提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
100話です!
98.99話も投稿してますので未読の方はご注意下さい!
99話からの続きとなってます!
「困ってるみたいね」
「仕方ないね…いい男ですからね」
は?
俺は私室に居たはずなのに…何ここ?
早く戻らないと…。
「救君!何してるの?」
シスター…?
「救?会いたかったぞ…」
「大きくなって…まぁ…本当に…」
…父さん?母さん?かな?
「そうだぞ…やっと会えたな…」
「これからは一緒に居られるからね」
…会いたかったよ…俺だって!!
2人に抱きつく。ずっと…ずっと会いたかった。
ん?でも2人は亡くなってて…でも俺は2人を見たこともないはずなのに…あれ?
でも、シスターは生きてるはず…。
いやいや!でも、俺は戻らないと…。
「どこに戻るって言うの?」
え?どこって………アレ?どこだっけ…
「フフフ!おかしな人ね、救君は」
あれ?何だっけ?シスターに言われると…あれ?
俺は…僕は大事な何かを…。
「……」
「ねぇ…こっちにおいで?」
と、手を引っ張るシスター。
「救はシスターさんが大好きなんだなあ…」
恥ずかしいからやめてよ…。
でも何だろう…何か心の奥に引っかかって…。
手を引っ張られるままに付いて行く。
「泣いてるの?救君?」
アレ…なんで僕泣いてるんだろ?
「寂しかった?でも、もう大丈夫。ここでずっと私が…守ってあげるから」
うん…ありがとう。
…好きなシスター…姉さんと一緒に居られるなら良いかなあ…。
あれ…ポケットに何か…。
「ダメよっ」
シスターが言う。
でも…と、それを見る。
チョコだった…。
手作りの……メッセージカードが入ってる…誰のだろう?
「ダメよ!救君」
シスター…。
ごめん!
「ダメってば!救君!!」
ダメと言われても気になるんだ…。
『金剛 いつもありがとう。愛してる。末長く一緒に居よう』
何だろう…金剛…こんごう…?
何だ?
僕の心が…痛い。
「ダメよッッ!!」
シスターが乱暴に其れを取り上げる。
「ダメッ!行かせない!!救君…ダメなのぉッ」
しかしその言葉は…僕にはもう届いていない。
こんごう…誰?
ありがとう…あいしてる…何だろう…僕は…。
「救君ッ!!あなたは…私とここに居るの」
シスターが僕を揺さぶる。
『…く』
『提督』
誰かの呼ぶ声が聞こえる…。
その時、左手が痛くなった。
何だ…。
左手が…心が痛くて熱いんだ!
熱くて熱くて仕方ないんだ!!
左手を見ようとする。
「ダメ…見ないで!思い出さないで!行かないで!!」
左手をシスターが包み込み涙声で言う。
「おねがい!これ以上辛い思いをしないで!!お願い…お願い…私が守るから!」
左手が気になるのにシスターの一言でふと、そんな気持ちも消えてしまった。
そうだよね…ダメだよね…。
ごめんね?
「救君…そうよ。それでいいの…」
その時だった。
『世話が焼けますねえ…』
『はい、思い出して?』
「あなた達は!!」
シスターは驚いた。
何故ここに…他の人が!?
『あなたの気持ちも分かるけど…それはダメよ?』
女性2人が現れシスターの手を払った。
「ダメッ…ダメええええ!」
左手には–––
「ダーリン!!」
「あなた?…愛してます」
「提督ー!夜戦しよー!!」
「指揮官様ぁ…♡」
「何処までも…いつまでもそばにいるからね」
「離れちゃ…ノーなんだからね!」
誰?この人達…分からないはずなのに…。
カチッ…
『ダーリン♡』
こん… う そんな人いたっけ?
『バーニング ラブデース』
カチッ…
何かが埋まるように…
こ……ん……ごう ボヤける何かが見える
『ずっと隣に居るデース』
カチッ…
こ…ん剛……? 何とか…わかるかも
『ダーリン!あいらびゅーー!!』
『忘れるなんてノーなんだからー!』
カチッ…
パズルが全て埋まるように…!!
金剛!!!
あの笑顔が見える!!
俺の…大切な…大切な!!
皆…!!
あっーー。
2人を見上げる。
『折角会いに来たんだから…行っちゃダメですよ』
『こっちだよー!』
手を引っ張られ、そちらへ行く。
「救…行くのか?」
「救ちゃん…」
ごめん。父さん、母さん、僕…いや、俺は。
うん。行くよ。
会えて良かった…。ありがとう、例えシスターの作った幻でも会えて良かった。
「気をつけてな…」
と、言葉を残し2人は消えた。
「あぁっ…そんな…」
用意した…切り札が…。
「…守ってあげなくちゃいけないの…!私が…私が…」
「ごめんね…シスター…。俺は…大丈夫だよ。ほら、呼んでる。ありがとうシスター…心配かけてごめんね。何も返せなくてごめんね。……俺行くよ」
「行かないでよぉっ!私が…私が…泣き虫のあなたを守らなきゃ…」
「俺は…」
「俺は…もう、泣き虫じゃないよ。もう大丈夫だから」
「…………」
悲しそうな顔をするシスター。
彼女は現実の世界で生きていたシスターだった。
救は手のかかった子だった。しかし、その分可愛かった。
彼が死んだと聞いたときはショックだった。
だって…ずっと守ってあげなくちゃと思っていた。
それは彼女が病気で死んでも変わらなかった。
ずっと…ずっと変わらなかった。
救が艦これ世界の孤児院を訪れた帰りに、彼に吹いた風は彼女だったのかもしれない。
しかし、重桜の赤城や大鳳が世界の壁を超えたように…
この世には理屈では証明できないことも存在する。
「もう、大丈夫。今は皆が居るから…皆に…会えて良かった。例え幻でも……」
「もう、守らなきゃいけない…救君は居ないんだね」
「会いに来てくれて…ありがとう…秋姉さん…」
「そうみたいね。安心したわ。…ありがとうね、お金やらお花やら…色々ありがとうね……死んでからも…ずっと守らなくちゃって思ってたから…。でも、私も行かなくちゃね……。行ってらっしゃい…救君。あなたの人生が沢山の幸せで溢れますように…。」
年齢は10くらいしか離れてなかった。
第一印象は弱々しい子だった。すぐ泣くし……。
気分的には弟だった。
でも、成長するにつれて…彼の事を…。
頑張って高校に行く、大学に行く彼を応援した。
何度か行ったご飯は…私にとってはデートだった。
社会人になった彼は、色々と差し入れをしてくれた。
憧れの先輩が居るとか…少しヤキモチを妬いた。
ご飯も…連れて行ってくれたね。
プレゼントもくれたね。
でも…何で簡単に人は死ぬのだろう?
私から大切なものを奪って行くのだろう…
大切な彼も…私の人生も…。
ふと、何処かの世界の彼が見えた。
何だか…辛い思いをしてるようだった。
彼をそんな所から救いたかった。
守らなくちゃ…私が!!
でも…彼は…そんな小さな時の弱々しい彼じゃなかった。
私が居なくても…周りには沢山彼を慕う人が居る。
そこに私が居ないのは…寂しいけれど…。
「また…生まれ変わっても、あなたに…会えたら…いいなあ…」
「私の事忘れないで居てくれて…ありがとう。」
シスター…秋姉さんはそう言い残して…消えた。
俺は2人の女の子の方へ歩いて行った。
…
…
…
懐かしい…夢なのか?
それに、あの声は…
目を開けると見慣れた景色があった。
ここは…戻ってきたのか?
鎮守府の食堂…?
食堂の席には…皆へのチョコが置いてある。
「ごめん、金剛…」
と、もう一度チョコに封をして金剛の席に置く。
「ふぅ…」
「「お帰りなさい!!」」
と、後ろから声がかかる。
「モテる男は大変だねえ?!」
「色々大変ですね」
「ありがとうな……えと…」
「あれあれ?提督さん〜」
「もしかして私らのこと…忘れた?」
「約束したでしょ?」
「生まれ変わったら会いに来るって」
「…ハハハ!…嘘だよ。早いな…俺がジジイになったくらいだと思ってたよ」
フフフと笑う2人
「ダーリン…!ダーリン!!」
「提督!」
「指揮官様ッ」
足音が聞こえる。
艦娘がここに向かっている。
分かる…提督が…居るッ!
そう確信があった。
…戻って来てくれたんだ!!
馬鹿馬鹿!
一刻も早く会いたい!愛するあの人に…!!!!
その一心で彼女達はひた走った。
バタン!!!
と、食堂のドアが開かれる。
「おっ?」
「来ましたね」
「………ダー…リン?」
「ごめんな…ただいま」
「ダーーーーリーーーン!!!!!!!」
「指揮官様ぁぁぁ!!!!!」
「「「「「「「どこ行ってたのよおおおおッ」」」」」」」」
ぐしゃぐしゃに泣き、顔を歪ませ…
それでも笑顔でなだれ込んでくる艦娘達。
例え数時間とは言え、すべてに絶望したのは間違いない。
寂しかった!
もうどこにも行かないって約束したじゃない!!
うわぁぁぁあん!!!でーどぐううううつ!!
本物よね!?本当に本物よね?
この温もりが…
例え数時間でも…失うだけでこんなに心が痛いなんてー
もう…離さない…絶対に!
……戻ってきたんだなあ。
「よかったですね提督」
「本当に」
「お前達のおかげだよ」
「お前達って…?えええ!?!あっ!あの時の!!」
「また増えた!!ライバルが!!」
「どこで引っ掛けてきたのですか!?!?」
えへへと笑う2人は敬礼して言った。
「「阿賀野、矢矧…たった今…この鎮守府に着任しました!この命尽きるまで…貴方と共に!」」
「先輩方!よろしくお願いします!」
「私も!お願いします!!」
「よろしく…って!チョコ食べてるし!!!!」
「私らもーー!!あっ!机の上にある!!」
「うひょおおおおおおお!!!」
「新入り!?そんなことよりチョコだ!」
「メッセージカード…?」
「愛してる…って?!」
「私も愛してるよおおおお!!」
皆が飛びついてくる。
冬なのに…寒くないな。
皆に伝えたい。
今まで、ありがとう…。
これからもよろしくお願いします。
大丈夫。
ずっと隣に居るから…。
「大好きだぞーお前たちーーー」
「「「「「大好きです!もう何処にも行かせません!!!」」」」
見てる?
これが俺の今…。
こんなにも想ってくれる皆が居て…。
思い出は…多くないけれど、たくさん姉さんには貰った。
それでも…守ろうとしてくれてありがとう。
姉さんにも…次の人生で幸せが訪れますように…。
また…会えたら…いいなあ。
皆…。
言葉を紡げば幾らでも出てくると思う。
でも…心から思う事を皆に伝えたい。
ありがとう
愛してる
俺は一生を掛けてそれを皆に伝えて行くんだ。
100話でした!
ちゃっかりと2人にも合流してもらいました。
2ヶ月で100話まで投稿できるとは思ってませんでした。
ほぼ毎日更新…でした。
ぶっちゃけ…お気に入りも50とか行けば良いかなぁとか思ってました。
当初は50話で終わるかな?と思い、始めたのですが…途中から100話目指そうかな?と、思ったり。
少しずつ増えるコメントやお気に入りが嬉しくて、今は行けるとこまで行ってみようと思ってます!
長ったらしい話ですみません。
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます!
流石にこれからも毎日更新…という訳にはいかないですが
更新は続けていきますよ!(๑╹ω╹๑ )
まだまだ甘ったるい話やらアホな話やら…。
少しでもお楽しみ頂けるなら幸いです。
このキャラは?こんなネタは?等…
感想や評価、コメントやメッセージ等お待ちしています(๑╹ω╹๑ )!
いつでもお気軽にお願いします!