閃乱カグラ ~光と影の忍達~(仮)   作:レタスの店長

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久々の半蔵側回(…と言うより斑鳩さん回)です。




少年の優しさ・少女の想い

 

 

蛇女の襲撃から数日後……半蔵学院のメンバーは次に蛇女が襲撃してきても返り討ちに出来るように霧夜からの修行を受けていた。今までのままではいけない為に霧夜も以前よりも厳しい指導を行っていた。

 

 

「…斑鳩!動きが遅い!どうした!?いつものお前であればこれくらいは避けられるであろう!」

 

 

「っ!は、はい!!」

 

 

無数の手裏剣(作り物)を回避するトレーニングにて……斑鳩が幾つか掠めてしまっていた為に霧夜が指示する。……霧夜の言う通り斑鳩のスピードであれば簡単に回避できるようなものであったのだが……

 

 

「……斑鳩のヤツ…何か調子悪そうだな……」

 

 

「…確かに何処か調子が悪そうですね…」

 

 

葛城や佐介達も斑鳩の不調を勘付いていた。

 

……佐介や飛鳥もそうであったが実は斑鳩も翔が敵となった事に少なからずショックを受けていたのだ。村雨との和解の架け橋となってくれた翔が蛇女の生徒であった為に今までの行動は自分達と接触して情報を得る為であったのかと疑ってしまうようになってしまったのだった……。

 

 

(……斑鳩もそうだが政宗も様子が可笑しいな…。蛇女の襲撃後…悔しいというより…あいつの目はまるで『復讐』しか見えていないような…そんな目だった…)

 

 

霧夜は斑鳩が調子が悪そうだという事を察しつつも今ここに居ない政宗も同じく何処か様子が可笑しいという事に気付いていた。そう、政宗もあの襲撃にて復讐相手である蒼鬼を見つけるも以前と同じく軽くあしらわれてしまったが為に誰が見ても分かるように様子が可笑しかったのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ……わたくしだけこんな事して……よろしいのでしょうか……?」

 

 

その翌日、斑鳩は霧夜の指示にて今日は修行を休むように指示された。ここ数日、斑鳩の調子が悪い事に気付きつつも昨日で確信したためにこのままでは修行に身が入らない事を把握したためである。無論斑鳩はその事に反対するも霧夜にその事を指摘されつつも…

 

 

「今のままでは修行をした所でお前の身に入らないだろう。一旦頭を冷やせ……と言うのは違うとは思うが今は心を休めて来い。」

 

 

そう言われた為に斑鳩は反論出来ずに霧夜の指示に従った。そう言われたがどうすればいいのかと途方に暮れていた所、何処から自分が不調である事を聞き取ったのか不明だが村雨が電話をかけてきて会おうと言い出したので斑鳩は村雨と待ち合わせしている喫茶店へと向かっていた……。

 

 

「……いえ、こんな気持ちでは態々わたくしの為に誘ってくださったお兄様に申し訳ないです。今はお兄様とお話をするのを楽しみにしましょう……。」

 

 

こんな様子では村雨を更に心配させてしまうと思い斑鳩は気持ちを切り替え、村雨に会えるという事を楽しみにしようと思うのであった……。

 

 

 

 

 

そして村雨と待ち合わせしていた喫茶店にたどり着き、中に入った。村雨がどこに居るのかを探し、村雨が居た事に気付くが何やら村雨は楽しそうに話をしていた為に誰か友人を連れてきているのかと思いつつ斑鳩は村雨の席へと向かう……が……

 

 

 

「……え……?」

 

 

村雨が話している相手を見て斑鳩は驚く。

………何故ならばそこには翔が座っており村雨と楽しそうに話をしていたからであった………。

 

 

「お、お兄様!!」

 

 

「ん?おぉ、妹よ来たか~~~~」

 

 

「よ、斑鳩さん。」

 

 

斑鳩は急いで村雨の元へと駆け寄り村雨に声を掛けると村雨と翔は斑鳩に気付きそう返したが……

 

 

「お兄様!その人から離れてください!」

 

 

「お、おいどうしたんだよ妹よ!?」

 

 

「そ、その人はわたくし達の……半蔵学院の敵である蛇女子学園の忍なんです!!」

 

 

「…………。」

 

 

斑鳩は村雨を庇うように前に出てきてはそう言い出す為に村雨は戸惑う。一方翔はそんな事を言い出す斑鳩に呆れたように以前彼女に向けていたような表情となっていた。

 

 

「い、いや、蛇女である事は知ってるがダンナは……」

 

 

「いけませんお兄様!!この方はわたくしを……わたくし達を騙していたんです!」

 

 

「お、おい斑鳩……!」

 

 

「わたくし達の和解の架け橋となったフリをしてこの方は……この方は自分達と接触して半蔵学院の情報を得る為に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしろ!!!」

 

 

 

 

「……!?」

 

 

「…!」

 

 

斑鳩が翔の事をそう言い続けていた瞬間……村雨が怒声を上げた。その事に斑鳩はビクッと体を震わせ、翔も少し驚きの表情を浮かべた。

 

 

「お前たちに何があったのかは知らんし半蔵蛇女と言う関係もあるからかも知らんがダンナはそんな事しねぇ!!この人は俺を助けてくれ俺達を和解に導いてくれた恩人なんだよ!!」

 

 

「お、お兄さま……」

 

 

「これ以上ダンナの事を侮辱してみろ!!例え和解したとてお前を許さないぞ!!」

 

 

「……っ………!」

 

 

村雨は斑鳩に怒鳴るようにそう言う。……半蔵と蛇女…そう言う関係である事は知っているがそれでも翔は村雨にとって恩人であった。そんな彼にそんな事を言う斑鳩に怒りを覚え、彼女にそう怒鳴りつける。

………すると斑鳩は村雨にそう言われ、ショックを受けたのか涙を浮かべており村雨も冷静になると………

 

 

「………すまん、言い過ぎた…。だがな妹よ、確かにダンナの立ち位置は悪忍だがダンナはそんな事は考えねぇしそんな事はしねぇ。俺らの和解をダシにする事なんてしてねぇ……そうだよな、ダンナ?」

 

 

「………」コクリ

 

 

「…………………。」

 

 

涙を浮かべていた斑鳩を見て村雨は言い過ぎた事に謝罪し、斑鳩に翔の事を説明する。悪忍だからと言って翔はあの時の事を利用していないという事を明かす為に。

……暫く沈黙した空間が続くが……

 

 

「…そうだ!お前らまだちゃんと話し合ったり遊んだりしてないからそう言う事になってるんだよな!そうだ、そうに違いない!!」

 

 

「……お兄様……?」

 

 

すると村雨は何かに気付いたのかそんな事を言い出す為に斑鳩は少し疑問に思うと突如机に結構な額の金を置き……

 

 

「ダンナ!金は出すから妹と遊んでやってくれねぇか?ダンナと遊べば妹もダンナの良さを分かってくれる筈なんだ!!」

 

 

「え…?えぇ!?」

 

 

「…いや、俺はいいんだが……金まで出してくれて良いのか?」

 

 

「良いって事よ!ダンナと妹が仲良くなってくれれば俺も嬉しいでさぁ!!そんじゃあ俺はお邪魔にならねぇようクールに去るとするぜ!」

 

 

「あ、ちょ…お兄様!?」

 

 

すると村雨は自分の奢りで斑鳩と遊んで欲しいという事を翔に頼む。斑鳩はその事に驚き翔も少し戸惑うがそう返すと村雨はそう言いながら喫茶店から出ていこうとする。そんな村雨を斑鳩は呼び止めようとすると……

 

 

「……妹よ……頑張れよ!!」

 

 

「いや…何がですか!?」

 

 

村雨はサムズアップで斑鳩を応援しつつ出て行ってしまう為に斑鳩はどういうことなのか分からず仕舞いになってしまった………。

………村雨が出て行ってしまい沈黙が漂う中、斑鳩が翔の方を向くと……

 

 

「……………。」

 

 

「ぅ……」

 

 

翔は何処か不貞腐れたような表情を浮かべていた。無理もない、自分が先ほどあれだけあんな事を好き放題言ったが為に機嫌を損ねてしまったという事を斑鳩は把握した。

 

 

「あ……あの……翔……さん………?」

 

 

「………何?」

 

 

「お…怒って……らっしゃいますよね………?」

 

 

「あ~~~もう滅茶苦茶にね。今にもアンタを滅茶苦茶に(意味深)したいくらいだよ。」

 

 

「ぅぅ………。」

 

 

斑鳩がそう尋ねると翔はそう答える為に斑鳩は項垂れる。

……真面目な斑鳩は気付いていないがこの男、怒ってはいないのである……

 

 

「…そ……その……ご…ごめんなさい………」

 

 

「…え~~?どうしようかなぁ~~~~~?」

 

 

「ぅぅ………」

 

 

斑鳩の謝罪に翔は意地悪な言い方でそう返すので斑鳩はシュン…と落ち込む。

何度も言うがこの男、怒っておらずからかっているのである……

 

 

………そんな時、翔はチラリと落ち込んでいる斑鳩の方を向くと……

 

 

「……ちょい、ちょい……こっち来い」

 

 

「……?」

 

 

翔が近寄るよう呼び掛けるので斑鳩は「?」を浮かべつつも言われたとおりに翔に近寄り翔が座っている席の横に立った……瞬間……

 

 

「……っっっっ!!????」ムギュッ

 

 

「……お……っ!?」

 

 

あろう事かこの男、斑鳩の尻を鷲掴みにした。突然の行動に斑鳩は驚きつつ一瞬で顔からボッと音が聞こえる位に赤面した。一方鷲掴みにした翔も何故か驚きの表情を浮かべていた……

 

 

「……服越しからして意外とスラッとして見えたが……結構でけぇ……サイズは…詠のデカケツと同じくらい……か?」サワサワ

 

 

「ぇ…!?いや……うぇ………!?////」

 

 

「詠のデカケツと同じくらいのサイズでありながら柔らかさは違って……ほぉ…これはこれは……」

 

 

「しょ…翔さ……や、やめ……////」

 

 

「乳と良いケツと良い……こりゃあ弟子がセクハラすんのも頷け…「…いい加減に……なさい!!!」ごべぇ!?」バチーンッ!!

 

 

翔はそんな感想を述べながら斑鳩の尻を撫で回したり掴んだりと……好き放題していた。一方斑鳩は赤面しながら動揺しつつも……段々と怒りが込み上げては伝票ホルダーで翔の頭をぶっ叩いた。

 

 

「い、斑鳩ちゃん何もそんな怒らんでもええやねん~」

 

 

「怒るに決まってるでしょうが!?大体突然何してるんですか貴方は!?」

 

 

「フン、ケツ触らせただけで許してんだ。その寛大な心に感謝して欲しいね~」

 

 

「セクハラしてる時点で許すもクソも無いでしょうがぁぁぁ!!」

 

 

「…ほら斑鳩さん、そんなに騒いでると他のお客さんに迷惑でしょーが…」

 

 

「っっっ……!!(こ、この人は……!!)」

 

 

伝票で殴られてタンコブが出来た翔は斑鳩にそう言うも案の定斑鳩は怒りながら盛大にツッコミを入れた。

……しかし翔が突然そんな事を言い出すものなので斑鳩は言葉が詰まり、内心で村雨が言っていた翔の滅茶苦茶ぶりを実感するのであった……。

 

 

「あ、斑鳩さんよ、この喫茶店はこれがうまいんだぜ?」

 

 

「……あれだけの事しておきながらよく何事も無かったような様子になれますね……?」

 

 

「んなモン一々気にしてたら人生楽しく生きれないぜよ?」

 

 

「………もういいです……」

 

 

盛大にセクハラしておきながら何事も無かったように話しかけてくる翔を斑鳩はジト目で見ながらそう言うも翔はそう返してくるのでこれ以上続けても逆に疲れてくるであろう事に気付き斑鳩は諦めた表情になりながら翔のおススメしたパンケーキを注文するのであった。

 

 

「…あ、美味しい………」

 

 

「だろー?アンタの兄貴にも勧めたらうめぇうめぇって言ってたよ。」

 

 

それを食べた斑鳩は本当に美味しかった為にそう呟き、それを聞いた翔も斑鳩と同じく美味しいと言っていた事を話した。その後暫く話をした後、2人は喫茶店を出ていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「お、ゲーセンがあるじゃん。行ってみようぜ。」

 

 

「え?で、ですがわたくし…こういった所は……」

 

 

「だろうな、雰囲気的に行きそうにもなさそうだし。ま、行ってみりゃ楽しいって。」

 

 

「あ、ちょ……///」

 

 

喫茶店を出て暫く歩いているとゲームセンターがあったので翔は行こうと誘うも斑鳩は行った事が無い為に戸惑っていたが翔はそう言うと斑鳩の手を引いてゲームセンターへと入って行った。

中に入ると色々なゲームの音が響いた為に斑鳩は少し驚いていたが少しずつ慣れていき、翔と一緒に色々なゲームをしていった。

 

 

 

 

 

 

「どうだ?楽しかったか?」

 

 

「えぇ、初めてでしたが…楽しめました。……その……これ、本当にくださって良かったのですか……?」

 

 

「いーのいーの、プレゼントだと思って受け取って。」

 

 

ゲームセンターを出た翔と斑鳩……2人とも楽しんだ様子であり、斑鳩も初めてでありながらも楽しむことができた様子であった。そんな斑鳩はくまのぬいぐるみを抱いており、どうやら翔がクレーンゲームで取ったのをプレゼントした様子であった。

 

 

「お、ソフトクリームか。一緒に食べようぜ」

 

 

「あ、はい……。」

 

 

すると今度はソフトクリーム屋を見つけた為にそこで一息つく為に2人は向かい、2人ともバニラ味のソフトクリームを買って食べた。

 

 

「んめぇ……やっぱりソフトクリームはバニラだよな。」

 

 

「そうなのですか?……そう言うこだわりとかあるんですか?」

 

 

「いや、別にその辺は気にしてねぇけどやっぱりソフトクリームはバニラが定番だよなって感じだよ、異論は認める。」

 

 

「み、認めるんですか………」

 

 

ソフトクリームを食べながら2人はそんな会話をした。何気ない会話であるが斑鳩も不思議と楽しく感じていた。

そして食べ終えた2人は次にどこに行こうかと立ち上がると……

 

 

「……ぐすっ……うえぇぇぇん………」

 

 

「ん?」

 

 

「……どうしたのでしょうか……?」

 

 

突如子供の泣く声が聞こえ、その方を向くとそこには男の子が1人泣いていた。

 

 

「おう、どうしたんだよボウズ?」

 

 

「ぐすっ……おかーさんが居なくなっちゃって……」

 

 

「はぐれてしまった……のですね……」

 

 

翔が泣いている子供に尋ねると母親とはぐれてしまった様子である事を2人は察した。

 

 

「このまま放っておくことはできませんね……お母さまを探しましょう。」

 

 

「せやな」

 

 

「ぐすっ……ぐすっ………」

 

 

「これこれ、男がピーピー泣くんじゃないの。……そうだな……ちょっち待っとれ。」

 

 

このままこの子を放っておくわけにはいかないので2人は母親を探す事にした。それでも子供は未だに泣き続けるので翔はそう言うと斑鳩に子供を任せては先ほどのソフトクリーム屋まで走り出し……

 

 

「ほれ、これ食って泣き止め。」

 

 

「……え?良いの?ありがとうお兄ちゃん!」

 

 

「……………。」

 

 

翔はソフトクリームを買ってきては子供にそれをあげた。ソフトクリームをもらった子供は泣き止んでは嬉しそうにそれを食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

……その後、翔と斑鳩は子供に母親の特徴を聞いては一緒に母親を探した。暫く探し回るが現れる気配は無かった……。

 

 

「多分向こうも探してるはずだろうからそう遠くには行ってないが……」

 

 

「そう……ですね……。………?」

 

 

翔がそう推測し、斑鳩も同感して頷く……がふと斑鳩は視線を感じで子供の方を向くと子供はジッとくまのぬいぐるみを見つめていた。

 

 

「……え……えっと……これ、欲しいの……?」

 

 

「…………」コクン

 

 

「……そ……その……」

 

 

どうやらくまのぬいぐるみが欲しい様子であり尋ねると子供は頷く。……しかしせっかく翔がとってくれた物である為に斑鳩はそれを思い戸惑うが……

 

 

「いいよいいよ、斑鳩さん。」

 

 

「よ、よろしいでしょうか………?」

 

 

「斑鳩さんがそう思うならそれでいいよ。」

 

 

翔は斑鳩の様子から察し、斑鳩にそう言う。そう言われた斑鳩は翔に少し申し訳なさそうに思いつつも子供にくまのぬいぐるみを渡した。

 

 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

 

「……ったく、子供の頃からそんなに欲しい欲しい言ってちゃ、ロクな大人になんねーぞぉ~?」

 

 

嬉しそうにする子供に翔はニヤニヤしながらそう言った。

 

 

「あぁ、ボウヤ!」

 

 

「あ、おかーさーーーん!」

 

 

そんな時、ようやく子供の母親が現れ、親子は再会を果たした。

 

 

「おにーちゃん達がおかーさん探してくれてたの~!」

 

 

「申し訳ございません、本当にどうもありがとうございます……!」

 

 

「いえいえ、お気になさらず。」

 

 

母親が翔達にお礼を言いながら頭を下げ、斑鳩はそう返す。

 

 

「アイス買ってくれて、ぬいぐるみもくれたの~」

 

 

「もう、この子ったら……。ごめんなさい、アイス代やぬいぐるみは……」

 

 

「いいよいいよ、気にせんと貰ってってくれ。」

 

 

「本当にごめんなさい……ほら、ボウヤも……」

 

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう!」

 

 

子供がソフトクリームやぬいぐるみをくれた事を話すと母親は申し訳なさそうにしながらもお金を出そうとするが翔はそう返した。そして子供が翔達にお礼を言うと親子はそのまま去って行くのであった……。

 

 

「……ごめんなさい翔さん……折角あのぬいぐるみをくださったのに……」

 

 

「気にすんなって。でも斑鳩さんも優しいよな、ぬいぐるみ渡したんだから。」

 

 

「いえ……でもそれは翔さんのくださった物でしたが……。それを言うなら翔さんもすぐにソフトクリームをあの子に買ってあげたのですから翔さんの方が優しいですよ。」

 

 

「でも村雨の金だけどな。」

 

 

「………そう言えばそうでしたね……」

 

 

斑鳩は折角プレゼントしてくれたぬいぐるみを子供にあげてしまう事になった事を謝罪するも翔はそう返しつつそんな斑鳩が優しい事を言う。そう言われた斑鳩はそう言いつつも翔も同じくソフトクリームを買ってあげた事にそう言う……もよくよく考えれば村雨の金であった事を思い出した。

 

 

(……ですがあの様子から……恐らく翔さんは自分のお金であってもあの子にソフトクリームを買ってあげてたでしょう……。だから……翔さんの優しさは……本物ですね……)

 

 

しかし先ほどの様子からして村雨の金が無くとも翔は子供に買ってあげていたであろう事を予測しており、その事から斑鳩は翔が本当に優しい人物である事を実感していた……。

 

 

「もう時間も時間だし、帰ろうか。送ってくぜ。」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ。」

 

 

「んなこと言うなって、夜道に女一人は危ないぜ。それとも俺が蛇女のヤツだから半蔵まで近づけないってか?」

 

 

「そ、そう言う訳では……で、でしたらお願いします……。」

 

 

すると既に暗くなり始めている為に2人は帰る事にし、翔は斑鳩を半蔵学院の寮まで送って行こうとするが斑鳩は気を遣わせないようにそう言うが翔がそう言い出した為に勘違いしてもらわない為にもお言葉に甘えて一緒に半蔵学院まで向かうのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………翔さんは………」

 

 

「うん?」

 

 

「……翔さんは……どうして蛇女に入ったのですか……?」

 

 

帰路に着く中、斑鳩はふと翔にそんな事を尋ねる。……確かに最初は滅茶苦茶であったが翔が優しい人物である事を知り、そうでありながらも何故蛇女…悪忍の道に行ってしまったのかを気になり斑鳩は尋ねた。

 

 

「あぁ、スカウトされたからだ。」

 

 

「す、スカウト……ですか?」

 

 

「うん、今担任のセンセなんだけどな、俺と響輝…あぁ、相棒な。突然俺らの前に現れてスカウトしてきたんだよ。まぁ行く当てとかやる事が無かったから受けたけどな。」

 

 

「あ……あっさりですね………」

 

 

「まぁな、正直蛇女って名前からして女子高なのに何でスカウトしてきたのか疑問だったけど特別枠で入れてくれたんだ。入ったら入ったで男何人かいたけどな。」

 

 

翔は蛇女に入った理由を……響輝と一緒に鈴音にスカウトされた話をすると斑鳩はあっさりとした話であった為に少し唖然としてしまった……。

 

 

「じゃ……じゃあもしも……もしも半蔵の先生が蛇女にスカウトされる前にスカウトしてきていたら……」

 

 

「まぁ半蔵に行ってただろうな……」

 

 

「か……軽いですね………」

 

 

すると斑鳩はもしも蛇女がスカウトする前に半蔵がスカウトしてきていたらの話をすると翔がそう答える為に苦笑いとなった。

……要するにどっちでもよかった……との事であったのだ。

 

 

「………翔さん……」

 

 

「どったの?」

 

 

「…………やはり翔さんは……半蔵に来るべきだと思うんです……。確かに最初セクハラしてきては滅茶苦茶な事を言ってましたが……それでも翔さんは優しいお方である事を知りました。そんな翔さんと……佐介さんと飛鳥さんが争うのはやはりおかしいです……!だから……今からでも半蔵に……」

 

 

「…悪いがそれは出来ねぇな」

 

 

「…っ………」

 

 

斑鳩は翔に半蔵に来るように説得する。……今日まで疑っていた翔の優しさを知り、村雨と自分が和解に至るまでの事に尽くしてくれた事が真実である事を知った。そんな翔が佐介と飛鳥と敵対同士になってしまうのは悲しい事である為にそうならない為にも半蔵に来て欲しいと願うが翔はそれを蹴った。

 

 

「確かにアンタが俺や佐介達を思ってそう言ってくれてるのはよく分かる。だがな、そんな事をすれば俺は蛇女の仲間達を裏切る事になる。だから仲間を裏切るって真似は俺には出来ねぇな。」

 

 

翔は斑鳩が自分や佐介達を思って言っている事を理解した上でそう返す。……翔の言う通り半蔵に寝返ってしまえば蛇女の仲間達を裏切るという事になるからだ。

 

 

「……恐らく今アンタは悪忍にも仲間意識があるのかって思ってるんじゃないか?」

 

 

「い、いえ……そんな事は………」

 

 

「…まぁ無理も無いだろう。悪忍の実態とか知らねぇんだから噂だけ聞けばそう思っちまうだろうからな。でも俺からハッキリ言わせてもらえば善忍も悪忍もおんなじだよ。」

 

 

「……え?」

 

 

翔は今の言葉を聞いた斑鳩が何を思っているのか分かっているのかそう言う。そして翔から見れば善忍も悪忍も同じである事を言う為に斑鳩は少し驚きの表情を浮かべた。

 

 

「ま、簡単に言えば手を汚す事が多いか少ないかの話だよ。それ以外はハッキリ言っておんなじだ、善悪に分ける意味がねぇ。」

 

 

「………そ、それはどういう……」

 

 

「…ま、俺が勝手に思ってる事だ、気にすんな。……でも斑鳩さんも生き続けて忍ってのを続けていれば…分かるんじゃねぇかな?今の俺の言葉を……」

 

 

「………………。」

 

 

翔の言葉に少し理解できないのかそう尋ねるも自分の戯言だと誤魔化すように言うが斑鳩も忍を続けていれば分かってくるであろうという為に斑鳩は今は分からない為に黙り込んだ……。

 

 

「……っと……話してる間に着いたぜ。」

 

 

「…あ…そ、そうですね。」

 

 

そして話している間に半蔵学院に着いたのであった。

 

 

「そんじゃあ次会う時も善忍悪忍の抗争じゃなくまたこうして遊びに行ってる形で会いたいもんだな。」

 

 

「ぁ………。」

 

 

翔がそう言うと斑鳩も気付く。……半蔵と蛇女…つまり善忍悪忍同士である為に次会ったときは今日みたいではなくまた前みたいに敵同士で戦わないといけないかもしれないからだ。それに気付いた斑鳩は少し暗い表情となった……。

 

 

「………そぉい!」パァンッ

 

 

「…きゃあ!!??」

 

 

しかし翔はそんな暗い表情をしている斑鳩の尻を叩いた。(流石に詠の尻を叩いているレベルではなくそこから更に落としたレベルで)尻を叩かれた斑鳩は真っ赤になって悲鳴をあげ、尻を両手で抑えた。

 

 

「そんな暗い顔すんなって!あんたはやっぱ笑ってた方が可愛いぜ!そんじゃあまたな~~~!」

 

 

「ちょ…!また……!!待ちなさい、翔さん!!」

 

 

翔は斑鳩にそう言うとそのまま去って行ってしまう。またもやセクハラみたいな事をされた為に斑鳩は赤面しながら怒って騒ぐも翔はそのまま去ってしまった。

 

 

「……全く……あの人は………///」

 

 

尻を叩かれた事に斑鳩は赤くなりつつも少し怒った表情でそう呟く……。しかし今日一緒に過ごした事で翔は悪い人では無かった事を知れたために安堵し、そして小さく笑みを浮かべるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、お帰りなさい斑鳩さん!」

 

 

「おう、遅かったじゃねーか!」

 

 

半蔵の寮に帰ると飛鳥や葛城達、政宗以外の半蔵メンバーが斑鳩を出迎えてくれた。

 

 

「斑鳩先輩、どうですか…?」

 

 

「気分…晴れた?」

 

 

「…えぇ、心配かけて申し訳ありません。」

 

 

今日の休みで心を休められたかを佐介と雲雀が尋ねてきたので斑鳩は微笑みながら心配かけた事に謝罪をし、佐介達は斑鳩が大丈夫そうである事を把握し、安堵した。

 

 

「ところで斑鳩、どこ行ってたんだ?」

 

 

「……その事なんですけど……佐介さん、飛鳥さん……」

 

 

「……?どうしましたか?」

 

 

葛城は今日斑鳩は何処で過ごしていたのかを尋ねると少し困った表情をするが話すべきだと思った斑鳩は佐介と飛鳥の方を向く。

 

 

「………今日、あなた達のお兄さんと会いました。」

 

 

「……え…!?」

 

 

「しょ、翔兄さんに……!?」

 

 

「お、おい…ししょ…いや、翔のヤツにか…!?お前大丈夫だったのかよ!?」

 

 

斑鳩の言葉に佐介と飛鳥は勿論の事他のメンバーも驚き、葛城は心配して駆け寄って来た。……やはりあの一件にて葛城も翔を疑うようになっていた様子であった。

 

 

「…………佐介さん……飛鳥さん………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………あなたのお兄さんは……翔さんは……やはりあなた達が思う人でした……」

 

 

「「………!!」」

 

 

斑鳩は小さく微笑みながら佐介と飛鳥にそう言う。それを聞いた2人は驚くも……斑鳩の言葉から翔はやはり自分達が思う優しい兄であった事を知り、2人は涙を浮かべながらも嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

 

「……そっか……お前がそう言うんだったらそうなんだよな……。いやぁ良かった良かった~師匠が悪い人じゃなくてよ~。やっぱり思った通りだったぜ~」

 

 

「………嘘を吐け、お前今師匠呼びじゃなかっただろうに……」

 

 

「しょ、しょうがねぇだろうが~あんな事あったら疑っちまうだろ?」

 

 

斑鳩がそう言う為に葛城は最初から翔が悪い人物ではないと分かっていたかのように言い出すも柳生に突っ込まれてしまうのであった。

 

 

「……でもだったら何で佐介くんと飛鳥ちゃんのお兄ちゃん、蛇女に行っちゃったのかなぁ?」

 

 

「………何でも聞けばスカウトされたとの事で……。しかも聞けばもし半蔵が先にスカウトしていればこちらに来ていたとの事で…」

 

 

「えぇ……(困惑)」

 

 

「なんじゃそりゃ……」

 

 

雲雀がふと疑問に思うと斑鳩は先ほど翔が答えた事を話すと一同は苦笑いか少し呆れた表情になった。聞けば完全に気まぐれである様子であったからだ。

 

 

「で、でもだったらお兄ちゃんに半蔵に来るように言えば……」

 

 

「私も説得しましたが……応じてくれませんでした。蛇女を裏切る事はしたくないとの事で……」

 

 

「……そんな………」

 

 

飛鳥は説得すればこちらに来てくれるのではと思うが先ほど斑鳩が説得したように翔はその話を蹴り、蛇女を裏切る真似はしないと言った事を説明すると佐介と飛鳥は落ち込んでしまった……。

 

 

(………出来れば佐介さんと飛鳥さんが悲しむような事にはさせたくない…。どうしたらいいのでしょうか……?)

 

 

落ち込む佐介と飛鳥を見て斑鳩は翔と戦わせて悲しむ事にはさせたくないと思うが一体どうすればいいのか考えるも……答えは出る事は無かった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

善忍と悪忍……果たしてそれは争い合うしかない運命であるのか……?

 

 

……それとも………

 

 

 




~オマケ~

葛城「ところでお前、師匠と一日一緒に居たって言ってたけど何してたんだ?」

斑鳩「え…?い、いえ…ただ喫茶店で食事をして、ゲームセンターに行って、一緒にソフトクリームを食べて半蔵学院まで送ってくださって……」

柳生「……それ……完全にデートじゃないのか…?」

斑鳩「……デッ!!!???/////」(赤面)

柳生「…まさか……気付いていなかったのか……?」

葛城「お前、案外鈍いな……」


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