英雄伝説リリカルREBORN! 炎の軌跡   作:蒼空の魔導書

7 / 22
活動報告の宣言通り、1月内に今年の初更新です。 お待たせしました!

ファルコム公式では『(クロ)の軌跡Ⅱ』の制作が発表されて、軌跡シリーズの盛り上がりは益々アガット! エレイン人気沸騰で次回作はメインパーティー入り+メインヒロイン昇格か!? 発表された絵に写っていたヴァン&エレインと対峙する“紅黎(あかぐろ)魔装鬼(グレンデル)”は何者!? 続報まだかーーーっ!!(テンションアガット)

活動報告のオリジナルコンビクラフトもまだまだ募集中です! (てか、まだ誰の一つも書かれてないな。 やはり企画が地味だったかも……)




更に共闘する英雄達

第一管理世界ミッドチルダの首都クラナガンの夜空を我が物顔で埋め尽くす反管理局軍ミッドナイトの主力艦隊。 その中心に未だ陣取っている空中司令母艦《ガラハッド》の銀色豪奢だった外観は、その艦上にてミッドナイト軍が擁する人形兵器群を相手に取って大太刀回る、三世界の若き英雄達による八面六臂の大攻勢によって至る所を隅々まで爆砕され、今や元の威厳高い玉座の如き荘厳さは見る影も失くなっていた。

 

『こぉぉぉの異世界のクソガキどもぉぉおおおーーーっ!! 部外者の分際でよくもこの新たな次元世界の支配者たるこの吾輩の邪魔をしたばかりか、吾輩の大事な宝船(ガラハッド)をこんなメチャクチャにブッ壊しやがってぇぇええええ! ゆ★る★さ★んっ! 潰れろぉぉぉぉい!!!』

 

ユウナ達の大暴れで周囲の景色が無数のドーム状の爆発によって次々と吹き飛ばされていく。

 

そのド真ん中で、今まさにミッドナイト軍の総軍司令官(大将)であるラコフ・ドンチェルが打倒時空管理局と次元世界の支配者に成るという野望を、あとちょっとで叶うところで邪魔したリィンやツナ達異世界の英雄等に憤怒を向け、文字通り怒りに燃える鉄槌を足下で動き回るリィンに振り下ろさんとする。

 

ラコフが内部に乗って操る、“紫色(バイオレット)の炎”に機体全身を纏わせた《紫焔大将軍スクルド》が右手に持って大上段からこちらの頭上へと振り下ろしてきた元々も大木サイズだった機関砲剣も“紫色の炎”に包み込まれて肥大化し、全体的の質量(サイズ)が大幅に()()されている。 目測で凡そ横幅8アージュ(m)以上はくだらない圧倒的な(おお)きさだ。 それが凄まじい圧を帯びて迫り来るのを真下から見上げる異世界の黒髪の剣士の眼から見ればまるで炎上した高層ビルが頭上に倒壊してくるような恐怖だろう。

 

「はっ!」

 

しかし、彼は冷静に、あろう事か手に携えていた太刀一本を盾にその何百倍も巨大な質量を持つ紫焔の機関砲剣を受け止めてみせた。

 

『ななな、なっにィィィイイイイイーーーーッ!!?』

 

そんなバカなッ!? スクルドの操縦席空間(コックピット)にラコフの驚愕が反響した。 その反応は至極当然の事だ。 魔煌機兵が振るう近接武装はトリム(t)級もの重量があり、それが上から叩き付けられたならば譬え受け止めたとしても、矮小な人の身など一瞬で圧潰すレベルの衝撃が受けた人間の身に圧し掛かる。 故に幾ら【錬気】や【ARCUSⅡの身体能力向上機能】などの外的要素で常人より強化されているだろうとはいえ、人の身でしかないリィンが魔煌機兵であるスクルドの振るう機関砲剣を太刀一本程度で平然と受け止められる筈がない。

 

しかし、リィンは過去に起きた世界を脅かす数々の事件や災厄に立ち向かう中、幾多の試練と死線と運命を乗り越えて、今や彼の故郷の世界において一流の武人の一人に名を連ねる程に至っている。 攻撃を受けるのに合わせた絶妙な重心移動と全身運動を利用して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ような芸当などは朝飯前だ。

 

それに付け加えると、スクルドの攻撃を罅割れ一つ生じさせずに受け止めたリィンの太刀は《神刀【非天】》という銘の業物であり、これは少々()()()なのだが、何度も申し訳が立たないが素材の詳細については今は後程となる。

 

「今だツナ、打ち込め!」

 

『しまっ──』

 

「うぉぉおおおおお!」

 

スクルドの得物をリィンが抑えている隙を突いて、闇夜の大空から“橙色(オレンジ)の炎”が一流の流星となって紫焔大将軍へ飛来。 大上段からの振り下ろしを灰色の騎士に止められて硬直した事で、的の巨大な木偶の坊と化しているスクルドの懐へと、ツナがその両手に着けた甲の中心に燭台を映す水晶が嵌められた上に【X】の文字を重ねたデザインの指貫グローブ──《X(イクス)グローブVer.X》に纏わせた“橙色の炎”を後方へジェット噴射して、それによって生み出している凄まじい推進力(スピード)のままに猛突進してくる。

 

直線の飛翔速度は文字通り爆発的であり、真ソニックフォーム時のフェイトよりも頭一つ速く、何よりも夜の闇や周囲に今も巻き起こっている無数の戦闘爆発をも橙色(オレンジ)に染め上げる()()を両手にして向かって来る彼の姿は向かわれる者に太陽そのものが迫ってくるような錯覚に陥らせる程の猛威を放っている。

 

『のぎゃあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ーーーーッ!!!』

 

そんな速度と猛威を丸ごと乗せて叩き込まれたツナの拳の威力は、紫炎大将軍の分厚く高熱の紫焔に覆われていた顔面を数十t(トン)もの重量を誇る巨大な胴体ごと楽々と宙へ突き浮かし、後方50m先に見えるミラービルのような艦橋(ブリッジ)の正面前の床にポッカリと空いている長方形をした大穴へと頭から突っ込んでいく。 その穴はまさしく先程、ラコフが甲板下層に格納されていたこのスクルドの機体を出した昇降運搬口であった。

 

狙い通り(ナイスショット)、お見事ですツナさん!」

 

『って、穴の中から六課の戦闘機人の小娘がっ!? ちょっ──』

 

「一撃必中、ディバインバスタァァアアアアーーーーッ !!」

 

スクルドが殴り飛ばされて来るのを見計らって昇降運搬口の中に身を潜めていたスバルがカタパルト発進する戦闘機の如き勢いで飛び出し、丁度真正面に迫り来たスクルドの広い脳天に零距離魔砲弾を叩き込んだ。 右手のリボルバーナックルで大振りに殴りつけるようにして撃ち出された水色の魔力の塊が紫炎大将軍を()()()()()()にしてクラナガンの夜天上空へグングンと押し上げる。

 

『──そんなバナナァァァアアアーーー!!』

 

畜炎体循環出力増幅機関をフル稼働させて機内の操縦者(ラコフ)の持つ紫色(バイオレット)の炎──“雲属性の炎”で機体全身と武装を丸ごと纏い《紫焔大将軍》にパワーアップしたスクルドの機体全長は()()1()5()m()()()()()()()。 そんな巨体を持った魔煌機兵が、少し特別な力を持っただけの生身の人間にしかすぎないリィン達の手によって、まるでピンボールのようにポンポンと吹っ飛ばされまくるという非常識を受けて、中に擁したバカ殿(ラコフ)が寒いオヤジギャグをかますように意外と余裕ありそうな悲鳴を夜空に響かせつつ、なんとも間抜けた恰好で上昇していく紫焔大将軍……だがこれで終わりではない。 天に向かうその足下の先では、純白の輝きを放つ二つの月を背中にして、威風堂々と両手に構えた黄金の穂先に膨大な桜色の魔力球体を四つ収束形成(チャージ)した高町なのは(不屈のエース)がその照準をこちらに定めて待ち受けていたのだった。

 

『んゲゲッ!? なのは嬢!!』

 

「うん、丁度いい角度で打ち上げたねスバル。 ピッタリ計算した通りなの!」

 

スクルドが吹っ飛ばされた軌道上に何故なのはが事前に砲撃魔法の発射準備(チャージ)をして既に先回りをしている!? 胸中にそのような疑念を抱いて焦燥の声を荒げるラコフに、計算通りという不敵の笑みをニヤリと浮かべるなのは。 そう、すべてはなのはと、そしてリィンの名戦術教官二人によって組み立てられた()()()()()()()()()()()だったのだ。

 

──四人でスクルドに攻撃を仕掛ける直前、リィン君がツナ君に耳打ちで多分「俺が敵の攻撃を受け止めるから、その隙になんとかして背後に見える穴へ敵を突き落としてくれ」って感じのお願いを伝えながら、同時に“二つの月の間”を指差しして、わたしに空に飛び上がるように促してきた。 わたしは一瞬それがどういう意味なのか理解できなかったけれど、その直後にリィン君がスクルドの背後に見える穴──艦橋(ブリッジ)前の床に開放したまま放置してあった魔煌機兵専用昇降運搬口を指差してスバルに何かを伝えようとしていて。 それでわたしはリィン君がやろうと考えている四人連携攻撃作戦の概要に気付けたの。 そしてわたしはリィン君がスクルドの目の前へと向かって行って敵機体を中で操縦しているラコフ・ドンチェルの気を引きつけてくれている内に、彼に受けた指示の内容がイマイチ理解できないでいる様子だったスバルに念話を繋げて『今の内に、敵に見つからないようにリィン君が指差した穴の中に隠れて。 たぶんツナ君が何らかの方法であの穴に(スクルド)を突き落としてくると思うから、君はそのタイミングに合わせて穴から飛び出て。 それで背後から敵を“二つの月の間”に向かって思いっきり打ち上げてちょうだい』と具体的な行動指示を伝達──

 

その後はリィンに送られた手信号に従い、飛翔魔法で上昇しスバルが身を潜めた運搬昇降口から見上げて夜空に浮かぶ“二つの月の間”の位置に待機。 そしてスバルから打ち上げられてくる紫焔大将軍に連携攻撃の決定打(フィニッシャー)となる特大の魔砲(エクセリオンバスター)を撃ち込まんと、魔法術式を構築して敵が打ち上げられてくる予測軌道に砲撃照準を合わせ、空気中の【魔力素】を体内へと吸収して必殺の砲撃を放つのに充分な魔力量をリンカーコアから練成して、砲撃目標が打ち上げられる前に構えたレイジングハートの穂先に魔力充填(チャージ)を完了させる……。

 

「そして手筈通り、スクルド(貴方)がこっちへと打ち上げられて来たら、後はわたしが発射準備(チャージ)した決定打(エクセリオンバスター)をそのままスクルド(貴方)に撃ち込めば、それで四人連携攻撃は成功だよ!」

 

『チチ、チキショォォオオオオオオオオオーーーーーッッ!!!』

 

相手にしてやられた悔しさのあまりラコフは軍帽の上から頭を狂うように掻き毟り、盛大に癇癪をあげる。 先程のように攻撃反射防御結界(リアクティビアーマー)を展開させる間など与えたりはしない。 スバルの水色魔砲弾(ディバインバスター)に真下から脳天をグーーーンと押し上げられてなのはが敷いた砲撃射線上の真正面へ迫り来た紫焔大将軍の両足が彼女の必中射程(ミドルレンジ)に入った瞬間、なのはは唇を一舐めして勝利を確信し、レイジングハートの自動装填弾倉(マガジン)を作動させて瞬間魔力増幅薬莢(カートリッジ)を四発排莢(リロード)した。

 

「《エクセリオンバスター》四連砲(フォースバースト)! ブレイク・シューt──」

 

ズキッ!

 

「──グッ!?」

 

カートリッジによって瞬間増幅された炸裂魔力で撃鉄を打ち、黄金の穂先に留められていた四つの魔力球体が目前に迫った紫焔大将軍に向かって巨大な魔力の奔流と化して解き放たれる……まさにその決定的瞬間、急になのはの胸の奥に()()()()()が走り、彼女は思わず苦悶を浮かべて疼いた胸を押さえだしてしまう。

 

──しまった!

 

そう彼女が自分が致命的な失態を犯してしまった事を認識した時にはもう取返しは付かなかった。 砲撃発射は中止され、撃ち放たれようとしていた四つの魔力球体は無数の桜の花弁の如くクラナガンの夜空に舞散って消えていく……。

 

『えっ!? 不発? ひょっとしてなのは嬢、魔法ミスっちゃったの? ……ニヤリ!』

 

エクセリオンバスターは不発……それを垣間見たラコフはこれを絶好の好機と視てほくそ笑んだ。 なのはが自らの失態に狼狽えている隙に武装を持っていないスクルドの左手を操作して機体の頭を押し上げているスバルの水色魔砲弾(ディバインバスター)を鷲掴むと、そのままその腕をグルグルとブン回して明後日の空へと水色魔砲弾(ディバインバスター)を放り投げ捨てる。

 

『ドンッ、チェルルルルルルーーーッッ!! 管理局の最優の魔導師(エース・オブ・エース)ともあろう者が決定的なチャンスにミスるだなんてーーー! とんだO★MA★NU★KEさぁぁん♪』

 

壊滅的打撃必至の窮地から一転して反撃の好機を得たラコフは両目から汚い涙を操縦席空間(コックピット)中に飛び散らかして下卑た爆笑をしながらスクルドの()()()()()()()()()()()()()()()、右手に持つ機関砲剣で間近に迫ったなのはを逆に撃墜してやるとして狙い定めた。

 

「くっ!」

 

『にっくき時空管理局のエース・オブ・エースよ。 吾輩の積年の恨みをしこたまブチ込んでくれるわ! そして奈落へ墜ちろぉぉぉおおおおおおーーーーーいっ!!』

 

八葉一刀(はちよういっとう)流──(ろく)の型、緋空斬(ひくうざん)

 

『ひでぶっ!?』

 

身を隠す障害物が一切無い空中域で無防備な様を迂闊に晒してしまってその凛々と美しく整った顔に焦燥の色を浮かばせて呻く次元世界の英雄たる白き魔導師の少女へと向けて、紫焔の機関砲剣の持つ燃える刺突剣付きの太くて大きな砲身から今まさに不屈の星をも撃ち落とす無限の炎弾が撃ち放たれようとしたその直前に、炎を纏う(はやぶさ)が飛翔するかの如く真下の甲板上から高速で飛ばされてきた一閃の()()()()が紫焔大将軍の股間に突き刺さり、小規模の爆発を起こした。

 

『ぎにゃあ"あ"あ"あ"っ!? 吾輩の黄金の大王おマンモスがぁぁくぁwせdrftgyふじこlpーーーーッッ!!!』

 

不意に死角からの攻撃を受けた事への動揺に加え、機体が受けたダメージ箇所から昇ってきた衝撃によって尻に敷いていた黄金の玉座(そうじゅうせき)の下内部の骨組みパイプがへし折れた事で内側から金のメッキカバーを突き破ってきたそれが股間にダイレクトにブッ刺さり、ラコフは男にしか分からない激痛に悶絶し言葉にできない悲鳴をあげて、爆発した股間を両手で押さえる機体と共にそのまま墜落して甲板の鉄床に頭から突き刺さった。 所謂、犬○家のポーズである。

 

「今の声は……?」

 

撃たれる前に飛来し割り込んできた()()()()がスクルドを撃ち落としてくれたお陰で間一髪助かったなのはは援護攻撃が飛んできた方向を見遣る。 彼女の大きな碧い瞳に映ったのは、左腰に差した立派な鞘から抜刀して太刀を精悍に振りきった姿勢からその緋色に煌く刀身を静謐に鞘へと納める黒髪の青年剣士の立ち姿だった。

 

「リィン……君……う"っ……げほっ、ごほっ!」

 

彼に再び危機を救われたなのはは一瞬だけ申し訳半分嬉しそうに口元を綻ばせるが、痛んだ胸から咳がこみ上げてきて息苦しそうに手で胸を押さえだした。 そう……実はエクセリオンバスターが不発になったのは、病み上がりのその身体でこれまで無理に高ランクの魔法を酷使し続けたツケが回って彼女のリンカーコアに掛かっていた負担が重なりに重なって、もうとっくに限界を迎えていたのだ。 リィン達が援軍に現れる前までに蓄積していた身体の負傷と体力こそはミュゼの回復導力魔法(セラフィムリング)のおかげで全快したが、彼女のような()()()()()()()()()()()()()()()の方は全然回復していなかった。

 

これではもう今のなのはは高出力の砲撃魔法は無論、己の魔力を消費し続ける飛翔魔法を維持し続ける事も苦しいだろう……そうなると当然、彼女は飛翔魔法の制御を失ってそのまま事切れたように真下へと落下していく……しかし、彼女の身は硬い鋼鉄の床の上に叩き付けられる事はなく、それよりも前に咄嗟に縮地を使い目にも留まらない速さで落下地点へと駆け付けたリィンの逞しい両腕によって抱き止められた。

 

「なのは、大丈夫か?」

 

「う……うん。 ごめんね。 また、君に助けてもらっちゃった……」

 

「すまない……君の身体に流れる“霊力(マナ)”の波長は不安定にあった事は把握できていたのに、無理な役割をやらせてしまった。 俺の判断ミスだ……」

 

そう心の底から申し訳なさそうに両腕に横抱きしたなのはの眼を真っ直ぐ見つめて真摯に謝罪の言葉を彼女に伝えるリィン。 彼は自分以外の他人を危険な目に遭わせる事を大いに忌避する(さが)を内面に秘めている。 此処へ来る数ヵ月前に自分の元居た世界で起きた“とある大きな戦い”の顛末に()()()()()()()()事で以前よりは大分緩和したが、彼生来の御人好しな性格故に、今日知り合ったばかりのなのはにすらこうして彼女の不調を随分と気に掛けて()()()()()()()()()()()()()()()()ちゃっかり彼女の身の安全を守っている、徹底した気配り周到振りであった。

 

「にゃはは……気を遣ってくれてありがとう。 君はとても優しいんだね」

 

気遣いが少し大袈裟じゃないかと思うところもあった為に少し苦笑を漏らしたが、相手に負けず劣らず律義であるなのはは助けて貰った御礼はちゃんと言う。 他人に怪我をさせたくない気持ちはなのはにも()()があって大いに共感できるが……。

 

「でも……そろそろこの恰好でいるのはちょっと恥ずかしい……かな? 自分と歳の近い男の人にこうして抱っこされるのって、あんまり慣れてないからさ、わたし……」

 

なのはは若干頬を朱に染めて戸惑う気持ちをリィンの胸に文字通り直接訴えて、乙女の恥じらうようにそっぽを向く。 なのはの身体は今、リィンの剣で鍛え抜かれた逞しい両腕によって横抱きに抱えられている姿勢だ。 それは所謂“お姫様抱っこ”と言われる、女の子に生まれたなら誰もが一度は夢に見るであろう憧れの異性にしてもらいたいシチュエーションというもので、況してや美形に生まれる者が大半居る次元世界中においても稀に見ない好青年(イケメン)であるリィンにそれを現在進行形でされているのだから、幾ら色事には硬派でいるなのはであっても嫌に熱を意識してしまう。

 

「ぁ……ああっ!? ごご、ごめん!! 直ぐに降ろすよ」

 

言われて今の自分達の体勢が男女の関係に大変不健全な恰好である事をようやく認識したリィンは華も恥じらううら若き女性であるなのはに対して大変失礼を働いた事を大慌てで謝りながら、しかし割れ物を扱うように彼女の身体を足から丁寧に床へ降ろした。 いかんな、これではまたアルティナに「不埒です」などと言われてしまう……そう懸念を思い馳せつつリィンは少々気まずく指で蟀谷を掻いて、もう二度と同じ過ちはしないと誓い反省した。 (まっ、彼は前科だらけで女難を受ける運命の星の下に生まれているのだろうし、深く反省しても正直無駄だろうとは思うが……)

 

「そ……それにしてもよくあんな即興でわたし達三人の能力を把握した連携攻撃を考え付くなんて凄いよリィン君! わたしでも映像データを取らないと、会ったばかりの人との連携を考えるなんて難しいのに」

 

「いやいや、さすがにトリム級の重量がある魔煌機兵を上空に吹っ飛ばすだなんて俺にも想定外だったさ……。 まあでも、初めて会ったばかりの人間と組んでも、その“立ち振る舞い”や“纏っている空気”などを()()()その人がどういった戦闘スタイルや能力を持っているのかぐらいは大体予想できるな……援軍に後からやって来てその場に出来た“戦闘の傷跡の付き方”が観られれば、もっと正確に相手の戦術構築思考(バトルタクティクス・ロジック)や有している戦技(クラフト)までも想像できるようになる」

 

そうリィンが一瞬艦首の方を横目で流し見ながら説明してくれた戦闘分析方を聴いてなのはは思わず「す、凄い……」と目を見張った。 彼が横目に見ていたのは、異世界の援軍(リィン達)が此処にやって来るより少し前の時に、なのはとスバルが放った合体戦技(コンビクラフト)の《W(ダブル)ディバインバスター》がスクルドの展開した《リアクティビ・アーマーA(イージス)》に反射されて放った二人を巻き添えに頭部を丸ごと粉砕☆玉砕☆大喝采ッ! していたラコフの黄金艦首像だ。 実のところリィンは()()()()()()()()なのはとスバルが破壊力の高い遠中距離への攻撃手段を有している事を確信したのだ。

 

目先に映した視覚情報を並の人では意識し得ない隅々まで委細把握して十全に使うばかりか、戦場の環境状態を少し観察しただけでその場で交戦していた者達の戦闘能力をまるで前もって見ていたかのような精確さで理解するなどと、とても人並みの観察力では成し得ない御業だろう……そのような普通から大逸れまくった分析方を難の事など無いように言ったリィンに対して、聞いた本人であるなのはは無論の事、鉄床に刺さった頭部をなんとか引っこ抜こうと必死に足掻いているスクルドから反撃が来る可能性を警戒しつつも近くで話をちゃっかり盗み聞きしていたツナもまた驚き混じりに関心を向けている。

 

──驚いたな。 戦う相手の手札を出す前から読めるだなんて、リィンの見切りはスクアーロや幻騎士以上かもしれない……これは()()()()()()()()()だけど、彼は五感(視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚)や第六感(過去の経験から来る直感)をフル活用して得た情報を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだろう。 反応速度と即応力(レスポンス)ならオレの《超直感》が上だろうけど、予測精度と状況変化対応力(マルチシフト)は完全にリィンの観察眼(あっち)の方が上だ。

 

それに並ぶか上回る予測が出来るとするなら、己が過去に記憶している猛者の中だと()()()()()()()()()()()()()()“最強の敵との決戦”の最中に突然姿を現しては自分達に心強く助太刀してくれた、自分が最も信頼する“家庭教師”の旧友を名乗っていた【謎の黒スーツの男】ぐらいなものだろうか……今思い返すとそういえばあの人も自分の家庭教師のモノと同じボルサリーノを被っていたな……。 ツナがそんな事を思い出していたその時──

 

『ムギュー! ムギュー! ……ぶはぁぁあああッ!! 死ぬかと思ったーーー!』

 

丁度彼らの目の先でさっきまで甲板の鉄床に頭部から突き刺さって犬○家のポーズになっていたスクルドが機体の胴をブリッジに曲げて両足を床面に下ろし着け、鉄床の下にすっぽりと埋まった頭部を昭和ギャグ漫画のようなシュールな絵面になって強引に引っこ抜いていた。 床下に埋まっていた間は内部の操縦席空間(コックピット)に酸素が行き届いてなかったようで、窒息寸前で危うく息を吹き返せたラコフが新鮮な酸素を小汚い金歯だらけの口の中へと必死に吸い込んでは、深海から命辛々生還した潜水士のように『生きてるって素晴らしいッ!』と大袈裟な歓喜を表した後、それに同調して機体にバンザーーーイッ! という風体に両腕を真上へ上げさせている。

 

そしてそれを止めた紫焔大将軍が、敵大将の戦闘復帰によって緊張感を戻したリィン達の方へと向かい、彼らの前に再び聳え立ち相対した。

 

『キキキキ、キサマ等よくもよくもぉぉぉおおおおーーーーーッ!! こぉぉの異世界の青二才とクソガキと魔導師の小娘共風情がっ! 次元世界一……否ッ、全多次元宇宙一、偉大なる支配者にして世に生きる誰よりも尊ばれるべき高人たるこのラコフ・ドンチェル様をっ! キサマらのような恥知らずに“正義の味方”ぶった偽善者の若造共がっ! よくもこんな好き放題にやってくれやがったなーーーーーッッ!!!』

 

ここまでにリィンやツナら異世界の英雄達が現れて機動六課にとどめを刺すのを邪魔に入られてからというもの、結託した三世界の若き英雄達の巻き返しによって散々ボロクソやられてきた事で、ラコフの怒りとストレスはもう限界の天元を突き破ってしまっていた……その狂乱の殺怒を叫び散らかすがままにスクルドが自身の巨体を弓形に大きく海老反らせ、機関砲剣の握り手(グリップ)を持つ右腕の肘が弦に番えた矢のように引き絞られた。

 

『四人全員纏めて串刺しの刑じゃーーい! くらえぇぇぇえいっ!!』

 

「っ!? 総員散開!」

 

憎き英雄達を射殺さんとして、巨大弓矢(バリスタ)が放たれるが如き巨大な張力をもってして突き出された紫焔の機関砲剣が巨大な鎗となり、丁度スクルドの目線(レーザーアイ)から一直線に重なる位置に並んでいたリィン達四人を纏めて串刺しにするように、()()()()()を穂先に付けて飛んでくる。

 

リィンが他の三人に咄嗟の緊急回避を促し、四人はバラバラに散らばってスクルドの強刺突から逃れる。 その直後、一瞬前の時に四人が居た空間を紫焔の機関砲剣が巨竜を貫く撃鎗のように刺し貫いた。 獲物を仕留め損なった為に、空を切って穂先が止められた直後そこに纏わりついた()()()()()が前方に射出され、運悪くその射線上に入っていた隊長戦闘無人機(ペイルアパッシュ)一機を貫通し撃墜して、(ガラハッド)から飛び出した先の空域に哨戒飛行していた隊長魔煌機兵(メルギア)駆動核(コア)に突き刺さり5000m直下の地上へと墜としていった。

 

「げげっ!? 突きを空振りした余波がガラハッド(この艦)の外まで届いて行って、その威力で魔導師(あたし達)が束になって攻撃してもなかなか倒せなかったあの魔煌機兵(巨大ロボ)ですら一撃で撃墜される程だなんて……ッ!!」

 

回避直後に《ウィングロード》を敷いて宙を駆動車輪靴(マッハキャリバー)で滑走するスバルが、(ガラハッド)の甲板端から魔力で視力強化しないと見えない程遠く下にある地上へと煙を上げて真っ逆さまに墜落していく魔煌機兵(メルギア)の姿を顔面蒼白にして見下ろしながら、そのスクルドの圧倒的な攻撃力に対する畏怖を溢した。 そんな彼女のすぐ右側を高速飛翔で並走するツナもまたスクルドからの攻撃に対して警戒の色を濃くする。

 

「気を付けろ。 奴のあの攻撃がまともに当たったらオレ達は一巻の終わりだ」

 

「ていうか、なんだか紫焔大将軍(アイツ)、さっきよりまた一回り程大きくなってませんか!? それにあの機体全身を覆っている“紫色の炎”からなんか頭に鬼の角みたいなのが二本、いつの間にか生えてるし。 アイツが手に持ってる機関砲剣(剣付きマシンガン)を包み込んでいる同じ色の炎も燃える激しさと厚みが増して、全体的に質量(サイズ)がどんどんと大きくなっていってるように見えるんですけどッ!!」

 

そうスバルが敵大将に起きている明らか強大化に理不尽を喚いている間に、その敵大将が両手に携えた()()()()()()()()()()()紫焔の機関砲剣を折れた高層ビルを持つキ○グコングのように荒々しく乱暴に振り回しながら、周囲を逃げ回るリィン達四人に紫炎の弾丸を無造作に乱射して放ってくる。

 

『くらえくらえくらえくらえくらえええええぇぇぇーーーーーい!!』

 

「ちょっ!? アイツまたメチャクチャ撃ってきt──って、あぶなっ!」

 

矢衾の針のような絵面に飛んで来た炎弾の横雨を寸でのところでスバルが魂消たような格好を取って避ける。 その直後に機関砲剣を乱射するスクルドの方から見て丁度その奥側に位置取るように滑空しているツナに外れた流れ弾が降りかかっていくが、彼は()()()()()()()()()()()()()()()()事によりスバルが退く直前には既に下方に急降下して退避を済ませていた為、炎弾の横雨は数百発程その先に広がる夜闇へと吸い込まれて消える。 だが、ラコフは弾の狙いが外れたのを見るや、すぐさまスクルドに機関砲剣の照準射線を修正させて、続けて放たれる炎弾の横雨が宙に敷かれたウィングロードの上を駆け逃げるスバルの背中を追い回していく。

 

スバルはスクルドの周囲をぐるっと何週も旋回するようにして螺旋街道状にウィングロードを追加展開し、駆動車輪靴(マッハキャリバー)の回転数を一気に上げて高速ターボダッシュ。 光の道の上に二本の火線を引きながら紫焔大将軍の周りを高速旋回する事で後を追ってくる相手の照準を翻弄し、続々と乱射されてくる無数の炎弾を突き放し、振り切っていく。

 

ラコフが逃げる鹿を追う狩人のように周囲の宙に逃げ回るスバルを執拗に狙い撃ちして視線と意識を周囲上方(彼女の方)へ割いていると、それで死角となったスクルドの懐足下へリィンとなのはが潜り込み、それぞれが手に振るう太刀と杖槍で、今も尚機体全身に纏う紫色(バイオレット)の炎──【雲属性の炎】によって肥大化し続ける紫焔大将軍を支えている大樹のような両脚を斬り崩そうとする。 だがしかし、かの帝国の英雄たる《灰色の騎士》が振るう無明の闇をも切り裂く一閃も、数多の次元の海の法と秩序を統べる時空管理局が誇る最優の魔導師《エース・オブ・エース》が繰り出す全てを突き貫く桜光纏う黄金の槍撃も、ラコフの管理局に対する積年の逆恨みと憎き英雄達に向ける憎悪によって、岩山のように堅く(おお)きくなった紫焔大将軍の脚を折る事はできない。 そればかりか、持ち主の元居た世界においては伝説級であった希少鉱石(レアメタル)を幾つも用いて鍛えられた最強の太刀《神刀【緋天】》と、Sランクオーバーという次元世界最高クラスの魔力運用負荷に耐え得る程の強化フレームが組み込まれたエース・オブ・エースの相機(デバイス)《レイジングハート》、いずれも並の代物ではないこの二つの武装の刃を攻撃接触面から焦がして弾き返した程に、奴が纏う“雲属性の炎”の炎圧までもが指数関数の如く飛躍的に上昇していた。

 

それでも掠り傷程度の僅かなダメージは入ったようだが、それが逆に悪く、宙に逃げ回るスバルに意識が向いていたラコフに気付かれてしまった。 リィンとなのはは得物を弾き返された反動を受けて麻痺した利き手の震えにかまけず、スクルドからの反撃が振るわれる前に咄嗟とその場から大きく跳び退いて敵の近接武装攻撃範囲内(クロスレンジ)から緊急退避すると、二人は直後に眼前の左から右へと通過していく、もはや5m超になるまで(おお)きくなった紫焔の刺突剣を見送って少量流れ出た冷や汗を頬に伝わせる。 そのまま二人は左右に別れて、全速力で駆けながらスクルドが追撃に撃ち放ってくる紫炎の弾幕の間を縫うよう華麗に躱しながら距離を取っていく。

 

『ドンッ、チェルルルルーーーッ! どんだけ避けたって無駄無駄無駄無駄ーーーッ!!』

 

「くっ! いったい、どうなっているんだ? 幾ら撃たせても、あの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ぞ」

 

「それだけじゃない。 放たれてくる()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よ!」

 

非常に優秀な陸戦機動力を持つリィンは絶妙な呼吸と脚捌きで急速な加速と減速を連続しながら駆ける事で複数もの“自身の残像”を生じさせ、それ等を疎らの位置間隔に皆バラバラの軌道を疾走させる事で敵からの射撃に的を絞らせない。 その一方、なのはは自分のような空戦魔導師にとって主戦機動能力で命翼とも呼べる飛翔魔法が使用不能となり、あまり得手としていない自らの足を地に着けての二次元機動をせざるを得なかったが、巧妙に不規則反転(フェイント)を織り交ぜたジグザグ軌道で走る事によって矢衾に次々と飛来する炎弾の驟雨を順調に回避し続けている。

 

だがしかし、スクルドが紫焔の機関砲剣で無尽蔵に乱発してくる“雲属性の炎”の弾丸は、それぞれが巧みな回避走行技術を駆使して逃げ回る二人を掠めてガラハッド艦上の彼方此方に被弾から炸裂爆発していき、それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 被弾した箇所の鉄床に焦げ目が付く程度だったものが、五秒後には甲板下内部に吹き抜ける大人一人大幅両足台もある大きさの落とし穴を生じさせ、更に五秒後には艦上防衛用に甲板隅に配置してあった中型自走導力砲を丸ごと粉々に爆散させる……そうして、只でさえも一面阿鼻叫喚の火の海地獄と化している中、辛うじて原型を留めて在った中央に聳える艦橋(ブリッジ)のみを残して甲板上の機器や障害物を全部燃やし、破壊し尽くしても尚、怒り狂う紫焔大将軍が撃ちまくる炎弾は尽きる事を知らず、それ一発一発の炸裂爆発の破壊力は天上知らずに増大し続けるばかりだ。

 

奴にこのまま撃たせ続けていたら、たとえ誰かに当たらずともいずれこの司令母艦(ガラハッド)の方が先に朽ち果て、真下に在る地上部隊本部と首都クラナガンへ墜とされる事となるだろう。 そうなったら艦に乗っているリィン達全員は無論、地上部隊本部の屋上ヘリポートにて今も尚オーバル・モスカとの戦闘継続中のシグナム達四人も、護るべきクラナガンの街も、其処に未だ戦闘展開している地上部隊員全員の命も、その全てが危ない!

 

「──って言うか、スクルド(アイツ)自体もさっきより纏っている“紫色(バイオレット)の炎”が増々と分厚くなって更に全身デカくなってるじゃん!? 視るからにもう20m以上はありますよツナさん。 もうっ、どうなっているんですかアレェ!」

 

「恐らく【雲属性の炎】が持つ“増殖”の特性が原因だ。 あのスクルド(ロボット)の中で操縦している人間が自分の持つ【雲属性の炎】を乗っている機体に()()()()()()事で、その炎が持つ“増殖”の特性をスクルド(ロボット)性能(スペック)を無限に上昇(パワーアップ)させるのに利用しているに違いない」

 

「ええーーーっ!? それじゃあ、あの中で操縦している変なチョビヒゲオヤジ(ラコフ)に紫色の炎を機体に流し込むのをどうにかして止めない限り、スクルド(アイツ)は何処までもデッカクなり続けて、機関砲剣から発射されてくる炎弾も永遠に弾切れしないで、その破壊力も無限に上がり続けるって事ぉぉ!!」

 

「そうなるな……」

 

スクルドが下平面を駆け逃げるリィンとなのはに攻撃の意識を向けている間、空中で反撃の隙を伺っていたツナとスバルは奴の全性能(ステータス)が搭乗しているラコフが機体へと流し込んでいる“雲属性の炎”によって永続的に無限強化されていく様子を眺めて難色を浮かべる。 《死ぬ気の炎》という力を自らも使って戦う故に“炎”の事を良く知るツナが言うには“雲属性の炎”が持つ特性である()()の効果で、スクルドの機体を包む紫色(バイオレット)の炎の鎧は時間が経つ毎に厚みが増して肥大化していき、紫焔の機関砲剣から撃ち出される炎弾は弾切れする事がなく無限連射を可能とし、その攻撃力をも天上知らずに上昇させ続ているのだという……。

 

「じゃあどうしようもないじゃないですか!? だって、スクルド(アイツ)の無限パワーアップの紫色の炎(エネルギー)の大元は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んですよ!」

 

無限に強化(パワーアップ)されていく敵なんてどうやって倒せばいいんだ!? スバルがそのように深刻な声音でツナに問う。 確かに彼女の言う通り、紫焔大将軍の無限強化能力は反則(チート)と呼んでもいい程に強力なものだ。

 

先のJS事件で使われた古代戦艦《聖王のゆりかご》も首都航空隊の主力部隊の攻撃でも傷一つ付けられなかった程に堅牢な外部装甲と艦の破損個所を復元する防衛機能、そしてこの第一管理世界ミッドチルダの衛星軌道上に上がる事で二つの月から大量の魔力を取り込む事で艦の持つ性能を強化するといった、非常に強力な性能を誇っていた。 だがしかし、紫焔大将軍の無限強化能力にはそれすらも遠く及ばないだろう。

 

ならばスクルドを操縦し無限強化能力を発揮させている供給源の“雲属性の炎”を機体へと流し込んでいる敵軍総司令官のラコフを直接叩いて無力化すればいいのだが、しかし奴は今も無限に分厚く肥大化し続けている紫焔の鎧に覆われている(おお)いなる紫焔の武士の胸部を厳重に覆う三重層もの炎伝導板装甲内部操縦席空間(コックピット)に居て、『吾輩TUEEEEーーッ! ドンッ、チェルルルルーーー!!』などとそれを聴く他者の耳を普く腐らせるような哄笑を上げまくりながら【ラコフ・ドンチェル大司令官、次元世界一ッ】と書かれた扇を両手に操縦席の上に御立ち台をしつつ、無駄に器用に足の指で機体操縦制御用空間コンソールを操作して甲板上を逃げ回るリィンとなのはを執拗に機関砲剣で狙い撃ちし続けている。 さすがに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 難攻不落、無理難題というものだ……しかし、青き魔法格闘少女が向けてくる絶望のあまり誰かに縋りたいように潤んだ大きな瞳を真っ直ぐ見つめて、(すべ)ての大空を統べる少年は「大丈夫だ」と言い、それを見る者全てを安心させてくれるような優しい笑みを浮かべた。

 

「ナッツ!」

 

「ガウッ」

 

ツナは下で紫焔の機関砲剣を無限乱射し続けながら尚も自らが纏う紫焔の鎧も肥大化させ続ける紫焔大将軍をキッ! と鋭くした目で見据え、同時に《ナッツ》という()()()に呼び掛ける。 すると彼の右手に橙色(オレンジ)の炎──【大空属性の炎】を激しく放出して纏わせながら装着されている《XグローブVerX》の上からその中指と小指に鎖で繋いで嵌めてある“【X】の文字上に【炎の鬣をした小獅子】が乗っている様子”を模した装飾の指輪とシンプルな小指輪が一体化されている、豪奢でいて内より大空のように果てしない()()を感じさせながら何処までも誇り高い雰囲気を放つ装飾品(アクセサリー)──《大空のリングVerX》──その【炎の鬣をした小獅子】の()()()()()()()()、元気に吠えながらツナの右肩の上に跳び乗った。

 

 

天空ライオン(レオネ・デイ・チエーリ)≫ナッツ

 

 

「炎の鬣の子供ライオン!?」

 

「ガオ」

 

「かっ、かわいい……♡」

 

眼は大きくクリクリしてて口は小さい、身体は手乗りサイズで手足もちっちゃく、首回りを覆う“橙色(オレンジ)の炎”の鬣と小さな頭に被る【X】の文字を主張した額兜(ヘルム)がとってもキュート、鳴き声だって愛らしい。 ツナが手の指に嵌めている指輪から飛び出した小さく愛くるしい小獅子に、歳若い女の子であるスバルは一目見ただけでもう夢中であった。 だが侮る事なかれ、この愛くるしい小獅子──大空ライオン(レオネ・デイ・チエーリ)の《ナッツ》はその小さな身体に()()()()()()()を秘めている。

 

「いくぞナッツ!」

 

「ガオォォーーッ!」

 

「ツナさん!?」

 

そして肩に乗ったナッツと共に脇見も振らず、未だ留まる事なく破壊力を上昇させて炎弾を撃ちまくりながら全身に纏う紫焔の鎧を増大させ続けて最早手が付けられない状態の紫焔大将軍へ宙から正面突撃していくツナに、スバルはナッツに見惚れて一時和んでいた表情を一変させて忽ちに慌てふためきだす。 リィンとなのはが折角敵の視線と意識を下へ引き付けてくれているってのに、正面から行っては気付かれる!

 

『ドンッ、チェルルルーーー! どうやらキサマから死にに来たようだなぁ?』

 

当然、スクルドを中から操っているラコフは、よく見える正面の空中を派手に橙色(オレンジ)に輝く炎を逆噴射で飛んで真っ直ぐ突っ込んで来る一人の人間に気付かない訳はなかった。 しめしめとラコフは攻撃の標的(ターゲット)を甲板上の二人から放し、無防備にも射線の邪魔になる障害物の皆無な宙を翔けて正面突撃してくるツナとナッツに狙いを絞って、そちらにスクルドの構える紫焔の機関砲剣の照準を向けさせた。

 

「いけない、あの無限に炎弾を連射できる敵の機関砲(マシンガン)に対して矢面に飛び込んだら──っ!?」

 

「ツナさん、逃げて!!」

 

無謀にも敵の正面に神風突攻を仕掛けに行って、相手射線の決死領域内(キルゾーン)となる中距離範囲(ミドルレンジ)に入った途端に、呆気なく相手の照準に捕捉されてしまったツナ……それを見て、なのはは思わず足を止めて切迫した声をあげ、スバルも彼の背中を止めようと籠手(リボルバーナックル)を装着した右手を目一杯に伸ばして叫んでいる。

 

二人が焦っているのも当然だ。 ()()()()()()()()()()()()()()()。 それに加えて弾数も上昇していく火力も無限に尽きない炎弾を永続的に乱射し続けられるような化物機関砲(モンスターマシンガン)などの中距離射程内に()()()()()()()から入り込んで捕捉されてしまったなら、逃げ場も隠れる場も絶対絶無。 忽ち相手の機関砲が火を吹き出したら最後、瞬く間に無限に吐き出されてくる炎弾が殺到して無惨爆殺四散する事は必至だ。

 

『うっちゃりぃぃ! んあっ、死ねぇぇぇええええーーーーいッッ!!!』

 

「やめてーーーーーーーーッッ!!!」

 

二人の麗しき戦場の戦乙女(ヴァルキュリア)の声も空しく、正面に突っ込んで来たツナとナッツに向かって紫焔の機関砲剣が無限の炎弾を発射する。 もうこうなってしまっては大空の王でも助からない。 一寸先は無限の炎弾に飲み込まれて跡形も残らず木端微塵となった哀れな少年と小獅子がこのミッドチルダの大空の塵と化す。 そんな彼らの悲惨な最後を想像して、恐怖のあまり瞼の内側に閉じた眼球を潰してしまいそうな程に強く目を瞑り、ミッドチルダ全土の大空に響き渡らせる勢いに悲鳴を叫ぶスバル。

 

しかし、可憐な美少女がどんなに叫んだところで、もう止められない。 機関砲剣の砲口から火を吹くように撃ち出された無数の炎弾が無防備を晒して滑空突撃するツナとナッツへと襲い掛かる。 最早万事休すか……ッッ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ここだッ! 吼えろ、ナッツ!!

 

GAOOOOーーーーN!!!

 

無限の炎弾が雪崩掛かろうとしたその一寸前、(ツナ)の呼びかけに応えて獅子(ナッツ)が咆哮する。 その金属を叩き震わすかのような甲高い音響と共に橙色(オレンジ)の炎の波濤(ヴェール)が広がり、あとほんの数cmでツナに直撃する寸前まで迫っていた一発目の炎弾から後続の奥まで、火が侵蝕するように次々と()()させていく。

 

『ンナッ、ヌァァニイイィィィーーーッッ!!? 吾輩の《十二月の子持ちししゃも(機関砲剣の名前)》が撃った“愛と(まこと)ちゃん(炎弾の名前)”がセキイラア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ア″ァァァ!!』

 

どう見たってひ弱そうな小獅子から放出された羽虫の鱗粉の如き脆弱な炎なんかに自分の持つ最強(自称)の“雲属性の炎”の()()性質を存分に使用して撃ち放った無限の炎弾が包まれた先から為す術なく()()されていく光景を目の当たりにして、ラコフは自分の眼玉を飛び出させて目の前を分厚く覆っている三重構造の炎伝導胸部操縦席ハッチを外までブチ抜いてしまいそうな程の大袈裟に驚愕を露わにした。 そしてそのような某海賊漫画に登場する某ゴロゴロ神の如き顔芸を披露したまま、自分が搭乗し操縦している紫焔大将軍までも、手に撃ち方を構えた機関砲剣の先から無数に連なる炎弾を次々と()()させながら迫り来た橙色の炎の波濤(ヴェール)を呆気なく浴びてしまい、今や全長40m以上にまで(おお)きくなった紫焔の鎧と機関砲剣とそれに覆われていたスクルドの機体、それら全体ごと()()()()()()()()のだった。

 

八葉一刀流──()の型

 

ツナの“大空属性の炎”でスクルドを石像化してから間髪入れず、ツナがやられない事を()()()()()疾走を続けていたリィンが加速の勢いのままに転じて、固まって動けない敵大将へと追撃を叩き込んでやるべく、緋色に煌く太刀を手に己の分け身を何十人も追従させながら駆け寄って来た。

 

秘技・裏疾風(うらはやて)──ッ!!

 

そしてそのまま、灰色の闘気を全身に纏って閃光と化し、フェイトやツナに勝るとも劣らぬ(はや)さで紫焔大将軍の石像の脚下を斬り抜けて、倒れる間を与えずに振り返ってもう一度太刀で薙ぎ払う。 空気を切り裂く、豪ッッ!! という風鳴と共に強く払われた緋色の刃からその周囲の大気をも唸らせる巨大な三日月形の衝撃波が放たれ、両脚を砕かれて迫り倒れる山のような石像の巨体を逆袈裟一線に斬り砕いたのだった。

 

「仕上げだ! (ハイパー)X(イクス)ストリーム!!

 

秘技を放ち終えたリィンが左腰に差した鞘へ緋色の刀身を収める間も待たず、今度は彼が追撃をしに来る事を()()()判っていたツナが石の鎧を崩落させる敵大将の石像の周りを超音速滑空し、両手の《XグローブVerX》が放出する凄まじい勢力を孕んだ炎を脚下から頭部天辺まで横転旋回(バレルロール)状に昇るように浴びせ、全身を隈なく焼き尽くす事で相手にとどめを刺す。

 

「見たか……八葉が一刀」

 

「これで終わりだ!」

 

かくして、激しく燃える炎に包まれて山のような巨体を崩壊させていく紫焔大将軍を背にして、異世界の歴戦を潜り抜けた《灰色の騎士》と《大空の守護者》両雄は並び立つ。 静かに緋色の太刀を鞘へと収め、炎の拳を掲げて夜空を橙色(オレンジ)の光に照らし、二人は共に勝鬨を上げるのであった……。

 

 

 

 

 




あとがきコーナー『リリカルマジカル復活(リボーン)! 超絶最強ヒロイン、アリサちゃんの“炎の軌跡”講座!』第3回


※「」はセリフ、[]は内心の呟きになります。



ツナ「リボーンに言われて来てみたけど、誰も居ないし、真っ暗じゃないか……」

ふみゅ☆

ツナ(足下を見る)「ん? 何か踏んだ──」

グナちゃん(踏まれてぐちゃり)「リバースカードオープン! キンガシンネン!!」

ツナ「──んげげーーっ!!?」

グナちゃん(発光)「サラダバー!」

ドッカーン!

ツナ(爆心地)「ぎゃーーーーっ!!」

アリサちゃん(茄子を頭に乗せ、鷹に運ばれて空から登場)「1フジ、2タカ、3ナスビ! 新年明けましておめでとー!(お正月過ぎちゃったけど) 天空の花嫁も足下に平伏す、RPG界No.1ヒロイン(願望)【アリサちゃんの“炎の軌跡講座”】! 待望の第3回目よッッ!!」

グナちゃん(形状記憶素材の特別製なので爆発しても無事)「イクラナンデモオソレオオイワ。 ビ○ンカニヤキドゲザシロ」

ツナ(黒コゲ)「フ○ーラには!? ていうか、何時の間にか景色が富士山の頂上に変わってるーーーッ!!」

アリサちゃん「前回この小説の二人居る主人公の内の片方であるリィンを紹介したので、今回はこの通り見るからに冴えなくて頭悪そうでダメダメオーラを全身から滲ませているもう片方の主人公で『家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN!』原作漫画の主人公である“沢田(さわだ)綱吉(つなよし)”君をゲストに寄越させたわ。 彼の家庭教師のボルサリーノを被った赤ちゃんに、リィンの故郷であるユミルの温泉迎賓館【凰翼館】の無料日帰り宿泊利用券をプレゼントしてね♪」

ツナ「いや、ダメダメなのは自分で自覚してるから別にいいんだけどさぁ。 初対面の相手に対してその紹介はちょっと失礼過ぎるんじゃないですか!? そしてリボーンも温泉宿の宿泊利用券なんかでオレを売ってんじゃねーーーッ!!」

アリサちゃん「それじゃあさっそく彼のプロフィールについてOHANASHIするわね♪」

グナちゃん「イヨ、マッテマシター(棒)」

アリサちゃん「“並盛町”に住む宇宙一ダメダメな中学生、ひと呼んで【ダメツナ】こと沢田綱吉のもとに、ある日イタリアから殺し屋の赤ん坊《リボーン》が彼の家庭教師としてやってきたの」

ツナ「いやいやいやっ! 【ダメツナ】は合ってるけれど、さすがに宇宙一は言い過ぎだろ!? オレは某ラッキーなヒーローに変身するツイてない中学生じゃねーから!!」

アリサちゃん「実はツナヨシ君はこんなチワワにビビるようなダメダメ弱虫君だけど、イタリア最大のマフィア《ボンゴレファミリー》を創設した初代ボス──《ボンゴレ一世(プリーモ)》の血筋を色濃く受け継ぐ子孫だったの! それ故ツナヨシ君はボンゴレファミリーの十代目ボス候補に選ばれ、リボーン君はツナヨシ君を立派なマフィアのボスに育て上げるべくして組織より彼の教育係──“家庭教師(かてきょー)”として派遣されてきたって訳よ」

ツナ[チワワにビビるようなダメダメ弱虫君で悪かったなチキショー!]

アリサちゃん「リボーン君が家庭教師に来てからツナヨシ君のダメダメ平凡ライフはハチャメチャデンジャラスに死ぬ気でスパルタに鍛えられるマフィア騒動の毎日へと激変したわ! ツナヨシ君はリボーン君の銃で頭の額に【死ぬ気弾】という特殊な銃弾を撃ち込まれて死ぬと、ダメダメな自分への後悔が火事場の馬鹿力を呼び起こし、撃たれた額に“死ぬ気の炎”を灯して復活(リボーン)しちゃうの。 それによって一定時間、彼の中に眠る“ボンゴレの血筋”の潜在能力が引き出されて、普段のダメダメっぷりからは想像を逸脱する超人的身体能力を発揮できるようになるのよ」

ツナ「“死ぬ気モード”の事だね。 この力のおかげでオレは剣道部首相の持田センパイとの決闘に勝ったり、腕を怪我して自殺しそうだった山本を助けたり、色々と本当にアリサさんの言う通り普段のダメダメなオレからは今でも信じられない程、大活躍できたんだ。 それまで自分のダメダメさの所為で友達一人作れなかったオレも、その甲斐もあって、前から憧れだった笹川京子ちゃんと知り合いになり、獄寺君や山本をはじめとして沢山の友達や知り合いができていったんだ。 リボーンに銃で頭をしょっちゅう撃たれて死ぬのは超嫌だったけど、ホント死ぬ気弾様々だよな」

アリサちゃん「その代わりに“死ぬ気モード”になると、何故だかパンツ一丁の素っ裸になって暴走状態になっちゃってたから、毎度毎度何か騒動が起きる度に“パンツ超人”が現れて暴れ回るという変態的構図になってたのよねーww」

グナちゃん「タイヘンタイヘンタイヘンタイ! ツナヘンターイ!!」

ツナ「放っとけー!(泣)」

アリサちゃん「……さて。 今隅っこにしゃがみ込んで、いじいじと指で富士山の土に“の”の字を書き出したツナヨシ君の“死ぬ気モード”の説明を聞いて、画面の前の読者の皆は疑問に思った事でしょう?」

グナちゃん「コノショウセツノホンペンニデテイルツナハ、ヒタイニシヌキノホノオヲツケテイルガ、パンイチジャナイシ、フンイキモクールナンダガ?」

アリサちゃん「そう! 何を隠そう、その本編で今リィンと肩を並べて戦っている物凄く強くてクールなツナヨシ君の姿こそが、“死ぬ気モード”より更にパワーアップした《(ハイパー)死ぬ気モード》よッ!!」

グナちゃん「オダヤカナココロヲモチナガラ、ハゲシイイカリニヨッテカクセイスル、デンセツノパツキンヤサイジンテキナアレカ?」

アリサちゃん「いい線いってるけど、ちょ~っと違うのよねぇ。 確かに意志によって内に秘めていた潜在能力を覚醒させ飛躍的にパワーアップをするところはド○ゴンボールの超サ○ヤ人と似ているけれど。 ツナヨシ君の“超死ぬ気モード”はリボーン君に【小言弾】という死ぬ気弾の上位特殊弾を額に撃ち込んでもらうか、或いは【死ぬ気丸】という特別な錠剤を飲む事で、()()()()全身のリミッターを完全に外して静なる闘志を引き出した状態なの。 そうする事でツナヨシ君は身に着けている衣服を破壊する事なく冷静な自我で凄まじい戦闘力を発揮できるようになれたのよね!」

ツナ(復活)「そうなんだけど、その代わりに戦い終わった後で超死ぬ気モードが消えた直後は、そりゃあもう地獄のような筋肉痛が身体中ピキピキと走りまくって超痛いのなんのってさぁ。 それをリボーンの奴は情けないだあーだこーだいって【超化戦闘時の負担に耐えれる肉体を作る】とか言ってきて、益々オレに超理不尽なねっちょり特訓をいっぱいさせてきやがったんだぜ? ……あ″あ″ーーーっ! あの時の事思い出すだけで猛烈な恐怖が込み上げてくるぅぅーー!! もうあんなクソ重い亀の甲羅を背負って、並盛町中を牛乳配達に走らされたり、蜂の巣がある木に縛り付けられたり、何故か人食い鮫が居る川の中を泳がされたりされたくないよぉぉーーッッ!!」

グナちゃん「モロクソニ、カ○センリュウノシュギョウナイヨウトカブッテンジャネーカヨ!」

アリサちゃん「ツナヨシ君の強さの秘密は他にも色々とあるのだけれども、これ以上はいい加減あとがきコーナーが長くなるから、今回はここまでよ! この続きの内容は後の本編内に話題が出てきた時詳しい説明があるので、皆安心してね♪」

グナちゃん「テナワケデ、ニドメノ──サラダバー!」

ツナ「ギャー、もう爆発はイヤだーーーっ!!」




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。