提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
霞
めっちゃ口の悪い艦娘……以上。
…本来は…であるが。
これでも外に行けば、
「霞しゃまぁぁあ!!罵って下さい!!」
とか
「踏んでください!」
とか言われるドSキャラなのに…。
ファンからカミソリレターが届いたくらいなのに…
「起きなさいよぉ〜♡このクズぅ♡」
「あと5分…」
「仕方ないわね…なら、私も一緒に寝るわよ?くずぅ♡…」
と、布団に潜り込んでくる。
「提督…あったかいわぁ…」
霞は以前の一件以来、口調を悪くしているデレっ娘と化していた。
普段も鎮守府内で会えば…
「提督〜♡今日頑張ったから頭を撫でて?」
「はい!お菓子作ったから食べて?あーん」
「もークズぅ………好き…」
周りがブラックコーヒーを飲み始めるくらい甘いらしい。
「はい!今日一日はあなたのお嫁さんよ?よろしくね?あなた」
「よろしくお願いします」
「そんなに畏まらなくても…」
「
あれ?クズって聞こえるぞ?
おー…相変わらず俺の大好きな和食だ。
横に座る霞が食べさせてくれる…。
あーーん
この魚は私が焼いたのよ?美味しくて当然でしょ〜?
あら?口のまわりにご飯粒が… はい!とれたわよ?
ぱくっとそのご飯粒を食べる霞。
「あまぁぁぁぁあい!!」
「何だ…アイツは!!…あんなキャラだったか?」
「さぁ…でも本人は幸せそうよ?」
「甘いでち…糖尿病になりそうなくらい甘いでち」
「見てるこっちが恥ずかしいわっ!!」
「めっちゃ見られてるで…霞さぁん」
「今は私以外見たらだめよ?」
と、顔を霞の方へ向けさせられる。
「ぬうううううううん!!」
「ぐふうううううっ!!!」
数名が大破したぞ?
「ご飯が終わったらデートしましょ?」
「「「「…い…いってらっしゃい…」」」」
いつもより見送りが少ないのは…数名が入渠中だったから…。
「あなた?」
道行く船の中で霞が話しかける。
「ん?なに?」
「私…幸せよ?」
「よかった…俺もだよ…」
えへへと笑う霞。
「あまぁ…」
陰で撮影する青葉ですらブラックコーヒーをがぶ飲みするくらいだった。
街で2人で歩いている時のことだった。
数人の男が近付いて来た。
あぁ…霞のファンね…。
「霞様ぁあ!今日も罵っ…って霞様?その男は…?」
ゲッとした顔をする霞。
俺とその男を交互に見た後…。
「ーッ!!ーーーこの豚ッ!馴れ馴れしくしないっ!」
俺えええ?!
霞は俺に向かって罵りを吐いた。
あぁ…霞は霞なりにキャラがあるんだろなあ…仕方ない…
ここは合わせるか
「も、申し訳ありませんんんん」
「おいおい!せっかく霞様が罵って下さってるんだぞ?ちゃんと頭を下げてだな…」
艦娘の人気と言うのは地味に大切だ。
贈り物や手伝いはありがたく、温かく迎え入れてくれるだけでも士気は高まる。
故に霞のようなタイプはキャラを大切にする。
特に霞や曙のファンは、グッズなぞ出そうものなら即買い!買い占め!を平気で行うような人ばかりだ。
霞の表情は…言わずもがな、イキイキしていない。
当たり前だ。
好きな人を罵って楽しい訳がない。
「ううっ…どうしよう…提督に罵倒なんかしたくないよ…。でも、この人達も…ファンだし……」
しかし、引いては鎮守府の為になる…と思えば、との葛藤が彼女の中にはある。
が
目にしてしまった。
「はやく頭を下げてお礼を…」
と、男が私の大切な人の頭を持ち頭を下げさせようとしたのを。
霞はキレた。
「このクズッッ!!何アンタは…軽々しくその人に触れてんのよッ!」
と、その男の手を叩き払った。
「!?」
男は驚いて言う
「か…霞様…?」
「その人はね…私にとって何よりも大切な人なのッ!アンタが軽々しく触って良い人じゃないの!」
「え?…そんなキャラ…霞様じゃ…」
「だったら何よ!私にだって好きな人も居るの!キャラとかそんなの知らないわ!好きな人を罵倒なんか出来ないわ!!」
「霞…」
「ごめんなさい…提督…私の勝手に付き合ってもらって…でも、私は提督に本気で罵倒なんか出来ない…」
「そんなの霞様じゃない!霞様は!霞様はぁぁ!!」
「モブ助…やめろ!!」
と、1人の男が言った。
「そうだ…推しの恋路をも応援する…それが真のファンだ…」
それに続く別の男。
「うぐうっ…ゔぁぁぁぁあ!!!」
大の男は泣いた。
ついでに他の男も泣いた。
「泣くな!同志よ!」
「飲もう!今日は飲もう!!」
男達はペコリと一礼して帰って行った。
「何よッ!…このッ!茶番はッ…?」 ゴッ ゴッ ゴッ
陰の青葉は壁に頭を打ち付けていた。
え?何この茶番?
救は混乱していた。
霞も混乱していた。
2人で街中に取り残され…気まずい雰囲気が漂った。
「気を取り直して…行こうか…霞」
「そうね…あなた…」
霞編
この鎮守府の霞は…超デレます!
続きます!デレも…