英雄伝説リリカルREBORN! 炎の軌跡   作:蒼空の魔導書

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界の軌跡クリアーから跨いで久しぶりの最新話更新です……ラスボスとエンディングが衝撃すぎてしばらく放心してました。

おのれぇメガネめ。 長いところしばらく音沙汰なくて色んな人が怪しくなっていたところでやらかして来やがって! まさに「虚にして実」か、まんまと騙されたぜコノヤロー! やっぱり軌跡シリーズのメガネキャラは絶対信用しちゃいけねええええーーーーッッ!!!(狂い哭き)




時空管理局

時空管理局──数多の次元世界へ繋がる【次元空間】の広大な海を渡る次元航行技術と超科学をもって自然摂理・物理法則をプログラム改変し超常現象を発現させる“魔法”を意のままに操れる《魔導師》の多くを有する事で、星の数程存在する《次元世界》の秩序と平和を守護している、一大司法機関。 通称“管理局”と一般に呼ばれ、魔法文化を持つ有人世界を【管理世界】に定めて管理局の管理下に置き時空管理法と魔導師部隊戦力のもとに守衛・警備と取締りを行い魔法犯罪や超常災害から民間の生活を保全する、魔導師の警察・軍隊組織という側面も合わせ持っている。 次元世界中を監視し、時空管理法を犯した次元犯罪者を検挙して刑事裁判で裁くのも管理局の務めだ。

 

「──と、簡単に説明するとそないな感じになるさかい。 大雑把に言うて、時空管理局(私ら)はアホみたいにデッカイ次元(この)世界を魔法の武力で支配しとる悪の大魔王軍なんや☆」

 

スッッッパパァァァァアアン!!!

 

んぎゃおおおおおぉぉぉぉっ!!?

 

アッシュから組織に対する不信用を訴えられて時空管理局の組織概要の説明を要求されたはやてが簡潔な説明をした終わりに口元にニヒルを利かせた悪の親玉面をして悪者ジョークをかましやがった為、再びフェイトのライオットザンバー・ハリセンカラミティーが二発音速炸裂した。 性懲りもないボケ狸娘が先程の焼き増しの如く円卓上に上体を突っ伏して後頭部に巨大タンコブの雪だるまを作っているのを眺めて、三世界の若き英雄一同はしょうもない呆れ顔を浮かべて一滴の困り汗を流している。

 

この大ボケ部隊長、いい加減にしなさい! アッシュ達(彼ら)に管理局が悪い組織じゃないと解ってもらう為に説明したいのに、悪の大魔王軍だなんて冗談言ってどうするの?」

 

「ごめんなさいフェイト様。 もう会議中にボケたりしまへんので、バルディッシュの柄尻で私の雪だるま(タンコブ)をグリグリするのを止めてくだはいな……」

 

「あ、ははは……リィン君達、さっきから大ボケ部隊長(はやてちゃん)が一々ふざけ過ぎちゃってどうもごめんね。 代わりに説明すると、要するに【時空管理局】とは、とても数えきれない程に沢山ある次元世界を独自の法制で管理して守っている、警察と軍隊と裁判所を合併したみたいな感じの凄く大きな正義の組織……って言ったらいいのかな、ヴィータちゃん?」

 

「って、アタシに訊いてんじゃねーよ、管理局のエース(バカなのは)がっ!」

 

雷鬼様のス○ンドを背中に出したフェイトが微笑に管程太っとい斜め青筋を浮かべながら机にキスした大ボケ部隊長を説教してシバいている隣で苦笑を溢したなのはが代わって説明内容の間違いを訂正しようとするが、隣の二人の漫才で変になった空気の所為で内容を上手に整理できず、どうにも説明が抽象的になってしまって自分でもよく分からなくなった彼女が自分の分隊の副官(ヴィータ)にヘルプを求めて、直ぐに組織の柱(トップエース)の立場の癖して今更組織の事を訊いてくるなと罵りが返ってきたので情けない声で「はい……」と言って肩を落とす。

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

リィン達異世界の助っ人勢は機動六課隊長陣の脈絡無さに口を紡いで呆けた顔になっているが、悩ましそうに首を捻ったのは円卓の向こう側の残念美女共の残念っぷりを眺めたからではない様子。

 

「えっと……ちょっと待って。 オレ、学校の成績悪いから法律の事はまるっきり解らないけどさ。 今、はやてさん“魔法”とか言ってなかったか?」

 

「魔法ねぇ……十年後のラル・ミルチが戦ってた魔導師の人形(ジンジャー・ブレッド)魔術(イカサマ)とは違うみてーだけど」

 

「それも神秘(オカルト)やファンタジーの魔法じゃなくて“超科学を使ったプログラム改変”だぁ? おいおい、なんか凄っげぇインチキ臭ぇし、そんなものを使って幾つもの世界を管理してやがるなんてのも、メチャクチャ怪しいじゃねーかよ!」

 

「つまり【時空管理局】とは、警察機関と軍事戦力を独占しながらも立法権と司法権を持ち、星の数程の世界の法制管理を執り行う、多次元規模に及ぶ法権統制機関という事か? ……その、なんというか」

 

「呆れる程の権力独占……はやて総部隊長となのはさんがおっしゃられた説明内容をそのまま解釈する限りなら“巨大な独裁政権組織”のように思えますね」

 

「もし此処にエリィ先輩が居たら物凄い剣幕になって指摘しそう……想像しただけで身震いがしてくるわね」

 

ざわざわ……ざわざわ……。

 

急に懐疑を孕んだ口々に不審を言い合い出した異世界の英雄達。 説明された時空管理局の組織概要があまりにも荒唐無稽且つ独裁体制的だと解釈された為、ボンゴレ三人組(ツナ達)にもトールズⅦ組(リィン達)にも評判悪い印象に傾いたようだった。 時空管理局側は異世界側から流れ始めた不穏な空気を感じ取って、これは拙くなったかもという焦燥の色を滲ませる。

 

「あれ? ……え~っと。 ひょっとして私となのはちゃん、下手な事を言ってもうたかな……」

 

「ああ。 とんでもなくドヘタクソな事言って、異世界側(俺ら)からの信用すっかりガタ落ちになっちまったぜ。 ……で、こっからどうやってこっちの信用上げてくれるんだ? なぁ、大ボケ部隊長(オマヌケタヌキ)

 

「金茶髪の君、今“大ボケ部隊長”と書いて“オマヌケタヌキ”とルビ付けたか!? 私、売られたケンカは買う主義やで!」

 

「はいはい、ケンカしないケンカしない。 はやてちゃんが大事な説明でボケたのが悪かったのよ? だから拘束魔法(ライトニングバインド)で身体を縛り付けられた椅子ごと引き抜いて立とうとしないで。 そっちの金茶髪の子も──確かアッシュ君だったかしら? ──兎に角お願いだから、あまりはやてちゃんを煽ったらダメよ?」

 

うえ~ん、シャマルママぁ~。 あの金茶髪のDKヤンキー君がイジメるんや~

 

子供(ガキ)かよ!? んな事言ったってなぁ──」

 

納得のできる説明が無くて、危険な独裁政権体制の疑いを持った組織を簡単に信用なんかできない──アッシュがそう反発しかける前に、今まで無言を貫いていた会議長席の右側に腰を掛ける機動六課の後見人三人の内の一人であった黒髪長身の男性魔導師がもう我慢ならないという風な憤りを声にあげながら席を起立してきた。

 

「君達、いい加減にしろ! ふざけ過ぎと無駄騒ぎばかりしていて、会議が全然進まないじゃないか!!」

 

その硬派という石膏で顔面全体を塗りたくったように生真面目な雰囲気を放つ上から下まで黒ずくめの男性魔導師は、あまりにも戯れが酷過ぎてグダグダな呈を異世界からの客人達へと晒しまくる身内の魔法少女達(バカモンども)に対して恥を知れと指差して大声で怒鳴りつける。 蟀谷に大きなバッテンの青筋を作って逆ハの字にキツク吊り上げられた上官の双眸に射抜かれたはやて達がビクリッ! と全身を竦みあがらせて、水の如く喧騒を収めながら過度のストレスを受けさせられてとても御怒りである彼へ顔を向ける。 リィン達異世界の助っ人等も全員一声で場を静めた彼へ何者なのかと注目を集める。

 

 

時空管理局本局次元航行部隊、XV級艦船≪クラウディア≫艦長──クロノ・ハラオウン提督 CV:杉田智和

 

 

「はやて、なのは達も、そんな非常にしまりがなくて見苦しい様相を客人達の目に晒して、恥ずかしくはないのか? まったく、君らはいつもいつもそうだ。 少し親しくなれた仲になったからといっても無遠慮が過ぎるぞ!」

 

「ク、クロノ君……」

 

「ほら見なさい、はやてが大ボケし過ぎる所為でぶざけ事が大嫌いなカタブツのお兄ちゃんが怒っちゃったじゃないの!」

 

「フェイト、君も会議中に魔法やデバイスを使用して暴力を振るうのは関心しないぞ。 気持ちは凄く理解できるけどな……。 それと以前にも指摘したが、人前で“お兄ちゃん”呼びするのはやめてくれ。 あと誰がカタブツだ義妹よ?」

 

黒ずくめの男性魔導師──クロノは周りの注目が自分へ向いた為に少々昂り過ぎた激情を抑えてはやて達を冷静に諫める。 しかし、未だに円卓の上に頭を突っ伏して雪だるま(タンコブ)を乗せているはやての背中をバルディッシュの柄でポカポカと叩きながら宛も自分は常識側にいる風で大ボケ部隊長にクドクドと文句を宣っている義妹(フェイト)を眺めて指摘を入れつつ気の重い嘆息を吐いた。 彼の気苦労が知れる様子を目の当たりにした異世界勢が苦笑を溢してしまう。

 

──あの人って、昨日オレ達を逮捕して時空管理局の本局ってところに空飛ぶ戦艦で連行していった人達の中に居たんだよね? 最初は容赦無くて怖い人かと思ったけれど、あの様子を見ているとなんだか問題児だらけの周りにとても苦労している人みたいで、少しだけ親近感が湧いてくるなぁ……。

 

──あの真っ黒ボウズヤロウ、昨日はよくもこっちの話を全く聞かないでオレ達を不当逮捕しやがったばかりか、十代目の目の前で右腕であるオレを不意打ちで捕縛して恥かかせやがって。 あとでシメてやるぜ!

 

──ふむ。 あの気堅いような雰囲気(かぜ)を纏う御仁は、機動六課(はやて達)とは随分と親しい間柄であるようだな。 星杯騎士団守護騎士第五位のケビン・グラハム卿とその従騎士であるリース・アルジェント殿や第九位のワジ・ヘミスフィア卿と新米従騎士のヴァルド・ヴァレス殿のように、きっと組織の上下関係とは無縁な風体でいて気の知れた良き友なのだろう。

 

──それにしても、先程からあの男の人ははやてさんが冗談を言ったり、フェイトさんが魔導杖(?)で冗談を言ったはやてさんを引っ叩たいたりする度に、何度も胃薬のビンの錠剤を取り出して過剰摂取している様子を横流しに見て取れていましたけれど、やっぱり相当に気苦労をしている真面目な人のようですね。 私も、ローゼリアおばあちゃんが我儘ばっかり言って厳しく叱っても言う事を聞いてくれないという悩みがあるから、少し共感できるかも……。

 

──なんだか、トヴァルさんやミハイル少佐に近しい苦労人の気配を感じられる人だなぁ。 心なしか、あの二人とは声まで似ているような……。

 

生暖かい(一部怨念が混じる)視線が自分へと集められているのに気付いた苦労人(クロノ)がどうにも気まずそうにして、異世界の助っ人達の方へ見向く。

 

「ぁ……コホンッ! 見苦しいところを見せてしまって大変申し訳ない。 先ずはこの前に君達へしてしまった非礼を詫びさせて欲しい、先日は事情聴取もせずに不当な身柄の拘束と連行を執り行ってしまって本当にすまなかった。 僕は管理局本局の次元航行部隊提督クロノ・ハラオウン、ファミリーネームで判ると思うが其処のフェイトの()()()()でもある。 君達は先日の【第二次ミッドチルダ大空襲】及びに【魔王降臨事件】の際は機動六課(義妹と友人達の部隊)が危機的状況に陥ったところへ救援に入って助太刀してくれたと義妹達から改めて聞かせて貰った。 ありがとう、君達のおかげで僕の掛け替えのない義妹や友人達とその部下らは皆こうして誰一人欠ける事なく無事にいる。 心から礼を言おう」

 

「い……いえ! どどどっ、どういたしまして」

 

「俺達は悪漢の卑劣な武力行使を受けて危機に晒されていた善良の人から助けを求める声を聴いたから助太刀に入っただけです。 当然の事をしたまでですよ」

 

「ええ、リィンさんの言う通りです。 こちらこそ、突然に何処か知れない別の世界から次元間転位してやって来て、そちらの大事な作戦中に御邪魔してしまった所為で色々とややこしくしてしまったようで、どうも御迷惑お掛けしました」

 

「うん、困った時はお互い様と言うべきだろう。 誤認逮捕の事も過ちを認めてしっかり謝罪をしてくれたのだから、こちらも水に流しましょう。 これで互いに蟠りは無しとしませんか?」

 

「なのな♪ ほら、獄寺も何時までも怒った顔してねーで、ちゃんと謝ってくれたんだから昨日の事はもう許してやれよ? うちのボス(ツナ)だってもう許している様子だしな」

 

「ケッ! なにを上から目線の謝罪しやがってよ。 偉そうに……」

 

「いえ、クロノさんは今“提督”という戦艦指揮権階級を名乗っていましたので、事実として時空管理局の組織内部の中でも相当に偉い地位の人なのでは?」

 

「はいはい、話が進まないから。 皆これ以上の主語は謹んで、どうかクロノ提督の話に耳を傾けてね」

 

先日の誤認逮捕の件を義理堅く謝罪しながら毅然とした口調で名乗りつつ先日の戦いの最中に機動六課の絶体絶命の危機を救ってくれた事への御礼を申し上げてきたクロノに対し、ツナやリィン達異世界の助っ人側が彼の律義さに感心を寄せながら聞き入れて互いの間に有った蟠りを解いていたが、それでも納得がいかない様子の獄寺が拗ねた事を言って、その言葉の内容に疑問を覚えたアルティナの発言で話が脱線して延々と終わらなそうになりかけた為、フェイトがパンパン! と手を叩いて話を無理矢理止めさせた。 よくやったと自分の義妹に視線で感謝を伝えたクロノが直ぐに真剣な面持ちをして異世界の助っ人達へと向き合い、厳かな口を開いた。

 

「改めて、機動六課の八神はやて総部隊長より引き継ぎ、我々時空管理局の組織概要について僕の方から君達に誤解の無いように補足説明をさせてもらうとしよう」

 

クロノは話始めに戯れを一切挟まない真面目な口で、はやてに変わり時空管理局の詳細内容の続きを語らせてもらう旨を異世界の助っ人側に伝える。 その際に人に誤解を植え付けるからもう黙っていろと鋭くした視線でギロリとはやてに一瞥して釘を刺してから説明しはじめる。

 

「管理局の主な仕事内容については八神部隊長の話していた通りだ。 組織図についても概ね彼女と高町一尉の説明通りではあるが、断じて悪の大魔王軍でも独裁政権組織などでもない。 次元空間内に星の数程存在している次元世界全体の文明と人々の暮らしを、【魔法】や【古代魔導遺物(ロストロギア)】といった()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から護る為に組織された、平和と法の守護者……魔法世界の秩序を管理し統制する事を目的にしている次元の海に浮かぶ“法の船”というのが時空管理局(ぼくたち)の肩書きだ」

 

「魔法技術の管理統制……それはつまり、時空管理局(あなたがた)は次元世界と仰られていた沢山の世界の人間社会の実権を握り独裁統治を執り行っているのではなくて、あくまでも魔法をはじめとする超常や神秘の技術を管理するための法を作り、魔法技術となのはさん達のような魔法使い──《魔導師》の素養を持つ人間を戦力として集めながら、それ等を用いて魔導師の無法者や古代遺物(アーティファクト)のような超常の災厄を引き起こしかねない超越高度技術文明遺失物(ロストオーバーテクノロジー)などによる超常的犯罪や事故の危険が数多に在る世界の人々の生活に及ばないようにしている──という事なのでしょうか?」

 

「聡明な理解を持つ人間が居るようで助かる。 そもそも勘違いされがちだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()で乗っ取ってなどいないし、管理世界内でも非魔法的な政治経済の対応は管理局の発祥地である第一管理世界(ミッドチルダ)を例外として次元世界各国の司法に一任しているからな。 あくまで管理局は次元世界における()()()()()()()()なんだよ」

 

まず、時空管理局(じぶんたち)は悪い組織ではなく正義の組織であるという事を解ってもらおうとクロノは弁明し、異世界側でこの場に最も聡明な思考を持つミュゼがクロノの説明を即理解して具体的な解釈を述べると、クロノが感心したように一瞬の微笑を浮かべてから直ぐに苛立った目尻を吊り上げて補足説明を行った。 先日ミッドチルダに空襲して来たミッドナイト軍の総軍司令官ラコフ・ドンチェルが、なのは達に助太刀したリィンやツナ達に向かって管理局は【魔法技術の独占による武力支配】をおこなっているなどと見苦しい不当なでっち上げを宣っていたが、“魔法技術の統制管理”という名目を掲げて魔法技術文明を有する世界を【管理世界】に指定してその世界の魔法技術を組織の法管理下に置くというやり方は傍から見ると強力な魔導師と魔法兵器を使って強引に奪い取っているようにも見える為、そういった批判が多いのも事実である。 だが、しかしとして──

 

「──たとえ、他から魔法技術の独占だと言われようとも。 すべては次元世界の力無き人々を魔法が起こす超常の危険や災害から護る為に、時空管理局という魔法の司法機関が在るんですよ……」

 

クロノの話を引き継ぐようにして、今度は彼の隣の席に腰を掛けていた緑髪のベテランキャリアウーマン風格の美女の後見人が起立した。 25歳前後っぽい外見でいて長く熟された艶美さを放ちながら、ポニーテールに纏めた長い髪の良く似合う大人の女性だ。 その額に彫られた斑点模様が謎の女性っぽさを引き立てていて、凛とした緑の瞳は人の心を見透かすようで、ビシリと着こなされた青地のタイトスカートスーツ姿が目に眩しい。 柔和でいて厳然さを感じさせる良く透き通った綺麗な声が印象的で、彼女の語り口はその場の人間全てを聞惚れさせる。

 

 

時空管理局本局総務統括官──リンディ・ハラオウン CV:久川綾

 

 

「これは失礼。 異世界の皆様方、この度は御初に御目にかかります。 クロノ提督に同じく機動六課後見人の一人にして、時空管理局本局職員のリンディと申します。 以後、御見知りおきを」

 

「どどどっ、どうもご丁寧にありがとうございますっ!(ひぇ~、なんか凄い偉そうで綺麗な大人の女性じゃないか。 どうしよう、緊張するよぉ……)」

 

「こちらこそ、初めまして。(むむっ、温和に見えて隙が無い雰囲気……それにこの透き通るような声は、なんだか()()()()()()()()()()()()()()()()()……?)」

 

両脚を閉じて背筋を真っ直ぐに、指先までキチンと揃えた両掌を膝に添えて斜め45度に上体を下げる。 まさに社会人の見本と呼べる規則正しい御辞儀を披露してみせたリンディの所作を眺め、彼女のその姿から感じられる気品高さにツナ達ボンゴレ三人組やユウナにクルトにアルティナ等は意識を飲まれそうになって肩が張り、前者の者達よりは比較的対人の空気に強いだろうリィン・エマ・ガイウス・ミュゼ・アッシュ等も思わず背筋が伸びる。 トールズⅦ組勢は加えてリンディの丁寧な挨拶と自己紹介を聴き、彼女の発する綺麗な声音から自分達の過去の戦いの記憶の奥により印象深く刻み込まれていた《鋼の聖女》の面影を一瞬思い起こしそうになって眉根に皺を寄せている。 たったの自己紹介だけで百戦錬磨の異世界の英雄達に緊張の糸を強く張り詰めさせたこの女性、只者ではない。

 

「ちょっとリンディ母さん、みんなが緊張するからもう少しお手柔らかにお願いします……」

 

「この対談会は信頼できる知人以外には極秘にしてあります。 重要な客人相手に礼儀を失する訳にはいかないでしょうが、本局の上層部議会や管理世界政治家の御偉い方などを相手取る場のような形式はさすがに必要無いかと思いますよ、母さん」

 

「あらら本当? ウフフ、ごめんなさい。 初対面でちょっと堅苦しかったわね」

 

「あれ? 今フェイトさんとクロノさん、リンディさんの事を“母さん”って……」

 

相手側の気を硬くしてしまったリンディを見兼ねたハラオウン義兄妹(フェイトとクロノ)が彼女にもう少し手加減して態度を緩めるようにと頼み、リンディは二人からの注意に従って形式取った態度を崩しながら柔らかな笑みを浮かべた。 どうやらこちらが彼女の素の顔であるようだが、ハラオウン義兄妹がリンディに対して“母さん”と呼んでいたのを耳に拾ったユウナが首を傾げて頭上に?マークを浮かべる。 それに気付いたリンディがついうっかりしていたという風に口もとを手で押さえてから不十分だった説明を付け足す。

 

「あ、言い忘れてましたね。 私はクロノ提督とは血の繋がった実の親子で、フェイトは九歳の子供の頃からの養女なの。 二人共、私の自慢で大事な子宝で大切な家族なんですよ♪」

 

「やっぱり、そうだったんですか」

 

「しかし、フェイトさんが養女という事は、フェイトさんの本当の両親の方は……」

 

「……」

 

「アルティナ」

 

「ぁ……今のは失言でした。 そちらのお気持ちを考えずに大変申し訳ございません、フェイトさん」

 

「ううん、大丈夫だよ。 いつか話してあげるから、今はごめんね……」

 

「……では、時空管理局の話の続きをさせてもらうわね」

 

少し沈んだ空気になってしまったが、気を取り直してリンディは一旦席に座り直してから時空管理局の説明の続きを語り出した。

 

「時空管理局とは、凡そ百五十年前に旧暦以前の古代ベルカ時代から長きにわたり続いていた次元世界大戦の影響で一度文明崩壊が起こりバラバラになってしまっていた数多の世界の人々をまとめ上げて平定し、七十五年前に魔法技術を中心とした新暦時代開闢を築いた三人の英雄によってその年に創立された組織なの。 次元世界大戦では通常の飛行艦では航行不可能だった複数の次元世界を繋ぐ亜空の海である次元空間を新開発された魔力駆動炉によって航行可能にした“次元航行艦船”や殺戮や大量破壊を誰の手でも行える“質量兵器”が各次元世界の国々で量産されて、それ等を次元空間を股にかける次元規模の戦争へと大量投入使用した結果の果てに大戦の戦勝国である聖王連合を含む古代ベルカの長い歴史ある数々の王国が滅亡し、超越技術的な魔導機械文明によって栄華を誇っていた先史文明は質量兵器によって跡形も残らず破壊尽くされました。 散り散りになった古代魔導遺物(ロストロギア)の暴走で沢山の世界が消滅したり、質量兵器に破壊された文明の建物の瓦礫の山の中で次元世界人類は先の希望が見えない暗黒の時代と言える程に過酷な生活を長く強いられ続ける事になったけれども、その三人の英雄が質量兵器に頼らない【魔法】の力によって崩壊した文明を再興し、質量兵器の運用を禁止した。 同時に新暦が始まり、新しい次元世界の中心技術となった【魔法】と次元空間航行技術を悪用されないように管理する事や次元世界中に散らばった危険な古代魔導遺物(ロストロギア)を回収して封印するなどをして次元世界の厄災を防ぐ事を最初の目的として、【時空管理局】は組織されたのよ」

 

──【塩の杭】の大厄災で滅びた大公国の人々をまとめ上げて革命を起こした北の大英雄であるバレスタイン大佐(サラ教官の義父さん)ヴラド・ヴィンスレット大佐(ラビィの祖父)等によって創立されたノーザンブリア自治州と《北の猟兵》に似ているような気がするな。 もっとも、時空管理局は北の猟兵とは比べ物にならない程に組織規模も活動範囲もずっと巨大であるようだが……。

 

「時空管理局を創立した三人の英雄は本局のトップ“最高評議会”として局全体を取り仕切るようになったの。 その後、管理局は当初の組織の旗揚げに最も貢献し“伝説の三提督”と謳われるようになった三名の最高位魔導師を中核に魔法技術の発展と次元航行艦隊の編成を行い、異なる魔法文明を有する複数の次元世界へと手を伸ばして取り込み、勢力を拡大し続けた。 やがて次元世界中の魔法文明世界を管理下に置いた管理局はそれらの世界をまとめて【管理世界】と名付け、最高評議会と本局によって制定された“時空管理法”の下に魔法世界の法と秩序を守護する巨大な司法機関へと成ったわ」

 

「ちょちょっ、ちょっと待ってください。 魔法文明を有する複数の世界を取り込んだっていうのは、まさか侵略して力付くでその世界の人達に言う事を聞かせたんですか!?」

 

「人聞きの悪い事を言うんじゃない!」

 

「ひえっ!? ごご、ごめんなさい……

 

「この真っ黒ヤロウッ! テメェ昨日の俺らを不当に拘束しやがった仕打ちばかりか、十代目の真っ当な意見にいちゃもんくれやがって。 もう許さねぇぜ!!」

 

「ちょっ、獄寺君!?」

 

リンディが語る一部の内容に疑惑を持ったツナが慌てて席から立ち上がって【管理局は無理矢理の武力行使を行ったのではないのか】と投げつけてきた事に大変な遺憾を示したクロノがツナへ怒鳴りつけ、それに獄寺が堪忍袋の緒を切れかけさせて腰を下ろしていた椅子を倒す勢いで立ち上がりながら隠し持っていたダイナマイトを持ち出してクロノに攻撃威嚇を向ける。 これはマズイ──

 

「──双方、武器とデバイスを納めなさい」

 

唐突の一触即発により武器(デバイス)を手に取って衝突し出しそうになった二人を百戦錬磨の英雄一同が直ぐに取り押さえようと動こうとしたその直前、リンディの冷静で威厳の通る一声によって獄寺とクロノがビクリッと畏縮して互いを威嚇していた武器(デバイス)を反射的に下ろした。

 

「此処は会議の場です、喧嘩なら外に出てやりなさい。 クロノ提督も、立場を持つ大人なら子供の意見に腹を立てないで、冷静な応対を心掛けるように」

 

「チッ……」

 

「……軽率な行動でした、申し訳ございません。 確か、沢田綱吉だったか? 君にも謝罪しないといけないな。 怒鳴ってしまって、すまなかった」

 

「いっ、いえいえ。 オレの方こそ侵略じゃないかだなんて大変失礼な事を訊いてごめんさない……でも、それなら時空管理局はどういった方法で次元世界中の魔法文明世界を傘下に入れられたというんですか、リンディさん?」

 

「そうですね。 私も当事者ではないので、無限書庫のデータベースに保管されていた当時の記録日誌の一部からの抜粋になってしまいますが──」

 

リンディが小窓程度の大きさの空間モニターを手元に出現させて、その画面に表示された日誌文面を人指し指で横ページ捲り(スワイプ)しながら語るに──新暦元年に設立された時空管理局が次元世界の魔法文明のほぼ全てを管理下に置く事ができたのは組織のトップである最高評議会が持つ英雄としての名声が大きかったのもあるが、それ以上に当時現役だった“伝説の三提督”──《レオーネ・フィリス》《ラルゴ・キール》《ミゼット・クローベル》が次元航行艦隊を率いて次元世界中を巡り、未だに質量兵器を保持して内部紛争を起こしていた国に高ランクの魔導師を投入して戦いを収束させたり、古代魔導遺物(ロストロギア)の災厄に見舞われて崩壊寸前だった次元世界に駆け付けて暴走していた古代魔導遺物を封じ込めてやったりなどをして、八面六臂の大活躍を見せた事で組織の大評判を獲得していたという事らしい。 それを宣伝広告(プロパカンダ)に使って次元世界中の国家に対し時空管理局と繋がる事への有用性(メリット)を示したのだという……。

 

「──と、大方そのような過程で救世主的な組織的価値を得た創立当時の時空管理局の傘下に加わることを他の魔法文明世界は余儀なくされて……」

 

「そんでもって、仕舞いには木の蜜の周りに(たか)ってくる虫みてぇにって訳か……ったく、何処の国も世界も、英雄様にたらし込まれやがって」

 

「ハ、ハハハ……」

 

昔の時空管理局の英雄達に次元世界中が夢中だったと聞かされ、こっちの世界でも同じかと呆れ果てた顔して愚痴ったアッシュとそれに苦笑を溢すリィン。 何時如何なる世界であっても、英雄伝説とは人々を夢中にさせて愛されるものなのだ。

 

「そう……なので、時空管理局は次元世界中からの賛同を受けて、魔法世界の法と秩序の守護を任されているのよ。 もちろん、色んな考えを持つ人が寄り集まって巨大になった組織はどうあっても何処かの部分は必ず腐ってしまうものなのだから、残念ながら実権の闇で後ろ暗い事をやる汚職局員が出てしまう事も少なくないのだけれどもね」

 

「だとしても、それ以上に魔法の力を正しく使って次元世界の平和を守りたいと純粋に願い、組織や世界の闇を祓えるよう真っ当に悪や理不尽と戦っている人間が殆どさ。 僕の義妹(フェイト)その友人ら(なのは達)古代遺物管理部機動六課を中心に、局が有する正義の魔導師達は力無き人々を守る為に使う魔法の力と純粋な光の意思を以って幾つもの次元世界を危機から護り抜いてきた実績がある。 それ故に、多方面から手厚い信頼を勝ち取り、次元世界有数の力を持つ信仰宗教団体である【聖王教会】とも良き協力関係を結べているんだ」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

先月に解決されたJS事件の顛末により組織の奥深くに巣くっていた()()()()()は摘出されたものの内部には未だに腐敗した箇所が残されてしまっている現状を憂うあまりに肩を落としたリンディに次いで、それでも希望はあるんだと曇りなき眼をして力説するクロノ。 時空管理局は絶対の正義であるなどとは決して誇張せず自分達の組織の内に持っている清濁の混じり孕まれた事情を正直に説明してくれ、ハラオウン親子(クロノとリンディ)のこちらに理解してもらおうと真摯に向き合ってくれている事が重々感じ取れる表情と態度を視てトールズⅦ組もボンゴレ三人組も口を結んで真剣に二人の言葉を信用できそうかと考える。 時空管理局が内部に腐敗を抱える独裁政権組織かもしれないという疑惑はまだ消せないが、少なくとも機動六課(なのは達)とハラオウン親子は悪意で人を騙すような人間ではないと信じれる。

 

さて、彼らを信用していいものだろうか判断に困ったところだったが、その前にクロノが話していた時空管理局と協力関係を結んでいるという信仰宗教団体の事が少々気になった。 というか──

 

「──ところで、先程から少し気になっていたのですが。 失礼ながら、リンディさんの隣の席に腰を掛けてずっと黙っていておられる修道女(シスター)(?)の女性の方は、もしかして今クロノさんが言っていた【聖王教会】の関係者では?」

 

「え? ……まあ、そうだな」

 

「えっと、別に黙っていた訳ではないんですけどね。 ……折角ですし、このまま自己紹介をさせて頂きますね」

 

アルティナが可愛らしい思案顔をリンディの右側に座した機動六課後見人の最後の一人の要人の方へと向いて首を傾げてその人はいったい誰なのかと訊ね、クロノがそういえば彼女の紹介をすっかり忘れていたなと少し気まずそうに眼を瞑って腕を組んだのを見て苦笑を濁したその要人の女性は自分へ話題が振られたこのタイミングを自己紹介を済ますのに丁度良い機会だろうと踏む。 ゆっくりと席を立った修道女っぽい黒シックな装束に身を包んだ女性は十代半ば程のおっとりとした顔付で、長い微ウェーブの金髪(ブロンド)に着けた青いカチューシャが特徴的な美少女であった。 彼女は物腰柔らかな膝に重ね合わせた両掌を添える丁寧な所作で、皆へと一礼した。

 

 

聖王教会騎士団正騎士──カリム・グラシア CV:高森奈緒

 

 

「異世界より御越し頂いた英雄の皆様方、はじめまして。 本日の三世界対談会の場である此処、ミッドチルダ北部ベルカ自治領“聖王教会総本山”の修道女長兼《聖王教会騎士団》所属の正騎士、カリムと申します」

 

「因みに、カリムは私の入局以来からの親友さかい♪ せやからみんな、気楽にしてくれて平気やで」

 

頭を上げて恭しく自己紹介を述べるカリム。 その嫋やかで礼儀正しい雰囲気に異世界の英雄達(特に男性陣)は緊張して肩ひじを張りそうになるが、はやてが上手いアシストを入れてくれたので直ぐに皆肩の力を抜けた。 相手方の緊張が解れたのを確認するとカリムは柔らに微笑み、胸元に手を当てる。

 

「皆様、本日は聖王教会へようこそおいでくださいました。 機動六課(はやて達)を助けて頂いた事への御礼は先程クロノ提督が申してくれたので、私からは次元(この)世界の危機を救って頂いた御礼と歓迎の言葉を送らせてください──この度は遠い異世界から遠路遥々とやって来て、卑劣なる反管理局軍と未知数に強大な次元魔王軍の手からミッドチルダを救って頂き、誠にありがとうございます! そして、ようこそ次元世界へ。 我々聖王教会はこの世界の救世主である皆様の来訪を心より歓迎致します」

 

「えええっ!? 歓迎は嬉しいけど、オレ達が救世主ってのはちょっと大袈裟なんじゃ……」

 

「いえいえ、全然大袈裟などではありませんよ? 先月に起きたJS事件の【ゆりかご決戦】決着直後で疲弊していて防衛戦力が低下していたところに奇襲を受けて、反管理局軍が持ち出してきた未知なる異世界技術の兵器の前にミッドチルダの常駐戦力の中でも最精鋭であった機動六課の最前線部隊すらもあわや全滅寸前に追い込まれたという絶体絶命の危機に陥ったその時に、奇跡にも異世界から次元間転位して来た皆様が(そら)より舞い降りて機動六課を救援し、反管理局軍の撃退とその直後に現れた《次元魔王》と【次元魔王軍】なる推定UNLIMITED(アンリミテッド)(ランク)の新たな脅威を一時的とはいえこの世界から退けて、この世界(ミッドチルダ)を悪しき者達の魔の手から護り抜いてくれました。 きっと、皆様は聖王様の御導きによって遣わされた救世主であると、私はそう確信しています」

 

「わたし達もカリムさんと同じ気持ちだよ。 あの時にリィン君達が来てくれなかったら、少なくとも機動六課(わたし達)はきっとラコフ・ドンチェルの紫焔大将軍(スクルド)と人形兵器の大群に蹂躙されて無惨に殺されていたんだと思う……だから、君達はわたし達の救世主──ううん、“英雄”なんだ。 だから謙遜しないでさ、ちゃんと胸を張っていてほしいなって……ダメかな?」

 

「う″……」

 

向けられたカリムの信頼に満ちた言葉となのはの潤んだ瞳には到底逆らえない圧力を感じ、ツナやリィン達は首を後ろに引いて声を詰まらせた。 見渡せば会議長席に未だフェイトの拘束魔法(ライトニングバインド)で身を縛り付けられたままでいるはやてをはじめ、フェイトやツヴァイやヴォルケンリッター達、機動六課の面々から先日の戦いの最中に絶対絶命の窮地から救われて共に肩を並べて戦って敵を撃退した時を得て築かれた絆と信頼が込められた熱い視線が異世界の助っ人達全員へと集められてきている。 あの時は現場には戦いが終結してからやって来たか非番で管理外世界の自宅に居たかで直接関わっていなかったハラオウン親子からも、義理の妹や娘と彼女が所属している部隊の身内を助けてもらい侵略者達をこの世界(ミッドチルダ)から退けてくれた異世界の英雄達に少なからず感謝の念を向けられている。 この集束されてくる信頼の圧と空気は、人からの信頼と絆を是としている英雄達にはブラックホールの引力よりも重くて抗いがたく感じられ、堪らずに諸手を挙げるしかなかった。

 

「だあああーっ!? わかったわかった。 救世主でも英雄でもいいから、皆さんの目でオレ達に重圧(プレッシャー)を与えてくるのを頼むから止めてください、お願いします! 重過ぎて心臓潰れちゃう!!」

 

「ハ、ハハハ……それ程に重い信頼に俺達が相応しいのかはともかくとして、カリムさんやなのは達の俺達に対する信頼が確かである事はとてもよく伝わりましたよ」

 

「はい! その信頼に応えられるよう誠心誠意努力していきましょう、教官!」

 

自分に集められる複数の過剰な信頼の目の熱さに耐えられず、白目を剥きつつ頭を抱えて発狂しながら降参する止めてくれと懇願するツナ。 観念し参ったという苦笑を漏らすリィンと、彼の生徒を代表して力強く右拳を立てつつ頑張っていきましょうと言うユウナ。 その他の異世界勢も乾いた笑みを曝したりやれやれと肩を竦めたりして、仕方なくカリム達からの信頼を受け入れた様子であった。 カリムやなのは達はリィン達が皆こちらの信頼をどうにか受け取ってくれて一先ずホッと胸を撫で下ろすが、その直後に異世界の教会騎士であるガイウスが思考に耽る様子で口にする。

 

「それにしても、【聖王教会】か……その名からして、この教会の信仰対象は“女神”ではないようだな?」

 

「貴方は、確か異世界の教会の騎士でしたか……ええ、そうです。 我々聖王教会が崇めているのは、《聖王》オリヴィエ・セーゲブレヒト──現代より約500年も遠い昔の古代ベルカの時代、当時の魔法武技において最強の達人と謳われた聖王・セーゲブレヒト家きっての王女騎士であったとされ、聖王連合を率いて数多くの世界を巻き込んだ次元世界大戦を終結させたと伝えられる、(いにしえ)の大英雄です」

 

──オリビエ? その名前は何処かで聞き覚えがあるような……。

 

「つまり、この教会は神ではない大昔の戦争の英雄を崇拝している団体なのでしょうか?」

 

「戦国武将のファンクラブみたいなものなのな」

 

「あぁ、一昔前に日本で流行してたっていう、前にハルのアホがキャーキャー煩く騒いでたやつか」

 

「いやいや! 山本も獄寺君も、いくらなんでもその例えは失礼じゃないかな? 次元世界有数の力を持つ信仰宗教団体だって言っていたしさ」

 

「大昔に偉大な功績を打ち立てた英雄を称えて信仰が出来るのは別におかしな話ではないと思うぞ? かの結社の《鋼の聖女》──もとい、250年前の帝国の“獅子戦役”の英傑で大陸一の至高の武人と謳われた《槍の聖女》リアンヌ・サンドロット殿も彼女の輩出の街にしてラウラ先輩の出身地であるレグラムでは現代も根強く信仰されていると、リィン教官から帝国歴史学の授業で習ったからな」

 

「ウフフ、そうですね。 リィン教官の歴史のお話はいつも大変熱心で情熱的でして、カルバード共和国の民主化革命の先導者シーナ・ディルクの来歴など帝国の学院の授業では普通習わないところの奥深くまで、ねっとりしっとりと身体に教え込まれてしまいましたものね♡」

 

「だからミュゼ、そんな風に他人の誤解を招きそうな言い方は止してくれってば……しかし、女神ではない一人の英雄への信仰が多重世界規模にまで影響を及ぼしているとはな。 女神を唯一神とするゼムリア人(俺達)にとっては俄かに信じ難いが驚きだった。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだと、改めて実感するな……」

 

着席したカリムが聖王教会が信仰している《聖王》オリヴィエについてを説明し、それの解釈で異世界側はざわざわと騒々しくなった。 唯一信教の団体が一つでも広い世界を複数次元に跨いで信仰勢力を広める事ができている事だけでも信じ難くなるだろうに、それが神でもない過去の大戦の英雄を信仰対象にしてるというのだから眉唾になって騒がしくするのも無理はないかもしれない。 でも、推論を飛ばし合っていては会議が進まないので、カリムは両手を胸の前でパンパンッ! と叩いて喧騒を静めた。

 

「ハイハイ、皆様そこまでにしてくださいませ。 聖王教会の団体概要や聖王様について詳しい話を聞きたい人は後日またこの教会を訪れて来てください。 その時は聖王家ゆかりの特性の茶葉を淹れた紅茶を御出ししますので、ベルカ自治領特産の“オリヴィエ饅頭”と共に飲みながらでもゆっくりお話ししましょう」

 

「そんな訳や。 これで機動六課の後見人の御三方の紹介と時空管理局の組織概要についてをあらかた説明できたと思うんやが……みんなどうやろ? 説明を聞いてみて、改めて私らの事を信用してくれるんかいな?」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

これをもって時空管理局側の説明が終わり、彼女達を代表するように会議長役のはやてが異世界側に対してこちらを信用してくれるのかどうか返事を求めてくる。 しかし彼女達の話の中には少し怪しそうな部分もあった為か、リィン達トールズⅦ組陣もツナ達ボンゴレ陣も迂闊に返事を即答するような事はせず、慎重になってどうしようか思考を巡らせる様子を表に現すのだった。

 

果たして、異世界の英雄達の返答は如何に……?

 

 

 




う~ん、時間が掛かった割にはあまり面白味の少ない説明回でしたね……。

リンディさんが説明していた時空管理局の成り立ちについてはwikiを参考にして考えた独自設定(フィクション)です。 実際の原作の人物・事件・団体などは一切関係ありませんのでご理解ください。


さて、界の軌跡で人類を含むゼムリア大陸に生まれる生命を思考操作して大陸に縛り付ける“女神の枷”と“ゼムリア”という閉鎖世界を作っているシステムの正体は【女神の七の至宝(セプト=テリオン)】の一つ──刻の至宝《レーギャルン》である事が判明しましたね。 うん、自分も以前から七の至宝が怪しいなと思っていましたので、ほぼ予想通り。 世界の内側から外部へ出るのを妨害する断絶結界がある事も大方予想していました。(アニエスの行動とラスボスには驚愕させられましたけどね……)

今作のリィン達軌跡キャラ勢が何故レーギャルンの監視を無視してゼムリア世界の外にある次元世界にやって来られたのか? それは無論、ラスボスになりたいバカ魔王が何らかの方法で外からレーギャルンに干渉(アクセス)して、ひっちゃかめっちゃかやりやがって、システムを()()()()故障(ダウン)させたから──とだけ言っておきます(笑)。 “破壊”してはいません。

バカ魔王「刻の至宝には俺の夢とクロスオーバーの為に、一旦大人しくしてもらったぞ。 俺は別に未来の物語を破壊したいわけでは決してないのだからな!」

ジークレオン「(あの時は俺が寸でのところで止めてやらなかったら、危うくシステム諸共に消滅させていたところだっただろうに……)それと、リィン・シュバルツァー達を可能世界(ゼムリア)の外に次元間転移させたのは、俺の“灰の炎”の力によるものだ。 ちなみに【夜の炎】が持つ空間跳躍(ショートワープ)能力とは全く異なるもので、空間跳躍ではレーギャルンの【時の揺籃】を越える事は不可能だったな」

閑話休題(それはさておき)──灰の剣聖リィンのバトル性能ブッ壊れすぎててワロタww。 相変わらずの無想神氣合一からの新クラフトの六連疾風(むつらはやて)ブッパで敵集団即殺。 新Sクラの《灰ノ太刀・流転洸刃》も無仭剣から継いで全バフ解除効果持ち。 フィールドバトルの新機能“覚醒”で先制コマンドバトルモードからブッ込んで神氣合一ブッパ。 挙げ句に今作で遂に【神氣合一】を解禁しましたシズナ姐さんとW剣聖コンビ組んだら、ボスすらも動けず蹂躙してオシマイ……。

ネギ神父「もう、剣聖らだけでええやんか……」

遂にベールを脱いだ軌跡シリーズ最強キャラ最有力候補の《剣仙》ユン老師もSクラ無かったからまだ本気じゃないのだろうけど、連続攻撃が強かったしなぁ。 八葉・黒神が一刀、恐るべしですね……。


この辺で界の軌跡の話はここまでにしておいて、今期放送中の『魔法少女リリカルなのは20周年セレクション』も復活した某笑顔動画の一週間無料配信で視聴しましたよ。 いや~リリなの劇場版は初めて見ましたが、無印はなのはとフェイトの空中戦がド迫力でヤバかったですね。 ドラゴンボールZの戦闘を彷彿させるように戦闘余波でビルが崩壊するし、なのはのSLBで仮想都市が海のもくずに……思ったけど、小学生同士の戦闘じゃねーよなコレ?(今更)

ドラゴンボールと言えば、今期の『ドラゴンボールDAIMA』放送とPS5のSparking!シリーズ最新作『ドラゴンボールスパーキング!ゼロ』が面白すぎて、ドラゴンボール熱が最熱しましたよ♪ つーか、スパーキングゼロがムズ過ぎてやりごたえが半端ないわ! ビュンビュン瞬間移動しまくる高速戦闘も原作再現率高くてヤベーし、世界中の人がエディットで作ってくる色んなオリジナルバトルの数々がもう面白いのなんのって!


……長く話すぎてしまいましたね、スミマセン。

今回の『リリカルマジカル復活(リボーン)! 超絶最強ヒロイン、アリサちゃんの“炎の軌跡”講座!』はお休みです。 次回もお楽しみに!

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