提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
ムーンバックス…
最近御用達のカフェ
キャラメルラッテが美味しい…。
ふむ、視線を感じるな……。
その視線の主を見てみると…
「ひききゃんひゃま…」
ガラスに張り付く桜大鳳が居た…。
「ブフーーーーッ!! ゲホッゲホッ!!」
コーヒー吹き出した。
慌てた桜大鳳が店に入ってくる。
「いらっしゃいませ!ご注文は?」
「え?!注文!?そんな場合ではありません!………指揮官様!?大丈夫ですか!?」
涙目で寄ってくる彼女に大丈夫だと告げる。
あうあうと慌てる彼女の頭を撫でて落ち着かせる。
立場逆じゃね?
「指揮官様…お優しいのですね。私の変な登場のせいなのに…私の気遣いまで…」
あぁ…変な自覚はあったのね?
「ところで指揮官様はここで何を?」
コーヒーの注文を終えて隣へやってくる桜大鳳。
「オフだからね。優雅にコーヒータイムだよ」
「鎮守府ではお茶か紅茶がメインですからね」
フフフと笑う彼女。
「桜大鳳は?」
「私もオフなんですよ!まさか指揮官様にお会いできるなんて…」
「前の時は、赤…」
しまった…
「…知ってますよ?赤城先輩とデートしたんですよね?」
「少し悔しいですが、仕方ありませんわ。運とはそう言うものです…ですが私は今日お会いできて嬉しかったです。このコーヒーを飲み終わったら失礼しますね」
ありゃ?
てっきり…『ずるいです!私も…デートしたいです』なんて言うものと思っていた。
「用事でもあるのか?」
「いえ、ありませんわ?でも、自分の欲に駆られてせっかくのお一人の時間を邪魔する程幼稚ではありませんのよ?」
あら?少し意外…本当に意外。
なら…まあて大鳳にも…聞いてみるか。
「一緒に来「もちろん!喜んで!」
クッソ喰い気味に答えるやん…自分…。
にしても周囲の目を引く事引く事。
まぁ…そりゃそーか…和服のこんな美人が歩いてたらそーなるわな。
俺だって見てしまうだろうさ。
『おっ?!お姉さん!俺らとお茶しない?』
「結構です。私にはこの人が居ますので…」
『何?彼氏?こんな芋より俺らの方……がっ』
芋……ねえ… あっ…!
遅かった…。
「この口ですか…?指揮官様を"芋“と言うのは…」
桜大鳳がチャラ男の口元を掴んだ。
桜大鳳は基本的には大人しい。
黙々と正確に何かをこなすタイプである。
…まあ……合鍵作ったりとか…犯罪感も否めないけど。
例え馬鹿にされようと「何か?」と流すタイプであるーーそれは自分のことに限りであり、指揮官の事になると180度変わる。振り切って540度くらい変わる。
今がまさにその時であり、チャラ男は最早、余命宣告されたのと同じな訳で…。
「お、おい!桜大鳳!ダメだ!」
「誰が芋だッ!!」
許さない…許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないッ!私の大切な方を侮辱したッ!殺す!殺してやるッ!
ダメだな…声が届いてない…。
「ひ…ッぐ……うう」
このままだと…コイツは死ぬな…。
「桜大鳳ッ!!」
声を張り上げる。
ハッとしたように桜大鳳はチャラ男を落としてこちらを向く。
「す、すみません…つい…カッとなって…」
「すみませんでした!すみませんでしたぁあ!!」
チャラ男は泣きながら謝り逃げて行った。
「あそこまでする必要はないだろう?」
「…嫌ですもの。私の愛する人を侮辱されるのは……耐えられません」
「それでもだ。怪我させたら大変なんだぞ?…ーーーーー…まぁ、ありがとうな、俺の為に怒ってくれて…」
「はい…♡」
腕を組んで身を寄せてくる。
やわらけえよお…良い匂いだし…。
「当ててます!」
「…だろうな!」
「お腹空きませんか?」
「ん…そうだな…何か食べるか」
「…………」
「桜大鳳…」
「はい?」
「店員さんを睨むのはやめなさい」
「あの小娘…指揮官様に色目を使いましたわ!」
「ねえから!!やめろっ!気まずくて何軒店変えたと思ってるんだ…」
「5軒ですわ!でも…指揮官様に色目を使う方が…」
「大丈夫だって…」
6軒目を探して移動中…。
「…ここも不安ですわ…」
「大丈夫だって…お前しか見てないから…俺は」
「…!?!?はぁう…」バタリ…
「!?お!?桜大鳳!?おい!おい!?」
嬉しさのあまり気絶したと言うのか…。
…
…飯は食えなかった…。
「…ん…あれ?私は…」
「起きた?大丈夫?」
「…指揮官様…?私は…」
と、ここで私は気絶した事を思い出した。
「い、今何時ですか!?」
「夕方の17時だな」
私は飛び起きて謝った。
膝枕をされていたことすら頭にない。
「も、申し訳ありません!指揮官様…せっかくのお休みを…私…私なぞ放っておいても構いませんのに…」
ぽろぽろと涙をこぼす桜大鳳。
本当に…俺の事に関してはそんな感じだからなあ…桜大鳳は。
「気にしてないよ。俺もうたた寝してたし…可愛い寝顔見れたしな」
「…指揮官様……」
「今からさ…夕飯一緒に行くか?」
「でも…私…またヤキモチ妬きますよ?」
「お前だけを見てるようにするから」
…涙が……止まらない。
何と優しいことか…。
「…はい。大鳳は幸せ者です」
「このパスタなるものは慣れませんねえ」
「でも…指揮官様と2人で食べられるなら…何でも美味しいですわ」
めっちゃ可愛いんだよなあ…。
ウチの中でも随一のヤキモチ妬きだけど…。
でも…たまには悪くない。
俺の為に怒ってくれたり……色々気を回してくれたり。
「ありがとうな、桜大鳳」
「??」
「また来ような」
「…!! はい!是非」
頬が緩んでしまう。
慣れないパスタが少し甘く感じた。
実在の建物とは何の関係も……
甘いのはお好きですか?
私は大好きです。
塩分??
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