「楽炎……計画?」
「トワイライト……トゥリニセッテだってぇ!?」
「多元並行宇宙中より集められた“勇士の軍団”ンン──ッ!!?」
一時訳が分からなく混乱し身を硬直させていた間に
敵陣営が最終目標として完遂を目指すと言った企ての名称に、自分達が過去にゼムリア大陸における大きな戦いの中で時に敵対し時に共闘もしてきた“とある秘密結社”が昔から今も段階を分けて推し進めてきている長期の企み事の名称とどうにも類似している気がして、曖昧に両者の関係性を疑うような声を漏らしながら首を傾げるリィン。
《
《
文字通り三者三様の動揺を表した三世界の英雄達が騒然とざわめきたてている。 イノケント達が語った事はどれも荒唐無稽な話にも程がある、
「リィン・シュバルツァー。 言っておくが、我々の《楽炎計画》はかの“蛇”が【可能世界】で推し進める《オルフェウス最終計画》とは全くの別物だ。 ……いや寧ろ、我々の目指す【楽炎】は“蛇”の計画を頓挫させる可能性が高いだろう。 そうなれば“蛇”もいずれ近い内に我々の計画を潰しに、この次元世界へと参入して来る事だろうな……」
「なん……だと? それはどういう……ッッ!!?」
一応念の為にとジークが自分達の計画に件の秘密結社は関与してはいないという捕捉を伝えてきたが、しかしその後に彼は腕を組んで五秒間考える素振りをしてから、自分達の計画を叩き潰す為にかの結社も異世界の壁を越えて今宵の戦いに参戦して来るかもしれないと付け足してきた。 途方も無く頭痛がしてくるような話を連続で耳に聴かされて、一介の武芸者として日頃から精神鍛錬を欠かさずやっていても隠せない程の酷い動揺を表情に浮かべたリィンはジークに詳しい説明を求めようとする。 だがしかし、ジークの方は残念ながらもう時間切れだと言いたい顔をして両肩をやれやれと竦めていた。 何故なら、何時の間にか彼等の大将たる魔王様が右手に
「な……っ!?」
「おいツナ、アレは……」
「まさか……《
経った今イノケントが右手の親指・人差し指・中指で摘み、挿し込み孔の空いた面を上側にしてリィン達全員の目に入るよう前に掲げて見せた謎の正四角形の小物……その正体が何なのか獄寺・山本・ツナのボンゴレ三人組はよく存知ていたが為、三人はそれを目に入れた瞬間に目付きを鋭くして過敏な反応を示した。
ツナは確信を持って口にしたそれの名を《
イノケントが右手に摘まみ上げた“匣”には孔が空いていない五面に、先程まで展開されていた『
「ククク……さあ、我が次元魔王軍の力を刮目して見るがいい──いざ、開匣だッッ!!」
《次元魔王》が早く見せびらかしたくて辛抱堪らんとウキウキさせながら翳した左手の白亜色の“
「「「「「「「な──ッッ!!!?」」」」」」」
「あのような小さな
「しかも、なんてとんでもない
リィン達はイノケントが《零の炎》で開匣させた
まず艦体の
甲板の外装甲はこの戦艦が収納されていた“
次元間相転移式核融合炉搭載超越弩級型──次元間潜航幻想機動要塞母艦《
ミッドチルダの夜空を出現しただけで一瞬の内に席巻した超越弩級の空中要塞戦艦──《甘粕》を見上げて戦慄と畏怖を表す三世界の英雄達……彼らは過去に世界を滅ぼしたり大きな因果を捻じ曲げたりといった規格外規模の難敵と幾度となく対峙してきたが、今度の敵はいったいどれだけ桁外れの力を持っているのかと、皆息を吞んだ。
しかし、彼等が上に釘付けられてる隙にイノケントがまた《
「転位陣!?」
「あの《PARAISO》という戦術オーブメント、“結社”や“黒の工房”のもののような空間転位機能まで備えているのですか!」
転位の術に精通しているエマと過去にそれを機械的な技術に転用させていた暗躍地下組織と深い繋がりがあったアルティナが驚愕の声を発したその直後、夜天の上にデカデカと座した《甘粕》より魔王の奴の馬鹿笑いが響き渡った。
「くは、ふはははははっ! どうだ我が信奉する三世界の英雄諸君、驚いただろう? これが我が【次元魔王軍】の旗艦、その名も《甘粕》だ。 この艦には俺の
「イノケント、自慢がしたいのなら次の機会に取っておけ。 今回はこれまでにして引き揚げるぞ」
リィン達が時空管理局地上部隊本部の真上に浮かぶ《甘粕》を非常に厳しい面持ちで睨み上げると、白翼の牛鬼の艦首像の横合いから
そして高揚の熱を冷ました【次元魔王軍】の大将が凄く名残惜しそうに目を閉じて配下達へ「撤退だ」と指示を出すと、彼等を乗せた《甘粕》の甲板縁から地上の街へと長く降ろされていた大樹のように極太い錨の鎖が引き上げられ、
「もしかしてアイツら、逃げる気!?」
何処をどう見ても【次元魔王軍】が圧倒的に優位に立っていたこの状況で奴等は何故逃げ出す選択をするのかと疑問に思える一方で、イノケントやジークのような超次元
「テメェら、待てや!
「頼む、その7³半永久機関を持って行かないでくれ! その中の炎が消えちゃったら、俺達の世界が崩壊してしまうんだ──!!」
《剣帝》と同じ故郷の村の出身で彼の者と深い縁を持つアッシュは金茶色の短髪を逆立たせて凄まじく憤り、散々大嫌いな戦いを繰り返しやっとの思いで小さな家庭教師達を虹の呪いから解放する事ができたのにその呪いの立替えにした器を持って行かれるなんてとても冗談じゃないと思ったツナは必死の形相で相手へ懇願するように、それぞれの奪った大切な物を今すぐ返せという要求を撤退準備の為に艦内へ引っ込もうと背中を向けたジークへと投げつけた。 それで彼をもう一度こちらに振り向かせる事はできたものの、しかし相手は何処吹く風の様子で取るに足らない連中を見下すような冷徹な視線で英雄達を射抜き、残酷な返答を投げ返してくる。
「先程も言った筈だ、断るとな。 お前達の大事なコレらは俺が預かっておく。 返してもらいたいのなら、次に剣を交える時までに【炎の絆】を結び、精々更なる腕を磨いておけ……特にトールズⅦ組と機動六課の面々は、ボンゴレに習って早いところ【覚悟の炎】を灯す術を身に付ける事だな」
「くっ……!」
「そんな……」
「リィン君達とツナ君達の大切な物を人質にするなんて……許せない!」
「みんなの力を合わせて、絶対にアンタらをブッ倒して捕まえてやる──ッ!!」
「フッ……面白い。 次に会った時は、俺達《七星勇士》が相手だ。 我らが大将たる《次元魔王》イノケント・リヒターオディンの慧眼によって数多の異世界より選出されし七名の【勇士】を相手に、
《魔剣ケルンバイター》と《夜炎加速式7³半永久機関》を人質に取った上に挑発的な忠告を叩き付けてきた次元魔王軍幹部《七星勇士》筆頭のジークレオンに猛烈な怒りを覚えた三つの世界の
そっちがそのつもりなら上等だ、お前達がどれだけ理不尽に強かろうと絶対に負けてなるものか! リィンが、ツナが、なのはが、スバルが、三つの英雄伝説に炎の名を刻みし光の勇者達が天上異次元・多元並行宇宙規模の戦力を有する【次元魔王軍】へ対して臆する事なく一斉に絶対の反抗の意志を示す紅蓮の弓矢を向けた!!
是非も無し、それでこそ最強の
「さあ、敬愛する伝説の英雄諸君よ。 今より始めようではないか。 『全ての星空を【楽炎】で燃やし尽くす、三つの英雄伝説と次元魔王が交差せし、新たなる“炎の軌跡”の
今此処に、三つの“炎の軌跡”は交わった……次元の海に集いし物語に語られる光の英雄達が【炎の絆】を結び、数多の世界の命運を懸けて超次元の魔王達と壮絶な激闘を繰り広げる、新たなる王道の英雄伝説が今、始まる──ッ!!
やっっっっと書き終わったーーーーーッ!! いやー、プロローグ編は今年六月までに書き終わらせる予定のつもりだったけど、まさか十一月まで掛かるなどとは思わなかったぜ。(疲)
アリサちゃん(怒)「当たり前でしょうが! プロローグで合計21話30万文字以上も費やした長編を書く奴か何処に居るってのよ!!」
リボーン(やれやれ)「まったく、別作品の感想でも『文章が非常に長く、テンポも遅い』と指摘されただろうが。 濃厚で細かい描写を書こうとして要点を纏められないからこうなるんだぞ」
グナちゃん(ジト目)「“セッテイノツメコミスギ”モゲンインダロウナ。 ジョウホウリョウハオオスギルトイケナイシ、ドクシャノリカイモオイツカナイカラ、チャントチョウセツシロヨ」
ぐ……ぐうの音も出ねぇ。 反省して次章からどうにかしよう……。(危機感)
さて、プロローグ編『繋がる三つの世界。 集いし若き英雄達と次元魔王軍襲来!』はこれにて完結ですが、いかがでしたでしょうか?
次回からは“序章『《三世界英雄連合》発足』”を開始しますが、その前にプロローグ編完結を記念して、今作の『オリジナル敵キャラクター募集』を活動報告の方で開催しました。
オリ敵募集は内容を変えて三回する予定で、今回の募集第一弾は『【次元魔王軍】の中堅幹部』です。(詳しい内容と応募は活動報告で)
イノケント「フハハハハ! 画面の前の
ジークレオン「優秀な人材なら出身世界年齢性別罪科を問わず歓迎しよう。(
次の章のストーリープロットチャートの作成や『THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡』の方もそろそろ続きを進めていきたいので、恐らく“炎の軌跡”の更新はこれで今年最後になるだろうかと思います。
来年2024年は『英雄伝説軌跡シリーズ』『家庭教師ヒットマンREBORN!』『リリカルなのはシリーズ』三原作が揃って開始20周年記念迎える、楽しみな年ですね♪
以前のアンケートの結果で今作にゲスト参戦する事が決定した『落第騎士の
では読者の皆様。 また次回、序章で御会いしましょう!
グナちゃん「サラダバー!」