提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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120話 指揮官と重桜の赤城

迅鯨が建造される少し前の話

 

 

 

今日は完全なオフの日…。

1人でたまには出掛けるかな…。

 

やって来たのは全国展開中の

 

"ムーンバックス"

 

どこかで聞いたような名前だけど…

女神のマークで無くて屈強なヘラクレス的な人のマーク。

 

 

大人の事情デス!

 

え?もう少しヒネることは出来なかったのか?って?

無茶を言っちゃあダメだよ。

 

優雅にモーニングコーヒー…キャラメルマキアートを飲んで一息。

あぁ…いいなコレ……と外を見ると…

 

 

 

ニコリと微笑みながらガラス越しにこちらを見る女性が1人。

 

街中の誰もが振り返る美人だ。

 

 

 

 

 

 

長身にさらさらストレートのロングヘア。

整った着物に日焼けの和傘…。

 

 

 

 

 

 

フサフサの尻尾に狐耳

 

 

 

 

多分…何かしらの不思議な力がアレして、ご都合主義的に尻尾とか耳は周りには見えない的な感じだろ?多分。

考えるのは…やめておこう。

 

 

 

そのまま店に入り、スマートに注文を済ませてこちらへ来た。

 

 

 

「…あら?指揮官様はお一人ですか?」

 

「ん?桜赤城か…1人だよ」

 

「まぁ!コレは運命かも知れませんね」

 

「お前さんもオフの日か?」

 

「ええ、ウチの大鳳が替わって欲しいと言って来まして…予定もなかったのでフラついていましたら…フフ、大鳳…コレを知ったら泣くでしょうね」

 

「あー…想像つくなあ…」

きっと血の涙を流して引きこもるだろうなあ…。

 

 

「……」

桜赤城はモジモジとしている。

トイレか?我慢しなくても…

 

なんて

 

そんな訳ないのは知っている。

彼女は待っているのだ。隣に座るか?どこか出掛けるか?と言われるのを。

彼女は無理矢理を好まない。自ら言えば俺が断らないのを知っているから。

そこは桜大鳳も同じではあるが…。

 

 

「隣…空いてるからおいでよ」

 

「…はい!」

 

パァッと表情が明るくなり、隣に座る桜赤城。

 

 

「……一緒に出掛けるか?」

 

その一言に待ってました!と言わんばかりに更に表情が明るくなる。

 

「折角のお誘い、本当に嬉しいのですが…折角のお一人のオフでしょう?」

 

そう、ここで一旦引くのが桜赤城である。

まぁ…声掛けた時点で、こう返って来ても俺の次の言葉は決まっている。

 

「何かの縁だよ。いいじゃないか」

 

「でしたら喜んでお供させていただきます」

 

 

 

 

 

 

 

今日街にいるのには理由がある!

スイーツ…だッ!

移動販売のクレープ屋さん。

1日に限定10個の特製クレープ…!!むしろそれしかメニューがないのだが…。

 

 

 

それをゲットする為にいる訳で…。

 

と言うわけで店前に並ぶ…が…マズイ。

俺でギリギリ10人目な訳で。

 

「私の事は気になさらずに…。指揮官様の一緒にいられるだけで幸せですわ」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特製クレープは買えた……ひとつだけ。

 

 

 

ベンチでそれを眺める。

 

「どうしたのですか?お召し上がらないのですか?出来立てが1番美味しいのでは?」

 

 

「一緒に食べよう」

 

「なりません!指揮官様の楽しみでしたのでしょう?私は指揮官様の幸せそうな顔でお腹いっぱいでございますから」

 

 

 

「ならその幸せをお裾分けさせてくれ」

 

 

 

 

「…よろしいのですか?」

 

「ああ」

 

 

 

 

「…私…普段は和菓子しか食べませんが…コレは…美味しいですね。特にあなたと食べるなら尚更です…幸せ…しかも間接キス……うふふ」

 

「だろ?食べてよかったろ?あぁーー美味い!」

 

「フフ…間宮に怒られますわね?」

 

「だから…2人の秘密な?」

 

「…はい。2人だけの秘密…ですね♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の予定は特にない訳で…

 

ショッピングにしても場所によったら桜赤城が入れない…。

尻尾で商品を薙ぎ倒してしまうからな…。

 

 

しかし、尻尾…尻尾。

 

 

 

 

モフりたい…!

このふわっふわの尻尾をモフりたい。

しかし…私は指揮官という立場……くっ…。

 

あぁ!でも触り心地は最高だろうな…。

アレにくるまれて眠りたい…。

 

 

俺の中の悪魔が囁く…。

「欲望のままにレッツトライ!最悪躓いたと言えばいいさ」

 

はっ!!悪魔が俺を唆す…!!

 

 

 

天使が囁いてくれる。

「堕天してでも触りたい」

 

ぬううん!!悪魔しかいねえ!!

 

「し、指揮官様?さっきから表情が凄いことに…」

 

「いやな…まあ…隠してもアレだし言うけど…」

 

「はい」

 

「その桜赤城の尻尾…昔からずっと触りたかったんだ…モフらせて欲しい」

 

「…モフらせて…ですか?…」

 

私は驚いていた。

指揮官様がそんな事を言うとは考えてなかったのだ。

前が見えにくいとか…邪魔じゃないかな?とすら思っていた…。

 

しかし、思えばこの世界では私くらいなのだ。

ここには、加賀も天城姉様も居ない。

 

そう、尻尾があるのは私だけ…。

 

つまり…この私だけが…この尻尾で指揮官様を独占できるッ!

 

「……どうぞ」

 

「では…同意の上という事で…」

 

モフリ…

 

何だッ!?この多幸感ッ…。

 

圧倒的ッ…モフモフ…!いや!フワフワなのだ!

 

あー…めっちゃいい匂いするぅ…。

寝れそう…。

 

 

もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ

 

 

「指揮官様?くすぐったいですわ?」

 

「たまんねぇぜええええ!!!」

 

「あの?」

 

 

「耳も気になっていた…」

 

「え!?そこは!…ひゃぁうううい」

 

「し、しし指揮官様ぁ…ひゃうう」

 

 

 

そこからひたすらモフりまくった。

 

 

「ゼェ…ゼェ…ご、ご満足…頂けたようで」

 

 

「ありがとう…桜赤城…」

 

 

「そんな笑顔の指揮官様は久しぶりに見ましたわ?」

「いつでも…どうぞ?」

 

「え?いいの?」

目を輝かせて言う指揮官様。

 

「はい、この身は指揮官様の為にございますので」

 

「………今日は冷えるよな?」

 

「はい」

 

「寒いのは苦手だよな?」

 

「ええ、まぁ」

まさか…このまま尻尾の中で移動したいというのかしら?

 

 

「……尻尾に包まれて…今日は寝たいなぁ」

 

「何時にお伺いすればよろしいでしょうか!?」

まさかの…一緒に寝られるという事?!

そうよね!?そうよね!?!?

尻尾に包まるという事は…私に抱きついて寝るのと同意義な訳で…つまりは…一緒のベッドで寝るという事…。

であるならは…この夜はどんな害虫も寄せ付けない口実と…私が指揮官様を独占できると言うこと…!!!今日だけとは言わず毎日でも構いませんわ?……でも、夏場は…暑苦しいと嫌がられるのでしょうか?うう…それはそれで寂しいですが…いえ!指揮官様はそんなこと言うはずありません!それに!エアコンで冷えすぎたら体に悪いですから…薄い毛布の代わりです…♪でどうでしょうか!?

もうこれは実質…夫婦ではないでしょうか!?

 

 

「あーダメだな…今日の夜から桜赤城は夜警だもんな…」

 

「のおおおおおおおおおおおおおう!!!」

「嫌だ!嫌ですッ!!」

 

「いやぁぁぁあ!!!!!!」

桜赤城の叫びが響いた。

 

 

残念だが…仕方ない…。

続きは…夫婦の時にな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夜は冷えますわね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………指揮官様?」

 

「もう少しだけ…」

もふもふ…寒いから離れられないや…。

 

 

そこには尻尾に包まれる救の姿があった。

 

「ずっとそうして居てもいいのですよ?」

 

 

やけに嬉しそうな桜赤城であった。

 

 




尻尾いいなあ…




少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです(๑╹ω╹๑ )
コメントや、メッセージや評価ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
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