英雄伝説リリカルREBORN! 炎の軌跡   作:蒼空の魔導書

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読者の皆さんお久しぶりです!

(クロ)の軌跡』クリアーしましたよー! やっば、今までのシリーズより映像も演出もアクションもバトルシステムも、全てにおいてパワーアップしているやんか!
てかシリーズ前半終わって一段落したから一旦インフレが落ち着くだろうかと思っていたら、全然そんな事はなかったZE☆ 何だよあの魔人と化物のバーゲンセールは!? エプスタイン博士の遺産の古代導力器オクト・ゲネシス? 宇宙基地開発計画? 世界全体が伏魔殿(パンデモニウム)化してゼムリア大陸が滅びる? 可能世界は遥か古に()()()()()()()? 五柱の魔王? 新しい情報量が多すぎじゃああーーっっ!!(発狂)

閑話休題(それはさておき)、新主人公である特級スイーツレポーターにしてコーナーの溝落としを芸術的ドリフトで攻める走り屋の変身ダークヒーローの裏解決屋所長ヴァン・アークライド兄貴をはじめ、新シリーズの登場キャラクターは皆面白い個性の塊ばかりで凄かったなぁ……。 特に新メインヒロインのアニエスは今までに性懲りもなくまたまたいい家生まれの巨乳お嬢様キャラ、にも関わらず今までの二人(某RF第四開発部室長のツンデレ詐欺超ヒロイン(笑)さんと某十字鐘交易都市長の孫娘の銀髪爆乳攻略王補佐さん)とは遥かに次元が違う完全無欠のヒロイン力を発揮してたのだから本当に驚きましたね。 これはひょっとしたらシリーズ元祖最強ヒロインのヨシュア(異論無し)越えが成るのかぁ!?

しっかし、今作の宿敵だったマフィアのアルマータは思った以上にヤベー連中でしたね。 まさか“あの大陸最低最悪の邪教団”がシャロンさんの元巣の暗殺組織と合併していまだに生き残っていて、そのヤベー組織と繋がっていたのには背筋が凍りました……。 ボスのジェラールといい、その右腕でサイコホモのメルキオルといい、その他の幹部も本当に良い悪役でしたね。 もし自分がツナ達REBORN!キャラを軌跡シリーズ本編に介入クロスさせるものを書くとしたら、絶対黎の軌跡でやりたいと思いました。(まあ、これ以上連載作品増やすと手が回りそうもないので、書く可能性は限りなく低いですがね……)





共闘する英雄達

突拍子もなく上空から落下して来て助っ人に参上したリィン達《トールズⅦ組》と綱吉達《ボンゴレファミリー》によって絶体絶命の窮地を救われたなのは達時空管理局機動六課前線攻略部隊。

 

時空管理局地上部隊本部上空に陣取った反管理局軍ミッドナイトの主力航空艦隊、その中心に座する艦隊の司令母艦《ガラハッド》甲板上を守っていた無数の機械兵器群……もといリィン達曰く“人形兵器”と呼ばれた自律機械ユニットの大軍を一息に大半殲滅してみせた異世界からの助っ人達が機動六課前線攻略部隊と共に一丸になって、残る敵軍の御大将のラコフ・ドンチェルが駆る《紫焔大将軍スクルド》と対峙するその光景を、六課の部隊長が予め飛ばしておいた遠隔操作探視魔法(サーチャー)から接続投影されてくる空間映像モニター越しに目の当りにしていた機動六課の後方支援(ロングアーチ)の一同が唖然と動揺を露わにしていた。

 

「あ、ありのまま今起こった事を話すで? 敵の大将のラコフが鎧武者みたいな姿をしたデッカイ魔煌機兵を出して乗りよって、ソイツに前線攻略部隊の皆が全員やられてしもうて、そんでなのはちゃんが全身血だらけになってリミットブレイクを解放しようとしたらさっきこっちで余震観測しとった小規模次元震が発生したと思ったら、いきなり震源座標空間に発生して燃えておった二つの灰色の炎の中から私等と歳が近い二組の武装した集団が出現しおって、そんで何故だかなのはちゃん達を絶体絶命の危機から助けてくれて、トントン拍子に彼等と共同戦線を張る事になって、全身紫色の炎を纏って更に巨大化しおった敵大将の魔煌機兵と全員で向き合った途端に、何でかなのはちゃんとフェイトちゃんがいきなりクラナガンの空中に反響する程の大声で素っ頓狂な奇声を上げた! 何を言っとるのか理解できへんかもしれへんが、私も何が何だかサッパリ分からへんのや! 頭がおかしゅうなりそうやった! 闇の書の復活やとか、聖王のゆりかごが百隻出現やとか、そんなチャチな出来事じゃあ断じてあらへん! もっとハチャメチャが押し寄せてくるような事象の片鱗を見たで! 泣いてる場合じゃあらへんな!」

 

「落ち着いてください八神部隊長。 寧ろ今の貴女の方がハチャメチャになっていますよ。 大丈夫ですか、頭?」

 

「IPPAI OPPAI 私は元気や! そんな事よりもあの助っ人の協力者達の事や。 次元震の震源座標空間から出現したという現場状況から推察するに、あの人等は()()()()()()()()()()からやって来た“次元漂流者”である確率が高いやろな」

 

「はい。 しかも、どうやら彼等が使用していた力はこの度の戦いでミッドナイト軍が正体不明の協力者からの提供を受けて投入してきた異世界の異端技術・異能と同じもののように視られます。 恐らくは敵軍を陰で支援している謎の協力者と同じ世界からやって来た可能性が非常に高いと思われますね」

 

「これは凄い……映像データから推定される戦闘力も彼等全員、魔導師のトップエースやストライカーと同等かそれ以上の数値が計測されています。 特に助っ人のリーダー格らしき黒髪の剣士の青年と茶髪の橙色(オレンジ)の炎使いの少年に至っては両者共に推定SSランクニア──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です」

 

「そんならどうあれ、頼れる助っ人の彼等は敵軍の裏に潜む影の正体を暴く鍵になりそうやな。 この作戦が無事に終わったら、是非とも彼等から詳しく話を聞かせてもらわんとアカンな……」

 

せわしなく端末ボードを打つ通信士達からリィンやツナ達異世界からの助っ人等の情報が伝えられ、そう呟いて異世界からの助っ人であるリィンやツナ達と共になのは達最前線攻略部隊六名が紫焔大将軍スクルドとの決戦に挑もうとしているガラハッドの甲板上や異世界からの助っ人の別動隊であるガイウスとエマがシグナムとヴィータに合わせて即席ながらも見事な連携を組んで強敵のオーバル・モスカを追い詰めていっている地上部隊本部屋上ヘリポートや地上部隊の武装隊が敵軍の人形兵器群と激しい市街地戦闘を繰り広げている首都クラナガンの各所など、戦域各所の状況が映し出されている空間モニターを流し見した部隊長の女性は、ふと丁度鮮やかな槍捌きを回し鮮烈な竜巻を起こして戦技(クラフト)を敵に放ったガイウスの姿に目を止める。

 

「大地のようにガタイのイイ長身の褐色肌でおって、尚且つ涼風のように優しそうな雰囲気を纏う、包容力高い系イケメン……タイプやな」

 

「……はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラナガンの時刻は18:00を過ぎる。 地上約5000m以上という管理世界最高層の建築を誇っている地上本部屋上から更に約1000m上空……陽が西へ完全に沈み、ミッドナイト軍主力航空艦隊が未だに陣取るこの空は完全に暗闇に染まりきり、二つの月光と空の中心に君臨せし《紫焔大将軍スクルド》がその巨大な全容に煌々と纏う紫色(バイオレット)──綱吉達曰く“雲属性の死ぬ気の炎”が放つ輝きによって、暗闇の中に浮かぶ無数の黒鉄の箱舟と紫焔大将軍へ挑まんとしている若き英雄達が青白く勇壮に照らされている。

 

「共に戦うのなら名乗っておく。 オレの名前は沢田綱吉。 後ろにいる二人は俺の友達。 皆からは“ツナ”って呼ばれているから、気軽にそう呼んでくれ」

 

「じゃあそう呼ばせてもらうよ。 俺はリィン・シュバルツァー。 “トールズ士官学院”という所の戦術教官を勤めていて、後ろの青い学生服を着ている五人は俺の教え子達だ。 よろしく頼む。 共に力を合わせて戦おう、ツナ、それになのは達も」

 

「うん! よろしくね、リィン君、ツナ君。 奇遇だけどわたしもリィン君と同じ戦闘の教官だから、この戦いが終わった後で時間が出来たらお互いの教え子達にやっている戦技教練についてお話しようね♪」

 

「あ、あのっ! あたし、スバル・ナカジマっていいます! さっきは危ないところを助けていただき、どうもありがとうございました! この御返しはこの自慢の拳で存分に!」

 

実は互いに初対面だったリィン達トールズⅦ組勢と綱吉改めツナ達ボンゴレファミリー。 こちらを赤い三ツ目のレーザーアイレンズで睨み真正面に機体の肥大化に合わせて()()()()()()()()()()()機関砲剣を身構えている敵軍大将の紫焔大将軍と周囲を包囲している未だに残存駆動中の人形兵器群数百機と残る一体となったオーバル・モスカ等からの不意打ちを警戒しつつ、若者特有の初々しい自己紹介を交わした三つの世界の若き英雄達。

 

『お前ら吾輩を無視して、な~にを和気藹々としとるんじゃーーーい! どこまでもコケにしやがって、もう許さんぞぉ! 纏めてギタギタにしてやるから、覚悟しろいッ!!』

 

怒りに燃え盛った紫焔で機体を纏い大幅にパワーアップしたスクルドの威圧を前にしておいて、畏怖するどころか愉しそうに友好を交わしているリィン達の構える態度が凄まじく気に食わなかったのか、紫色の炎に覆われて更に分厚くなった機体の胸部装甲越しにラコフはもう我慢の限界と言わんばかりに怒声を張り上げて、スクルドに構えさせていた機関砲剣を大きく振り上げ、先制攻撃に切り掛かって来た。 ガラハッドの鋼鉄の床を踏み砕き大きく陥没させる程の機体重量と脚力でズッドン! ズッドン! という激震と衝撃波を撒き散らしながら、人形兵器達が包囲する中心に密集しているにっくき英雄等に向かって一直線に突進してくる。

 

『でりゃぁぁあああああああッ!!』

 

「ッ! 総員、分散して回避しろ!!」

 

進行上に陣取っていた味方の人形兵器すらもお構いなく無用に蹴散らし踏み潰して、機関砲剣の砲身の先に取り付けてある高周波ブレードに激しく迸る紫色の炎熱を纏って豪快にリィン達へと振り下ろした。 リィンの咄嗟の指示が功を奏し、全員スクルドの不意打ち先制攻撃を緊急回避する事に成功するが、周囲を取り囲む人形兵器達が彼等の行く手を阻む。

 

「俺が敵大将の魔煌機兵を引き付ける。 トールズⅦ組特務科各員、ARCUSⅡの戦術リンクを駆使して敵の包囲を破れ!」

 

「山本と獄寺君、残った一体のモスカの動きを封じてくれ。 オレはリィンと共に大将を叩く!」

 

「スバル以外のFW陣とフェイトちゃんは周りの援護をお願い! スバルはわたしと一緒にリィン君とツナ君のサポートを!」

 

「「「「「「「了解ッ!!」」」」」」」

 

だが彼等は全員、それぞれ過去に数多く死闘を潜り抜けてきた歴戦の英雄だ。 リィン、ツナ、なのは──団体別にそれぞれのリーダーの三人が指揮下にある仲間達に適格な役割分担と行動指示を即座に伝達し、敵の人形兵器群からの一斉射撃が来る前に全員一目散と回避して、皆それぞれ役割分担された通りの標的へと向かっていく。 この程度の対処などはお手の物だ。

 

「アル、あたしとリンクを繋いで一緒に行くわよ!」

 

「了解です、ユウナさん」

 

「ヘッ、ならオレはクルトとだな。 遅れんじゃねぇぞ!」

 

「言われるまでもない。 そっちこそ下手を打つなよアッシュ!」

 

鉄の粉塵を撒き散らして派手に打ち付けた床から機関砲剣の高周波ブレードを引き抜いてこちらを追撃して来る敵軍大将の足止めに、太刀を手に頼もしく向かっていく、頼れる自分達の教官を背にユウナ達トールズ士官学院第Ⅱ分校Ⅶ組特務科生徒一同は早速、敵人形兵器群の包囲を破りに取り掛かる。 その際に二人一組(ツーマンセル)を作ったユウナとアルティナ、アッシュとクルトの間に“光の線(ライン)”が顕れ、それぞれのコンビに足下から繋げられた。

 

「あらあら、わたし一人だけ溢れてしまいました♡ なんだかちょっぴり淋しいですねぇ、うふふ」

 

『あの人達、いったい何をしているんでしょうか?』

 

『さあね。 見たところミッドナイトの連中も使っている“導力”という異世界のエネルギーの中継線(パス)で二人一組を繋げているようだけど、それにどういう意味があるのやら……異世界の援軍のお手並み拝見ってところね』

 

トールズⅦ組の五人の中で奇数という人数の事情でリンクを繋ぐパートナーがおらず一人余ったミュゼが何故か愉しそうに微笑む横で、彼等の援護に来ていたティアナ達がユウナ&アルティナとクルト&アッシュの二組を繋いだ不思議な“光の線(ライン)”を目の当たりにして、念話でひそひそとそれが何の意味があるのかという疑問を話し合っている。

 

しかし、魔法の世界しか知らないティアナ達にとって、魔法ではない未知の異端技術である導力器(オーブメント)の事となっては予備知識が全然無い。 故に謎の“光の線(ライン)”を接続したユウナ達がそれで何をするのかを見定める他に確かめる術はなかったが……その“繋がりの力”の真価はユウナ達が敵群包囲網へ突撃を敢行した直後に表れた。

 

「真っ直ぐ一直線に、正面からブチ破る! でやぁぁあああああああッ!!」

 

まずは裂帛の気合いと共に銃機構(ギミック)搭載旋棍(トンファー)の【ガンブレイカー】を両手に構えて最前を疾走するユウナが一番槍。 真正面を分厚く固めている中型二足歩行ユニット(ファランクス)の部隊へと猪突猛進、堂々の正面突破を狙いに行く。

 

「ええーーっ!?」

 

「あのピンクのポニーテールの人、一人で真正面からあれだけ多くの数が集まった敵の包囲網の中央へ突貫していってますよ!」

 

「うそ、冗談でしょう!? あの数のど真ん中にバカ一直線の突攻をかますだなんて、無謀すぎるわ! バカスバルじゃあるまいし」

 

無謀にも敵集団の中央に単独で突撃していくユウナに顔を青ざめさせて驚愕を露わにするティアナ達。 それは当然の事だ。 圧倒的な物量の敵に完全包囲されている状況で単独で飛び出せば容赦なく挟撃されて即蜂の巣にされる事は火を見るよりも明らかだろう。 定石(セオリー)なら人間の死角である背中を狙われるのを防ぐ為に複数の味方と背中合わせになって四方に当たるのが妥当といったもので、ユウナの単身突貫は誰が見ても考えなしの血迷った暴走としか捉えられない。

 

「っ!? 正面左翼と右翼の敵部隊の砲門が一斉にあの人の背中に!」

 

「あ、危ない!!」

 

突破を狙っている中型二足歩行ユニット(ファランクス)部隊からの攪乱射撃を両手のガンブレイカーを高速でバトン回した盾で弾きながら止まらず猛突進していくユウナの背後に狙いを定めて、その左側に陣取る小型三輪自走砲ユニット(トライアタッカー)数十機から成る部隊と逆側に陣取る小型浮遊銃撃機(スニークガンナー)百数機から成る部隊が一斉集中放火してきた。 案の定だ。 ティアナ達の脳裏に一寸先の未来、無惨に背中を蜂の巣にされて血溜まりに倒れるユウナの姿を幻視する。 もうこうなってはその最悪の未来は避けようもない。

 

普通ならそうなるのが必至だろう……しかし、今のユウナには“繋がりの力”で結ばれている相方(パートナー)の黒兎がいた。

 

「させません!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、既にユウナと“接続(リンク)”していたアルティナが素早く相方(パートナー)の背後へと駆けつけていた。 クラウ=ソラスに展開させた光学障壁(バリアー)で飛んで襲い来る豪雨のような弾幕を阻んで、相方の背中へは一切届かせはしない。

 

「敵部隊崩撃圏内(ブレイクスルーレンジ)、捉えたわ! やあっ、えぇい!」

 

接続相手(リンクパートナー)であるアルティナが敵の弾幕を防いでくれている隙にユウナは攻撃目標の敵部隊に無傷で接近する事に成功。 間髪入れず両手のガンブレイカーで最前列中央の中型二足歩行ユニット(ファランクス)に強烈な殴打を連続で叩き入れる。 細く脆い腰関節部位に会心の二撃(クリティカルダブルヒット)を貰った敵人形兵器はスココーン! という小気味いい打撃音と共に体勢を崩した。

 

『崩したわ!』

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()、彼女の背中を守っていた接続相手(リンクパートナー)のアルティナが即座に振り返って跳躍していた。 クラウ=ソラスの太い腕に座し、ガンブレイカーを振り抜いたユウナの頭上を高速で飛び越えて、彼女に体勢を崩された中型二足歩行ユニット(ファランクス)に透かさず追撃を与えた。 (アルティナ)を乗せていないもう片方の剣山のように鋭い太腕でクラウ=ソラスが敵人形兵器の心臓部(導力エンジン)を横真っ二つに切断し、爆散させた熱風の波濤によって周囲を固めている撃破した敵の部隊を纏めて怯ませる。

 

ユウナとアルティナによる目にも留まらぬ超速の交替連携(スイッチコンボ)が瞬く間に敵の完全包囲に一点の亀裂を入れた。 だが、かの帝国の英雄《灰色の騎士》の教え子達は、これだけでは止まらない。

 

「今だ! タコるぜクルト!!」

 

「ああ!」

 

「「そらァ! / セイッ!」」

 

敵部隊が怯んだまた一瞬の内に跳び掛かってきたアッシュが長柄の戦斧(アックス)で無防備状態の敵人形兵器一体を頭部から瓦割りして床に撃沈させると、彼は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()クルトと共に同時に斬り掛かって周囲近辺に居た敵人形兵器十数体を纏めて薙ぎ払う。

 

「よしッ! 最後は五人で一斉に蹴散らすわよ!」

 

「了解」

 

「承知」

 

「これを待ってたぜ!」

 

「うふふ、ようやくわたしも皆の輪に加わって活躍できますね♡」

 

中型二足歩行ユニット(ファランクス)の部隊を壊滅状態にしたところでユウナ達は仕上げに掛かる。 彼女達は接続相手(リンクパートナー)が居なかったミュゼも戦列に加えると、五人で輪を作るように集合して、先程ミュゼが全体回復導力魔法(アーツ)の《セラフィムリング》を使用する際に使っていた《ARCUS(アークス)Ⅱ》という携帯端末機を全員で取り出す。 彼女達が在学するトールズ士官学院の学院章である“有角の獅子”が描かれた背面カバーをパカッと開くと、五人全員で凄まじい導力の光に包まれながら、今から発動させる“集団連携同時攻撃システム”の名をミッドチルダの夜天高らかに轟き叫ぶ。

 

「「「「「ヴァリアントレイジ!!!」」」」」

 

その名が勇壮に叫び放たれた直後には、既に彼女達トールズ第Ⅱ分校Ⅶ組特務科による一斉攻撃が壊滅状態の中型二足歩行ユニット(ファランクス)の部隊を全滅させていたのだった。 光放つ刹那の間に一斉に連鎖爆散(チェインブラスト)されて逝く敵人形兵器部隊を、五芒星を描くように取り囲む位置取りに、ユウナ達五人がそれぞれの得物を爽快に振りきった体勢(ポーズ)を取っていた。 まさしく電光石火の早業だった。

 

「一瞬で敵の一部隊を……全滅させた……!!」

 

「え……ええええっ!!?」

 

「今……いったい何が起きたんですか……?」

 

「キュルルーーッ!」

 

開いた口が塞がらないとはこの事か。 ざっと数百体は居た中型二足歩行ユニット(ファランクス)の部隊を接敵(エンゲージ)してから瞬きをする数秒の間に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()全滅させてしまった異世界からの援軍たるトールズⅦ組の五名。 その閃光の如きチームワークと制圧力を目の当たりにし、ティアナ達三人と一匹は事の直前まで彼女達の援護に入ろうとしていた足を無意識に止めて呆然となってしまっている。

 

──あのバカスバルに近しい突撃一直線の女性(ユウナ)が無闇に突出して背中を攻撃目標外の敵部隊に狙い撃ちされそうになった時に、彼女と“光の線(ライン)”を繋いでいた黒カカシの子(アルティナ)が迅速に防御援護(カバー)に割って入って、放たれてきた狙撃弾幕を未然に防いだ事といい。 “光の線(ライン)”に繋がれた片方が攻撃して敵の体勢を崩した瞬間に、意志疎通(コンタクト)のような予備動作の一切をやらずもう片方が速攻で追撃していた事といい。 それと同じ方法で体勢を崩した敵と一緒に周囲近辺の敵を巻き込んで、“光の線(ライン)”で繋がれた二人一組(ツーマンセル)同時追撃(ラッシュ)を仕掛けた事といい。 あの“光の線(ライン)”で繋がれた二人一組(ツーマンセル)の連携速度が()()()()()()()()()()()()()わ。 まるであの“光の線(ライン)”を通じて思考を共有しているかのように……ッ!!

 

だが驚く事に、機動六課随一の分析力を有するティアナの思考回路は確信無くも、たったの一見でユウナ達の使う“繋がりの力”の核心部分を見抜きつつあった。 これは《ARCUSⅡ》同士を介して接続した導力の中継線(パス)によって二人一組(ツーマンセル)()()()()()する事で、通常では不可能なまでな高速且つ最適の連携を可能にした《戦術リンク》機能(システム)というものである。

 

“戦闘は数が多い方が勝利する”と言われているが、()()()()()()()()()()()()()()というのは、実は難易度がかなり高かったりする。 味方が複数居る場合、自分以外の味方の状況も気にしながら戦闘せねばならなくなり、また、味方を活用する為には何等かの形で意思疎通(コンタクト)を取る必要が出てくるからだ。

 

そんな集団戦闘において、連携する際に味方と意志疎通(コンタクト)を取る事でどうしても生じてしまう致命的な予備動作(タイムラグ)を、戦術リンクシステムは()()()()()()()のだ。 なのはやティアナ達のような管理世界の魔導師も“念話魔法”という味方との意志疎通(コンタクト)を思考で繋げる手段を持ってはいるものの、自分の意志を相手に伝えるにはそれを自分の意識でやらなければならない故、戦術リンクのようにダイレクトな意識の共有伝達を行えるには程遠いだろう。 実際のところ、管理局の黄金(ゴールデン)エースコンビとして十年間勝利の戦歴を重ねてきたなのはとフェイトでさえ、()()()()()()使()()()()()トールズⅦ組の連携には大きく遅れを取ってしまうのだから。

 

──極めつけに最も驚愕したのは、あの人達が《ヴァリアントレイジ》とか言っていた最後の“全員一斉総攻撃”ね。 アレは正直、私の目じゃああの人達が攻撃した瞬間が全然見えなかったわ……。

 

しかし、極めて有能な分析力を持つティアナも、流石にユウナ達が最後に敵部隊を全滅させた時に行った、電光石火の如き早業の全員一斉総攻撃──《ヴァリアントレイジ》は見破れなかったようだ。 詳しいシステムの詳細については後々の機会に話すが、今のところは《ARCUSⅡ》を持つ五人以上が集まる事で()()()()()()()()()()()()()()()という事だけ語り、割愛させてもらう。

 

「これって、僕達の援護は必要ないのでは……」

 

「あ、ははは……確かにそうかもね」

 

たったの五人、しかも誰一人無傷で数百体もの敵人形兵器部隊を難なく全滅させてしまう程の強さとチームワークを見せたユウナ達に、先のJS事件でスカリエッティ一味とガジェットドローン程度ぐらいしか交戦経験値の無い未熟者の自分達が手助けに割って入るなどと、余計な御世話なのではないかと思った機動六課前線メンバー最年少ペアの少年少女が無理して苦笑を浮かべている……だが、その間に先程ユウナの背中を弾幕で狙い撃っていた、小型三輪自走砲ユニット(トライアタッカー)の部隊と小型浮遊銃撃機(スニークガンナー)の部隊が、全滅した部隊の穴を塞ぎに追い付いてきて、その場一ヶ所に固まっているユウナ達五人を再び包囲しているのが見えたので、ティアナがやれやれと一つ嘆息を吐いた。

 

「どうやら私達の出番が無くなる心配については杞憂のようね。 ……エリオ、キャロ、フリード、助けに入るわよ!」

 

「「は、はい!」」

 

「キュクー!」

 

FW陣年長者のリーダーであるティアナの号令と共に、今度も逆境を破壊すべく三人と一匹のストライカーはユウナ達を挟撃しようとしている敵人形兵器群の背後へと踊り掛かっていった。

 

……その一方で、未だに生き残っているガラハッド上の人形兵器の中でも強敵中の強敵である、残り一機のオーバル・モスカの足止めに回っていたのは、獄寺&山本コンビにフェイトを加えた三人の精鋭チームであった。

 

「フォトンランサー! 射出(ファイア)!!」

 

「くらえっ! 赤炎の矢(フレイムアロー)!!」

 

三人は飛び道具や射撃魔法を多用して、オーバル・モスカを隠れる障害物が無く逃げ場のない空中へと巧みに誘導。 フェイトは飛翔魔法、山本は左手の指に挟む三本の“青色(ブルー)の炎”の小刀の放射を利用した推進飛翔、獄寺は今戦っている鉄機人が両足から噴射させて飛行しているものと同じ“赤色(レッド)の炎”で浮遊する楕円形の浮遊台(ホバー)の上に乗って、この強敵を他の何所にも行かせないよう三次元に取り囲む事でこの場に縫い付ける事に成功していた。

 

時雨蒼燕(しぐれそうえん)流、攻式一の型──車軸(しゃじく)(あめ)!」

 

数多の死線を潜り抜けてきた十代目ボンゴレファミリーの一員である山本と獄寺、時空管理局の執務官のフェイト。 いかにリィン達の世界の技術である“導力結晶回路”を搭載した最新鋭の“モスカ”であろうとも、流石にこの百戦錬磨の精鋭三人に挟み撃ちにされては下手に身動きが取れなかった。 包囲を突破しようと試みて一人に向かって突進してみれば背中を残りの二人に狙い撃ちにされ、ならばと指先から炎弾を連射して満遍なく三人へ弾幕をばら撒いてみれば山本の刀が放つ“青色(ブルー)の炎”が炎弾の勢いを()()し飛来速度を遅行させた上で素早く懐に潜り込まれ急所を容赦無く突いてくるのだ。

 

「オレの“雨属性の炎”は万物の全てを()()する。 そんなスローボールの投球なんかじゃ、オレ達から三振は取れねぇよ」

 

「す、凄い……相手の射撃や動きの速度も威力も減衰させてしまうだなんて、反則的な……(だけど、なんで煽り言葉の例えが野球?)」

 

その右手に誇らしく握られた“燕の彫刻が施された両刃の刀”──《時雨金時(しぐれきんとき)》の刀身に青色の炎──“雨属性の炎”を纏わせて痛烈に突き飛ばしたオーバル・モスカにその青々と静かに燃え盛る切っ先を向け、得意気な顔で自分の操る炎の能力特性を語り相手を挑発している山本。 そんな彼を横目に眺めつつフェイトは何故このシグナムの腕前にも引けを取らないであろう剣を振るう少年剣士は野球の用語を皮肉に混ぜて煽り立てているのか少々気にしながらも、そんな彼が操る自分達管理世界の魔導師にとっては全く未知である青色の炎に秘められた力に瞠目を隠せないでいる。

 

マフィアや大規模犯罪企業団体(シンジケート)など、山本達の“裏世界”に身を投じている強者達は皆“死ぬ気の炎”という文字通り“炎”の形を象る特殊な力を持っている。 ユウナ達の《ヴァリアントレイジ》と同様後々に詳しく説明する機会を設けるので今は詳細を省かせてもらうが、“死ぬ気の炎”には基本的に《大空の七属性》と呼ばれる“七種類の属性”に分類されている。 その内の一つが山本の操る“青色(ブルー)の炎”の【雨属性】で、彼が語ったようにこの炎は森羅万象の猛りを静める“鎮静”の特性を持っている。 この青い炎を浴びさせれば動くモノの速力(スピード)や爆発物の破壊力(パワー)は勿論、魔導師が放つ()()()()()()()()()()()()()()()というのだから、フェイト達魔導師にとってはまさに脅威的な効果だ。 反則的だと思うのも無理はないだろう。

 

『──ピピピッ、敵性戦力ノ解析完了。 時空管理局遺物管理部機動六課所属《フェイト・T・ハラオウン》──固有戦力脅威度判定“S”ランク……並ビニ、データベースニ該当ガ無イ不確定戦力(UNKNOWN)二名──固有戦力脅威度判定、両名共ニ“S”ランクト推定……ヨッテ総合敵性戦力脅威度ヲ“S+”ニ設定シマス』

 

「ドヤ顔してる場合か野球バカが! 油断してんじゃねぇぞ。 あの紅いモスカのヤロー、何か仕掛けて来やがるつもりだぜ!!」

 

山本の時雨金時の刺突を受けた腹部を押さえて巨体を蹲らせながら不気味に機械音声で何やら呟いている敵のオーバル・モスカを対面に挟んだその先から獄寺がそう警戒を呼び掛けてくる。 そうとも、死ぬ気の炎を持ち、その他にも導力魔法(オーバル・アーツ)というリィン達の世界の力までも使ってくる相手はそれ以上に反則的(チート)なのだ。

 

『直チニ敵ノ包囲網ノ突破ヲ敢行シマス。 攻撃導力魔法(アーツ)ヲ選択……詠唱駆動(ドライブ)開始!』

 

機械音声でそう言ってガスマスク越しのアイレンズが気の緩んだ山本に狙い定めたように殺伐と朱く発光した直後にオーバル・モスカの巨体を青く光る魔法術式が球状に覆う。

 

「この術式はさっきの……まずいっ! 発動する前に奴の詠唱を止めて!!」

 

「ちっ!」

 

その術式と同じものを、先程の地上本部屋上ヘリポートで交戦し今現在も足止めに後方に残ったシグナムとヴィータが助太刀に現れた異世界の騎士と魔法使いと共に奮戦継続中である別のオーバル・モスカが使用していたのを、見たのを記憶していたフェイトが【それを撃たせては危険だ】と感じ取り鬼気迫る形相になって敵の詠唱を妨害するように獄寺へと呼びかける。

 

獄寺にとって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を聞くのは大変遺憾ではあったが、彼自身の感も敵が行っている詠唱駆動(ドライブ)に低く獣が唸るような危険信号(サイレン)を鳴らしていた為、フェイトに呼び掛けられたと同時に即座に左手の髑髏を模した火炎放射器──《赤炎の矢(フレイムアロー)》の口内に点火したダイナマイトを装填する。 彼には敵が何をしようとしているのか全然解ってはいないが、しかし【敵の詠唱を完了させては不味い】という事だけは判る。 そうこうしているうちに敵を覆っている青い術式の輝きが増して極限に眩くなってきたが、やらせはしない。 奴の背中に狙い定めて髑髏の口を絞り、その口から赤色(レッド)の炎の閃光(レーザー)を発射した……だがしかし──

 

詠唱(ドライブ)……完了(オールグリーン)!』

 

「ダメだ、間に合わないッ!」

 

『《ブルーアセンション》!!』

 

「ちぃぃっ! 避けろ山本ッ!!」

 

赤炎の矢(フレイムアロー)が届くよりも先に敵の詠唱の方が完了してしまった。 オーバル・モスカの機械音声が使用する導力魔法(アーツ)名を言い放った瞬間に水属性の導力魔法を発現させる為の青い術式が弾けて、水属性中級攻撃導力魔法《ブルーアセンション》が発動! 余波の衝撃波で背中に命中直前まで来ていた赤色(レッド)の炎の閃光(レーザー)がカッ消される。 そしてその直後、山本の足下を中心に発生した超高圧水流の渦が半径数十メートル広範囲の空間を文字通りに巻き込んでは切り刻み、天を水の柱が突くように盛大に大爆発をしたのだった。

 

「嘘……やられちゃ……た……ッ!!?」

 

渦の中心に居た山本は完璧に水流爆発の勢力が最も強いだろう爆心に完璧に取り込まれてしまっていたのは見るからに明らかだった。 余波によって発生した水蒸気の濃霧が辺りに蔓延していく中、フェイトは知り合ったばかりの自分より歳下の少年剣士の尊い命が卑劣な次元犯罪組織の兵器によって奪われてしまった可能性を脳裏に思い浮かべて茫然自失と立ち尽くす。

 

「……」

 

獄寺も浮遊台の上で腕を組み、硬い表情で山本が水流爆発に飲み込まれた方を見据えている。 山本が居た空間は高圧水流の炸裂爆発により発生した真っ白な濃霧に覆いつくされて中の様子を目視では確認できない。 従って敵の《ブルーアセンション》の直撃を受けたと思われる山本の安否は不明。 しかし、もし彼が無防備に超高圧水流の渦に巻き込まれたのなら、仮に悪運良くも生存していたとしても五体満足でいる可能性は絶望的だ。 何しろ超高圧の水流は金剛石(ダイヤモンド)をも容易に切断してしまう程の殺傷力があるのだ。

 

『……ピピピ、導力魔法(アーツ)ノ発動ヲ確認。 ソレニヨリ、Sランク敵性戦力一名ヲ撃h──』

 

術を放った張本人(オーバル・モスカ)も雨属性の炎使いの少年剣士は水流爆発で木っ端微塵になったと推測し、そう判定を下そうとしたその時だった。

 

「おいおいモスカさんよぉ、つれねーな。 人を勝手に()ったと思ってんじゃねーっつーの」

 

『──ピピッ!?』

 

突発として蔓延していた真っ白な濃霧が濛々と()()()()綿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、その中に浮かび上がった“剣を右手に逆手持ちした人影”がその場に構えて高速回転すると、内部から一陣の(つむじかぜ)が引き裂くように濃霧が吹き飛ばされる。 其処に姿を現したのは水も滴りながらも()()()()()()()()()()()()、青き炎を携えた四本の刀の刃と首にかけた“【X(イクス)】印を中心にした犬の頭部と飛沫を巻いた刃を象ったネックレス”に灯した雨の守護者であった。

 

「時雨蒼燕流、守式七の型──()()(あめ)……ってな!」

 

「……生き……て……ええええっ!?」

 

「ちっ! 水の攻撃じゃ、やっぱピンピンしてやがったかコノ野球バカ」

 

「そしてこっちの子もさっきのあの黒髪の子に【避けろ】と言ってた割に、まるでそれと矛盾して心底残念そうに悪態を吐いてる!?」

 

あれだけの規模の水流爆発を高速回転剣だけで受け流しきった山本と同じ世界の仲間の身をあんじているのか素っ気ないのか判らない態度の獄寺に、フェイトは思わず白目で素っ頓狂な声をあげてビックリ仰天してしまう。 いったい何なんだ、このどこか調子を狂わされる異世界の助っ人達は?

 

「ったく……遊んでんじゃねぇぞ。 ちょっと変わった機能が追加されてようが、()()()()()()()()()()本気(マジ)になってさっさとスクラップにして、十代目達の援護に行くぜ!」

 

「へへへっ、りょーかい♪」

 

そんなこんなで未だに白目を剥いて泡食ってポンコツ化している執務官の事は横に置いておき、そろそろ本気を出して敵を撃破するとして示し合わせたボンゴレの嵐と雨の守護者両名は、それぞれが身に付けていた【X(イクス)】印付きのバックルとネックレスを手に取って闇夜の大空に掲げる。

 

「出て来やがれッ、《(うり)》!」

 

「ニャアア!」

 

「待たせて悪かったな、出番だぜ《小次郎(こじろう)》!」

 

「ピュイ!」

 

獄寺の赤色(レッド)の炎──“嵐属性の炎”が灯された《嵐のバックルVer(バージョン)X(イクス)》からは、可愛らしい耳の中に嵐属性の炎を灯す豹柄の子猫。 山本の“雨属性の炎”が灯された《雨のネックレスVerX》からは小さな全身の羽毛から雨属性の炎を撒き散らしながら飛翔する(つばめ)。 二人が掲げたそれぞれの“覚悟の炎”を灯した荘厳な雰囲気を放つ装飾品(アクセサリー)の中から、()()()()()()()()()()()()()()()()が待ってましたと言わんばかりの鳴き声をあげて元気良く飛び出てくる。

 

 

嵐猫(ガット・テンペスタ)≫瓜

 

 

雨燕(ローンディネ・ディ・ピオッジャ)≫小次郎

 

 

──今度はカワイイ子猫ちゃんと小さな燕が、あの二人の手に掲げられた、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の中から飛び出てきた……たぶん魔導師(私達)の持つデバイスに内蔵されている【収納機能】と同じような仕組みなんだと思えば一応の説明は付くと思う……けれどもあの二人は此処一番で、何で小動物を出した!?

 

何故そこで愛ッ!? ……ではなくて、何故そこで愛くるしい小動物ッ!? フェイトは獄寺と山本が反撃に転じるこの局面で見るからに可弱そうな小動物を出してきた事に、更なる困惑を覚え内心で忙しく疑問の声をあげている。 いかに無数にある次元世界を股にかけて数々の魔法事件や厄災神秘と相対して解決してきた時空管理局員魔導師である彼女達とて、これだけ立て続けと自分の理解の及ばない事象を矢継ぎ早に前にしては、頭から煙が昇るのも無理はないと言うものだろう。 これでどうやって戦えばいいんだ?

 

「そんじゃ、いくぜ瓜ッ!」

 

「こっちもやるぜ、小次郎!」

 

だが災難な事に、まだまだフェイトの脳細胞はボンゴレ守護者二人による非常識劇場によって休みなく焼き殺され続けるのだった。

 

「「形態変化(カンビオ・フォルマ)──初代武装展開(リベラツィオーネ・ファーストウェポン)!!」」

 

意★味★不★明。 二人が同時に叫んだ直後、瓜が「ニャアアア!!」と咆哮して眩く光放った刹那に獄寺の左手の赤炎の矢(フレイムアロー)()()()()()赤色(レッド)の炎の弓矢(アーチェリー)に変化し、小次郎も「ピィィイ!!」と鳴いて空高くから急転直下し山本の右手に握られている時雨金時と()()()()青色(ブルー)の炎翼の長剣へと変貌させた。 もう勘弁してくれ、こんなのトップエース級魔導師の並列思考(マルチタスク)回路をフル回転させても理解が追い付かない。 フェイトの脳内容量(キャパシティー)はもう限界(オーバーヒート)寸前だ。

 

 

荒々しく吹き荒れる疾風──≪Gの弓矢(アーチェリー)

 

 

すべてを洗い流す恵みの村雨──≪朝利(あさり)雨月(うげつ)の変則四刀≫

 

 

『ピピッ!!? 敵性戦力SランクUNKNOWN二名、共ニ()()()()()()()()()()! 脅威度判定“SS”ニ上方修正(ランクアップ)。 コチラトノ戦力差ヲ再計算(アップデート)……計算(アップデート)完了。 算出ノ結果、コノ機体性能(スペック)デハ現在ノ敵性戦力ヲ殲滅スルノハ困難ト推定! 危険、危険、危険……至急退避ヲ──』

 

「おっと、逃がさねーぜ! 同時に決めるぜ獄寺、金髪のねーちゃんも!」

 

「あは、あはははは……あんなにカワイイ小動物が武器と合体しちゃった……融合機(ユニゾンデバイス)みたいなものかなぁ? あはははは……でも、ツヴァイもアギトも武器と合体なんてしてないよね……あはははは! もう何が何だか訳が分からな過ぎて、頭がぐるぐる回るぅ~! あはははは! ……落ち着け。 こんな時は前にはやてから借りた少年漫画の悪役キャラクターがやっていたのと同じように、素数を数えて一旦落ち着こう、うん! 4……6……8──」

 

「テメェがオレに指図すんな! それから其処の“デカパイケツマルダシ女”も何をテンパってんだよ! 数えてんのそれ全部素数じゃない合成数だからな!!」

 

「──9……10……ハッ!? デカパイケツマルダシ女……って、それ私の事ッ!!?」

 

山本と獄寺の武装が変化したと同時に二人の戦闘能力値が格段に強化(パワーアップ)されているのを分析確認してそれが自身の持つ戦闘性能を大幅に上回っていた為にAIが形勢不利を判断したオーバル・モスカが逃亡を図ろうとしたところを、咄嗟に回り込んだ山本が奴の退路を阻む。 その奥側で異世界の助っ人達が巻き起こす未知と非常識のバーゲンセールに付いて行けずに目をぐるぐると両手で抱えた頭から煙を出して故障した言動を独り言ちながら天手古舞(てんてこまい)周章狼狽(しゅうしょうろうばい)しているフェイトへ、獄寺がライバルである山本に作戦命令された事に大変立腹しつつ彼女の正気を戻すように指摘を入れる。 そのおかげでどうにか我に返ったフェイトだったが、その際にどさくさに獄寺が吐き捨てていた、こちらへ対するセクハラめいた蔑称に気が付いて酷くショックを受けた。 それは確かに、彼女が今現在展開中の《真ソニックフォーム》は音速の機動力を実現する制御魔力量確保の為に()()()()()()()()()()()()()、彼女の豊満で腰細く非常に扇情的な肢体を限りなく際立たせたレオタードに近い高露出度の衣装となっており、申し訳程度に正面股下に垂らした短い布で辛うじて隠せている部分は前の秘処ぐらいなもので、彼女の瑞々しい四肢の素肌や肉感たっぷりの胸の双丘とぷりぷりの桃尻などは衆目に野ざらし状態という、下手をしたら(マッパ)よりもよっぽど羞恥的な恰好なのである。 まったく、まことにけしからん。

 

『退避! 退避!』

 

「ほら、あーだこーだ言ってる間に敵さんが逃げちまいそうだぜ? 文句なら後で聞いてやるから、さっさとやろうな♪」

 

「チッ! 後で覚えてろよ野球バカ。 デカパイケツマルダシ“痴女”もいい加減に正気に戻ったか? なら、とっととあのモスカのヤローをスクラップにするぞ!!」

 

「一言増えてるし!? ああーっ、もうこうなったら何も考えずにやってやる!!」

 

フェイトは近いうちに真ソニックフォームの衣装デザインを変更する事を決意して、考えるのを止めた。

 

「貫けぇぇッ! 赤竜巻の矢(トルネード・フレイムアロー)!!」

 

「時雨蒼燕流、総集奥義──時雨之化(じうのか)!」

 

ライオットザンバー・カラミティ! てりゃあああああああッッ!!」

 

夜天の暗闇の中へと逃亡しようとし両手両足の噴射口から炎を全出力で吹かして上空高くへと飛び立とうとするオーバル・モスカに、三人三方向からそれぞれが持てる必殺技で全力全開の挟撃を仕掛ける。

 

獄寺がGの弓矢(アーチェリー)を引き絞って撃ち放ったすべてを分解して突き貫く赤色の螺旋回転火矢が夜の闇を貫き、山本が右手の青色の炎翼の長剣を構えて左手に携えた三本の炎の小刀を最大出力で逆噴射して青炎の花帯を引きながら猛然と突貫し、フェイトが両手の光の双大剣(ライオットザンバー・スティンガー)を一本に重ねて身の丈の三倍以上の巨大さを持つ光の斬馬刀(ライオットザンバー・カラミティ)にして半場ヤケクソ気味に気合いを叫びながら一条の閃光と化して、鷹目から赤青黄三色の花弁を持つ六花(アスタリスク)を描くように紅の鉄機人を刺し貫いた……。

 

 

 

 

 

 




今回の『炎の軌跡講座』はお休みです。

代わりに活動報告では、昨日からこの小説の物語中に登場する味方陣営の合体戦技──《コンビクラフト》のアイデア募集を開催しました。

これからはこの作品の更新が進み次第で、オリキャラやオリジナル戦技(クラフト)やオリジナル匣兵器などといった色々な要望の設定アイデアを読者ユーザーの皆様から募集していきますので、活動報告にどしどし書いてください。 あなたのアイデアがリィンやツナ達の助けになるか、立ちはだかる壁になるかもしれませんよ♪


ではまた次回更新で会いましょう! コンビクラフトのアイデア応募もお待ちしております♪

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