提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「ご主人様?」
「んー?」
「そのニヤケ顔をやめませんか?」
「無理♪だって似合ってるもん!ウッヒョオオオ!」
「徹夜明けのテンションで…高いですね。顔面は蒼白ですけど…」
「3徹してるからね」
「そこまで楽しみだったのですか!?」
「当たり前だろ!メイドだぞ!?メイド!あの…あの大淀がメイドをするんだぞ!?寝るまま惜しんで見たいわ!!クッッソ真面目な権化と言っても過言ではない大淀が…メイドデビューだなんて…あぁ!俺はもう死んでもいい!」
「過大評価な気がしますが…」
「かつて…2人の艦娘がメイドにチャレンジした…」
「武蔵さんと電さんのことですか?」
「武蔵はツンデレメイド…ではなく、スパルタメイドだった…アレはガチンコで300の世界のスパルタだ…。毎朝布団から引き摺り出され…。朝食からプロテイン…飲み物もプロテイン…プロテイン、筋トレ、プロテイン、筋トレ、プロテイン、筋トレ…。あのベルファストですら…
「武蔵ぃぃ!何やってるんですかァァ!!!!」と叫び、全力ダッシュで来るくらいだぞ?」
「えぇ…」
「電は…「はわわ」のセリフから何人の艦娘を大破入渠に追い込んだことか…。ちなみに俺の密かな楽しみの雑誌の懸賞で当たったコップ3つと、ようやく完成させたジグゾーパズルがあるんだがな」
「部屋から消えてますね」
「あぁ…全滅だからな…」
「おいたわしや…ご主人様…」プフッ
「笑った?」
「まぁ…私としても…日々の業務に+α増えるくらいなので…。ま、まぁ…この姿をそこまで喜んでもらえるなら…嬉しい…で…す」
「デレがキタぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「やかましいです、ご主人様」
「ツンデレ!?」
「まあ、冗談は置いておいて…何かご要望等はありますか?j
「膝枕…」
「は?」
「眠いんだ…膝枕で寝させて…」
「……ひざ…まくら」
こうして私は提督に膝枕をしている。
「てーとくー!漫画の続き…貸し……て」
「シーーーッ ただ今ご主人様は寝ています」
「お…わかりました……。てか…大淀さん…お似合いです」
「好きで膝枕やってるわけではないです!この人がしてと言うから……!!」
「起きますよ?」
「む…むぅ…。まあ…似合ってると言ってもらえたのはありがとうございます」
「ちゃっかり頭撫で撫でしてますしね」
「〜〜〜ッ!////」
古鷹がいなくなった後…
提督の頭を撫でながら寝顔を見る。
実は今のこの状況、そこまで嫌いじゃない…いや、好きだ。
「平和そうに寝てますね…」
私がメイドをやると言った時から一眼見ようと寝ていない…。
バカですよ…。なのに嬉しい。
私の為に3日も寝る時間を割いてくれたと思うと…嬉しい。
「私だって…頭撫でられたり…もっとご主人様との時間が欲しいのですよ?」
「普段は…面と向かって言えませんが……お慕いしております……いえ、大好きです…」
そっと…起こさないように体をかがめて膝枕のまま軽く抱き着いてみる。そのまま…頬に…唇を…。
「私は…何をしているのでしょうか…」
「頬だけ?」
「!!!!!?!?!!」
起きてやがった!コイツッ起きてやがったッ!!!!!
あたふたとする私にご主人様は笑いかけます。
「少し休憩がてら一緒に横にならない?」
散々寝てたでしょうに…。
「し、仕事中ですから」
「なら…ご主人様からのお願い」
「む…ご主人様のお願いなら仕方ない…です」
失礼します、と横に入る。
「で?続きは?」
「…ご主人様…」
「面と向かって…聞きたい」
恥ずかしいですよ…。でも…今の私なら…。
「…好きです…」
と、口へ…唇を…。
「ありがとうな」
そして…提督はガサガサと何かを取り出して私の左手に………。
「大淀?ご主人様……って2人で寝てます…ね」
「おや?」
「……いいもの貰ってるじゃないですか…むぅ…羨ましい」
2人は手を繋いで寝ていた。
その左手にはキラリと光るモノがあった。
「大淀?コレ受け取ってくれる?」
「今言いますか?普通」
「大淀からの逆プロポーズに乗らせてもらう!」
「プ!プロポーズですか!?違いますよ!!」
「あら…違うのか…」
「あ!いや!違わないですけど……うーー。受け取ります!ご主人様からの贈り物…喜んで受け取ります」
「良かったですね大淀」
「仕事中にすみません…」
「でもどうでしたか?」
「……またやりたいです」
「はい。やりましょうね。…でも」
「でも?」
「あなたが寝てる間に仕事を肩代わりしたので…まだメイドの仕事が終わってませんので……ねぇ…」
ヤバい!そうだったぁぁ!!
「はいっ!今から!お手伝いします!!やります!」
メイドはーー大変だった。
「私も…左手に欲しいのに…ご主人様…」