翔と蒼鬼の模擬戦から2週間程が経った…。今日も翔達は蛇女にて厳しい修行を行っていた…のだが、その特別演習場にて光牙と焔が対峙していた。
いつもの通り焔が突っかかって光牙に勝負を挑みこうなっている……ようにも見えたが翔と蒼鬼の模擬戦以降焔は何故か翔達に突っかかってこなくなったのだ。その事に翔も疑問を覚えたが今日になって突然光牙に勝負を挑んだ為に「…いつも通りに戻ったか」と思いつつ2人の模擬戦を観戦していた。
光牙の戦い方は光の粒子を操りそれから剣、盾、弓等々様々な形に変化させてはそれらで戦う戦法を行っていた。
光牙が攻めれば焔は矢を回避しては時に刀で防ぎ、逆に焔が攻めれば光牙は弓を盾に変化させては的確に防いだ。……が、やはり段々と状況は変わっていき次第に焔が追い詰められていた……。
「秘伝忍法・『
「ぐっ!?がああぁぁっ!?」
光牙の放った特大の光の矢が焔に直撃し、数十メートル先まで吹き飛ばされたが何とか受け身を取って体勢を整えた……が…
「…終わりだ」
(終わったか?)
光牙は既にもう一撃目を構えておりトドメを刺す準備が出来ていた。その為に普段の焔であればここで負けてしまうであろうと翔は思いそう考えた……が、何故か焔は追い詰められながらも不敵な笑みを浮かべていた。
「何だ?気でも狂ったのか?」
「そんな訳ないだろ……寧ろ頗る快調だ!」
(………ほぉ?)
光牙の問いに焔はそう返す……そんな様子に翔は今日の焔はいつもと違っていた……いや、数日前から違うように見えていた。何故ならばいつもであれば男子勢にいつも突っかかっては返り討ちに遭うというのが日常茶飯事になっていたのだがここ2週間は何処か大人しく変に突っかかって来なかったのだ。(ただし話しかければ「話しかけるな」と言い出すのだが…)
そして光牙も焔がまだ闘志が消えていない事を把握し……
「……そこまで言うんだったら…失望させるなよ?」
「そんなの当たり前だろ?お前こそ、気を抜くんじゃないぞ?」
2人がそう言い合うと同時に動き出し……
「秘伝忍法・『
光牙は光の矢を空に向けて放った。すると矢は拡散し、龍の化身と化した光弾が、流星の如く降り注ぐ。対する焔は臆する事なく光牙に接近し光弾が近づいて来ると共に勢いよく飛び上がる。
「っ!?」
焔の行動に光牙は疑問を抱いた。閃光龍雨は上空から落下し相手を狙い撃ちする為の秘伝忍法であり、発動直前に矢よりも高い位置に居るか射程外に居なければ回避は難しいのだ。その事を焔は知っている筈であるのに何故か飛んだのだ。光牙が疑問に思う中焔も空中で身構え……
「秘伝忍法・『
「……何ッ!?」
炎を纏った三日月型の斬撃を左右に振り、体を丸めては体制を元に戻した。その瞬間、炎の斬撃が全包囲に広がっては降り注ぐ光弾が全て相殺されていた。しかし焔は着地と同時に全身に力を込め…
「秘伝忍法・『響』!!」
焔は光牙の正面に一瞬で移動すると同時に光牙の上から特大の斬撃を放とうとした。
「秘伝忍法・『輝迅』!!」
しかし光牙も焔の来る位置を予測していたため、焔が自分の元に辿り着く頃には既に力が溜まっていた。そして2人の秘伝忍法が衝突したと同時に大爆発を引き起こした…!
「うああぁぁっ!?」
「ガハッ!?」
焔と光牙は互いに吹き飛んでは岩に激突する。その瞬間に焔の刀全てが焔の手元から吹き飛んでしまった。粒子を変化させる事で幾らでも武器を生成出来る光牙と違い、焔は自分で武器を生成する事は出来ない…これにより光牙は心の中で勝ちを確信していたが……
「……まだだ!」
焔は背中に担いでいた鞘から抜けない太刀をそのまま武器として使ってきた…!その事に光牙も予想が外れたのか少し驚きの表情を見せる。…そう、光牙自身焔のその太刀の存在を忘れていた。焔からあの刀は鞘から抜くことが出来ないと聞いていた為に使わないだろうと知らず知らずの内に決めつけていたのだ。その予想出来ない行動に光牙も少し動揺を覚えつつも…
「っ!…
すぐさま冷静になり、光牙は即座に弓矢を盾に変化させては防御を図る。しかし焔は闇雲に突っ込んできた訳では無かった…。光牙に向かって勢いよく飛び掛かった瞬間に体を後ろに向けて片手で印を結んでいた…その行動に光牙も遅れながらも気付いた。
「火遁・豪火球の術!!」
焔が即座に印を結び終えると口元に手を構え、息を吹いた瞬間直径等身大程の火の球が出現した。焔は炎の勢いで光牙の近くまで飛び、七本目の太刀を光牙の真上から叩きつけようとした。対する光牙も粒子を集め、盾を強化する事で焔を迎え撃つが数秒で状況は変化した。
「でやあああああ!!!」
「ぐっ!?」
焔の刀が光牙の盾に亀裂を入れ始めたのだ。光牙も焔の力に押され徐々に後退していき……そして盾が完全に破壊され、光牙は岩まで吹き飛ばされた。
何とか体勢を立て直した光牙だったが、既に焔は光牙の目の前に移動しており次の攻撃に移っていた…!
「もらった!」
「っ!?」
このタイミングであれば光牙でさえも反撃は間に合わないであろう。このまま攻撃が当たれば焔の勝利は確信であった。……その事を焔も確信しておりこれまで幾度となく敗北した光牙を相手に押している事に舞い上がっていた。
……しかし次の瞬間、焔は首筋に僅かな痛みを感じた為に振り返った。
「……は?」
振り返ると目の前に居た筈の光牙が背後に居ては首筋に手刀を当てていた。その事に疑問を浮かべつつも徐々に意識が遠退いていき、そのまま気絶してしまった。
「決着!勝者、光牙!!」
「……ハァ……ハァ………」
鈴音の宣言で光牙の勝利が確定した……が、勝利した光牙は肩で息をしていた。無理も無い、今まで楽勝であった焔が突然ここまでの急成長を遂げ、自分を追い詰めてきたのだ。その事もあってか流石の光牙も焦りを感じていた…。
「お疲れ様でした、光牙さん、焔ちゃん……は気絶してますね…」
「……詠か…」
「少しの間じっとしていて下さい、今治療しますので。」
「………あぁ」
戦いが終わりた2人を労う言葉をかけたのは詠であり、光牙にそう言うと詠は掌にチャクラを集中させては光牙の傷の手当を行った。
詠が行ったのは医療忍術の基本忍術の『掌仙術』であり、自身のチャクラを傷口に流すことで、傷の治りを早める術だ。
「はい、これで大丈夫です。秘伝忍法を多用してかなり消耗していますわね。光牙さん、宜しければどうぞ」
「……ああ、頂く」
詠は光牙を気遣い、傷の手当だけでなく態々用意したのだろうか人数分のペットボトルの内一本を光牙に差し出した。
「…らしくないじゃん、いつも余裕で勝ってたのにここまで追い詰められて。今日は調子が悪かったか?」
「……お前も見ていてわかるだろう、今日のアイツは今までとは違っていた…。」
「まぁな。この2週間随分大人しかったからな……それが関係してるんだろうな。」
「………成程な……」
そんな光牙に翔は少し意地悪そうにニヤニヤしつつも光牙にそう言う…すると光牙は今日の焔がいつもとは違っていた事を話しつつも翔にそう返すと翔も大人しかった2週間にて焔が何かあったのだろうと把握しており、光牙も納得した。
「焔さん、大丈夫ですか?」
「ん、んん……」
一方気絶していた焔は蒼鬼の医療忍術で治療されては意識を取り戻した。気絶から回復し、起き上がった焔はぼんやりとしていたが急に我に返っては蒼鬼の肩を掴んで揺すり始めた。
「お、おい蒼鬼!勝負は!?勝負はどうなったんだ!?」
「お、落ち着いて下さい…結論から申しますと焔さんは気絶してしまい、光牙君の勝利となりました」
「何……だと!?」
焔の質問に対して蒼鬼は少し慌てるもすぐさま冷静に結果を伝えた。一方で焔は結果を聞いて愕然となるも、直ぐ様光牙に掴みかかった。
「おい光牙!お前は一体何をした?あの状況でどうやって私の背後を取ったんだ!?」
光牙は焔を振り払い、焔を鬱陶しいと言わんばかりの目で見ていたが小さく溜息をつき一言だけ答えた。
「……奥の手の1つを使ったとだけ答えてやる」
「何!?」
光牙の答えに焔は驚愕した…あの状況でまだ奥の手を隠していたとは思ってもみなかったのだ。
「クソっ!また光牙に負けた…!!」
「…まぁまぁ今回は結構いい感じだっと思うわよ?」
「う、うるさい!慰めなんか不必要だ!負けてしまったら意味が無いんだ…!」
またもやしてやられて負けた事に焔は悔しそうにそう言う。すると春花に慰めの声を投げかけられるも焔はそう返しては落ち込むのであった…。
「……光牙くん……」
「……何だ?」
「先程の技……あれは『抜き足』ですよね?」
「お前……知っていたのか?」
「はい、過去に戦った忍の中には何人か抜き足の使い手がいたものでして」
「…そうか」
「……成程な……。」
「「「「?」」」」
蒼鬼の問いに光牙は先ほど焔の背後を一瞬で取った技『抜き足』の事を答えつつ翔もその事に納得していた。しかし他のメンバーはその会話について行けずに「?」を浮かべてしまっていた…。
「ね、ねぇ……私達はその抜き足って技が何なのか全然分からないんだけど……」
「あっ……そうでしたね。ごめんなさい」
「べ、別に責めてる訳じゃないけど……と、とりあえずそれを説明してよ」
未来が光牙達に抜き足について聞き出そうとしたが蒼鬼が余りにも申し訳なさそうな表情で謝るのでそう言いつつも説明を頼んだ。
「……ですが何処から説明をすれば……」
「抜き足について説明するなら、少しだけ脳についての復習も必要だろう……」
「あっ!……そうでしたね」
しかしどうやら色々と説明をしなければいけない為に蒼鬼は説明する部分を考えると光牙にそう指摘されては納得し、軽く咳払いをすると…
「では先ず脳についてです。案外忘れがちですが人間は見聞きしている事を全て理解する事が出来ません……それが何故だか分かりますか?」
「えっ?……ええっと……頭の中がパンクしちゃうから……とか?」
「正解ですよ未来さん。脳は基本的に1度に記憶出来る許容量が決まっています。例えば…1度に全く別の話を二つ以上されてしまうと何れか1つしか記憶出来ない、或いは全て記憶出来ないという事があります。それは無意識の内に脳が必要ない情報だと判断して情報の処理を行っているからです。そして抜き足はそれを利用し、相手の無意識に潜り込ませる技なのです。」
「…無意識に潜り込ませる?」
蒼鬼の言葉に唯依は首を傾げた。…『無意識に潜り込ませる』……その言葉の意味がよく分からないからだ。
「はい、自身の接近を相手の生命の危機に迫るギリギリまで気付かせない古武術…そして特殊な歩法と呼吸法の合わせ技こそが抜き足です。先程説明した様に人間は見聞きしている物を脳が無意識に幾つか処理しています。そして抜き足は相手の無意識に潜り込ませる技……つまり抜き足とは自分の行動を相手の脳に無意識に処理させる為の特殊な動きをして自分の接近を気付かせない技なのです。」
「何だと!?」
蒼鬼の説明に焔は再び驚愕する。それ程厄介な技を隠す余裕がまだ光牙には残っていたのだと思うとまた悔しさが込み上げてきたからだ。
「でもさぁ……そんな凄い技なら初めから使えば誰にも負けないんじゃない?」
「そうだ!何故初めから使わなかった!?」
「アホか。そう簡単に使えるモンじゃねーよこれは。」
「?」
「……おい蒼鬼。」
「はい?……分かりました。」
未来の質問、そして焔がまた騒ぎ立てる為に翔がそんな2人にそう声を掛けるも唯依も翔の言葉に「?」を浮かべる。その事に光牙は蒼鬼に声を掛けつつも視線で訴えると蒼鬼は察しては話す前に先程詠に貰ったペットボトルを取っては水分を補給した。
「翔くんが言った事については引き続ぎ説明しますね。」
「えっ?……分かるの!?」
「はい、抜き足は確かに強力ですが誰にも負けないという訳ではありません。パワーもスピードも足りなければ下手したら誘い込まれて終わりです」
「……?……どういう事だ?」
「今回はパワーを基準としましょう。…相応のパワーがなければ抜き足で隙を突いても対したダメージを与えられません。例えば相手が全包囲に防御の術を張り巡らしていたらその防御を破れるだけの攻撃力か結界を無効にする術が必要です。詠さんクラスのパワーがあればエネルギーを溜める事なく相手の防御を破れるかもしれませんが大抵の忍はパワーが足りない場合はスピードを上げて勢いを付けるかエネルギーを溜めて相手の防御を破ろうとします。ですが抜き足は相手の無意識に潜り込ませる技、エネルギーを溜めて気付かれては意味がありません。相手の防御が固いと致命的な弱点を突かない限り中々抜き足は決まりません。」
「た、確かに……」
蒼鬼の説明に未来はぐうの音も出ない正論であった為に納得した。
「それにそもそも抜き足自体が習得が難しい技です。他の技や術と組み合わせるとなると相当な鍛練が必要ですし技によっては抜き足と相性の悪い物もありますから組み合わせれば良いという訳ではありません。」
「でも…何で焔の時は使わなかったの?」
「焔さんは戦闘での勘が鋭いですからね。仮に隙を突いても一撃で仕留めない限り抜き足を読まれると判断したのではないでしょうか?」
「なるほど…簡単にはいかないんだね。」
蒼鬼の説明に唯依と未来は納得し、未来は先程の自分の発言が何れ程軽率な物だったのかを理解しては考えを改めた。
「おい、光牙」
「何だ?」
「単刀直入に聞くが…お前の抜き足を破った相手はいるか?」
(…やはりな…)
その一方、焔は光牙に抜き足を破った相手がいるのかを尋ねた。その質問をしてくるであろうと予想していた様子であった。
「…何故そんな事を聞く?抜き足の弱点でも聞く気か?」
「いや、お前の奥の手と言うんだ。破った相手は当然お前より強いんだろう?だったらその相手と戦って見たくてな…」
「…………」
光牙はそう尋ねるも大方予想はついていた。恐らく抜き足を破った相手と戦いたいとでも言いだすであろうと思えば面白い程に予想通りであった。確かに自分も強者との戦闘は大好物だが焔はある意味自分以上の戦闘狂である為に戦いを求めない訳が無かった。
「……鈴音や鎧威、父には初手で破られた。」
だからこそ光牙は話す事にした。今は自分の方が上だがもしかしたら自分を越えうるかもしれない。負けるつもりは毛頭ないが焔が今よりも強くなればもっと上の次元……即ち自分の望む戦いが出来るかもしれないと思ったからだ。
「成程な…鈴音先生に鎧威先生も……よし!」
焔は両頬を軽くパンパン叩き、気合いを入れて高らかに宣言した。
「光牙!私はお前より先に鈴音先生に勝利する!勿論、鎧威先生にもな!そしてお前を越えて最強の忍になって見せる!!」
「…俺らは眼中に無いんかい。」
「……感じ悪いね……」
「…いや、そう言うつもりじゃ無いと思いますが……」
焔の宣言に翔はそう言う。……今まで散々突っかかって来たのにそう宣言する為に響輝がそう呟く。その事に蒼鬼は苦笑いをしつつフォローするのであった…。
「……良いだろう……但し、そんな事は絶対にあり得ないがな。」
「何だと!?」
「まぁまぁ……お二人とも…」
焔の宣言に光牙がそう返す為にまた突っかかっては再び火花を散らし始める為に詠が2人を落ち着かせようとし、そんな様子に未来は「また始まった」と言わんばかりに愚痴を零した。
「……蒼鬼」
「はい、何でしょうか鈴音先生?」
そんな時、鈴音が蒼鬼に話しかけた。翔も鈴音と同じ事を尋ねようと思っていたが鈴音も恐らく同じ質問であろうと思いあえて黙った。
「…あの焔の急激な成長、あれはお前の仕業か?」
「……いえ、私はあくまで効率の良いと思った修行を焔さんに薦めただけです。…勿論どれも簡単な物ではありませんがその修行を乗り越えて成長したのはあくまでも焔さんの実力です。」
「…やっぱりか……。」
鈴音の質問に蒼鬼がそう答える為に翔は納得した。恐らく焔自身1人で考えた修行では急成長など出来ずに今日の戦いもいつも通り数分も持たずに倒されていたであろう。しかしやはり焔の急成長は蒼鬼が勧めた修行の成果であったのだ。
「…でもどう言う風の吹き回しだアイツ?あんだけ俺や蒼鬼を忌み嫌ってたのによ…。アイツの事だから「お前の手など借りん!」とか言い出しそうなのによ。」
「……2週間前の私と翔くんの模擬戦の後、焔さんが悩んでいた事に気付いたんです。恐らく自身の成長の伸び悩みに……そして翔くんや響輝さんに光牙くんだけでなく真司蛇くんや籠鉄くんに勝てない事を悩んでいたんです。」
「……そんな時に監督生の人がガングロの人に提案したと…?」
「はい。監督生…教師としての権限を持つ者……すなわち生徒が悩んでいたら見過ごす事は出来ない…出来る事なら可能な限り手助けがしたかったんです。」
「………そうか、監督生としての仕事は怠っていない様だな。」
しかし案の定翔は疑問に思いそう尋ねる。確かに今までの焔が頭を下げて教えを乞うような奴では無いと翔も分かっているからだ。すると蒼鬼は案の定あの模擬戦以来焔が悩んでいた事を察しており監督生として悩んでいる焔の手助けをしたいと思い焔に自分の修行を提案したのだった。それを聞いた鈴音は監督生としての仕事も怠っていない様子に頷いた。
「…成程な、ようやくアイツも恥を忍んで頼んだか。」
「…いや、恥はかいてないと思いますが…」
「……いや、今まで散々恥さらしてきたでしょ?それを考えればそうなると思うけど……」
「……う~ん……」
そんな焔の話を聞いては翔がそう言いだす為に蒼鬼がそう言うも響輝の言葉に流石の蒼鬼も少し考える表情となった……。確かに今まで翔達に意味もなく突っかかってきた行動はある意味みっともない感じであったからだ……。
「……とりあえず詰め込むのは結構だがお前も絶対に修行を怠るんじゃないぞ。そして明日には籠鉄と真司蛇が戻ってくる、明日は全員揃い次第忍部屋で今後の方針を説明する予定だ。明日からはより過酷な訓練を行う為に今日は一旦忍部屋に戻り休息を取れ。」
「はい。」
「毎回過酷過酷付けてないか?」
「黙れ、一々口出しするな」
鈴音はとりあえず蒼鬼にそう声を掛けつつも任務で今は不在の籠鉄と真司蛇が明日帰ってくる事を伝えつつ更に今後の方針を説明する事を話す。そして明日から更に過酷な訓練を行う事を話すも翔にそう口出しをされる為にそう言っては一瞬にして鈴音は姿を消した。
「……過酷な修行って何だろうな…」
「…また重りの重さ増やす感じじゃないの?」
「…いやいや、そんな生温いだけじゃ無いと思いますよ……多分……」
翔が呟くと響輝はそう思ったのかそう言いだす為に蒼鬼は苦笑いでそう伝える。……実際過酷な修行を行っても翔達は難なくこなす為に翔や響輝にとってはぬるい感じになってしまっている様子であった…。
「……さてと……」
そしてふと蒼鬼はそう呟いたと同時に焔達の方を向くとまたもや光牙と焔がにらみ合っていた。…どうやら焔が光牙の挑発に乗り再び戦おうと火花を散らしている様子でありそれを日影を除く他のメンバーが2人を止めようとしていたのだ。…一方日影は面倒くさいのか付き合ってられないのか部屋に戻ろうとしていたが……
「………どうしましょう……?」
「…脳筋ばっかりかこの学園は……」
そんな光景に蒼鬼は苦笑いをし、翔も呆れながらそう言うと3人は仲間達の元へと駆け寄るのであった……。
………そして場所は変わりとある山里近くの道路のバス内にて……
そのバスの中にて黒髪の少年がバスの席に座っており荷物の中から1枚の写真を取り出して何処か懐かしむかのような表情をしていた……。
……その写真にはまだ幼い頃の少年と1人の少女が写っていた。
「…半蔵学院か……ある意味里帰りみたいなものだよね。」
少年はそう呟くと写真をしまってバスの窓から景色を眺めた。
「…5年ぶりか……『飛鳥』ちゃんは元気にしてるかな…?」
少年…『佐介』は景色を眺めながら写真に写っていた少女の名を誰にも聞こえない様な小さな声で呟くのだった……。
…………この少年……『佐介』が半蔵学院にたどり着いたとき………
………この物語が幕を開けるのであった…………
←To Be Ccontinued・・・?
はい、実はまだ序章でしたw
と言う訳で次回からは超秘伝忍法の乱編がスタートいたします!(シノマスにて確か無印ストーリーはそんなタイトルでしたよね?w)