閃乱カグラ ~光と影の忍達~(仮)   作:レタスの店長

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蒼鬼の悪夢と発作/蒼鬼の中のもう1人の人格

その日が終わり夜……既に蒼鬼は寮の自室にて明日の準備を終わらせて眠っていた…。

 

……しかしその際、彼女は奇妙な夢を見ていたのだ……。

 

 

 

 

 

………その場所は……何処かの薄暗い森……であったが何故か火の海に飲まれ、次々と人間らしき存在が忍と妖魔に殺されていった………。

 

 

「……っ!これは……これは……あの時の……!?」

 

 

その光景を見た蒼鬼は……怯えるように体が震え始めた……。………蒼鬼には何故か翔達と出会う前の頃の記憶が無い……と言うよりもすっぽりと抜けたような感じで覚えていないのだ。……その筈であるのだが蒼鬼は何故かこの光景を……覚えている気がしたのだ………。

 

 

『早く死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!!!早く!さっさと!死ねやああああああああああっっっ!!!!!!!』

 

 

「ッッ!!!!!!!!?」

 

 

そんな時、突如背後から男性の喧しい大声が聞こえた為に蒼鬼はビクッと震えながらも恐る恐る振り返ると……

 

 

『ギャーギャー喧しいんだよ』

 

 

『私達の妹に手を出した挙げ句に仲間まで殺害したんだもの、無事で帰れると思わない事ね』

 

 

『黙れやあああああああああ!!!!』

 

 

大剣を持った大柄な男と赤い髪の少年…そして桃色の髪の少女が対峙しており、その光景を見た蒼鬼は目に涙を溜めて肩を震わせていた…。

 

 

「……兄様、姉様……」

 

 

赤い髪の少年と桃色の髪の少女を見て蒼鬼は呟く……。蒼鬼が見ている光景は……彼女にとって忘れたくても忘れられない程の心の傷を負わせた…地獄の日の光景であった…。

 

 

『人間様に逆らうなやああああああ!!!!』

 

 

『…来るぞ!』

 

 

『ええ』

 

 

大柄の男が2人に飛び掛かりそれを迎え撃つように2人も構え……そして3人の技の衝突により竜巻が起こった…!

 

 

「ッ! うわああっ!!!?」

 

 

蒼鬼はその竜巻に巻き込まれては空中に放り投げられてしまい、地面に向かって真っ逆さまに落下していく。本来であればこの程度なら蒼鬼は体勢を戻して着地出来るはずだが……彼女はそうしなかった……。

 

 

(……このまま死ねば良い……私何て要らない……私のせいで兄様と姉様が傷付いた……仲間達が死んだ…………兄様も姉様も傷付かずに私だけが苦しむのであれば、それがどんなに嬉しかった事か……………もしもここで、死ねるなら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ッッッ!!!!!!!!!?」

 

 

地面に激突する寸前……蒼鬼は目を覚ました……。あの光景を思い出したのか体中は冷や汗をかき、恐怖で体が震えていた………。

 

 

「……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……ハア……!」

 

 

……怖い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……怖い怖い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……怖い怖い怖い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ………ぁぁ……………ぁぁぁ……………あ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

「……っ!!???そ。蒼鬼姉!?」

 

 

恐怖に飲まれ……恐怖で声を上げてしまう蒼鬼……その声により唯依は驚き目を覚ますも目の前の蒼鬼の様子に跳ね起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 

「……ったく…自室にシャワー室はある癖に便所はねぇのかよ……。」

 

 

その一方……学園の皆が寝静まった時間……翔は催してはトイレに行き用を済ませて部屋に戻る途中の道を歩きながら愚痴を呟いていた。……蛇女の学生は自室(相部屋)にはシャワー室や調理が出来る小さなキッチンがあるのだが何故かトイレだけは部屋には無い為に態々部屋から出て学園のトイレに行かなければいけなかったのだ。

 

 

「………しっかし真っ暗だなぁ………。……お化けが出てきたりしてぇ~~~~~~な~~~んてn「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」どおおぉぉぉおぉぉぉっ!!!??」

 

 

部屋に戻る道……丁度唯依と蒼鬼の部屋の横を通った際にあまりにも真っ暗な為に翔は冗談半分にそう言うも突如の叫び声にビクゥッと震え声を出してしまった。

 

 

「な、なんだぁっ!?」

 

 

その声……2人の部屋から聞こえた為に翔は驚きつつも部屋へと入り込んだ。

 

 

「おい!?なんだよ今の声は!?ホラー映画でも見て………!?」

 

 

「蒼鬼姉!!蒼鬼姉ぇぇ!!!」

 

 

「あああああああああああっ!!!ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

翔は真夜中に叫び声を上げるために2人にツッコミを入れるようにそう言おうとした……瞬間にその光景を見て考えが変わる……。何故ならば……唯依が蒼鬼の両肩を掴んでは落ち着かせようと声を掛けており……その蒼鬼は………両手で頭を抑えながらも何かに怯えるように涙をこぼしながら叫び声をあげていたからだ……

 

 

「お、おい!?どうしたんだよ!?」

 

 

「あ!お、お兄ちゃん!!蒼鬼姉が……!!蒼鬼姉がぁ!!!」

 

 

「おい!蒼鬼!!どうした!?どうしたんだ!?」

 

 

「あああああああああああっ!!!ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

そんな2人に声を掛けると唯依は翔の存在に気付いては今にも泣きだしそうな顔で翔に助けを求めてきた。翔も蒼鬼に駆け寄っては両肩を持って声を掛けるも蒼鬼は怯え泣き叫ぶばかりであった……。

 

 

「……っ!蒼鬼!!」

 

 

翔はどうしていいかも分からないが先ずは蒼鬼を抱きしめつつ背中を優しく撫でさすった。

 

 

「蒼鬼!しっかりしろ!俺だ!翔だ!……分かるか!?」

 

 

「あぁ………!ああぁぁぁぁぁぁぁぁ……………!!」

 

 

「……何に怯えてるのかは知らねぇが大丈夫だ……大丈夫だからな………!ほら……な………?」

 

 

「ぁ………ぁぅ………あう………あ……………」

 

 

翔は抱きしめつつ背中を優しく撫で、蒼鬼に問いかける。最初はそれでも泣き叫ぶ声を上げていたが……段々と収まっていくのが分かった………。そして翔は抱きしめるのを止めては蒼鬼の顔に向き、彼女にも自分の顔が見えるように少し離すと……

 

 

「……しょ………くん………?」

 

 

「あぁ、そうだ。分かるか?」

 

 

落ち着きを取り戻したのか…蒼鬼は涙でグチャグチャになった顔で翔の顔が見えたのか小さく呟くように問いかけるので翔は小さく笑みを向けつつも蒼鬼が安心できるようにそう声を掛けた……瞬間だった……

 

 

「……!?お、おい!」

 

 

蒼鬼はまるで操り人形の糸が切れたかの如く力が抜けたように翔の胸へと倒れこんだ。翔が驚き彼女に声を掛けるも反応が無く、気を失った様子であった……。

 

 

「………気ぃ失っただけか………。驚かせやがって……。」

 

 

「…………前にも……蒼鬼姉は……こんな発作を起こした事があったの……。最近は起きなかったから……落ち着けたのかと思ったけど……」

 

 

「…待て、それって俺が居なかった数年前にも頻繁に起こしていたのか……?」

 

 

蒼鬼が気を失っただけである事に翔は小さく息を吐きながらそう言うと唯依が説明する。…どうやら今回だけでなく以前にも頻繁にこんな発作を起こしていたという事が唯依の口から明らかとなったのだ……。

 

 

「………一体どうしてなんだ………?「……私が説明する……」…!?」

 

 

翔は何故に蒼鬼が発作を起こしたのかという事を考えていた……瞬間に突如意識を失っている筈の蒼鬼から声が聞こえたかと思えば起き上がったのだ。

……そしてどう言う訳か……今の蒼鬼は蒼い髪色の前髪に黒いメッシュが入っており、普段は右目が赤で左目が青のオッドアイなのだが両目が赤く、更には右目にはハイライトが無い状態の姿となっていたのだ………。

 

 

「………『オロチ』……か?」

 

 

「……………。」

 

 

翔が今の蒼鬼を……『オロチ』と呼ぶ。すると蒼鬼こと『オロチ』は軽く頷いた。

 

 

………『オロチ』……詳しくは分からないが蒼鬼の中にいる彼女のもう1つの人格であり、蒼鬼にとっては親代わりのような存在であった。蒼鬼が翔達の家に引き取られた時には既に彼女の中におり、当初は翔達どころか蒼鬼にさえも心を開いておらず敵意や殺意満々な状態であったが共に過ごす内に蒼鬼にも翔達にも心を開いていき、気付けば蒼鬼の親代わりのような存在となっていたのだった……。

 

 

「………蒼鬼姉がどうして発作を起こすの……分かるの……?」

 

 

「……恐らく蒼鬼は覚えていないであろう記憶が……この子のトラウマの出来事が悪夢となって思い出されてしまっているからだ。恐らく目を覚ましたらその夢の事さえも覚えていないであろうが……。」

 

 

「………成程な……。どう言う訳か蒼鬼も言ってたからな……俺たちと出会う前よりもっと前の事をまるで覚えておらず思い出そうにも思い出せないって……まるでロックされているようにな……。」

 

 

唯依が尋ねるとオロチはそう答える。そして翔も納得しつつも……蒼鬼は記憶喪失でもないのに大昔の事は覚えていないという事を…まるでその記憶に鍵がかかっているかのようになっている事を疑問に思っているが………

 

 

「……………その蒼鬼の昔の記憶……私が蒼鬼の中で生まれた頃の記憶を……私は知っている……」

 

 

「……何だと…?」

 

 

オロチの言葉に翔と唯依は驚く。………蒼鬼から抜け落ちている記憶を……蒼鬼の中でオロチが生まれたであろう頃の記憶を……オロチは知っていると言い出したからだ。

 

 

「……だがその記憶を……私は蒼鬼に教える事も出来ないし幾らお前たちであっても教える事は出来ない……。下手をすればお前たちの口から蒼鬼にその記憶の事を伝えられてしまうかもしれないと思ってしまうからだ………。」

 

 

「…………そんなに……ヤバい記憶なのか……?」

 

 

「……今のこの子が知れば……精神が崩壊し廃人と化してしまうだろう……。」

 

 

「……………っ!!」

 

 

しかしオロチはその記憶を蒼鬼には教える事もしないし翔達であっても教える事は出来ないと答えた。……それを蒼鬼に知られたくないからであった。………もしそれを今の蒼鬼が知れば精神崩壊を起こすであろうと言う事に唯依は目を見開いてしまうほどに驚いた。

 

 

「…………兎に角……この子の発作は過去の記憶が悪夢として蘇った時だ……。そうなってしまえば中で私でさえも止める事が出来ない……。」

 

 

「…………………。」

 

 

そしてオロチは発作の原因は蒼鬼のトラウマの記憶が悪夢として夢で出てきた時に起きる事を話し、そうなれば蒼鬼の中にて自分でも止める事が出来ないという事を話すのだった……。

 

………それを話した後……突如オロチは自虐するような笑みを浮かべた……。

 

 

「…………情けない話だ……。何がこの子の親代わりだよ……この子が苦しんでいるのに……私は何もできなかった………。発作を起こして泣き叫んでいるこの子を……ずっと止める事が出来なかった…………。」

 

 

「…そ、そんなことは無い…!それを言ったら……私も蒼鬼姉を助けられなかった……!……お父さんもお母さんも居なくなって……お兄ちゃんも居なくなったと思い込んで…情緒不安定になってた時に蒼鬼姉が助けてくれてたのに……それなのに私は………!!」

 

 

オロチは発作を起こした際に自分は蒼鬼を助ける事が出来なかった事を自虐すると唯依はそう言いつつも……自分が精神が不安定になった際に蒼鬼は助けてくれようとしていたのに逆に自分は蒼鬼が発作を起こした時には助ける事も出来なかったという事を悔やみ泣き出してしまった………。

 

 

「………しかし今日分かった……。やはりこの子にとって翔、お前は大きな存在だと言う事を……お前なら……この子が苦しんでいる時に……助けられると言う事を……。」

 

 

「…………………。」

 

 

「……だから翔……恥を忍んで頼む……!この子を……蒼鬼を……助けてあげてくれ………!!」

 

 

オロチは……蒼鬼にとって翔は大きな存在であり、翔であれば蒼鬼が苦しんでいる時は助けてあげる事が出来ると勘付き……翔にそう頼み込んだ……。……親代わりと言いながらも助ける事が出来なかった自分の代わりにと……。

 

 

 

 

 

 

 

………しかし翔は……

 

 

「……うるせえ」

 

 

「…痛!?」

 

 

何故かそう言いつつもオロチのおでこにチョップを喰らわせた。

 

 

「な、なにをする翔!?…と言うか仮にも蒼鬼の体なんだから攻撃するな!」

 

 

翔が自分にチョップを仕掛けてきた事に驚きつつも……今は自分の人格であるが体は蒼鬼の体である為にチョップを仕掛けてきた事にそう言うが……

 

 

「…助けてあげてくれじゃねぇよお前おい………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オメーも助けんだよ!

 

 

「…!?」

 

 

翔の発言にオロチは驚く。……しかしそれでも翔は続けた……

 

 

「俺が蒼鬼にとって大きな存在?……俺ならばこいつを助けられる?そんなモン確信もねぇし俺に押し付けてサボろうとしてんじゃねぇぞコノヤロー」

 

 

「…いや、違う!?そういう意味じゃない!!……私はこの子を助けられ「うるせえ」おい!?」

 

 

翔はオロチにそう言う。オロチはそう言うもそれが確信であるとは限らないと思いつつ翔はそういうとオロチは勘違いしていると思いつつ助けられなかった自分よりも翔の方が彼女を助けられる可能性が高いと思い頼もうとしている事を話すもそう切り捨てられるように言われた為にオロチはそう言った。

 

 

「………最初からお前らが諦めてどうすんだよ。お前らは俺が居ない間にそうは見えなくとも蒼鬼を支えていたんじゃねぇのかよ。」

 

 

「「!」」

 

 

「…………確かにお前らは蒼鬼を支える事が出来なかったとか、助ける事が出来なかったとか……自己採点したらダメだったとか思うかもしれねぇけどな……支えられなくともこいつにとっちゃお前らが傍に居たから今までを…ここまで頑張れたんじゃねぇのか?」

 

 

翔はオロチと唯依にそう言う。………翔がまだ生きている事を知らない時に自分達がそうとは思っていなくとも蒼鬼にとってオロチと唯依と言う存在が傍に居たからこそ発作は起こしていたとはいえ蒼鬼は自ら命を絶とうとせずにここまで頑張ってこれたという事を……

 

 

「………諦めんのは簡単だろうよ。けどな、お前らにまだこいつを支えたいって気持ちがあるんだったら……諦めんのは早いんじゃねぇのか?」

 

 

「………………。」

 

 

翔の言葉にオロチ達は黙り込んだ。………確かにここで諦めて翔に任せるのは簡単だ、しかし2人にもまだ蒼鬼を支えたいと言う気持ちは大きかったからだ……。

 

 

「………ふっ……ふふふふふ…………」

 

 

「?」「お、オロチ………?」

 

 

その時、オロチが突如フフフと笑い出した為に翔は「?」を浮かべつつ唯依は少し驚いた……。

 

 

「……そうだな……私ともあろう事か……こんなところで諦めたら何がこの子の親代わりだ……。口だけの存在になってしまうじゃないか………」

 

 

オロチは自虐な笑いをしつつもそう言う。……今まであれ程自分は蒼鬼の親代わりだと主張していたがここで諦めれば口だけである事が証明されるからだ……。

 

 

「……ありがとう翔……お前のお陰で目が覚めた……。何処までしてあげられるか分からないが私は私なりに蒼鬼を支える……!それが今私にできる事だ……!」

 

 

「……それでこそオロチだ。」

 

 

「…わ、私も頑張る!力になれるか分からないけど……私も蒼鬼姉に沢山迷惑かけた……!だから……!!」

 

 

オロチは翔の喝によって目が覚めたという事に礼を言いつつそう決心する。そして唯依も蒼鬼に迷惑をかけた分の恩返しとして蒼鬼を支えようと決意したのだった。

 

 

「………さて、これで大丈夫そうだな……。そんじゃあ俺は「まぁ待て」…?」

 

 

「…もう夜も遅いんだ、このままこの部屋で寝ていけばいいだろう。」

 

 

「……何でそうなる?」

 

 

その様子からしてもう大丈夫だと思い翔は自室に戻ろうとするもオロチに手を掴まれてはそう言われる為にそう言うと……

 

 

「そりゃあそうだ、今から部屋に戻る時間もここで寝れば寝る時間に割り振れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………何よりもお前と一緒に寝たいんだよ……」

 

 

「…お前の願望じゃねーか……」

 

 

「あ~!オロチズルい!私もお兄ちゃんと寝るの!!」

 

 

オロチはそう言いつつも……結局は自身の願望である事に翔はツッコミを入れる。すると唯依も膨れつつそんな事を言い出す為に結局翔はオロチと唯依と一緒に寝る事となったのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん………」

 

 

そこから数時間後………蒼鬼は目を覚ました……。悪夢の内容は……覚えていなかったが悪夢から目を覚まして怯え泣いていた所は覚えていたのだ。唯依が必死に自分を呼ぶ声も覚えており……翔の匂いを感じた事から翔も助けに来てくれたのであろう。そこから意識を失ってしまったが……。

 

 

(……また……唯依に迷惑をかけてしまいました……。そして今回は翔くんにも……)

 

 

過去に発作を起こした際に唯依には何度も迷惑をかけてしまい、今回は翔にも迷惑が掛かってしまったという事を罪悪感を感じていた……。そう思いつつもふと右側を見た……瞬間………

 

 

「…………んぇ!?////」

 

 

右側には……翔が眠っていたのだ。確かに左側には唯依の感覚を感じていたのだが不思議と右側にも何故か何らかの感覚を感じていた為に疑問に思っていたのだがまさか翔が眠っていたとは思わず蒼鬼は赤くなってしまった。

 

 

(……傍に居てくれた……と言う事ですかね……?)

 

 

蒼鬼は自分が気絶してからも傍に居た為にこうして眠ってしまったのかと思うと罪悪感を感じつつも翔に感謝をしていた。……実際はオロチの願望の為であるが……。

 

……そう思いつつもいつまでも暗い気持ちになっていれば今日の仕事とかにも支障が出かねないと思いつつ仕事をしようと思い起きようとする……が……

 

 

「……えぇ?!////」

 

 

起き上がれない事に気付き翔の方を見ると……翔が自分の腕で腕枕している事に気付いた。その為に起きようにも起きれなかったのだ……。

 

 

(ど……どうしましょう………)

 

 

蒼鬼は内心で困ってしまった。……そのまま翔から腕を引き抜ければ解決できるが心優しい蒼鬼はそれで翔を起こしてしまうのではないかと思ってしまったからだ……。そしてどうしようかと考えていると……

 

 

「ん………んん………」

 

 

(あ……起きちゃいました………)

 

 

翔が今ので起きてしまったと思い罪悪感を少し感じるが……翔は寝返りをうったと思いきや……

 

 

「……ふぇぇ!?////」

 

 

そのまま自分に抱き着いてきたのだ……。その事に蒼鬼も予想外であった為に驚いてしまい顔を真っ赤にしてしまった。

 

 

「はわ……はわ………はわわ…………////」

 

 

今の状況に……蒼鬼は理解が追い付いていないのか顔を真っ赤にしつつ目がグルグルになっていた……。……確かに子供の頃にて一緒に寝る事はあった、しかし今は年齢が年齢……更に蒼鬼も年頃の少女だ。こんな状況になってしまえばこうなってしまうのも無理はなかった………。

 

 

「……………」

 

 

「……え!?あ、あの翔く……!?そ、それ以上はダメ…!?/////」

 

 

そして更には……翔は寝ぼけているのか顔を近づけてきた…。このままいけばキスをされてしまう状態であった為に蒼鬼は慌てつつも顔を反対側に向けようとした……瞬間……

 

 

「………はむ……」

 

 

「」

 

 

蒼鬼は翔に耳をはむっ…と咥えられてしまった。

 

 

…その瞬間、蒼鬼の中で何かが切れ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間蒼鬼は鼻血を噴き出しては目を回しながら気を失ってしまうのだった……。

 

 

 

 

(………全く……こういう所は初心だなこの子は……)

 

 

一方蒼鬼が目覚めた際に意識の中でこの様子を見ていたオロチは鼻血を出しながら気絶してしまった蒼鬼を見て呆れるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、蒼鬼はこの1時間後に意識を取り戻し、大慌てで仕事をする羽目になったのは言うまでもなかった……。

 

 

 

 

 

 




……シリアスで終わらそうかと思ったが結局ギャグになるというオチである…w


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