提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
迅鯨が建造される少し前の話
今日は完全なオフの日…。
1人でたまには出掛けるかな…。
やって来たのは全国展開中の
"ムーンバックス"
どこかで聞いたような名前だけど…
女神のマークで無くて屈強なヘラクレス的な人のマーク。
大人の事情デス!
え?もう少しヒネることは出来なかったのか?って?
無茶を言っちゃあダメだよ。
優雅にモーニングコーヒー…キャラメルマキアートを飲んで一息。
あぁ…いいなコレ……と外を見ると…
ニコリと微笑みながらガラス越しにこちらを見る女性が1人。
街中の誰もが振り返る美人だ。
長身にさらさらストレートのロングヘア。
整った着物に日焼けの和傘…。
フサフサの尻尾に狐耳
多分…何かしらの不思議な力がアレして、ご都合主義的に尻尾とか耳は周りには見えない的な感じだろ?多分。
考えるのは…やめておこう。
そのまま店に入り、スマートに注文を済ませてこちらへ来た。
「…あら?指揮官様はお一人ですか?」
「ん?桜赤城か…1人だよ」
「まぁ!コレは運命かも知れませんね」
「お前さんもオフの日か?」
「ええ、ウチの大鳳が替わって欲しいと言って来まして…予定もなかったのでフラついていましたら…フフ、大鳳…コレを知ったら泣くでしょうね」
「あー…想像つくなあ…」
きっと血の涙を流して引きこもるだろうなあ…。
「……」
桜赤城はモジモジとしている。
トイレか?我慢しなくても…
なんて
そんな訳ないのは知っている。
彼女は待っているのだ。隣に座るか?どこか出掛けるか?と言われるのを。
彼女は無理矢理を好まない。自ら言えば俺が断らないのを知っているから。
そこは桜大鳳も同じではあるが…。
「隣…空いてるからおいでよ」
「…はい!」
パァッと表情が明るくなり、隣に座る桜赤城。
「……一緒に出掛けるか?」
その一言に待ってました!と言わんばかりに更に表情が明るくなる。
「折角のお誘い、本当に嬉しいのですが…折角のお一人のオフでしょう?」
そう、ここで一旦引くのが桜赤城である。
まぁ…声掛けた時点で、こう返って来ても俺の次の言葉は決まっている。
「何かの縁だよ。いいじゃないか」
「でしたら喜んでお供させていただきます」
今日街にいるのには理由がある!
スイーツ…だッ!
移動販売のクレープ屋さん。
1日に限定10個の特製クレープ…!!むしろそれしかメニューがないのだが…。
それをゲットする為にいる訳で…。
と言うわけで店前に並ぶ…が…マズイ。
俺でギリギリ10人目な訳で。
「私の事は気になさらずに…。指揮官様の一緒にいられるだけで幸せですわ」
「……」
特製クレープは買えた……ひとつだけ。
ベンチでそれを眺める。
「どうしたのですか?お召し上がらないのですか?出来立てが1番美味しいのでは?」
「一緒に食べよう」
「なりません!指揮官様の楽しみでしたのでしょう?私は指揮官様の幸せそうな顔でお腹いっぱいでございますから」
「ならその幸せをお裾分けさせてくれ」
「…よろしいのですか?」
「ああ」
「…私…普段は和菓子しか食べませんが…コレは…美味しいですね。特にあなたと食べるなら尚更です…幸せ…しかも間接キス……うふふ」
「だろ?食べてよかったろ?あぁーー美味い!」
「フフ…間宮に怒られますわね?」
「だから…2人の秘密な?」
「…はい。2人だけの秘密…ですね♡」
その後の予定は特にない訳で…
ショッピングにしても場所によったら桜赤城が入れない…。
尻尾で商品を薙ぎ倒してしまうからな…。
しかし、尻尾…尻尾。
モフりたい…!
このふわっふわの尻尾をモフりたい。
しかし…私は指揮官という立場……くっ…。
あぁ!でも触り心地は最高だろうな…。
アレにくるまれて眠りたい…。
俺の中の悪魔が囁く…。
「欲望のままにレッツトライ!最悪躓いたと言えばいいさ」
はっ!!悪魔が俺を唆す…!!
天使が囁いてくれる。
「堕天してでも触りたい」
ぬううん!!悪魔しかいねえ!!
「し、指揮官様?さっきから表情が凄いことに…」
「いやな…まあ…隠してもアレだし言うけど…」
「はい」
「その桜赤城の尻尾…昔からずっと触りたかったんだ…モフらせて欲しい」
「…モフらせて…ですか?…」
私は驚いていた。
指揮官様がそんな事を言うとは考えてなかったのだ。
前が見えにくいとか…邪魔じゃないかな?とすら思っていた…。
しかし、思えばこの世界では私くらいなのだ。
ここには、加賀も天城姉様も居ない。
そう、尻尾があるのは私だけ…。
つまり…この私だけが…この尻尾で指揮官様を独占できるッ!
「……どうぞ」
「では…同意の上という事で…」
モフリ…
何だッ!?この多幸感ッ…。
圧倒的ッ…モフモフ…!いや!フワフワなのだ!
あー…めっちゃいい匂いするぅ…。
寝れそう…。
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ
「指揮官様?くすぐったいですわ?」
「たまんねぇぜええええ!!!」
「あの?」
「耳も気になっていた…」
「え!?そこは!…ひゃぁうううい」
「し、しし指揮官様ぁ…ひゃうう」
そこからひたすらモフりまくった。
「ゼェ…ゼェ…ご、ご満足…頂けたようで」
「ありがとう…桜赤城…」
「そんな笑顔の指揮官様は久しぶりに見ましたわ?」
「いつでも…どうぞ?」
「え?いいの?」
目を輝かせて言う指揮官様。
「はい、この身は指揮官様の為にございますので」
「………今日は冷えるよな?」
「はい」
「寒いのは苦手だよな?」
「ええ、まぁ」
まさか…このまま尻尾の中で移動したいというのかしら?
「……尻尾に包まれて…今日は寝たいなぁ」
「何時にお伺いすればよろしいでしょうか!?」
まさかの…一緒に寝られるという事?!
そうよね!?そうよね!?!?
尻尾に包まるという事は…私に抱きついて寝るのと同意義な訳で…つまりは…一緒のベッドで寝るという事…。
であるならは…この夜はどんな害虫も寄せ付けない口実と…私が指揮官様を独占できると言うこと…!!!今日だけとは言わず毎日でも構いませんわ?……でも、夏場は…暑苦しいと嫌がられるのでしょうか?うう…それはそれで寂しいですが…いえ!指揮官様はそんなこと言うはずありません!それに!エアコンで冷えすぎたら体に悪いですから…薄い毛布の代わりです…♪でどうでしょうか!?
もうこれは実質…夫婦ではないでしょうか!?
「あーダメだな…今日の夜から桜赤城は夜警だもんな…」
「のおおおおおおおおおおおおおう!!!」
「嫌だ!嫌ですッ!!」
「いやぁぁぁあ!!!!!!」
桜赤城の叫びが響いた。
残念だが…仕方ない…。
続きは…夫婦の時にな。
「夜は冷えますわね……」
「………指揮官様?」
「もう少しだけ…」
もふもふ…寒いから離れられないや…。
そこには尻尾に包まれる救の姿があった。
「ずっとそうして居てもいいのですよ?」
やけに嬉しそうな桜赤城であった。
尻尾いいなあ…
少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです(๑╹ω╹๑ )
コメントや、メッセージや評価ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
がんばります!
よろしくお願いします(๑╹ω╹๑ )