ファルコム公式では『
活動報告のオリジナルコンビクラフトもまだまだ募集中です! (てか、まだ誰の一つも書かれてないな。 やはり企画が地味だったかも……)
第一管理世界ミッドチルダの首都クラナガンの夜空を我が物顔で埋め尽くす反管理局軍ミッドナイトの主力艦隊。 その中心に未だ陣取っている空中司令母艦《ガラハッド》の銀色豪奢だった外観は、その艦上にてミッドナイト軍が擁する人形兵器群を相手に取って大太刀回る、三世界の若き英雄達による八面六臂の大攻勢によって至る所を隅々まで爆砕され、今や元の威厳高い玉座の如き荘厳さは見る影も失くなっていた。
『こぉぉぉの異世界のクソガキどもぉぉおおおーーーっ!! 部外者の分際でよくもこの新たな次元世界の支配者たるこの吾輩の邪魔をしたばかりか、吾輩の大事な
ユウナ達の大暴れで周囲の景色が無数のドーム状の爆発によって次々と吹き飛ばされていく。
そのド真ん中で、今まさにミッドナイト軍の
ラコフが内部に乗って操る、“
「はっ!」
しかし、彼は冷静に、あろう事か手に携えていた太刀一本を盾にその何百倍も巨大な質量を持つ紫焔の機関砲剣を受け止めてみせた。
『ななな、なっにィィィイイイイイーーーーッ!!?』
そんなバカなッ!? スクルドの
しかし、リィンは過去に起きた世界を脅かす数々の事件や災厄に立ち向かう中、幾多の試練と死線と運命を乗り越えて、今や彼の故郷の世界において一流の武人の一人に名を連ねる程に至っている。 攻撃を受けるのに合わせた絶妙な重心移動と全身運動を利用して、
それに付け加えると、スクルドの攻撃を罅割れ一つ生じさせずに受け止めたリィンの太刀は《神刀【非天】》という銘の業物であり、これは少々
「今だツナ、打ち込め!」
『しまっ──』
「うぉぉおおおおお!」
スクルドの得物をリィンが抑えている隙を突いて、闇夜の大空から“
直線の飛翔速度は文字通り爆発的であり、真ソニックフォーム時のフェイトよりも頭一つ速く、何よりも夜の闇や周囲に今も巻き起こっている無数の戦闘爆発をも
『のぎゃあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ーーーーッ!!!』
そんな速度と猛威を丸ごと乗せて叩き込まれたツナの拳の威力は、紫炎大将軍の分厚く高熱の紫焔に覆われていた顔面を数十
「
『って、穴の中から六課の戦闘機人の小娘がっ!? ちょっ──』
「一撃必中、ディバインバスタァァアアアアーーーーッ !!」
スクルドが殴り飛ばされて来るのを見計らって昇降運搬口の中に身を潜めていたスバルがカタパルト発進する戦闘機の如き勢いで飛び出し、丁度真正面に迫り来たスクルドの広い脳天に零距離魔砲弾を叩き込んだ。 右手のリボルバーナックルで大振りに殴りつけるようにして撃ち出された水色の魔力の塊が紫炎大将軍を
『──そんなバナナァァァアアアーーー!!』
畜炎体循環出力増幅機関をフル稼働させて
『んゲゲッ!? なのは嬢!!』
「うん、丁度いい角度で打ち上げたねスバル。 ピッタリ計算した通りなの!」
スクルドが吹っ飛ばされた軌道上に何故なのはが事前に砲撃魔法の
──四人でスクルドに攻撃を仕掛ける直前、リィン君がツナ君に耳打ちで多分「俺が敵の攻撃を受け止めるから、その隙になんとかして背後に見える穴へ敵を突き落としてくれ」って感じのお願いを伝えながら、同時に“二つの月の間”を指差しして、わたしに空に飛び上がるように促してきた。 わたしは一瞬それがどういう意味なのか理解できなかったけれど、その直後にリィン君がスクルドの背後に見える穴──
その後はリィンに送られた手信号に従い、飛翔魔法で上昇しスバルが身を潜めた運搬昇降口から見上げて夜空に浮かぶ“二つの月の間”の位置に待機。 そしてスバルから打ち上げられてくる紫焔大将軍に連携攻撃の
「そして手筈通り、
『チチ、チキショォォオオオオオオオオオーーーーーッッ!!!』
相手にしてやられた悔しさのあまりラコフは軍帽の上から頭を狂うように掻き毟り、盛大に癇癪をあげる。 先程のように
「《エクセリオンバスター》
ズキッ!
「──グッ!?」
カートリッジによって瞬間増幅された炸裂魔力で撃鉄を打ち、黄金の穂先に留められていた四つの魔力球体が目前に迫った紫焔大将軍に向かって巨大な魔力の奔流と化して解き放たれる……まさにその決定的瞬間、急になのはの胸の奥に
──しまった!
そう彼女が自分が致命的な失態を犯してしまった事を認識した時にはもう取返しは付かなかった。 砲撃発射は中止され、撃ち放たれようとしていた四つの魔力球体は無数の桜の花弁の如くクラナガンの夜空に舞散って消えていく……。
『えっ!? 不発? ひょっとしてなのは嬢、魔法ミスっちゃったの? ……ニヤリ!』
エクセリオンバスターは不発……それを垣間見たラコフはこれを絶好の好機と視てほくそ笑んだ。 なのはが自らの失態に狼狽えている隙に武装を持っていないスクルドの左手を操作して機体の頭を押し上げているスバルの
『ドンッ、チェルルルルルルーーーッッ!! 管理局の
壊滅的打撃必至の窮地から一転して反撃の好機を得たラコフは両目から汚い涙を
「くっ!」
『にっくき時空管理局のエース・オブ・エースよ。 吾輩の積年の恨みをしこたまブチ込んでくれるわ! そして奈落へ墜ちろぉぉぉおおおおおおーーーーーいっ!!』
「
『ひでぶっ!?』
身を隠す障害物が一切無い空中域で無防備な様を迂闊に晒してしまってその凛々と美しく整った顔に焦燥の色を浮かばせて呻く次元世界の英雄たる白き魔導師の少女へと向けて、紫焔の機関砲剣の持つ燃える刺突剣付きの太くて大きな砲身から今まさに不屈の星をも撃ち落とす無限の炎弾が撃ち放たれようとしたその直前に、炎を纏う
『ぎにゃあ"あ"あ"あ"っ!? 吾輩の黄金の大王おマンモスがぁぁくぁwせdrftgyふじこlpーーーーッッ!!!』
不意に死角からの攻撃を受けた事への動揺に加え、機体が受けたダメージ箇所から昇ってきた衝撃によって尻に敷いていた
「今の声は……?」
撃たれる前に飛来し割り込んできた
「リィン……君……う"っ……げほっ、ごほっ!」
彼に再び危機を救われたなのはは一瞬だけ申し訳半分嬉しそうに口元を綻ばせるが、痛んだ胸から咳がこみ上げてきて息苦しそうに手で胸を押さえだした。 そう……実はエクセリオンバスターが不発になったのは、病み上がりのその身体でこれまで無理に高ランクの魔法を酷使し続けたツケが回って彼女のリンカーコアに掛かっていた負担が重なりに重なって、もうとっくに限界を迎えていたのだ。 リィン達が援軍に現れる前までに蓄積していた身体の負傷と体力こそはミュゼの
これではもう今のなのはは高出力の砲撃魔法は無論、己の魔力を消費し続ける飛翔魔法を維持し続ける事も苦しいだろう……そうなると当然、彼女は飛翔魔法の制御を失ってそのまま事切れたように真下へと落下していく……しかし、彼女の身は硬い鋼鉄の床の上に叩き付けられる事はなく、それよりも前に咄嗟に縮地を使い目にも留まらない速さで落下地点へと駆け付けたリィンの逞しい両腕によって抱き止められた。
「なのは、大丈夫か?」
「う……うん。 ごめんね。 また、君に助けてもらっちゃった……」
「すまない……君の身体に流れる“
そう心の底から申し訳なさそうに両腕に横抱きしたなのはの眼を真っ直ぐ見つめて真摯に謝罪の言葉を彼女に伝えるリィン。 彼は自分以外の他人を危険な目に遭わせる事を大いに忌避する
「にゃはは……気を遣ってくれてありがとう。 君はとても優しいんだね」
気遣いが少し大袈裟じゃないかと思うところもあった為に少し苦笑を漏らしたが、相手に負けず劣らず律義であるなのはは助けて貰った御礼はちゃんと言う。 他人に怪我をさせたくない気持ちはなのはにも
「でも……そろそろこの恰好でいるのはちょっと恥ずかしい……かな? 自分と歳の近い男の人にこうして抱っこされるのって、あんまり慣れてないからさ、わたし……」
なのはは若干頬を朱に染めて戸惑う気持ちをリィンの胸に文字通り直接訴えて、乙女の恥じらうようにそっぽを向く。 なのはの身体は今、リィンの剣で鍛え抜かれた逞しい両腕によって横抱きに抱えられている姿勢だ。 それは所謂“お姫様抱っこ”と言われる、女の子に生まれたなら誰もが一度は夢に見るであろう憧れの異性にしてもらいたいシチュエーションというもので、況してや美形に生まれる者が大半居る次元世界中においても稀に見ない
「ぁ……ああっ!? ごご、ごめん!! 直ぐに降ろすよ」
言われて今の自分達の体勢が男女の関係に大変不健全な恰好である事をようやく認識したリィンは華も恥じらううら若き女性であるなのはに対して大変失礼を働いた事を大慌てで謝りながら、しかし割れ物を扱うように彼女の身体を足から丁寧に床へ降ろした。 いかんな、これではまたアルティナに「不埒です」などと言われてしまう……そう懸念を思い馳せつつリィンは少々気まずく指で蟀谷を掻いて、もう二度と同じ過ちはしないと誓い反省した。 (まっ、彼は前科だらけで女難を受ける運命の星の下に生まれているのだろうし、深く反省しても正直無駄だろうとは思うが……)
「そ……それにしてもよくあんな即興でわたし達三人の能力を把握した連携攻撃を考え付くなんて凄いよリィン君! わたしでも映像データを取らないと、会ったばかりの人との連携を考えるなんて難しいのに」
「いやいや、さすがにトリム級の重量がある魔煌機兵を上空に吹っ飛ばすだなんて俺にも想定外だったさ……。 まあでも、初めて会ったばかりの人間と組んでも、その“立ち振る舞い”や“纏っている空気”などを
そうリィンが一瞬艦首の方を横目で流し見ながら説明してくれた戦闘分析方を聴いてなのはは思わず「す、凄い……」と目を見張った。 彼が横目に見ていたのは、
目先に映した視覚情報を並の人では意識し得ない隅々まで委細把握して十全に使うばかりか、戦場の環境状態を少し観察しただけでその場で交戦していた者達の戦闘能力をまるで前もって見ていたかのような精確さで理解するなどと、とても人並みの観察力では成し得ない御業だろう……そのような普通から大逸れまくった分析方を難の事など無いように言ったリィンに対して、聞いた本人であるなのはは無論の事、鉄床に刺さった頭部をなんとか引っこ抜こうと必死に足掻いているスクルドから反撃が来る可能性を警戒しつつも近くで話をちゃっかり盗み聞きしていたツナもまた驚き混じりに関心を向けている。
──驚いたな。 戦う相手の手札を出す前から読めるだなんて、リィンの見切りはスクアーロや幻騎士以上かもしれない……これは
それに並ぶか上回る予測が出来るとするなら、己が過去に記憶している猛者の中だと
『ムギュー! ムギュー! ……ぶはぁぁあああッ!! 死ぬかと思ったーーー!』
丁度彼らの目の先でさっきまで甲板の鉄床に頭部から突き刺さって犬○家のポーズになっていたスクルドが機体の胴をブリッジに曲げて両足を床面に下ろし着け、鉄床の下にすっぽりと埋まった頭部を昭和ギャグ漫画のようなシュールな絵面になって強引に引っこ抜いていた。 床下に埋まっていた間は内部の
そしてそれを止めた紫焔大将軍が、敵大将の戦闘復帰によって緊張感を戻したリィン達の方へと向かい、彼らの前に再び聳え立ち相対した。
『キキキキ、キサマ等よくもよくもぉぉぉおおおおーーーーーッ!! こぉぉの異世界の青二才とクソガキと魔導師の小娘共風情がっ! 次元世界一……否ッ、全多次元宇宙一、偉大なる支配者にして世に生きる誰よりも尊ばれるべき高人たるこのラコフ・ドンチェル様をっ! キサマらのような恥知らずに“正義の味方”ぶった偽善者の若造共がっ! よくもこんな好き放題にやってくれやがったなーーーーーッッ!!!』
ここまでにリィンやツナら異世界の英雄達が現れて機動六課にとどめを刺すのを邪魔に入られてからというもの、結託した三世界の若き英雄達の巻き返しによって散々ボロクソやられてきた事で、ラコフの怒りとストレスはもう限界の天元を突き破ってしまっていた……その狂乱の殺怒を叫び散らかすがままにスクルドが自身の巨体を弓形に大きく海老反らせ、機関砲剣の
『四人全員纏めて串刺しの刑じゃーーい! くらえぇぇぇえいっ!!』
「っ!? 総員散開!」
憎き英雄達を射殺さんとして、
リィンが他の三人に咄嗟の緊急回避を促し、四人はバラバラに散らばってスクルドの強刺突から逃れる。 その直後、一瞬前の時に四人が居た空間を紫焔の機関砲剣が巨竜を貫く撃鎗のように刺し貫いた。 獲物を仕留め損なった為に、空を切って穂先が止められた直後そこに纏わりついた
「げげっ!? 突きを空振りした余波が
回避直後に《ウィングロード》を敷いて宙を
「気を付けろ。 奴のあの攻撃がまともに当たったらオレ達は一巻の終わりだ」
「ていうか、なんだか
そうスバルが敵大将に起きている明らか強大化に理不尽を喚いている間に、その敵大将が両手に携えた
『くらえくらえくらえくらえくらえええええぇぇぇーーーーーい!!』
「ちょっ!? アイツまたメチャクチャ撃ってきt──って、あぶなっ!」
矢衾の針のような絵面に飛んで来た炎弾の横雨を寸でのところでスバルが魂消たような格好を取って避ける。 その直後に機関砲剣を乱射するスクルドの方から見て丁度その奥側に位置取るように滑空しているツナに外れた流れ弾が降りかかっていくが、彼は
スバルはスクルドの周囲をぐるっと何週も旋回するようにして螺旋街道状にウィングロードを追加展開し、
ラコフが逃げる鹿を追う狩人のように周囲の宙に逃げ回るスバルを執拗に狙い撃ちして視線と意識を
それでも掠り傷程度の僅かなダメージは入ったようだが、それが逆に悪く、宙に逃げ回るスバルに意識が向いていたラコフに気付かれてしまった。 リィンとなのはは得物を弾き返された反動を受けて麻痺した利き手の震えにかまけず、スクルドからの反撃が振るわれる前に咄嗟とその場から大きく跳び退いて敵の
『ドンッ、チェルルルルーーーッ! どんだけ避けたって無駄無駄無駄無駄ーーーッ!!』
「くっ! いったい、どうなっているんだ? 幾ら撃たせても、あの
「それだけじゃない。 放たれてくる
非常に優秀な陸戦機動力を持つリィンは絶妙な呼吸と脚捌きで急速な加速と減速を連続しながら駆ける事で複数もの“自身の残像”を生じさせ、それ等を疎らの位置間隔に皆バラバラの軌道を疾走させる事で敵からの射撃に的を絞らせない。 その一方、なのはは自分のような空戦魔導師にとって主戦機動能力で命翼とも呼べる飛翔魔法が使用不能となり、あまり得手としていない自らの足を地に着けての二次元機動をせざるを得なかったが、巧妙に
だがしかし、スクルドが紫焔の機関砲剣で無尽蔵に乱発してくる“雲属性の炎”の弾丸は、それぞれが巧みな回避走行技術を駆使して逃げ回る二人を掠めてガラハッド艦上の彼方此方に被弾から炸裂爆発していき、それは
奴にこのまま撃たせ続けていたら、たとえ誰かに当たらずともいずれこの
「──って言うか、
「恐らく【雲属性の炎】が持つ“増殖”の特性が原因だ。 あの
「ええーーーっ!? それじゃあ、あの中で操縦している
「そうなるな……」
スクルドが下平面を駆け逃げるリィンとなのはに攻撃の意識を向けている間、空中で反撃の隙を伺っていたツナとスバルは奴の
「じゃあどうしようもないじゃないですか!? だって、
無限に
先のJS事件で使われた古代戦艦《聖王のゆりかご》も首都航空隊の主力部隊の攻撃でも傷一つ付けられなかった程に堅牢な外部装甲と艦の破損個所を復元する防衛機能、そしてこの第一管理世界ミッドチルダの衛星軌道上に上がる事で二つの月から大量の魔力を取り込む事で艦の持つ性能を強化するといった、非常に強力な性能を誇っていた。 だがしかし、紫焔大将軍の無限強化能力にはそれすらも遠く及ばないだろう。
ならばスクルドを操縦し無限強化能力を発揮させている供給源の“雲属性の炎”を機体へと流し込んでいる敵軍総司令官のラコフを直接叩いて無力化すればいいのだが、しかし奴は今も無限に分厚く肥大化し続けている紫焔の鎧に覆われている
「ナッツ!」
「ガウッ」
ツナは下で紫焔の機関砲剣を無限乱射し続けながら尚も自らが纏う紫焔の鎧も肥大化させ続ける紫焔大将軍をキッ! と鋭くした目で見据え、同時に《ナッツ》という
≪
「炎の鬣の子供ライオン!?」
「ガオ」
「かっ、かわいい……♡」
眼は大きくクリクリしてて口は小さい、身体は手乗りサイズで手足もちっちゃく、首回りを覆う“
「いくぞナッツ!」
「ガオォォーーッ!」
「ツナさん!?」
そして肩に乗ったナッツと共に脇見も振らず、未だ留まる事なく破壊力を上昇させて炎弾を撃ちまくりながら全身に纏う紫焔の鎧を増大させ続けて最早手が付けられない状態の紫焔大将軍へ宙から正面突撃していくツナに、スバルはナッツに見惚れて一時和んでいた表情を一変させて忽ちに慌てふためきだす。 リィンとなのはが折角敵の視線と意識を下へ引き付けてくれているってのに、正面から行っては気付かれる!
『ドンッ、チェルルルーーー! どうやらキサマから死にに来たようだなぁ?』
当然、スクルドを中から操っているラコフは、よく見える正面の空中を派手に
「いけない、あの無限に炎弾を連射できる敵の
「ツナさん、逃げて!!」
無謀にも敵の正面に神風突攻を仕掛けに行って、相手射線の
二人が焦っているのも当然だ。
『うっちゃりぃぃ! んあっ、死ねぇぇぇええええーーーーいッッ!!!』
「やめてーーーーーーーーッッ!!!」
二人の麗しき戦場の
しかし、可憐な美少女がどんなに叫んだところで、もう止められない。 機関砲剣の砲口から火を吹くように撃ち出された無数の炎弾が無防備を晒して滑空突撃するツナとナッツへと襲い掛かる。 最早万事休すか……ッッ!?
「──ここだッ! 吼えろ、ナッツ!!」
「GAOOOOーーーーN!!!」
無限の炎弾が雪崩掛かろうとしたその一寸前、
『ンナッ、ヌァァニイイィィィーーーッッ!!? 吾輩の《十二月の子持ちししゃも(機関砲剣の名前)》が撃った“愛と
どう見たってひ弱そうな小獅子から放出された羽虫の鱗粉の如き脆弱な炎なんかに自分の持つ最強(自称)の“雲属性の炎”の
「八葉一刀流──
ツナの“大空属性の炎”でスクルドを石像化してから間髪入れず、ツナがやられない事を
「秘技・
そしてそのまま、灰色の闘気を全身に纏って閃光と化し、フェイトやツナに勝るとも劣らぬ
「仕上げだ!
秘技を放ち終えたリィンが左腰に差した鞘へ緋色の刀身を収める間も待たず、今度は彼が追撃をしに来る事を
「見たか……八葉が一刀」
「これで終わりだ!」
かくして、激しく燃える炎に包まれて山のような巨体を崩壊させていく紫焔大将軍を背にして、異世界の歴戦を潜り抜けた《灰色の騎士》と《大空の守護者》両雄は並び立つ。 静かに緋色の太刀を鞘へと収め、炎の拳を掲げて夜空を
あとがきコーナー『リリカルマジカル
※「」はセリフ、[]は内心の呟きになります。
ツナ「リボーンに言われて来てみたけど、誰も居ないし、真っ暗じゃないか……」
ふみゅ☆
ツナ(足下を見る)「ん? 何か踏んだ──」
グナちゃん(踏まれてぐちゃり)「リバースカードオープン! キンガシンネン!!」
ツナ「──んげげーーっ!!?」
グナちゃん(発光)「サラダバー!」
ドッカーン!
ツナ(爆心地)「ぎゃーーーーっ!!」
アリサちゃん(茄子を頭に乗せ、鷹に運ばれて空から登場)「1フジ、2タカ、3ナスビ! 新年明けましておめでとー!(お正月過ぎちゃったけど) 天空の花嫁も足下に平伏す、RPG界No.1ヒロイン(願望)【アリサちゃんの“炎の軌跡講座”】! 待望の第3回目よッッ!!」
グナちゃん(形状記憶素材の特別製なので爆発しても無事)「イクラナンデモオソレオオイワ。 ビ○ンカニヤキドゲザシロ」
ツナ(黒コゲ)「フ○ーラには!? ていうか、何時の間にか景色が富士山の頂上に変わってるーーーッ!!」
アリサちゃん「前回この小説の二人居る主人公の内の片方であるリィンを紹介したので、今回はこの通り見るからに冴えなくて頭悪そうでダメダメオーラを全身から滲ませているもう片方の主人公で『
ツナ「いや、ダメダメなのは自分で自覚してるから別にいいんだけどさぁ。 初対面の相手に対してその紹介はちょっと失礼過ぎるんじゃないですか!? そしてリボーンも温泉宿の宿泊利用券なんかでオレを売ってんじゃねーーーッ!!」
アリサちゃん「それじゃあさっそく彼のプロフィールについてOHANASHIするわね♪」
グナちゃん「イヨ、マッテマシター(棒)」
アリサちゃん「“並盛町”に住む宇宙一ダメダメな中学生、ひと呼んで【ダメツナ】こと沢田綱吉のもとに、ある日イタリアから殺し屋の赤ん坊《リボーン》が彼の家庭教師としてやってきたの」
ツナ「いやいやいやっ! 【ダメツナ】は合ってるけれど、さすがに宇宙一は言い過ぎだろ!? オレは某ラッキーなヒーローに変身するツイてない中学生じゃねーから!!」
アリサちゃん「実はツナヨシ君はこんなチワワにビビるようなダメダメ弱虫君だけど、イタリア最大のマフィア《ボンゴレファミリー》を創設した初代ボス──《ボンゴレ
ツナ[チワワにビビるようなダメダメ弱虫君で悪かったなチキショー!]
アリサちゃん「リボーン君が家庭教師に来てからツナヨシ君のダメダメ平凡ライフはハチャメチャデンジャラスに死ぬ気でスパルタに鍛えられるマフィア騒動の毎日へと激変したわ! ツナヨシ君はリボーン君の銃で頭の額に【死ぬ気弾】という特殊な銃弾を撃ち込まれて死ぬと、ダメダメな自分への後悔が火事場の馬鹿力を呼び起こし、撃たれた額に“死ぬ気の炎”を灯して
ツナ「“死ぬ気モード”の事だね。 この力のおかげでオレは剣道部首相の持田センパイとの決闘に勝ったり、腕を怪我して自殺しそうだった山本を助けたり、色々と本当にアリサさんの言う通り普段のダメダメなオレからは今でも信じられない程、大活躍できたんだ。 それまで自分のダメダメさの所為で友達一人作れなかったオレも、その甲斐もあって、前から憧れだった笹川京子ちゃんと知り合いになり、獄寺君や山本をはじめとして沢山の友達や知り合いができていったんだ。 リボーンに銃で頭をしょっちゅう撃たれて死ぬのは超嫌だったけど、ホント死ぬ気弾様々だよな」
アリサちゃん「その代わりに“死ぬ気モード”になると、何故だかパンツ一丁の素っ裸になって暴走状態になっちゃってたから、毎度毎度何か騒動が起きる度に“パンツ超人”が現れて暴れ回るという変態的構図になってたのよねーww」
グナちゃん「タイヘンタイヘンタイヘンタイ! ツナヘンターイ!!」
ツナ「放っとけー!(泣)」
アリサちゃん「……さて。 今隅っこにしゃがみ込んで、いじいじと指で富士山の土に“の”の字を書き出したツナヨシ君の“死ぬ気モード”の説明を聞いて、画面の前の読者の皆は疑問に思った事でしょう?」
グナちゃん「コノショウセツノホンペンニデテイルツナハ、ヒタイニシヌキノホノオヲツケテイルガ、パンイチジャナイシ、フンイキモクールナンダガ?」
アリサちゃん「そう! 何を隠そう、その本編で今リィンと肩を並べて戦っている物凄く強くてクールなツナヨシ君の姿こそが、“死ぬ気モード”より更にパワーアップした《
グナちゃん「オダヤカナココロヲモチナガラ、ハゲシイイカリニヨッテカクセイスル、デンセツノパツキンヤサイジンテキナアレカ?」
アリサちゃん「いい線いってるけど、ちょ~っと違うのよねぇ。 確かに意志によって内に秘めていた潜在能力を覚醒させ飛躍的にパワーアップをするところはド○ゴンボールの超サ○ヤ人と似ているけれど。 ツナヨシ君の“超死ぬ気モード”はリボーン君に【小言弾】という死ぬ気弾の上位特殊弾を額に撃ち込んでもらうか、或いは【死ぬ気丸】という特別な錠剤を飲む事で、
ツナ(復活)「そうなんだけど、その代わりに戦い終わった後で超死ぬ気モードが消えた直後は、そりゃあもう地獄のような筋肉痛が身体中ピキピキと走りまくって超痛いのなんのってさぁ。 それをリボーンの奴は情けないだあーだこーだいって【超化戦闘時の負担に耐えれる肉体を作る】とか言ってきて、益々オレに超理不尽なねっちょり特訓をいっぱいさせてきやがったんだぜ? ……あ″あ″ーーーっ! あの時の事思い出すだけで猛烈な恐怖が込み上げてくるぅぅーー!! もうあんなクソ重い亀の甲羅を背負って、並盛町中を牛乳配達に走らされたり、蜂の巣がある木に縛り付けられたり、何故か人食い鮫が居る川の中を泳がされたりされたくないよぉぉーーッッ!!」
グナちゃん「モロクソニ、カ○センリュウノシュギョウナイヨウトカブッテンジャネーカヨ!」
アリサちゃん「ツナヨシ君の強さの秘密は他にも色々とあるのだけれども、これ以上はいい加減あとがきコーナーが長くなるから、今回はここまでよ! この続きの内容は後の本編内に話題が出てきた時詳しい説明があるので、皆安心してね♪」
グナちゃん「テナワケデ、ニドメノ──サラダバー!」
ツナ「ギャー、もう爆発はイヤだーーーっ!!」