、誘う。

 

そしてまた突進するベヒモスに向かって伝説の剣のはらを渾身の力で叩きつける。

 

そして頭部をめり込ませるベヒモスに、ハジメが飛びついた。赤熱化の影響が残っておりハジメの肌を焼く。しかし、そんな痛みは無視してハジメも詠唱した。名称だけの詠唱。最も簡易で、唯一の魔法。

 

「錬成!」

 

ベヒモスは足を踏ん張り力づくで頭部を抜こうとするが、今度はその足元が錬成される。ずぶりと一メートル以上沈み込む。更にダメ押しと、ハジメは、その埋まった足元を錬成して固める。

 

ベヒモスのパワーは凄まじく、油断すると直ぐ周囲の石畳に亀裂が入り抜け出そうとするが、その度に錬成をし直して抜け出すことを許さない。ベヒモスは頭部を地面に埋めたままもがいている。

 

そして何度目かの錬成で退路を確保したメルドたちからの合図もあり、城之内は魔力を使い果たしたハジメをそのまま背負い急ぎ距離を取る。

 

そして魔法による一斉照射がベヒモスへと降り注ぐ。

 

その魔法による一斉照射を、潜り抜け城之内は細心の注意を払い走る。いよいよ大丈夫と思った矢先、一つの火球が二人へと降り注いだ。

 

幸いにして、直撃は避けたもののその衝撃によって後ろへと後退してしまった。そしてベヒモスの最後の足掻きとばかりに突進をして橋に衝撃をはしらせる。

 

そして橋が崩落する。

 

ベヒモスは断末魔を叫びながら橋より落ち、城之内は必死にハジメを落とさないように背負い気合いで何とか崩落する橋を走り体勢を崩しながらも橋の崩れた端に何とかしがみついた。

 

高校生一人を背負い自分の体重を支えるというのはあまりにも無茶である。城之内の腕は悲鳴をあげるが絶対に離してなるものかと必死に食いつく。

 

「城之内君!このままだと二人とも落ちる!それなら僕みたいな無能を置いて君だけでも…」

 

「バカヤロー!んなこと二度と言うんじゃねぇ!お前は無能なんかじゃねぇ!誰よりも勇気のある立派な男だ!それに仲間を見捨てて一人で逃げるなんて出来るか!俺は友達は見捨てねぇ!

 

「城之内君…」

 

そして何とか腕の力だけで這い上がる城之内。

 

それに安堵を洩らす香織と、恵理。

 

後は皆の前に戻れば無事に脱出…

 

ガラガラッ

 

しかし現実は非常…

 

這い上がった場所も崩れてしまう。

 

このままだと二人とも落ちちゃう。ハジメは自分を友達と言ってくれた城之内を救うために限界を超えて

 

「錬…成…」

 

本来は手で触らなければならないのだが土壇場で足でも錬成することが出来るようになり橋を錬成しなおしてこれ以上崩落しないようにして、

 

ドンッ!

 

城之内を思い切り前へと突き飛ばす。

 

その反動でハジメは奈落へと落ちてしまう。

 

その懐へある城之内のもつ二枚のカードが入り込む。

 

城之内は必死に手を伸ばすものの届かない。

 

(あぁこれは走馬灯ってやつなのかな僕は父さんや母さんの仕事の手伝いをして何時かは同じように働きたいと思ってた。そのための手伝いをして友達何ていらないって

 

でも、短い間でも僕を友達だって言ってくれたこと、誰でもない僕の味方をしてくれるって言ってくれた城之内君。

 

もし僕が女の子だったら惚れてたなぁ…君と友達になれたことは僕の一生の宝物だ。だから)

 

「ありがとう…生きて城之内君」

 

「南雲ーーーーーーーー!!!」

 

さようなら




ベヒモス戦終了です……

原作通りハジメは城之内を救うために奈落へと落ちることになりました。

ハジメなりに城之内が、味方をしてくれたことは心を安らぐ時間でした。無能の自分を友達と言ってくれた城之内を救いたいとある種の自己犠牲で最後に別れを告げて奈落へと落ちることに。

犯人は原作通りと言っておきます。

動機は嫉妬と妬みによるものであり、城之内がどんどん力を手に入れていることを妬み、香織から好意を寄せられているハジメに嫉妬しどさくさに紛れてという感じです。

なおこのときのことはバッチリ恵理が見ているので後程、闇霊術 欲を使い自分が死ぬ悪夢を日常的に見せられることになり精神的に追い詰める予定です。城之内を殺そうとし、更にはデュエル仲間のハジメを落とした犯人をじわりじわりと精神的に死ぬよりも辛い目に合わせ、後悔しても許さないとのこと。

そしてハジメの淡い思い…

いや女体化はしませんよ。

確かにやってもとは思いますがそれだとユエとくっつかないのと香織との展開も巻き起こらないのでやりません。

ただ変異するなかで中性的な容姿になる可能性はありますが…

ある程度進んだらifでやっても……

落ち着いてから考えます。

そしてハジメのもとに二枚のカードが。

これが奈落を生きるためのキーカードになります。

因みに一枚は魔法カードです。

生きるためには何が必要かと思えばあるものが必要なのでといっておきます。

そして次回からの展開にご期待してくださると嬉しいですね。

今回も読んで頂きありがとうございます。

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