提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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甘めのバカ話編


117話 その気持ちに偽りなく ①

「お願いします!」

 

麗は頭を下げている。

 

 

「あーー…つまり…あれね?」

 

「親に結婚を前提に付き合ってる人がいると言ってたら…連れてこいと言われたと」

 

「うん」

 

「それで俺に行って欲しいと」

 

「うん」

 

「展開的にベタ過ぎない?今時の漫画でも…ないだろ」

 

 

「だって仕方ないじゃん!本当の事なんだから…」

 

 

 

 

 

 

 

「ヘーイ!ラブコメにありがちな展開のにおいを嗅ぎつけてやって来ましたヨー」

 

「今時ですか?ネタに困ったのですか?」

 

 

「違うもん!本当なんだよお」

 

「なら、なんでダーリン何ですカー?」

 

「う…それは……好きな人ですし…?夫婦しましたし…?」

 

「あわよくばそのまま結婚はダメですよ?」

 

「うぐっ…わかってますよ」

 

「まあ…お付き合いしてるのも事実だし行くよ」

 

「「「え?」」」

 

「まぁ…結婚となると、重婚だけど……いや、別にお前達とのケッコンも仮のものだとは思ってない。…ただ、金剛達は挨拶する人が居ないだろ」

「所謂、事実婚なんだけどなあ……麗ちゃんは艦娘でない訳で…ご両親になんて言おうか…」

 

 

「まあ普通に考えたら…バレたら殴られるよネー」

 

「提督殴られるの?」

 

「覚悟はしといた方が…いいかなあ」

 

「そんなことあったら…地図から消しますわあ…」

 

「だめです!!それに!お付き合いしてまーすって言うだけの顔見せだから大丈夫なはずよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で…そんな訳で君の地元に来た訳で…」

 

来たのはかなり田舎の小さな家。

「帰ってくるのはかなり久しぶりなんだけどなあ」

 

「何だか…緊張するなあ…」

 

 

ピンポンと鳴らすと…お母さんらしき人が出迎えてくれる。

 

「まあ…麗…よく帰ったわね!お帰りなさい!」

 

「おお…その人が…救さんか」

奥から父も出てきたらしい。

てか名前知ってる時点でご指名確定じゃん!

 

 

 

 

 

「はじめまして…私、麗さんとお付き合いさせて頂いています、神崎 救と申します。こちら…つまらないものですが…」

 

「畏まらないで下さい!さあ、どうぞどうぞ!」

 

 

「お父さんたらね!頑固親父で行くんだ!とか張り切ってたけど…救さんを見た途端に素に戻っちゃって あははは」

 

「お、おい!言うなよ」

 

 

「軍人さん同士かー…しかも大将さんなんだって?」

 

「そうよ!お母さん」

 

 

「職場での麗の様子は?」

 

「戦績も、日頃の執務に関しても優れていますよ」

 

 

 

「何か…マッチョを引き連れて歩いていたと聞いたことがあったのですが…」

 

「見間違いじゃないでしょうか?」

 

「いや…この写真が…」

昔の武蔵や電達だ…相変わらずこの見た目は…。

 

 

「よくできていますね!合成でしょう!!

 

「え…でも」

 

「合成でしょう!!」

 

 

 

 

 

 

他愛もない話を続ける。

 

年端も行かない頃から軍で訓練漬けだったんだ…。

久方ぶりの帰省は嬉しいだろう。

 

明日の命ともわからない…。

普通ならあり得る恋愛話や…学校の話とも縁遠かっただろう。

 

ましてや…恋人を連れて来る…か。

 

ご両親の喜びも…ひとしおだろうな。

 

 

 

 

 

「お腹すいてるでしょう?お昼にしましょう!」

 

「え?!あ、はい!頂きます」

 

 

 

 

お昼までご馳走になって…。

 

味付けは…麗ちゃんのに似ている…。

 

 

こちらを見てニコッとする麗。

笑顔で俺も返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばい…完全に俺の状況を説明できない。

 

 

ん?普通に考えたら…許さんだろうな…。

俺が親でも許さんわ…。

 

でも艦娘の事を黙って、騙す形になったら…それはそれで不誠実だ。

ご両親を傷つけてしまう…。

 

艦娘、人間という括りなら

世間的には本命が麗で、作戦上艦娘とケッコンしたと言うだろう。

 

艦娘が退役して人として暮らしたら…うーん…、この場合は…麗と結婚しているから、重ねては結婚できない。

 

 

…でも、麗ちゃんが俺にとって大切な人には変わりない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「救さん?男同士で散歩でもどうですか?」

 

 

「え?!あぁ!はい!!」

 

 

 

さて…どうする…どうする。

 

 

 

 

 

 

お父さんが口を開いた。

 

「救さんは…麗のどこが好きになられたのですか?」

 

 

…まあ当然の質もだな。

 

「まっすぐなところですね…。耐えて耐えて我慢の連続だったと思います。挫けそうになったり、違えた所もあったと思います。」

「それでも今は前を向いて真っ直ぐに進んでいる所です。彼女の明るさやひたむきさに私は何度も元気をもらいました」

 

 

 

これは本音だ。

いつの間にか隣に来て、同僚、部下として、個人として支えてくれる。

時々ダークな面もあるけど…。

心から信頼している人物だ。

 

 

「麗はですね…あなたが眩しいそうです」

 

「眩しい?」

 

「どんな暗闇の中でも…あなたの輝きが私を照らしてくれる。だから私も迷わずに真っ直ぐ歩める…と」

 

「私も…あの人の支えになりたい…と、彼が私を守ってくれるように、私も大好きな彼を守り切りたい…と」

 

 

 

そしてお父さんは…言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「救さん…あなたは…艦娘とも結婚なさってるんでしょう?」

 

 

 




続きます!

少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです(๑╹ω╹๑ )
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