享楽、懊悩。メンヘラおじさん 作:ちりぬる男
やあ
◉ winter nose ★フォロー
【沈黙 無音】
来たよー 久しぶり やあ
【沈黙】
【クリック音、bgmがかかる】
いい選曲じゃん
「やぁやぁ、元気だったかい?私は元気だった」
だろうね 知ってた
「え?何で知ってたの?エスパーかな君達は」
なんででしょうねえ なんでやな
「というわけで、半年ぶり、いや5ヶ月ぶり……かな?どうなんだろ……まー、んなことどうでもいいわな。……ニヨニヨのみなさんお久しぶりでございます、ナツメと申します。不肖ものですがよろしくお願いします〜」
最近なにやってたんですか(すっとぼけ)
「何をやってたか?君たち、聞きたいか?」
教えて ちゃんと口に出して言ってみな
「Vtuberやってました!!」
言えたじゃねえか ナツメさん、そうなんですか? どうだUtubuの空気うまいか?
「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき…… なんていうと思ったかバカめ。所詮ニヨニヨは先の時代の敗北者だろうがよ!「漆野さくらちゃん」の切り抜きでも見とけや!」
ちくしょう…… ひどい、こんなに殴らなくても 切り抜き、泣きながら見てます
「ええ、なんで泣いてんの……。気持ち悪い……」
戦争か? Vもキモいよ
「Vがキモいだとぉ?!そういう君たちのために半年に一回実家に帰ってきてあげてるんじゃん。感謝しなよ」
うざい 帰ってこなくてもいいよ
「だから偏屈だって言われるんだよ。というわけで今からさくらちゃんの切り抜きをみんなで見よう。実質私だから、まあ私が喋んなくても勝手に喋ってくれるでしょってことで。んじゃ、サイズリア行ってくるんで、ばいばい。」
じゃあね ばいばい 最低ですね 視聴者のことなんだと思ってるんですか?!
「数字だと思ってるよ〜。……っていうかちゃんと止めてよ。うそうそ。行かない行かない。行かないから、とりあえず切り抜きをみよう」
切り抜きは見るんだ……
「見たくない?私の勇姿」
誇らしげじゃん 勇姿というほどでもない もう見た
「もう見た?!見てくれたのぉ?!視聴者がデレた!よし、見よう。3時間は見よう。タバコ吸ってくるから10分後に会おうな。って、もう9時じゃん」
今公開されたさくらの動画を見てくる
「お、行っといで!いい心がけだよ。私はヤニ食ってくる!じゃあミュートするわ!」
【Twitter:漆野さくらのアカウント更新】
【10数分後】
「ヤニくっそうまかったわ」
Twitter更新しとるやんけ
「え、監視してんの?よく見てくれちゃって、まあ。君らのこと忘れたわけじゃないから、ね?よし、次の切り抜き動画はこれだ!」
【千景とのコラボ動画】
「どうだい、かわいいだろ千景ちゃん」
ナツメよりはかわいいかもね
「わかってるじゃん。千景ちゃんの、こう、なんていうのかな純粋なところ?うん、あと、知識に乏しいところだよね。セクハラしてもバレない……。いや、セクハラはしてない、してない!してないけど、やっても不思議そうに見つめられるだけで事を済ませられそうだなっていう確信がある。うん、いいね。ふふ、私が守ってあげたい。うん、守りてぇな。……守らなきゃ。」
出た なんて残念な子 癖が出てますよ! 正体表したね
「正体も何もそういうスタンスでずっとやってるじゃん。一応、私は頼りになる先輩のツラして接してるから、SNSとか配信のチャットとかで伝書鳩飛ばすのだけは勘弁してください、まじでお願いします、ほんと、マジで」
この切り抜きお姉さんヅラしてて笑える 声が湿っぽくない?
「言っとくけど、そういうのではないからな?ほんと、ほんとわかってくれ……」
前科がありますからね……
「前科ぁ?あ、だいぶ前にあの子と2人でやったやつか。……早くお忘れなさい。気まずくなったんだよなぁ、あの後。それからしばらく不可抗力的に顔合わせたけどさ、それっきり。バカだったねぇ……」
配信でやることじゃないからな 非常識だった頃
「その通り。無茶苦茶やることが配信者としての義務だと思ってたからさぁ。でもあそこから随分大人になったと思わないか?」
ナツメはずっとクソガキ
「シャラップ!」
【カチカチとするクリック音】
お 懐かしい モールルか
「最近聞いてなかったから。モールル、いいだろ?僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶっていう名曲があるわけですよ。なぁみんな、聞きたかったよなぁ?」
ききたかったー わーい 普通にこの曲好き
「へへ、さすがはニヨ厨だな。おれが調教した甲斐があったってもんよ」
ーーーー
耳を閉じて歌詞を聞く。
「目が覚めて全ては変わる
変わらない事を望むけど人は変わる」
「新しい時代にこのまま流されるのか 」
「誰にも届かない今は 消えない自由を叫びたいよ
前を向くよ 僕はどこまでもジタバタ
そんな風に君とこの時代愛したい」
「ありのままで生きる事さえもララララ
ありのままで生きる事さえもララララ
笑うがよい 僕は暗闇でジタバタ
叫ぶがよい 迸る命 若さよ」
変化と戸惑いと諦めと老いゆく人生と、もがき。こんなふうに不器用にしか生きられない人がいる。
頬杖をついてぼんやりとブルーライト眼鏡の反射光に、目を瞑る。
距離感というのが誰にだってある。踏み越えることの是非はどうだろう。私と誰かとの間にはそれだけの関係性があるのか不安でいつだって二の足を踏んでいる。
その間にその人がどんどん追い詰められているのかといえばそうじゃなさそうで。ただ、常にしんどそうな場所に立ち尽くしていて、それをしんどそうだなって遠くから見つめている。
実は誰かが引っ張り上げさえすればすぐに解決するのかもしれない。私だってできるのかもしれないけど、相応しい相手というのがある気がする。相応しい相手は私じゃないという確信がある。
でも相応しいとかそんなんじゃない。最初に手を差し出したやつこそが相応しいんだ。だとすると怖いから手を出さずに見ているだけなのかもしれないな、私は。
私は少なくとも救われた側の人間で、あの人は救ってくれる側の人間で、だから、私は見てることしかできない。
私はガンジさんが「救われる人間」なんかじゃないって信じて、見捨てているんだ。
---
ほんとこの曲好き 初期の尖ったやつもいいけど、なんだかんだ中期の曲もいいよな 爆死とか消えてとか地下鉄とかいいぞ 最近のもいいぞ
「君たち、しんどいことがあったら、まぁ、ここに書いてきな。それに対してみんなで褒め合う会を執り行おう」
唐突 なにそれ メンヘラ炙り出し? ナツメ、しんどいのか?言ってごらん
「私にはないよ。まぁ、」
代償行為、かな。
初めて歌詞載せたので、不味い点に気付いてしまった場合は優しく糾弾してくださいっ!
今話の解説をちょっと入れておくとナツメさんはニヨニヨに新たにアカウントをつくってそっちで、なるべく広まらないように、時折活動してます。