提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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102話 提督 霞ト1日夫婦 ② 愛の詰まった罵り

「あなたー!ランチはパスタにしたいんだけど?」

 

 

最近の流行りなのかな?パスタランチ。

 

「へぇ…あなたは、ボンゴレビアンコが好きなの?」

 

「うん、塩味とあさりが大好きなんだ」

 

「なら今度作ってあげるわ」

 

「本当かー?嬉しいな!」

「霞は…ナポリタンか」

 

「あ…甘いのが好きなの!悪い?」

 

「いや?良いと思うよ。俺もお礼に練習しておくよ」

 

「本当?ありがとうね?あなた」

 

 

 

等とやり取りを行う。

午後からはショッピング。

 

「この服どう思う?」

無難な服を提督に見せてみる。

 

「…こっちのが似合いそうだな」

本当は買いたい服を持ってくる提督…。

ちゃんと見てくれてるんだ…。

 

 

 

「なら、そっちを買う!」

 

 

 

 

「この服…あなたに似合いそう…」

と、一生懸命選んでみた服を勧める。

 

「霞のオススメなら買う!」

私のおすすめなら…か…ふふ…嬉しいじゃない。

 

 

「あら!たぴおかとか言うものがあるわね!2人で分けましょう?」

 

 

「期間限定…お化け屋敷…?」

 

「霞ィ…行こうぜぇ……」ニタァ

 

「…べべ別に!怖い訳…無いわよ!!逝ってやるわよ」

 

 

 

 

 

「ばぁぁあー!」

と、お化けが出てくる。

「きゃぁぁぁぁあ!!!クズうううう!」

 

 

やべぇ…面白えw

…隠れてみるか…。

 

 

「あれ!?あなた!?提督!?どこ!?あの野郎…私を置いて…ちょっ!!きやぁぁぁぁあ!!出たぁぁあ!クズううう!!助けなさいよおおおおおお!!!」

 

霞の叫び声は止まなかった。

「いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁあ!ごめんなさいいいいい!!」

 

 

 

「…大したこと無かったわね!」

ガックガク脚を震わせながらドヤ顔で言う霞。

 

「てか!アンタ!ひどいじゃない!奥さんを放って隠れるとか!別に怖くなかったからいいんだけど!?別にいいんだけど!?」

 

 

「ごめんて」ブフゥ

思わず思い出し笑いをする。

 

「ちょっ!笑うなぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕焼けを見ながら2人で歩く。

 

霞に俺は1つの質問をぶつける。

「なあ霞?」

 

 

「なあに?あなた♡」

 

「無理して無いか?」

 

「…何が?」

 

「そのキャラ…大淀との一件以来だろ?」

 

霞は黙り込んでしまった。

不安だった。自分を押し殺してそのキャラを作っていたなら、いつか爆発してしまう。

霞が壊れてしまう。

 

だから…はっきりさせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛情の裏返し…と言えば聞こえはいいかな。

 

距離感が掴めない。

この人はどこまで無茶を聞いてくれるのか?

どこまで…どんな私までなら大切にしてくれるだろう?

 

期待をすればする程に…裏切られた時のダメージは大きい。

勝手に裏切られたと思う場合も同じ。

 

この提督はどこまで信用出来るのだろうか?

口では大切にする…と愛する…と、いくらでも言える。

 

なら…ここからはダメという境界線はどこからなのか?

 

 

罵倒してもヘラヘラとしてくれる。

ダメだぞ?と注意してくれる。

だから安心感を得られた。

 

いつしかそれが当たり前になった。

 

しかし、大淀に叱られた。

それ以来…素を出すようにしてみた。

そういう意味では、確かに大淀との一件は今の私に大きな影響を与えていた。

 

 

そして…今の私…コレが素なのだ。

 

「少し?口が悪くて…、甘えん坊で…、独占欲が強くて…、一途な…」

 

「あなたとバカを言ったり、手を繋いで歩いたり…一緒にご飯食べたり、甘ったるくイチャコラしたり…こうやって夕焼けを見ながら歩くのも好き」

 

 

「コレが素の私よ?」

 

「周りは甘ったるいと言うわね。引く艦娘も居たわ。でも…私がそうしたいから…そうしたの。あなたは…ううん、提督は…1日夫婦じゃなくても…受け止めてくれる?」

 

きっと私は震えてるだろう…泣きそうだろう。

 

 

 

提督は黙った。

 

 

 

 

 

…嫌だったのかな?

合わせてくれてたのかな……。

罵倒キャラの方が…いいの?

 

 

 

 

 

 

 

提督はポケットから小箱を取り出したー。

 

それは皆が夢見る、欲しがるもの。

生きる中で絶対に手に入るとは限らない物…。

 

それは…提督の無言のOKだった。

 

 

 

「ならよかった…霞。コレを受け取って欲しい」

 

 

「……ムードとか無いの?もっと……このクズぅ…」

 

「受け止めるってことよね?離さないでよ?絶対に」

 

「離さないさ…」

 

 

「つけてよ……」

左手の薬指にソレは通される。

 

あなたの真剣な眼差しが…なんとも嬉しい。

 

 

その証が私にコレは現実だよと教えてくれる。

 

たった数グラムだけど…左手が少し重くなった…幸せな重さ。

 

「それだけ?」

 

 

「え?!」

 

「女の子から言わせるの?」

 

「……いいんだな?」

 

「ええ!もちろん」

 

唇が重なり合ったー。

 

幸せ…本当に幸せ。

 

 

 

「恥ずかしいな…」

 

「慣れてるくせに!でも…幸せ!ありがとう。あなた?」

 

「帰りましょう?」

 

 

2人で歩く。足取りは重く無い。

不思議なものね。

帰りは寂しいはずなのに…逆にドキドキするから。

私は愛する人を見て笑顔を見せる。

 

「また行くわよ?」

 

「ああ!行こうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お化け屋敷の件は許してないからね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…って感じだったのよ!」

 

「霞ちゃん……」

「自慢じゃないですか!!ズルイ!ズルイ!」

 

「別にいいでしょ!夫婦なんだから!!」

 

「さー!今から2人きりのディナーよ!」

と、幸せそうに笑う霞。

 

うぎーーー! ずるいいいい!

うがーー!! 早く順番こーーい!!

 

駆逐艦の部屋近くはいつまでも騒がしかった。

 

 

 




投稿です!

今回もよろしくお願いします!

少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです!
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