翔と焔のいざこざから数日後、翔は鈴音に呼び出しを受けていた。
「ちぃ~~す」「うむ」
「…遅いぞ貴様……何故に響輝も来ている?」
「ノリで」
「……ノるな」
翔がやって来た……と思いきや響輝までやってきた為に鈴音が尋ねると響輝がそう答える為に呆れながらそう返した。
「んで、何の呼び出しだ?俺別に何も悪い事してねぇぞ?」
「……それを言う時点で何かしてるんじゃないのか…?いや、それはどうでもいい、お前に任務だ。」
「おぉ、最近蛇女での修行の話ばっかりだったからな、腕が鳴るぜ……何の任務だ?」
翔が呼び出しの理由……を言うが鈴音の言う通り明らかに何かやらかしてるであろうと把握したのか呆れつつも任務を言い渡すと翔は手を首をポキポキ鳴らした。
「組織の殲滅任務だ。…別に大きな組織でもないし頭を使わずに敵を殲滅する任務だからお前にとっては簡単な任務だろう…」
「おいオバハン、さり気に俺馬鹿にしてねぇか?俺こう見えて蛇女次席ぞよ?」
鈴音が説明しつつも……さり気なく毒を吐く為に翔がそうツッコミを入れる。……普段から苦労かけられている為にささやかな仕返しなのであろう……
「…ま、いいや。んで、今すぐ行けばいい「ただし」…ただし?」
「……条件として焔と共に任務を受けてもらう。」
「…はい?」「は?」
翔はそう言いつつも今すぐにでも任務に向かうべくそう言うが鈴音が条件として焔と共に任務を行う事を言い出す為に翔と響輝は少し間抜けな声が出てしまった。
「………センセ、以前のチーム戦で言った事忘れたかい?あのガングロと組みたくないって…それに翔も言っていた筈だ。そもそも協力して行う任務なんだったらチームワークの欠片も無いアイツを同行させて何の役に立つって言うんだい?」
「それは「それは私の希望でもあるんです」……蒼鬼…」
「…どゆこと?」
響輝は嫌悪感を露わにしたような表情で鈴音に言う。その様子からしてやはり焔を嫌っているようであった。そんな響輝に鈴音が説明をしようとすると蒼鬼が割って入るかのように表れた。
「……確かに翔くんも焔さんも目に見えて仲が悪いかもです。特に焔さんの方は協力する任務でも個人プレーするように動いてしまいます……しかしやはり私はお2人には馴れ合う……とまでは言いませんが任務の時には力を合わせて欲しいって思うんです……私の無茶な希望ではあると分かってるんですが………」
「………何となく今ので何か訳があるとは分かったけどその為の理由とは言え隠すの下手だよね監督生の人……」
「…う………」
「………いや、俺はべっちゃに構わねーけどよ、当のアイツはどうなんだよ?引き受ける訳ねーと思うんだけどよ…」
蒼鬼は理由を説明する………も恐らく別の理由もある様子であり隠す為に違う理由を伝えるがバレバレである事を響輝に指摘される。一方翔は焔と組む事は別に構わないとは言うものの当の焔本人は逆にその条件を飲まない事が目に見えている為に翔がそう言うも……
「………鈴音先生の命令だ、今回だけは受けてやる。ただし勘違いするなよ、私はお前とは馴れ合う気も無いしお前が危険な状態になろうとも助けるつもりは無い。」
「…言うじゃんか32位(成績)」
「……っ」(ギリッ)
「だ、だから二人とも任務前だって言うのに…!」
「………いや、吹っ掛けてきたのガングロの方じゃん」
現れた焔が翔にそう言う。……鈴音の命令の為に渋々と受けた様子であり翔にそう言い放つもまたもや翔がカウンターで弄るように返す為に焔は翔を睨みつける。そんな2人を見て蒼鬼は慌てて止め、響輝は呆れた表情をしながらそう言う。
「……もう埒が明かないから早く任務に行ってこい。」
「せやな(日影風)そんじゃあ行ってくるぜ~」
「……ふん」
「…いってら~」
鈴音も段々と疲れてきたのか翔と焔にそう指示を出すと2人はそのまま任務の場所へと向かって行った。
「………お前の希望を受けつつ任務を出してしまった私が言うのも何だが……あの様子で本当に大丈夫か?」
「…はい、確かに荒療治になりますが………焔さんだって本当は分かっている筈なんです……翔くんがあの人みたいな人間じゃないって事を……」
鈴音は蒼鬼にそう尋ねると蒼鬼はそう答えた。……鈴音も何故に焔が馴れ合いを嫌っているのかを知っている様子であったのか蒼鬼の希望を受けつつも任務を出してしまった事に少し不味かったではないのかと思ったのかそう言うが蒼鬼は上手くいくであろうと答える……が……
「……理由が何かあるとはいえはっきり言って私は反対だ。何をあんなに翔を恨んでいるのかは知らないがそんな気持ちで協力して任務なんて行えない。」
「…一応それを見越して私は問題無く任務を達成できる物を出したつもり「仮にだ」……?」
「………仮にその問題が起きたらアンタら責任とれるのか?確かに翔は強いしある程度の問題にも冷静に対処できる。しかしアイツも人間、万能じゃない、状況によっては対処しきれない時だってある。そんでもってあのガングロがヤケ起こして翔に斬りかかったりすれば間違いなく翔は裏切りと見なしてあのガングロを殺すだろうな躊躇いなく。……そうなってもアンタらは責任とれるのか?」
「…ぅ………」
響輝は今回の任務の件は反対の意見を述べた。幾ら簡単な任務であったとしても相性の悪い2人だと色々と分が悪い状態となり、逆にピンチを招く可能性が高かった。そして響輝は翔を近くで見ていた為に翔の事をよく分かっており焔が馬鹿な真似を起こせば裏切り行為として焔を始末してしまう可能性があると忠告した。
……それを聞いた蒼鬼と鈴音は何も言い返せなくなり……
「………鈴音先生、任務に手は出しません。2人の様子を伺いに行ってよろしいでしょうか………?」
「……………良いだろう。」
「……一応私も行くね。」
そこまで言われた為に蒼鬼も流石に心配となり任務の手出しはしない代わりに翔達の様子を隠れて伺う事の許可をもらおうとすると鈴音も少し黙り込みつつ許可を出した。響輝も一応蒼鬼に同行し翔達の様子を見に行くことにするのであった……。
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場所は変わり、何処かの廃工場………
……翔と焔は近くの茂みに隠れて様子を伺っていた。工場内の様子は見えないがやはり入り口付近には見張りが数人いた。
「……入り口付近には数人…と…。まぁスニーキングミッションとかじゃないしこそこそする必要はねぇんだけどな……。」
「ふん、だったらさっさと乗り込んで連中を始末すればいいだけの話だ。悪いが私は行かせてもらう、はっきり言ってお前が居なくとも私一人で十分だ。」
「あ、おい……ってまぁ良いか……」
翔は見張りの数や中に何人居るか作戦を立てているが焔はそう言うと勝手に乗り込んで行ってしまう為に翔はため息を吐きつつも焔の後をゆっくりと追うのであった……。
「!?誰だ!?」「何者だ!!」
「…教える必要はない!」
乗り込んできた焔に気付く見張り達であったが一瞬にして焔に切り捨てられた。見張り達も焔の登場に動揺するもすぐさま応戦体勢になる……が、それでも戦闘力が違う為に焔に切り捨てられてしまった。
「……まぁ弱くは無いんだよなアイツは……。面倒くさいしアイツに任せてもよさそうだな……。」
そんな焔を見つつ翔はそう言いながら焔の後を追い工場内へと潜入して行った……。
「侵入者だ!!」「撃て!撃てぇ!!」
「そんなので私を止められると思うな…!」
潜入してからも焔の快進撃は止まらなかった。確かに潜入してからは先ほどの見張りよりも強い連中が居たがそれでもまだ焔の敵ではなかったのだ……。
………しかし……
「……へへ、終わりだ……!!」
遠くから焔の背後を狙っているスナイパーがおり今にも焔の背中を打ち抜こうとしていた……が……
バンッ!!
「……!?」
そのスナイパーは頭を打ち抜かれ絶命した。銃声に焔も気付いて振り返ると翔がスナイパーを撃ち殺していたのだ。
「はい、背中ががら空き。今のでお前数回は死んでたぜw」
「黙れ!貴様の助けなんて必要無かった!」
「気まぐれよ気まぐれ」
そんな焔に翔はニヤニヤしつつそう指摘すると焔は怒鳴った。そうして焔は再び組織の連中を切り倒していき翔も適度に敵を始末していった……。
「………………………。」
………そんな時、焔は敵を倒しながらもふと変な感情に気付く…。今こうして敵の大群を倒しているという事が懐かしく感じていた……。この懐かしさを何故感じているのかを疑問に思いつつもふと思い出した……。
……それはかつて小学校の頃に翔と共に悪ガキの大群連中と喧嘩した時の事であった。あの時は今のようにこうして人を殺めていた訳では無かったが敵の大群をこうしてなぎ倒しているという感覚、そして翔と共に共闘して戦っている……そんな感覚を思い出し何処か懐かしく感じてしまっていたのだ……。
(……っ!!だから何だ、そんなの今は関係ないだろうが!!!)
ふと思い出に浸ってしまった為にハッと我に返った焔は内心そう思うが……
「死ねえぇぇぇぇぇ!!」
「っ!」
その不意を突かれて敵が焔に向かって刃物で刺そうと飛び掛かっており焔も回避できない程に近づかれていた……が……
バンッ!
「はい、俺が居なかったらお前死んでた~w」
「~~~~~~~~~~~っ!!!!」
翔がその敵を撃ち殺し、焔を煽るように言う為に焔は怒りの表情を浮かべるも言い返す事が出来ない為に八つ当たりかのように敵を殲滅していった……。
「……さてと……大体は片付いたか………」
「………ハァ…ハァ……お前はほとんど動いてないだろうが……!」
「お前が死にそうになる場面だけ動いただけよ。…やっぱりお前ひとりじゃ死んでたなw」
「………っ………!」
翔は組織の連中が大方始末された事を言う。すると焔が息を切らしながらそう言ってくる為に翔は少し煽るかのように言うので焔は何処か悔しそうにギリッと歯を噛みしめた。……そして翔は周囲に隠れている敵がいないかを確認しようとした……時……
「……っ!?焔、そこから離れろ!」
「…は?何を言い……」
ドカーーーーーンッ!!!
翔は何か勘付いたのか焔にそう叫ぶ、焔は何の事か分からず何かを言おうとした…瞬間、突如工場の内部が爆発を起こした……!幸い爆発には巻き込まれなかったが地面が崩れてしまい、翔はそれに気付いたのか柵に掴まって落ちる事は無かったが……
「…あっ……!!」
「……っ!あのバカが……!!」
焔はそのまま落ちてしまい、翔はそう言いつつも柵を離して焔を助ける為に飛び落ちてしまった……!
「……まさかここまでやられるとは………ですがそれもここまで……。あの子供たちには餌になってもらうとしましょうか……。」
そんな中、2人が落ちて行ってしまった大穴を覗きながら突如現れた男がニヤニヤしながらそう言う。どうやらこの男がこの組織のボスであり今の爆発や地面を崩した張本人であった……。
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「……あっ……ぐっ………!!」
一方崩れ落ちた地面から落ちてしまった翔と焔……焔はそのまま地面に叩き付けられるかと思われたが一瞬何かに手を掴まれた為に落ちる速度が緩まった為に地面で強打される事は無かった……。
「………大丈夫…か……焔………?」
「……くっ……先ほどのはお前か……。別に私は助けてとは……っ!?」
そんな時、翔に声を掛けられる為に焔はこんな状況でありながらも悪態を吐こうとする……も今の翔を見て驚きの表情を浮かべた。………翔の右肩からは何かが突き刺さってたかのように大量の血が溢れ出ていたのだ。
「お……お前……!」
「……ちょっち落ちた際にドジッただけだ………大したことは無い……」
翔はそう言うが明らかに大したような事は無かった……。先ほど焔の手を掴みそのまま掴めそうな壁に手を伸ばしたがその際に翔の右肩に先ほどの爆破で飛んだ破片が右肩に突き刺さってしまったのだ……。その激痛にて焔と掴んだ壁を離してしまい落下してしまったのだ……。
(………私を……私を助けた……せいでか………?)
そんな翔の姿を見て焔は自分のせいで翔がこんな怪我をしてしまった事に気付き罪悪感を覚えた。そんな翔に焔は心配の声を掛けようとした……が……
「………ハッ……ば、馬鹿な奴だ……。私なんかを放っておいたらそんな怪我なんてせずに済んだのにな……甘い奴だ………。」
(…!?ち、違……今はそんな事を言うつもりじゃ………)
「…お前、流石にそれは神経疑うわ……。」
焔はまたしてもそんな言葉を吐き捨てる……がこんな状況であるのにも関わらず意地を張った言葉を吐いてしまった事を後悔してしまった…。
……そんな焔に翔は怒る気も起きず完全に呆れ果てた表情を浮かべた……。
「……っ…いでで………とにかく……止血しねぇと……おい焔、俺の上着を脱がして……っ!?」
「………………?」
流石の翔も右肩の重傷の激痛が走る為に一旦止血しようと思い焔に上着を脱がしてもらうように言おうとする……が翔は突如驚きの表情を浮かべる……。そして焔も翔の表情、そして見えなくもないが薄暗いこの場所が更に暗くなった事に気付き背後を振り返ると………
「…………っ!!??」
「………こりゃあ……ヤバいかもな………」
そこには………翔達よりも大きく…そしてモサモサの獣の毛のような髪の毛、額は2本の角……そして顔はお面のようなものが付けられた……そんな大型の化け物が翔達の前に立っていた………!!
こ、この回と次回さえ乗り越えたら投稿する速度上がるかも…(確実に上がるとは言ってないw)