期末試験に向けての訓練や勉強を行っていた翔一行………しかしその一方でほぼ赤点確定レベルの成績である籠鉄は蒼鬼と勉強を行っていたのだが……
「駄目だああぁぁ……!やっぱり分からねぇ!」
「………籠鉄君の学力向上は不可欠、しかし今のままでは赤点回避は難しいですね……どうすれば……」
色々と試したものの籠鉄の学力は向上せず、寧ろ悪化していく一方だった…。流石の蒼鬼もどうすればいいのかで頭を悩ませていた。
「もうこの際最終手段でカンニング作戦を…「………」だから真顔で見るなって…」
翔は冗談であるが悪ふざけでそんな事を提案すると蒼鬼が真顔で見てきた為にそう返した。
「あ…!だったら籠鉄さんが得意な事や一番集中出来る事をしながら勉強が出来れば……」
「あ、なるほど……」
すると唯依はそう提案した為に未来も納得した。
「籠鉄君が一番集中出来る事……ですか………」
「やっぱ戦いや修行とかだな!戦闘中は嫌でも集中出来るし修行の時もかなり集中力が上がるんだよなぁ!!」
「それじゃあ修行しながら勉強したらどうだ?案外上手くいくかも知れねぇかもよ?」
「…!」
そう提案され、蒼鬼がそれを考えていると籠鉄はそう答えた。やはり脳筋故に体を動かしている方が得意であり特に修行をしている時はかなり集中力がある様子であった。籠鉄がそういう為に翔もそう提案した……瞬間に蒼鬼はハッ…!と思いついたような表情を浮かべた。
「いや、でも戦いながらは……「いえ、良い案だと思います」えっ?」
しかし籠鉄は戦いながら覚える作業をするのは難しいと思いそう言うも蒼鬼がそう言い出す為に驚きの表情を浮かべた。
「確かに籠鉄君は覚えるまでが大変ですが覚えてからはその項目を間違える事なくしっかり記憶しています。…ただ覚えるまでにある程度集中力を上げないと行けませんのでそれを修行で補いましょう」
「いやでも戦闘中は……」
「確かに戦闘中は難しいでしょう。ですが動き回る修行ではなく特に動かずに持続させる修行なら集中力をそのまま持続して勉強に望めるかもしれません」
「ならどんな修行でやってみるの?」
「水面歩行と壁登りを重点的に行いましょう。一時的にその状態を維持したままなら集中力は嫌でも上がります。その状態なら覚えるまでの時間を短縮出来るかもしれません」
「成程ねぇ。」
蒼鬼がそう言うと籠鉄は戦闘中だと難しいのではと思いそう尋ねると蒼鬼はその方法で集中力を上げる修行を提案しつつそれを行いつつ覚える作業を提案した。
「…どうしますか?籠鉄君」
「…よし、分かった!やれるだけやってみるぜ!!」
そして蒼鬼は尋ねるともはや方法はそれしか無い為に籠鉄はやれるだけやってみると気合を入れつつそう答えた。
……………蒼鬼が提案したその方法で勉強を行って数時間後……
「うおぉぉぉぉぉぉ!!??分かる!分かるぞ!!この問題も分かるぜぇぇ!!」
「スゲェ……学園一馬鹿でアホで脳筋な籠鉄がここまで……」
「言い過ぎだよおめぇ」
蒼鬼が提案した勉強法により籠鉄は次々と問題を解いていった。その光景に翔がそう言うとボロカスに言う為に籠鉄はツッコミを入れた。
「…だが思った以上に効果底面だったみたいだな」
「はい、これならば乗り切れるはずです!籠鉄君、頑張りましょうね!」
「おう!サンキューな、皆!」
真司蛇も同じく思った以上の効果にそう言い、蒼鬼が籠鉄にそう言うと籠鉄は礼を言いつつその気になったのか猛勉強を続けた。
「………さて、籠鉄のヤローは多分これで大丈夫だとして……後は響輝達だな……」
「……翔、ここ何て読むの?」
「あーはいはい、ここはだな…………」
「…やっぱり読み書きだけは苦手なんだなぁ………」
とりあえず籠鉄はこのまま蒼鬼に任せても大丈夫だと判断した翔は響輝達に分からない所を教えようと思い持ち場に戻った。すると響輝がそう尋ねる為に読み方を教えていると唯依はそんな2人を見てそう呟いた。
………元々響輝は賢い方なのだが今までの生き方が生き方であった為に漢字等の読み書きが得意では無かったのであった……。
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そして数時間後、翔は少し気分転換がてらに修行場をブラついた。案の定次の試験の実技試験に向けて生徒達は修行を行っていた。その中には案の定分身した蒼鬼が沢山おり、生徒達に指導を行っていた……。
「…しっかしよくもまぁあれだけの分身作って個別に動かせるよな…。俺でも流石に難しそうだわな。」
ブラつきながら生徒達を指導している蒼鬼の分身を見て翔はそう呟く。多重影分身を作るだけであれば翔でも出来るがその分身にそれぞれの意思を持たせつつ操作し、更に自分も個別に動くという芸当をこなす等、普通の忍はおろか実力のある忍でさえも難しい芸当であろう……。
「………およ?」
そんな時、翔はふととある人物を見つけた………。
「………ハァ…ハァ………ふぅ……」
翔が発見した人物とは……芭蕉であった。彼女は以前翔に尻…もとい背中を押されたお陰で彼女が憧れていた光牙に稽古を付けてもらえるようになった。そして期末試験も近いのか普段よりもハードな修行を受けて息を切らしていた。どうやら今は小休憩の様子であり飲み物を飲んでいた………。
「…………?」
そんな時、芭蕉は背後から……特に尻に妙な視線を感じた為にふと背後を振り返るとそこには自分の尻に顔を近づけながらガン見している翔の姿があった……。
「……ひゅぃっ!!??///」
「やっと気付いたのか……あまりにも気付かないからいい尻をガン見しちまったぞ?」
「しょ、翔先輩何してるんですかぁ!?////」
「光牙のヤツに修行を受けてるモンだから試しに気配を感じ取れるようになったかと思えばまだまだだな……もう少しで顔を埋めていた所だぞ?」
「うええぇぇぇ!?な、何しようとしてるんですかぁ?!///」
そんな翔の存在に気付き芭蕉は両手で尻を抑えつつ顔を赤くしながら問うと翔がそう答える為に芭蕉は恥ずかしがりながらツッコミを入れた。そして翔は何事も無かったかの様子でそこら辺の岩に座り……
「…んで?光牙との修行はどうなんだ?」
「ゑ?え…えっと……ま、まだまだですね……今もこうしてヘトヘトになってしまい……翔先輩の気配にも気付けなかったので……」
「ま、そうだろうな」
「うぅ…………」
翔は光牙との修行の成果を尋ねると芭蕉はそう答える。……その事に翔はストレートにそういう為に芭蕉は少しシュンとしてしまった。
「そんでもって光牙との距離感はどうなんだよ?マンツーマンで修行してんだから進展とかあるんじゃねぇの?」
「ふぇ!?べ、別に私はそんなつもりじゃ………////…そ、それにそんな考えしてたら光牙先輩に怒られてしまいますよ……」
「………昔はそんな気難しい子じゃなかったのにねぇ………」
「…え?昔の光牙先輩の事を知ってるんですか?」
「まぁな」
そして今度は芭蕉に光牙との進展を尋ねるもそんな余裕は無いしそんな邪念を考えていれば光牙に怒られると言う為に翔はため息を吐きつつそういう為に芭蕉は少し驚きつつも翔にそう聞くと翔は頷いた。
「…え、えっと……ど、どのような方だったのですか……?」
「ん?今のような雰囲気は全く無くて元気で心優しくて家族思い。…特に母親と姉ちゃんが大好きなマザコンシスコンだった。」
「…えぇ……?」
「…んで去年に再会を喜べば……あんな姿だ。本人は『10年も経てば人間は変わる』とか言ってたが普通はそうはならんだろ。…何かあったのかは分かるが何があったのかは知らん。」
「…………………。」
芭蕉は翔から光牙の昔の事を聞くのは光牙に少し申し訳なく思ったがそれでも気になる為に恐る恐る尋ねると翔がそう答える為に芭蕉は少し驚きつつも若干呆れる。……元気で家族思いは本当であろうがマザコンシスコンの類は恐らく翔が付け足したからだと思ったからだ。
……そして去年に再会した事の話を翔がするがやはりこの10年間の間に光牙は何かあったからこそあのような性格になってしまった事が把握でき、翔は表情を変えずとも何処か心配したような様子である事を芭蕉は悟りこれ以上尋ねる事は出来なかった………。
「…………いつまで休憩をしている?」
「ぴぇ!?せ、先輩……!」
そんな時、あまりにも休憩時間が長い為に光牙がやって来ては少し怒った表情で芭蕉を呼ぶ。その為に芭蕉はビクッと体を震わせた。
「まーまー光牙くん何もそんな怒らんでええやねん、ワシが芭蕉ちゃん呼び止めて話してもうたからワシの責任なんやさかい、な?そう機嫌悪くせんと飴ちゃんでも舐め?」
「……要らん。と言うか何故に関西弁なんだ……?」
「……………。」
そんな光牙を宥める為に翔はそう言いつつ飴袋を取り出しては光牙に渡そうとする。光牙は翔に呆れつつも何故に関西弁なのかをツッコミ、芭蕉はそのやり取りを苦笑いした。
「……まぁいい、期末まで時間を無駄には出来んのだ。早く修行を再開するぞ芭蕉。」
「あ…は、はい!」
光牙はそう言いつつ芭蕉にそう言っては修行場へと先に向かった。そして芭蕉はオドオドしつつも頷き光牙を追いかけようとした……瞬間……
「……そぉい!!」スパーーーンッ!
「ぴゃああああああああぁぁぁぁぁぁ!!??」
突如翔は何故か芭蕉の尻へと強烈な平手打ちを喰らわせた。その事に芭蕉は驚きと痛みに声を上げてしまった。
「ひぇ…!?ぴ、ぴえ…!?せ、先輩何を………?」
「なーに情けない顔してんだ?強くなる為に、そんで光牙を堕とすのにそんな情けねぇツラしてんじゃあねぇぜ!しっかりせい!」
突然の行動に芭蕉は尻を抑えつつも情報が整理できてない状態になり翔に尋ねると翔は自分に喝を入れるかのように言う。
「……ぁ……は、はい!!」
「うむ」
それに気付いた芭蕉は少し動揺しつつも……気持ちを改めつつ力強く頷いた。それを見た翔は頷きつつ芭蕉を見送るのであった……。
(……そうだ……!先輩の言う通り……気持ちを強く持たなくちゃ……!…『頑張るぞ、立派な忍、目指します…!』………先輩、ありがとうございます……!)
そして芭蕉はそう思いつつ……少し気を強く持ちながら光牙の元へと駆け出すのであった………。
「………来たか…。それでは修行再開……って……何故に尻を抑えている……?」
「い、いえ…だ、大丈夫です……ハハハ……(せ、先輩…強く叩きすぎです……絶対に赤くなってる……)」
「(…あのアホめ……)…まぁいい、修行を再開するぞ。」
そして芭蕉がやってきた為に光牙は修行を再開しようとするも何故か芭蕉が尻を痛そうに擦っている為に疑問に思いつつも尋ねると芭蕉は苦笑いしつつそう答える為にまたもや翔のアホが何かやらかしたと呆れつつも修行を再開するのであった…。
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そしてその後、教室に戻った翔は再び響輝、そして唯依や未来に勉強を教えていた。響輝は読み書きが苦手な所以外は覚えが早い為にスラスラと問題は解いていき、初の期末試験の勉強に緊張していた唯依と未来も翔は勿論の事、蒼鬼(分身)と真司蛇の教えもあった為に何とか問題を解いていった。
……一方弱点を克服した籠鉄はと言うと……
「うおおぉぉぉぉぉぉ!?す、スゲェ!?こんなに覚えられるなんてよぉ!?どうしたんだ俺ぇ!?俺が俺じゃない気がするぜぇぇぇ!?」
「………この調子です籠鉄くん。次はこの問題にしてみましょう。」
「おう!任せとけぇ!!今の俺に覚えられない問題は無い気がするぜぇ!!」
「………本当に大丈夫かアレ?試験当日にうっかり全部飛んだって問題が発生しないよな……?」
先ほどの提案によって籠鉄は蒼鬼の教えもあってか覚え作業が捗りスラスラと問題を解いていった。その様子に蒼鬼は表情には表さなかったが内心では驚きが隠せずにいた。……そんな籠鉄を見つつ翔は呟くのだった……。
………籠鉄の問題は解決……に見えたがあまりにも上手く行き過ぎている為に何処か不安を覚える空気となったが期末試験まであと僅か……果たして選抜メンバーは全員で夢の温泉旅行へと行くことが出来るのであろうか………?